東京Vと甲府の中位対決は白熱ドロー…互いに決定機モノにできず痛み分けに【明治安田J2第32節】

2022.08.21 19:59 Sun
明治安田生命J2リーグ第32節の東京ヴェルディvsヴァンフォーレ甲府が21日に味の素スタジアムで行われ、0-0のドローに終わった。
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同勝ち点で並ぶ11位の東京Vと、12位の甲府による中位対決。ホームの東京Vは前節の水戸ホーリーホック戦が台風の影響で中止に。一方の甲府は先週末の前節が通常開催、さらに新型コロナウイルスの影響で延期されていた第28節のジェフユナイテッド千葉戦を17日に戦ったため、コンディション面でのばらつきがある中での対戦となった。
互いにボールを保持したいチーム同士の対戦ということもあり、序盤からボールの握り合いが続く。立ち上がり数分はホームチーム、10分過ぎからはアウェイチームとボールの主導権が入れ替わる。

相手の集中した守備を前にフィニッシュまで持ち込めない状況がしばらく続いた中、15分過ぎには互いに決定機。まずは15分、甲府がショートカウンターからボックス右に抜け出した鳥海芳樹がシュートを放つが、これは相手DFに触られて枠の左に。この直後には東京Vの染野唯月が相手のコントロールミスを奪ってそのままボックス付近に運んで強烈なシュートを放つが、これはGK正面。こぼれ球に詰めた佐藤凌我も押し込み切れない。
前半半ばから終盤にかけても一進一退の攻防が続く。甲府は左サイドの長谷川元希を起点としたカウンター、東京Vは中央の染野を起点とした攻撃で互いに決定機を創出。

25分には馬場晴也のラストパスに反応したボックス右の河村慶人にビッグチャンスも、ここはGK岡西宏祐が見事な寄せと反応で左足の強烈なシュートを阻止。対して甲府は長谷川がボックス付近で2度の際どいシュートを放ったが、相手守備陣の好守に遭って決め切るまでには至らなかった。

ボール支配率ではアウェイチームがわずかながら上回るも、ほぼ互角な戦況で試合は0-0のスコアで後半に突入する。

後半立ち上がりは前半同様に主導権争いが続く。ただ、互いにサイドから際どいクロスは入るものの、決定機まで持ち込めず。膠着状態に陥る。

流れを変えたい両ベンチは60分を過ぎて共に交代カードを切っていく。すると、一連の交代で試合に動きが出てくる。

66分、左サイドで山田陸が早いタイミングで入れたクロスを投入されたばかりのウィリアン・リラがヘディングシュート。これが枠の左隅へ向かうが、GKマテウスがビッグセーブ。そのこぼれ球に詰めたリラのシュート性のクロスはDFのゴールカバーに阻まれる。

この直後には東京Vが染野、佐藤の2トップを起点としたカウンターを発動。右サイドで河村が上げたクロスを、ファーで待ち受けた途中出場の石浦大雅が冷静にワンタッチで中へ落とす。これを左サイドバックにポジションを移した深澤大輝が渾身の右足シュート。だが、これは相手DFのブロックに阻まれ、24歳のバースデーゴールとはならない。

両チームは80分過ぎまでに交代機会を使い切り、試合終盤は消耗戦色濃いオープンな展開に。互いにボックス近辺でフリーな選手が決定的なシュートを放つが、両守護神の好守もあって決め切れない。

後半アディショナルタイムには途中出場の加藤弘堅がボックス手前から得意のブレ球ミドルを放つが、これは惜しくもクロスバーを叩いて土壇場での先制点とはならなかった。そして、試合はこのままタイムアップを迎え、白熱の中位対決は痛み分けのドローとなった。

◆第32節
▽8/21(日)
東京ヴェルディ 0-0 ヴァンフォーレ甲府
▽8/20(土)
ジェフユナイテッド千葉 0-0 徳島ヴォルティス
横浜FC 1-0 ファジアーノ岡山
アルビレックス新潟 1-0 ロアッソ熊本
FC琉球 2-2 モンテディオ山形
ブラウブリッツ秋田 0-3 栃木SC
ザスパクサツ群馬 1-0 ベガルタ仙台
大宮アルディージャ 0-2 FC町田ゼルビア
レノファ山口FC 1-0 水戸ホーリーホック
大分トリニータ 3-0 いわてグルージャ盛岡
※中止
ツエーゲン金沢 vs V・ファーレン長崎



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東京Vの堅守支えるDF谷口栄斗、好調・浦和とのアウェイ戦へ「戦うところとベースの部分で上回れるようにやりたい」

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浦和が10人東京V撃破で2016年以来の5連勝! 松尾佑介&渡邊凌磨の2ゴールを堅守で守り抜く【明治安田J1第14節】

