昇格PO最後の切符を掴んだのは山形!8位から逆転で滑り込み【明治安田J2最終節】

23日、明治安田生命J2リーグ最終節の11試合が各地で行われた。42試合という長いシーズンも、残すところ1試合。優勝チームや自動昇格チームがすでに決まっている中、最終節の大きな見どころとなったのは、6位徳島ヴォルティスと、7位ベガルタ仙台、8位モンテディオ山形によるJ1参入プレーオフの最後の1枠を懸けた三つ巴の争いだ。

6位の徳島と勝ち点で並び、プレーオフ圏内に滑り込むためには勝利が絶対条件となる7位仙台は、12位ブラウブリッツ秋田とのアウェイ戦に臨んだ。
序盤は両チームが互いの出方を窺い、決定的な場面がなかった中で、44分にアウェイの仙台がチャンスを作る。右CKの場面で中島の柔らかいボールにファーサイドの佐藤が頭で合わせたが、枠の右に逸れた。試合を折り返して60分には中山のパスをボックス手前中央で受けた中島が力強いドリブルで相手のマークを振り切って、右足のシュート。しかし、これは相手GKに弾かれる。

アウェイチームは74分にも決定機。右サイドを突破した遠藤のグラウンダーのクロスにゴール前の中山が右足で合わせるも、相手GKがこれを弾く。さらに、こぼれ球を富樫が詰めたが、ここでも再び相手GKがスーパーセーブを見せ、試合を動かすことはできない。終盤にかけてもさらに勢いを強める仙台は、相手をゴール前にはりつけ何本ものシュートを放ったが、秋田のGK田中がこれらを悉くセーブ。結局、ゴールレスのまま試合終了を迎え、プレーオフ進出を逃すこととなった。

一方、NDソフトスタジアム山形で行われたのは8位山形vs6位徳島の直接対決。勝利が絶対条件の山形に対し、徳島は引き分け以上でプレーオフ進出が決まる。

立ち上がりから両チームがアグレッシブに攻め合う展開の中、先手を取ったのは山形だった。15分、山形が敵陣でプレスを仕掛け、藤田が相手のパスをカット。ボールがディサロへと渡ると、ボックス手前中央から強烈な左足のシュートをゴール右に突き刺し、先制に成功する。

追う展開となった徳島だが、20分に追い討ちを受けることになる。前線に抜け出した相手選手をDFエウシーニョが押し倒す形となってしまい、これが警告の対象に。エウシーニョはすでに1枚イエローカードを貰っていたため、これで退場。アウェイチームは1点ビハインドの上、早くも10人で戦うことになってしまった。

これで大きく有利となった山形。このファウルで獲得したボックス手前左からのFKでも国分のシュートがポスト右を弾くなど、優勢を強める。すると、後半立ち上がりの58分に追加点を奪取。半田とのコンビネーションでボックス右に抜け出した藤田がゴール前に素早く折り返すと、飛び込んできたのはディサロ。左足で合わせてリードを広げた。

その後も10人のアウェイチームを相手に優勢のまま試合を進め、後半アディショナルタイムにはチアゴ・アウベスのPKでのゴールも生まれた山形。これで徳島だけでなく、ドローに終わった仙台も一気に追い抜き、逆転で6位に滑り込み、プレーオフ進出を決めた。

そのほか、えがお健康スタジアムでは日本サッカー界に大きな貢献を果たした中村俊輔の現役ラストマッチが行われた。その中村が先発した横浜FCは、1-1で迎えた後半立ち上がりに2失点する苦しい展開に。60分に中村がベンチへ下がった後、レジェンドに白星を贈るべく、チームメイトたちが奮闘する。

まずは1点ビハインドの82分にFKの場面でガブリエウがボックス左からシュートを突き刺し同点に。さらに88分にはカウンターからマルセロ・ヒアンがゴールを決めて逆転。劇的な試合内容で、日本の至宝の現役最後の一戦を白星で飾った。

◆第42節
▽10/23
ブラウブリッツ秋田 0-0 ベガルタ仙台
モンテディオ山形 3-0 徳島ヴォルティス
水戸ホーリーホック 2-1 ザスパクサツ群馬
大宮アルディージャ 3-3 V・ファーレン長崎
東京ヴェルディ 2-0 ファジアーノ岡山
ヴァンフォーレ甲府 2-0 いわてグルージャ盛岡
アルビレックス新潟 2-1 FC町田ゼルビア
ツエーゲン金沢 0-0 栃木SC
レノファ山口FC 1-3 ジェフユナイテッド千葉
ロアッソ熊本 3-4 横浜FC
FC琉球 1-0 大分トリニータ