マドリーが逆転で開幕5連勝! バルベルデのスーペルゴラッソに若きセレソンコンビが2戦連続の躍動《ラ・リーガ》

2022.09.11 23:04 Sun
Getty Images
ラ・リーガ第5節、レアル・マドリーvsマジョルカが11日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのマドリーが4-1で逆転勝利した。

開幕5連勝を目指す首位のマドリーは、日曜ランチタイムキックオフのホームゲームでマジョルカと対戦した。
前節、ホーム開幕戦となったベティスとの首位攻防戦をヴィニシウス、ロドリゴの若きセレソンコンビのゴールで2-1と競り勝ったエル・ブランコ。ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグ(CL)でも敵地でセルティックを相手にアザールのゴールなどで3-0の勝利を飾った。

週明けにCLのRBライプツィヒ戦、来週末にアトレティコ・マドリーとのダービーを控える中、マジョルカ戦では先発5人を変更。セルティック戦で負傷したベンゼマの代役にアザールを据えたほか、軽傷を抱えてベンチ外のミリトンに代えてリュディガー、中盤はクロースの相棒にバルベルデ、セバージョスを起用した。

開始直後に裏へ抜け出したムリキにいきなり枠内シュートを打たれる入りとなった以降は、ボールを握って相手を押し込んでいくマドリー。
[5-4-1]の守備ブロックを敷くマジョルカに対して、ボランチ脇のスペースを使いながらコンビネーションやヴィニシウスらの個人技で局面の打開を図る。14分にはクロースのミドルシュート、以降は押し込んでの波状攻撃でゴールをこじ開けにかかる。だが、前半半ば過ぎにバルベルデとの連携でボックス内に侵入したロドリゴのシュートはGK正面を突きゴールとはならず。

すると、序盤以降はほぼ決定機を作らせなかったアウェイチームに狙っていた攻撃からゴールを奪われる。35分、バルベルデのファウルで与えた自陣左サイドでのFKの場面でキッカーのイ・ガンインに正確なボールをファーへ送り込まれると、ムリキに打点の高いヘディングで合わせられた。

0-0でも不満が残る状況の中で先手を奪われたマドリーはすぐさま反撃を開始。だが、スペースを消す相手に対して急造トリデンテがなかなか効果的な崩しを見せられず、ブロックの手前でボールを動かすにとどまる。

だが、0-1でのハーフタイム突入が濃厚と思われた前半アディショナルタイム3分にバルベルデが圧巻の個人技で同点ゴールをもたらした。GKクルトワからスローを受けたセバージョスから自陣中央右辺りでボールを受けたバルベルデがハーフウェイライン手前からドリブルを開始。相手守備陣の緩さはあったものの、緩急と巧みなコース取りでぐんぐんと相手陣内でボールを運んでいく。そして、ボックス手前右からカットインを仕掛けると、利き足とは逆の左足で見事なミドルシュートをゴール左上隅に突き刺し、4人抜きの独走弾を完結させた。

バルベルデのスーペルゴラッソでスコアをイーブンに戻して後半に臨んだマドリーは、後半も押し込む戦い方を継続。だが、状況に応じて6バック化するマジョルカの守備に苦戦を強いられる。

これを受け、アンチェロッティ監督は59分、アザールとメンディを下げてモドリッチとナチョを同時投入。この交代でロドリゴをセンターフォワード、バルベルデを右ウイング、アラバをセンターバックから左サイドバックに配置転換。異なるアプローチでゴールを目指す。

マジョルカも同じタイミングで交代カードを切ったことで、試合に動きが生まれると、64分にはマドリーにピンチ。マジョルカの途中出場コンビに左サイドを崩されてグルニエからのマイナスの折り返しをアントニオ・サンチェスにフリーでシュートされるが、これは枠の左に外れて事なきを得た。

その後、マドリーはセバージョスに代えてカマヴィンガ、直後の71分には負傷したルーカス・バスケスを下げてカルバハルの投入を余儀なくされ、20分以上を残して交代機会をすべて使い切ることになった。