3日、明治安田J1リーグ第14節の浦和レッズvs東京ヴェルディが埼玉スタジアム2002で行われ、ホームの浦和が2-0で勝利した。 4位の浦和は前節、サンフレッチェ広島を1-0で破って4連勝を達成。川崎フロンターレのACLE参戦に伴い第13節が後ろ倒し開催となる影響で中7日と休養十分で臨んだ今節は2016年以来のリーグ5連勝を目指した。広島戦からはベンチ外となったサミュエル・グスタフソンに代えて松本泰志を起用した以外、同じスタメンを採用した。 一方、13位の東京Vは前節、ファジアーノ岡山とのアウェイゲームを1-0で勝利。2試合連続ウノゼロで今季初の連勝を飾った。中3日のアウェイ連戦で3連勝を目指した一戦では前節と全く同じスタメンを採用した。 立ち上がりから主導権争いが繰り広げられたなか、ホームの浦和がファーストチャンスをいきなりゴールに結びつけた。 開始6分、自陣左サイドでボールを受けたマテウス・サヴィオからの縦パスを左に流れた松尾佑介がDF綱島悠斗よりも先にキープ。緩急を付けたドリブルで内側に切り込むと、ペナルティアーク左から狙いすました右足のコントロールシュートをゴール右隅に突き刺した。 4試合ぶりの失点を喫した東京V。今季の先制した試合で圧倒的な強さを見せる相手に対して早い時間帯のゴールを目指す。球際では五分の勝負を見せたが、マイボール時に相手の圧力を受けて自陣での細かいミスが散見。不用意なロストからホームチームが得意とするカウンターに晒される。 押し込まながらも2失点目は許さないアウェイチームは、徐々にボールを動かしながら前進。森田晃樹のミドルシュート、左CKから綱島のヘディングシュートとフィニッシュの場面を作り出す。 一方、要所を締める守備でリードを維持する浦和もこの時間帯に続けてゴールへ迫る。28分、ボックス手前右でサヴィオから足元にパスを受けた渡邊凌磨の左足シュートはGKマテウスの好守に遭う。このプレーで得た左CKの二次攻撃ではボックス右でこぼれに反応した松尾がシュートもDF谷口栄斗の見事なゴールカバーに阻まれる。 だが、3つ目の決定機で仕留める。31分、右CKの流れからペナルティアーク付近でこぼれ球に反応した渡邊が右足を振り抜くと、低い弾道の鋭いシュートがDF宮原和也の股間を抜けてコースが変わってゴール右隅に突き刺さった。 良い時間帯に2点目を挙げた浦和はよりゲームコントロール優先の戦い方にシフト。引き続き前からボールを奪いに行く東京Vをいなしながら、要所でスイッチを入れる攻撃で圧倒していく。これに対して、アウェイチームは前半終盤のスプリントの際に千田海人がハムストリングを負傷。そのままピッチを後にしたなか、交代機会を考慮した城福浩監督は残り数分を10人で戦う決断を下した。 迎えた後半、東京Vは千田と山見大登に代えて翁長聖、齋藤功佑を同時投入。これで宮原を下げた3バックの配置を大きく変更し、翁長と齋藤は右のウイングバックとシャドーに配置された。 立ち上がりはその齋藤が攻守でスイッチを入れるプレーをみせ、アウェイチームが相手陣内でのプレータイムを増やしていく。だが、得点力不足のチームは最後の局面で精度を欠いてフィニッシュには持ち込めず。57分には自陣でのプレス回避から新井悠太が得意のカットインから右足ミドルシュートを枠に飛ばすが、GK西川周作の好守に遭う。 以降は浦和も得意のロングカウンターを繰り出し、相手の攻勢にけん制をかける形で試合は膠着。2点リードの浦和は今後のスケジュールも睨んでか、マテウス・サヴィオ、松尾を下げて関根貴大、髙橋利樹を同時投入。対する東京Vも新井、木村、福田湧矢に代えて松橋優安、染野唯月、川﨑修平とフレッシュな選手をピッチに送り出す。 そんななか、73分には勝敗を左右する事象が発生。松本の背後を狙ったフィードに反応した髙橋がDF谷口に後ろから手をかけられて倒されると、決定機阻止で東京Vの背番号3にレッドカードが掲示された。 これで2点リードに数的優位まで手にした浦和は直後に金子拓郎、渡邊を下げて原口元気、中島翔哉を同時投入。すると、中島はファーストプレーとなったボックス手前右のFKの場面で鋭いシュートを枠の左隅に飛ばしたが、これは惜しくもポストを叩いた。 その後は完全にゲームクローズに向かった浦和に対して、10人の東京Vが意地の攻勢を仕掛けていく。だが、平川の直接FKやボックス内での松橋らのシュートは浦和守備陣の好守やブロックにことごとく阻まれ、一矢報いることはかなわず。 この結果、5万2429人の大観衆を集めたホームゲームで快勝の浦和が2016年以来となるリーグ5連勝を達成。敗れた東京Vは連勝ストップとともに4試合ぶりの敗戦となった 浦和レッズ 2-0 東京ヴェルディ 【浦和】 松尾佑介(前6) 渡邊凌磨(前31) <span class="paragraph-title">【動画】浦和を5連勝に導いた松尾佑介のゴラッソ!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">今日も飛び出したゴラッソ<br><br>3バックの脇でパスを受けた<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E4%BD%91%E4%BB%8B?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#松尾佑介</a> がキレッキレの<br>カットインからシュート!<br><br>松尾の今シーズン3点目で<br>浦和はリーグ5連勝へ<br><br>明治安田J1第14節<br>浦和×東京V<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%9C?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Jみようぜ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%B5%A6%E5%92%8C%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#浦和東京V</a> <a href="https://t.co/wJNNJifnEa">pic.twitter.com/wJNNJifnEa</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1918551619811131802?ref_src=twsrc%5Etfw">May 3, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.05.03 17:06 Sat

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