J1参入プレーオフを再考する/六川亨の日本サッカー見聞録

2022.02.20 18:00 Sun
©超ワールドサッカー
Jリーグは16日、臨時理事会を開いてシーズン後のJ1参入プレーオフ決勝は従来通り90分間で勝敗がつかなければJ1の16位チームが残留すると発表した。

事の発端は昨年12月21日の理事会会見だった(既報済み)。J1参入プレーオフ決勝は90分間で決着がつかなければ「延長、PK戦を実施する」ことが理事会で承認された。これに対し記者から「これまでは90分間で決着がつかなければJ1クラブの残留だった。ルールを変更したのか」と質問された。

その後、2月8日の実行委員会で原博実Jリーグ副チェアマンは「我々の記載ミス。延長、PK戦にしてしまった。本来なら引き分けで終了」と謝罪し、「19年(湘南と徳島は1-1の引き分けで湘南が残留)の終了後も議論しようと話し合ったが、20年はコロナ対応で議論できなかった」と誤表記となった背景を説明した。
このJ1参入プレーオフが採用されたのは12年のことだった。それまではJ1の下位3チームとJ2の上位3チームが自動昇降格するシステムだった。

しかし、J1は優勝以外にもACLの出場権がかかったり、残留争いは激しさを増す一方、J2は3位以内に入れないことが決まると残りは消化試合になったりする弊害があった。このためJ2の3位から6位の4チームによる「J1昇格プレーオフ」を採用した。
これは3位以下のチームのモチベーションの向上に役立ったものの、昇格プレーオフでリーグの順位が下位のチームが“下克上”からJ1に昇格してもなかなか勝てず、1年でJ2に降格するケースが多かった。

そこで18年と19年はJ1下位2チームとJ2上位2チームは自動昇降格としつつ、J1の16位とJ2の3~6位の計5チームによる「J1参入プレーオフ(2・5枠)」というシステムと名称に変更した。そして20年はコロナにより議論した結果、「2チームの昇格あり、降格とプレーオフはなし」としたため21年のJ1は20チームのリーグ戦となり、シーズン終了後に下位4チームが降格したわけだ。

今回の決定に至るまで、各クラブへのアンケートを2回、実行委員会を3回、理事会を2回開催して16日の結論に至ったという。そこでは次の4案が出た。

1)2022シーズンは「従来の大会方式(2019シーズン時点)」から変更せず、2023シーズンに向けて継続議論を行う。

(そのほかの3案)
2)「従来の大会方式」から変更しない。
3)J1ホーム開催/延長・PK戦まで実施/外国籍枠はJ2に合わせる(最大4名)。
4)中立地開催/延長・PK戦まで実施/外国籍枠はJ2に合わせる(最大4名)。

今回の議論で一番意見が多かったのは1)で、3)と4)も議論されたということは、変革を望む意見があることの表われだろう。盛り上がりを期待するなら当然、延長戦とPK戦の採用ということになるが、過去には徳島や大分、福岡、山形らは昇格したものの最下位となり、1年でJ2に降格した事実もある。

しかし近年では実力が拮抗し、福岡が昨シーズンはJ1で8位と過去最高の成績を残した。降格したものの大分は3シーズンを、横浜FCは2シーズンをJ1で過ごすなど実績を残している。とりあえず今シーズンのレギュレーションは決定したが、どんな問題点があるのか確認する意味でも、数年は延長、PK戦を採用してみてはどうだろうか。

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