このアクシデントで少し嫌な空気が漂うが、絶好調の若きエースがまたしても決定的な仕事を果たした。72分、相手陣内中央でドリブル突破を仕掛けたロドリゴからボックス手前でボールを引き取ったヴィニシウスは絶妙なファーストタッチでDFを外してボックス左に持ち込むと、GKのポジションを冷静に見極めて左足のシュートを流し込んだ。

ヴィニシウスの公式戦5試合連続ゴールで逆転に成功したエル・ブランコは、ここからゲームコントロールを意識した戦い方にシフト。ボールを動かしながら、前がかりな相手に対して前線のスピードを生かしたカウンターで追加点を目指す。

すると、試合終盤の89分には相手陣内右サイドで鮮やかなドリブル突破を仕掛けたロドリゴがボックス付近でDF2枚をかわして右足のシュートを流し込み、リーグ戦2試合連続ゴールを記録。さらに、試合終了間際の93分には同胞MFクロースの正確なFKのアシストからリュディガーが見事なボレーシュートで移籍後初ゴールを記録。試合終盤に見せた畳みかける攻めで一気に突き放した。

そして、前半こそベンゼマ不在による攻撃の停滞を感じさせたマドリーだったが、バルベルデのスーペルゴラッソに、若きセレソンコンビの2試合連続の躍動によって終わってみれば、4-1の快勝。開幕5連勝で次節マドリード・ダービーに大きな弾みを付けた。

関連ニュース

「アトレティコでタイトルを獲得し引退する」古巣レアル相手にヘッド2発のモラタ、自身の成長を感じる「より精神的に準備できてきた」

アトレティコ・マドリーのスペイン代表FWアルバロ・モラタが、古巣相手の勝利を振り返った。スペイン『アス』が通じた。 24日、ラ・リーガ第6節でアトレティコはホームにレアル・マドリーを迎えた“マドリード・ダービー”を行った。 試合は4分、ボックス左からサムエウ・リーノがクロス。これをボックス中央でモラタがヘッドで合わせてアトレティコが先制する。 その後、アントワーヌ・グリーズマンのゴールで追加点を奪うも、トニ・クロースのゴールで2-1に。1点リードで迎えた後半早々にもモラタはネットを揺らす。 さらに46分にはボックス左からサウール・ニゲスのクロスをモラタがヘッド。古巣相手に2点目を決めて、勝利を導いた。 モラタは試合後にインタビューに応じ、古巣相手のゴールについてコメント。相手は関係ないとしながらも、良い結果だったとした。 「ゴールが誰に対してのものなのかは気にしていない。特に、マドリーとの試合であれば、それは僕たちにとって非常に重要だ」 「バレンシア戦のように、時には上手くいかない日があっても、全てを任せて上手く仕事をした時に感じるビタミンと士気が注入できた。僕たちは今、とてもポジティブだ」 また、自身の変化や成長も感じているというモラタ。充実している中で、引退の時期が近づいているのが残念だとした。 「時間が経って僕が成長したことが1つあるとすれば、より精神的に準備できていたということだ。精神的に成熟した時、引退しなければならない時期が近づいていることが残念だ」 「僕のキャリアの中で、自分の仕事が評価されていると感じることもあれば、評価されなかったと感じることもある。僕が望んでいるのは、アトレティコでタイトルを獲得し、サッカーから引退することだ」 <span class="paragraph-title">【動画】古巣レアル相手にヘッド2発目! 圧巻のモラタ2ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="zg6uEzdgkAA";var video_start = 351;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.09.25 16:45 Mon

アンチェロッティ、宿敵相手に今季初敗戦…「問題は攻撃面ではなく守備面」

レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が今季初敗戦を振り返った。スペイン『マルカ』が報じている。 2季ぶりのラ・リーガ奪還を目指して、開幕5連勝スタートのレアル・マドリー。チャンピオンズリーグ(CL)でも幸先よく白星発進を切って、24日のリーガ第6節でアトレティコ・マドリーとの宿敵戦に臨んだ。 敵地に乗り込んで必勝を期したが、2点先行を許す苦しい入りを強いられ、1-3の黒星。反撃も1点止まりと攻撃の鋭さを欠いたレアル・マドリー指揮官だが、3失点の守りが結果に響いたと感じているようだ。 「入りが良くなくて、守りがうまくいかず、自陣のエリア内でも脆かった。2-0でリードしたアトレティは良い守りと素早いトランジションで狙いどおりの試合をした」と感想を述べると、自軍の守りに苦言した。 「アトレティはスペインに限ったわけでなく、最も守備が優れたチームの1つ。彼らは組織的で、デュエルに強く、スペースを見つけるのは簡単ではない。エリア外からスペースを探ったが、効果的ではなかった。だが、問題は攻撃面ではなく、守備面だったと思う」 そう言葉を紡いだイタリア人指揮官だが、今節ではヴィニシウス・ジュニオールが結局、欠場したなか、ホセルをスタートから使わず。ロドリゴ・ゴエスとジュード・ベリンガムの2トップ採用理由を説明をした。 「ホセルを先発させなかったが、中盤を増やすことでボールをよりコントロールしたかった。ジュードのポジションは攻撃面で変わっていない」 「問題は守備の脆弱さだった。それは過去に無かったもの。45分で3失点してしまった。私たちは脆かったし、普段のように守れず、良い夜ではなかった」 「コンパクトさがなく、アトレティコにうまく突かれてしまったんだ」 2023.09.25 12:25 Mon

「とても良い試合」ダービーで勝利のアトレティコ、シメオネ監督は2点リード時の戦い方を反省「チャンスを与え過ぎ」

アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が、レアル・マドリー戦を振り返った。スペイン『アス』が伝えた。 24日、ラ・リーガ第6節でアトレティコはホームにマドリーを迎えた。 今シーズン最初のマドリード・ダービー。注目を集めた試合は意外な入りに。開始4分にアルバロ・モラタが古巣相手にゴールを決めて先制すると、18分にはアントワーヌ・グリーズマンも続く。 早々に2-0としたアトレティコだったが、ラインを下げたことでマドリーに押し込まれることに。すると35分にトニ・クロースにゴールを許して1点差で前半を終える。 嫌なムードも漂っていた中、後半開始早々にゴール。46分にモラタがクロスを頭で合わせてゴール。3-1とし、そのまま逃げ切って勝利した。 ホームでのダービーで勝利したアトレティコ。シメオネ監督は喜びながらも、2点リードしてからの戦い方を反省。ただ選手たちが狙い通りに動いたことが勝因だったとした。 「良かった。幸せだ。チームは良い試合をした。2-0とした後、下がり過ぎてしまい、彼らの得意なプレーをさせるチャンスを与え過ぎた」 「ホセルが居なくなっても、彼らは多くのチャンスを作り出していた。そして、彼らは2-1として我々にその困難を与えた」 「このままでは負ける可能性が高いとハーフタイムに話し合った。彼らは止めるのが難しいからファーポストを狙おうと話した。それが、モラタが3-1にしたやり方だった」 また、攻守両面についてもコメント。どちらも大事だとし、選手たちが良いパフォーマンスを見せられるメンタリティを持っているとした。 「とても良い試合だった。2-0とした後は下がり過ぎて、相手が上手く対応し、圧倒されるような雰囲気を与えてしまったが、その後は攻撃面を再度意識してプレーを繰り返した」 「選手たちは繋がりを持てば連想し、それをし続けてプレーしたい、自分自身を見せつけたいというメンタリティがある」 2023.09.25 11:10 Mon

レーティング:アトレティコ 3-1 レアル・マドリー【ラ・リーガ】

ラ・リーガ第6節、アトレティコ・マドリーvsレアル・マドリーが24日にシビタス・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが3-1で勝利した。超WSの選手採点結果と寸評は以下の通り。 ▽アトレティコ・マドリー採点 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230925_1_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> GK 13 オブラク 6.0 失点はノーチャンス。それ以外で難しい対応は少なかったが、普段通りの安定したゴールキーピングを見せた DF 16 モリーナ 6.5 前半はジョレンテと共に推進力をもたらすプレーでフラン・ガルシアを圧倒。後半は守備の局面でロドリゴらに安定した一対一の対応を見せた (→アスピリクエタ 6.0) クローザーとして求められた守備の役割を完遂 15 サビッチ 6.5 前半はベリンガムやロドリゴ、後半はホセルらを相手に周囲と連携しながらきっちり封じ切った。カードなしに終わったことも好印象 2 ヒメネス 6.0 コンディションにやや不安がある中でのプレーで後半終盤は体力の限界で交代に。ただ、要所を締める守備でしっかりと役目を果たした (→アンヘル・コレア -) 22 エルモソ 6.5 安定した守備に加え、クロスバー直撃のヘディングシュートで攻撃でも見せ場を作った。サビッチ同様に荒れるダービーにおいてカードなしで乗り切った 12 リーノ 7.0 見事なピンポイントクロスで先制点を演出。以降もサウールやグリーズマンとの良い関係性で攻撃の起点として機能した (→ハビ・ガラン -) MF 14 M・ジョレンテ 6.0 失点場面ではクロースとの駆け引きに敗れたが、試合を通しては攻守に持ち味のダイナミズムを発揮。守備では献身的にフィルター役の一人として奮闘 6 コケ 6.0 負傷明けながらカピタンとしてのリーダーシップを期待されての先発起用。本調子ではなかったが、攻守両面で一定水準以上のプレーは見せた (→ヴィツェル 6.0) コケからバトンを受け取ってフィルター役としての仕事を完遂。終盤は一列下がって安定したプレーを見せた 8 サウール 7.0 丁寧なクロスから2アシスト。ジョレンテと共に最も運動量が要求されたポジションで攻守にハードワークし、多くのチャンスにも顔を出した FW 19 モラタ 7.0 古巣相手に会心のドブレーテを達成。ボックス内での駆け引きの巧さ、決定力を見事に発揮した (→デパイ -) 7 グリーズマン 7.0 貴重な2点目を奪い、3点目の起点にもなった。前線と中盤のリンクマン役に加え、守備でも効果的に相手の起点を潰していた 監督 シメオネ 6.5 相手の出来の悪さもあったが、大戦前まで開幕全勝中の宿敵に内容も伴った会心の勝利を収めた ▽レアル・マドリー採点 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230925_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> GK 25 ケパ 5.0 3失点共に大きな責任はなし。前半にサウールの決定機を阻止して意地は見せた DF 17 L・バスケス 4.5 構造上の問題はあったが、自身のサイドから上がった3本のクロスで3失点。2失点目、3失点目のところでは受け渡しや取捨選択の部分でより良い対応をしたかった (→ナチョ 5.0) 相手が攻め気を抑えたことで守備で苦労することはなかったが、前の選手を後方支援するには至らず 22 リュディガー 5.0 強烈なミドルシュートで見せ場を作った。個人として明確なミスはなかったが、低調だったディフェンスラインの一員として責任は免れない 4 アラバ 4.5 個人としてだけの責任ではないが、モラタに2度出し抜かれて失点に関与。ディフェンスラインの統率者としてうまくコントロールできなかった 20 フラン・ガルシア 4.5 守備時の判断、強度の低さでモリーナやジョレンテらに劣勢を強いられる。持ち味の攻撃面でもほぼよさを出せなかった (→F・メンディ 4.5) 開始早々のカードで無理の利く対応が不可能となり、フラン・ガルシアと同等の低調な出来に MF 15 バルベルデ 5.5 曖昧な起用法の影響で攻守に躍動感を出せず。失点場面を筆頭にダービーらしくない淡白な対応の数々もやや気になった 10 モドリッチ 5.0 ウニオン戦からの連戦の影響からしくないロストやイージーミスが散見。前半のみの出場に (→ホセル 5.5) 前線で幾度か際どいシーンに顔を出したが、屈強な相手守備陣を前に決定的な仕事はできなかった 12 カマヴィンガ 5.0 前半終盤に中盤の左に移ってからやや盛り返したが、全体的にプレーの粗さが目立つ試合に (→チュアメニ 5.5) 球際の勝負でまずまず奮闘し、得意のミドルレンジのシュートも放った 5 ベリンガム 5.0 初のダービーはほろ苦い内容に。蓄積疲労やシステム変更の影響もあったか、なかなか効果的にボールに絡めず。試合終盤には危険なタックルを見舞う場面も 8 クロース 5.5 圧巻のミドルシュートで一矢報いるゴールを決めたが、それ以外のパフォーマンスに関してはかなり厳しいものだった (→ブラヒム・ディアス 5.5) 試合の大勢が決していた中で気概は見せた。少なくとも今後チャンスを与えたいと思わせるプレーは見せた FW 11 ロドリゴ 5.0 試合を通して何度か惜しい仕掛けは見せたものの、相手の守備陣を前にほぼ沈黙。決定機はおろか良い形でフィニッシュに顔を出せなかった 監督 アンチェロッティ 4.5 ヴィニシウスの欠場という誤算はあったと思われるが、システム変更や用兵がことごとく嵌らず。シーズンに1度か2度ある酷い試合をダービーで見せてしまい、今季の公式戦初黒星に ★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ! モラタ(アトレティコ) サウールやリーノらの活躍も見事だったが、前後半の入りのタイミングで見事な決定力を発揮したモラタをMOMに選出。得点場面以外でもグリーズマンと攻守にやるべき仕事をきっちりこなした。 アトレティコ・マドリー 3-1 レアル・マドリー 【アトレティコ・マドリー】 モラタ(前4) グリーズマン(前18) モラタ(後1) 【レアル・マドリー】 クロース(前35) 2023.09.25 06:20 Mon

モラタが古巣にドブレーテ決めたアトレティコが今季初のマドリード・ダービーに完勝!敵地で完敗のレアルは今季初黒星に【ラ・リーガ】

ラ・リーガ第6節、アトレティコ・マドリーvsレアル・マドリーが24日にシビタス・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが3-1で勝利した。 開幕2勝1分けの上々の滑り出しも、インターナショナルマッチウィーク明けとなった前節のバレンシア戦で0-3の完敗を喫し、今シーズン初黒星を喫したアトレティコ。また、ミッドウィークのチャンピオンズリーグ(CL)初戦のラツィオ戦では後半ラストプレーで攻撃参加した相手GKに劇的同点ゴールを献上し、1-1のドローに終わって勝ち点2を失う結果となった。 公式戦2戦未勝利とやや失速傾向で臨んだホーム開催のダービーではラツィオ戦から先発2人を変更。負傷のバリオスに代えて負傷明けのコケ、ヴィツェルに代えてヒメネスを起用した。 対するレアルは前節、難敵レアル・ソシエダとのホームゲームをフラン・ガルシア、ホセルの新戦力2人の活躍などで2-1の逆転勝利。開幕からの連勝を継続。続くCL初戦では初出場のウニオン・ベルリンの堅守に手を焼いたが、ベリンガムが後半アディショナルタイムに決めた劇的決勝点によって1-0の勝利。CLでも白星スタートを飾った。 昨季に続き難所メトロポリターノ攻略を狙ったエル・ブランコは、ウニオン戦から先発3人を変更。ナチョとチュアメニ、ホセルに代えてフラン・ガルシア、バルベルデ、クロースを起用。なお、前日会見でアンチェロッティ監督が起用の可能性を明言したヴィニシウスは招集メンバーに入っていたものの、胃腸炎でベンチ外となった。 ミッドウィークに明暗分かれたスペイン首都の両雄による、今季最初のマドリード・ダービー。アトレティコが普段通りの[5-3-2]で臨んだのに対して、レアルはカマヴィンガをアンカー、最前線のロドリゴの下にモドリッチとベリンガムを並べた[4-3-2-1]のクリスマスツリーの形でスタートした。 試合はホームのアトレティコがアグレッシブに入ると、ファーストチャンスをモノにする。開始4分、相手陣内左サイドでカットインを仕掛けたサムエウ・リーノがボックス左角付近から右足インスウィングのピンポイントクロスを供給。これに反応したモラタがDFアラバの背後からゴール前に飛び出して完璧なヘディングシュートを古巣のゴールへ流し込んだ。 敵地で出ばなを挫かれたレアルはすぐさま反撃を開始。カマヴィンガやモドリッチを起点に相手の[5-3-2]の守備ブロックの前で細かくボールを動かしながら揺さぶりをかけるが、なかなか効果的にフィニッシュまで持ち込めない。 レアルの攻勢を危なげなく凌ぎ切ったアトレティコは再び攻撃に出ていくと、この試合2度目のチャンスもゴールに結びつける。18分、再び左サイドに展開されたボールを受けてカットインを見せたリーノが背後に抜け出したサウールに冷静に縦パスを通す。サウールは左サイド深くで柔らかな左足のクロスを上げると、ゴール前に入り込んだグリーズマンがゴール右隅へヘディングシュートを流し込んだ。 2トップ揃い踏みで2点のリードを手にしたホームチームは、ここからやや重心を後ろにおいて守備時は[5-4-1]の形にシフト。より相手のプレースペースを消しながら、引き続きシステム上ミスマッチができるウイングバックを使った攻めで幾度も良い形を創出。とりわけ、右サイドのモリーナが再三の鋭い攻撃参加を見せる。31分には右の深い位置に侵攻したマルコス・ジョレンテの折り返しに反応したニアのサウールが右足のダイレクトシュートを枠へ飛ばすが、これはGKケパの好守に阻まれた。 何とか3失点目を免れたレアルは直後に個人技でゴールをこじ開ける。35分、右サイドでのパス交換からバルベルデが入れたクロスのこぼれ球に反応したクロースがボックス手前左で胸トラップと浮き球のボールコントロールで対面のジョレンテをかわして右足を一閃。これがニア下の完璧なコースに突き刺さった。 これで反撃の狼煙を上げたレアルは前半終盤にかけてようやく自分たちの形でアトレティコを押し込んでいく。終了間際にはセットプレーの流れからアラバの右ポスト直撃のシュートのこぼれ球をカマヴィンガが押し込むが、ここはオフサイドポジションのリュディガーのプレー関与によってゴールは認められず。 結局、アトレティコの1点リードで折り返した試合はハーフタイムに両ベンチが動く。シメオネ監督は負傷明けのコケを下げて戦前には先発起用が濃厚と見られていたヴィツェルを同じピボーテの位置に投入。対するアンチェロッティ監督は前半ややボールロストが目立っていたモドリッチを下げてホセルを投入。並びを[4-3-1-2]の形へ戻した。 両チームのハーフタイムの修正による変化に注目が集まったが、それを確認する前にスコアが動く。46分、右のハーフスペースを持ち上がったジョレンテを起点に左サイドへ展開すると、リーノとグリーズマンのパス交換から左サイド深くに抜け出したサウールにボールが繋がる。サウールは左足で丁寧な浮き球のクロスを上げると、ボックス内での駆け引きでDFアラバを手玉に取ったモラタがゴール右隅へヘディングシュートを流し込み、ドブレーテを達成した。 三度右サイドを崩されてヘディングゴールを叩き込まれるなど前半からの課題を修正できずに痛恨の2点差とされたレアルは、以降もグリーズマンのプレースキックからエルモソにクロスバーを掠める決定機を許すなど流れを引き戻せない。57分には精彩を欠いた両サイドバックをナチョ、フェルラン・メンディに入れ替えたほか、カマヴィンガに代えてチュアメニを投入した。 ここからリスクを冒して前に出るレアルだが、堅固なブロックで待ち構えるアトレティコの堅守を前に個人での仕掛けもコンビネーションも不発。チュアメニやリュディガーがミドルレンジから強烈なシュートを放っていくが、いずれも枠を捉え切れず。70分にはクロースを下げてブラヒム・ディアスを最後の交代カードとして切った。 一方、カウンターで相手を引っくり返す場面こそ作れぬものの、うまくボックスアウトの守備でレアルに決定機まで持ち込ませずに時計を進めていくアトレティコ。試合終盤には殊勲のモラタやリーノらを下げてデパイ、アンヘル・コレア、ハビ・ガランといった選手を続けてピッチに送り出し、完全に試合を締めにかかる。 その後、ベリンガムのコレアへのアフターチャージをきっかけにダービーの風物詩である小競り合いが起きたものの、最後まで宿敵に見せ場を作らせなかったアトレティコが会心のダービー勝利で公式戦3試合ぶりの白星を挙げた。敵地で完敗のレアルは開幕連勝が「5」でストップし、今季の公式戦初黒星を喫した。 2023.09.25 06:06 Mon
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly