ローマの“空中部隊”が活躍! モウの教え子モッタ率いるスペツィア撃破でリーグ連敗をストップ《セリエA》
2021.12.14 06:48 Tue
セリエA第17節、ローマvsスペツィアが13日にスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのローマが2-0で勝利した。
ボローニャ、インテル相手の連敗によってトップ4圏内と9ポイント差の8位に沈んだローマ(勝ち点25)。次節にアタランタとの重要な対決を控える中、今節はモウリーニョ監督のインテル時代の教え子ティアゴ・モッタ率いる17位のスペツィア(勝ち点12)を相手に連敗ストップを狙った。
3-2の勝利で逆転でのグループ首位通過を決めた直近のヨーロッパ・カンファレンスリーグのCSKAソフィア戦から先発3人を変更。GKをルイ・パトリシオに戻したほか、出場停止のマンチーニに代えてスモーリング、ボーヴェに代えてムヒタリアンを起用。なお、エイブラハムと共に2トップに入ったマジョラルはこれが今季リーグ戦初スタメンとなった。
試合は開始早々にローマが先制に成功する。6分、右CKの場面でキッカーのヴェレトゥが右足アウトスウィングの浮き球のボールを上げると、ファーサイドでエイブラハムが頭で折り返したボールを、ゴール前に飛び込んだスモーリングが頭でコースを変えてゴールネットへ叩き込み、今季リーグ戦初ゴールとした。
長身のイングランド人コンビの連携から幸先よくリードを手にしたローマは、直後の13分にも相手GKへのムヒタリアンのハイプレスからミスを誘うが、ボールを回収したマジョラルの強引な仕掛けはDFに阻まれ、立て続けの2点目とはならず。
その後は徐々にスペツィアに押し返されて左ウイングバックに入るレカに続けてボックス内への侵入を許すが、GKルイ・パトリシオが見事な一対一の対応でピンチを凌ぐ。すると、前半終了間際にはビーニャの馬力のある中央でのドリブル突破からカウンターに転じ、左サイドのムヒタリアンから正確なクロスが供給される。だが、今季セリエAで“最も枠に嫌われる男”として知られるエイブラハムは肩付近で当てたボールが今季7度目の枠に当たり、追加点とはならなかった。
迎えた後半、早いタイミングで3枚替えを敢行したアウェイチームにゴールを脅かされる場面を作られたローマだが、再びGKパトリシオのセーブで凌ぐと、前半同様にセットプレーからゴールをこじ開ける。
56分、右CKの場面でヴェレトゥが右足アウトスウィングのボールを入れると、勢いを持ってゴール前に走り込んできたイバニェスがマークを振り切って渾身のヘディングシュートを突き刺した。
この追加点の直後にはマナイにゴールネットを揺らされるが、オフサイドの判定で辛くも失点を免れたローマは63分に最初の交代カードを切る。先制点を決めたスモーリング、マジョラルを下げてディアワラと新型コロナウイルスから快復したアフェナ=ギャンを同時投入した。
後半半ばから終盤にかけては攻勢を強めるアウェイチームの攻勢に晒されたローマだが、守備陣が粘りの対応をみせ、最後のところでやらせない。攻撃では前がかりな相手の背後を快足アタッカーのアフェナ=ギャンが積極的に突いていくが、チーム全体の疲労感などもあり、なかなかフィニッシュの局面で厚みを出せない。
その後、試合終了間際にはカウンターからアフェナ=ギャンがトドメの3点目を奪ったかに思われたが、ここはトラップの際に故意に腕を使ってボールをコントロールしたとの判定でゴールが取り消しとなった上、すでに1枚カードをもらっていたアフェナ=ギャンはこのプレーで2枚目のカードをもらい、痛恨の退場となった。
最後は10人となる後味の悪い形となったが、ホームで2-0の勝利を収めたローマがリーグ戦の連敗をストップ。次節のアタランタ戦へ弾みを付けている。
ボローニャ、インテル相手の連敗によってトップ4圏内と9ポイント差の8位に沈んだローマ(勝ち点25)。次節にアタランタとの重要な対決を控える中、今節はモウリーニョ監督のインテル時代の教え子ティアゴ・モッタ率いる17位のスペツィア(勝ち点12)を相手に連敗ストップを狙った。
3-2の勝利で逆転でのグループ首位通過を決めた直近のヨーロッパ・カンファレンスリーグのCSKAソフィア戦から先発3人を変更。GKをルイ・パトリシオに戻したほか、出場停止のマンチーニに代えてスモーリング、ボーヴェに代えてムヒタリアンを起用。なお、エイブラハムと共に2トップに入ったマジョラルはこれが今季リーグ戦初スタメンとなった。
長身のイングランド人コンビの連携から幸先よくリードを手にしたローマは、直後の13分にも相手GKへのムヒタリアンのハイプレスからミスを誘うが、ボールを回収したマジョラルの強引な仕掛けはDFに阻まれ、立て続けの2点目とはならず。
それでも、きっちり主導権を握るホームチームは2トップやムヒタリアンのボールキープを生かして攻撃時には全体を大きく押し上げて厚みのある仕掛けを続ける。25分には左サイドに流れてキープしたエイブラハムがインナーラップしたビーニャにパスを繋ぐと、ビーニャはボックス左から利き足とは逆の右足でファーポストを狙った見事なコントロールシュートを放つ。だが、ここは相手GKプロベデルのビッグセーブに遭う。
その後は徐々にスペツィアに押し返されて左ウイングバックに入るレカに続けてボックス内への侵入を許すが、GKルイ・パトリシオが見事な一対一の対応でピンチを凌ぐ。すると、前半終了間際にはビーニャの馬力のある中央でのドリブル突破からカウンターに転じ、左サイドのムヒタリアンから正確なクロスが供給される。だが、今季セリエAで“最も枠に嫌われる男”として知られるエイブラハムは肩付近で当てたボールが今季7度目の枠に当たり、追加点とはならなかった。
迎えた後半、早いタイミングで3枚替えを敢行したアウェイチームにゴールを脅かされる場面を作られたローマだが、再びGKパトリシオのセーブで凌ぐと、前半同様にセットプレーからゴールをこじ開ける。
56分、右CKの場面でヴェレトゥが右足アウトスウィングのボールを入れると、勢いを持ってゴール前に走り込んできたイバニェスがマークを振り切って渾身のヘディングシュートを突き刺した。
この追加点の直後にはマナイにゴールネットを揺らされるが、オフサイドの判定で辛くも失点を免れたローマは63分に最初の交代カードを切る。先制点を決めたスモーリング、マジョラルを下げてディアワラと新型コロナウイルスから快復したアフェナ=ギャンを同時投入した。
後半半ばから終盤にかけては攻勢を強めるアウェイチームの攻勢に晒されたローマだが、守備陣が粘りの対応をみせ、最後のところでやらせない。攻撃では前がかりな相手の背後を快足アタッカーのアフェナ=ギャンが積極的に突いていくが、チーム全体の疲労感などもあり、なかなかフィニッシュの局面で厚みを出せない。
その後、試合終了間際にはカウンターからアフェナ=ギャンがトドメの3点目を奪ったかに思われたが、ここはトラップの際に故意に腕を使ってボールをコントロールしたとの判定でゴールが取り消しとなった上、すでに1枚カードをもらっていたアフェナ=ギャンはこのプレーで2枚目のカードをもらい、痛恨の退場となった。
最後は10人となる後味の悪い形となったが、ホームで2-0の勝利を収めたローマがリーグ戦の連敗をストップ。次節のアタランタ戦へ弾みを付けている。
ローマの関連記事
セリエAの関連記事
|
ローマの人気記事ランキング
1
「ほとんどの人間にがっかりした」、ザニオーロが古巣ローマと元同僚への不満ぶちまける
ガラタサライのイタリア代表MFニコロ・ザニオーロが古巣ローマと、元チームメイトに対する不満をぶちまけた。 ローマとの再三に渡る延長交渉が難航した末、ここ数カ月クラブ退団希望を公言したザニオーロ。今冬の退団が既定路線となっていた中、意中の移籍先だったミランやトッテナム行きは実現せず。 その後、ボーンマス行きでクラブ間合意に至ったものの、ザニオーロの不誠実な対応がイングランドクラブの怒りを買って破談となると、同じく怒り狂うローマは飼い殺しを決断した。しかし、最終的には欧州主要リーグのマーケットが閉幕した直後に届いたガラタサライからのオファーをクラブ、選手双方が受け入れて永遠の都からの脱出を果たすことになった。 その新天地では早速主力として活躍するなど充実した日々を送る23歳は、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』で移籍の経緯について言及。約束を反故にされたとローマへの不満をぶちまけた。 「破られた約束について何時間でも話すことができる。彼らは僕がスターだと言っていたが、自分は常に単なるキャピタルゲインと見なされていた」 「2年間、新しい契約の準備ができていると言われた。昨年1月には、自分が稼いでいたよりも少し多めのサラリーで契約していただろうね。なぜなら、ローマで悪くない状況だったし、クラブがファイナンシャル・フェアプレーの問題を抱えていることを知っていたからさ」 「ただ、たくさん話しをしたあと、僕はうんざりしていた。僕が別れを振り返る必要があるならば、他の人も同じようにそうしなければならない」 「実際には、ボーンマスとガラタサライだけでなく、イングランド行きを受け入れなかったために僕は追い出され、ファンは僕を非難した」 「車で追いかけてきた人間もいれば、自宅に侵入しようとした人間もいた。家族も僕も心細く恐怖を感じていた。当時、脅迫的なメッセージを受け取っていたし、携帯電話の電源も切っていた」 また、普段からの素行不良や不真面目な練習態度もあって、移籍希望を公言した後はクラブに忠誠を誓うイタリア人選手を中心に関係悪化が伝えられたザニオーロ。とりわけ、移籍直後には別れのメッセージを送ったのが、DFクリス・スモーリング、FWタミー・エイブラハム、DFレオナルド・スピナッツォーラの3人のみだったとも報道されていた。 そして、元同僚との関係について問われた同選手は、「チームメイト? ほとんどの人間にがっかりしたよ。具体的な名前は挙げないけど、彼らは僕らが兄弟のようだと言っていたにもかかわらず、サヨナラを言うことさえしなかった」と、クラブ同様に不満を口にした。 2023.03.27 07:00 Mon2
ローマが新スタジアム計画を発表…目玉は欧州最大のクルヴァ・スッド
ローマが新スタジアムの計画を発表した。 ローマは1953年の開場以来、ラツィオと共にスタディオ・オリンピコを本拠地として使用してきた。しかし、幾度か修繕や改修は行っているものの、老朽化が否めないこともあり、クラブは以前から新スタジアム建設への動きを進めていた。 ただ、“地面を掘れば遺跡にあたる”とも言われる「永遠の都」特有の事情もあり、その計画はなかなか進まずにいたが、ライアン・フリードキン副会長とリナ・スルークCEOとローマ市長のロベルト・グアルティエリ氏ら市議会の代表者との会談を経て、新スタジアムの計画を発表した。 『YouTube』での新スタジアムのイメージ動画と共にクラブは今回の計画を以下のように説明している。 「ライアン・フリードキン副会長とリナ・スルークCEOを代表とするASローマのトップマネジメントは、本日、ローマ市長ロベルト・グアルティエリ氏と会談し、クラブの新スタジアムのエキサイティングな計画について話し合いました」 「会議では、プロジェクトの革新性と、フットボールファンと地域社会の両方に約束される数多くのメリットに対する共通の熱意が示されました」 「プロジェクトのビデオプレゼンテーションのリリースは、新しいスタジアムのユニークなビジョンとモダンなデザインを紹介し、熱狂的な反響を呼びました。このビジョンの鍵となるのは、ヨーロッパ最大となる予定の新しいクルヴァ・スッドです。このクルヴァ・スッドは、ASローマのサポーターの揺るぎない情熱の証となるでしょう」 また、フリードキン副会長は、このプロジェクトがクラブだけでなくローマという都市、地域社会においても新たな価値を創造するものになると確信している。 「本日、ローマ市長のロベルト・グアルティエリ氏とお会いし、新しいスタジアムのビジョンを発表できたことを光栄に思います。この素晴らしいスタジアムは、ASローマとそのファンの新しいホームであるだけでなく、ローマ市民全員にとってのランドマークでもあります。ヨーロッパ最大のクルヴァとなる予定の新しいクルヴァ・スッドは、サポーターの情熱とエネルギーを体現する強力な焦点となるでしょう。古典的なローマ建築にインスピレーションを得た象徴的なデザインと最先端の設備を備えたこのスタジアムは、フットボールファンから地元のコミュニティまで、すべての人に世界クラスの体験を提供します」 「ASローマの誇りある管理者として、私たちは、クラブの精神と伝統を体現する空間を創り出すとともに、革新と卓越性の世界的なシンボル、そして環境責任のモデルとなることに尽力しています」 「新スタジアムを環境責任のモデルにするという取り組みは、ローマ市長が指摘したように、クラブの価値観やローマ市のより広範な目標と一致しています」 「両者は、開発のさまざまな側面に焦点を当てる作業グループの設立を含む、プロジェクトを進めるためのロードマップについて話し合い、合意しました。これらのグループは、環境基準とコミュニティの関与に細心の注意を払いながら、プロジェクトがスムーズに進むようにします」 「ASローマとそのリーダーシップは、ファンの体験を向上させるだけでなく、コミュニティと環境にプラスの影響を与えるランドマークを作成することに専念しています。新しいスタジアムプロジェクトは、クラブ、ファン、そしてローマ市の誇りのシンボルとなるでしょう」 <span class="paragraph-title">【動画】ローマの新スタジアム構想が発表!</span> <span data-other-div="movie"></span> <iframe width="640" height="360" src="https://www.youtube.com/embed/RE0m08zRgBo" title=" Towards our new stadium " frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 2024.07.25 06:30 Thu3
34歳パストーレ現役引退へ「痛みに耐えられない」「楽しかったサッカーが罰に」
元アルゼンチン代表MFハビエル・パストーレ(34)がやはり現役引退へ。 淡いピンクのユニフォームを纏ったパレルモ時代に脚光を浴び、以後パリ・サンジェルマン(PSG)、ローマでもプレーしたパストーレ。端正な顔立ちも人気を博した正真正銘のクラックだ。 しかし、そんな彼の現在地は「無所属」。昨夏カタール・スターズリーグのカタールSCを半年で退団後、どのクラブにも属しておらず、以前から問題を抱える股関節の状態が極めて良くないことを明かしている。 今回、アルゼンチン『La Nacion』の取材では、耐え難い股関節の痛み、そしてそれに伴う苦しみに苛まれてきたことを告白。どうやら心は現役引退で固まってるようだ。 「痛みに耐えられなかった…目覚めの瞬間に気分が悪くなり、自然と脳が僕に『もうサッカーを辞める時だ』と語りかけていた。けど、僕自身が受け入れられず、苦しむことを決めたんだ」 「サッカーを続けるためにできることは全て試してみた。けど、望む結果は何もない。練習とプレーは再開できたが、日々の生活は悪いまま。一度紅白戦をやってみたら、その後2日間ベッドで寝て過ごすことになったんだ…痛みでね」 「消耗しきった股関節に再び負荷をかける…有害みたいだ。痛みは以前にも増して大きくなり、サッカーが楽しみではなく、ただの罰になってしまったよ。子どもたちとボールを蹴ることさえままならない」 「今は左足の股関節に人工股関節を入れてある。すべてセラミックでね。毎朝リハビリに励み、なんとか生活は元通りだ。『普通の生活』がこんなにハッピーだなんてね」 「この数年間、常に現役引退の準備をしてきた。股関節が元気だったころ、僕はフットボーラーとしてなんだってできると信じていた…今日の僕はピッチに立つことを一切考えていない」 「ここからさらに回復して、もしランニングして良い気分を維持できたら…その時はもっともっと走りたくなるだろうね。それだけで満足だ」 “El Flaco(エル・フラコ=やせぽっち)”ハビエル・パストーレ。美しい出立ちとプレーの数々でファンを楽しませた男は、スパイクを脱ぐ。 2024.03.22 18:10 Fri4
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.18“カペッロ・ローマ”スクデットに貢献した中田/ローマ[2000-2001]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.18</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2000-2001シーズン/ローマ 〜カペッロ・ローマ〜</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2000-01roma.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ファビオ・カペッロ(54) 獲得タイトル:セリエA 攻撃力8:★★★★★★★★☆☆ 守備力8:★★★★★★★★☆☆ タレント7:★★★★★★☆☆☆ 連係8:★★★★★★★★☆☆ 選手層7:★★★★★★★☆☆☆</p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">常勝のカペッロ・ローマ</div> 1999-00シーズン、同じ街のライバル・ラツィオにスクデットを獲得され、ローマは屈辱のシーズンに終わった。迎えた2000-01シーズン、チームはフィオレンティーナから“ヴィオラの英雄”バティストゥータを獲得。その他、エメルソンやサムエルといった実力者を手に入れて、スクデットを獲得するために十分な戦力を整えた。 リーグが開幕すると、ローマはトッティの創造性溢れるプレーとバティストゥータらストライカーの決定力で破壊的な攻撃を見せつけた。さらに、就任2年目のカペッロ監督が採用する堅い守備戦術も機能し、着実に勝ち点を積み重ねていく。結局、序盤戦からほぼ独走状態を続けたチームは22勝9分3敗、68得点という成績で18年ぶり3回目のスクデットを戴冠した。 2年目のシーズンとなった当時の日本代表MF中田は、あくまでトッティの控えという位置付けだった。それでも腐らなかった中田は終盤戦の第29節、2位ユベントスとの天王山で大仕事をやってのける。2点ビハインドの中、トッティに代わって投入された中田は、見事なミドルシュートでゴールを奪取。さらに、再び自身のシュートからモンテッラの同点弾を演出した。この大一番での活躍が、ローマのスクデット獲得をより確実なものにしたといっても過言ではないだろう。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">前線のトライアングル</div> カペッロ監督の下、チーム内に規律と結果へのこだわりを植え付けられたローマ。守備面では、3バックの中央に入ったサムエルを中心に堅守を披露。ウイングバックに入ったカフーとカンデラは豊富な運動量で上下動を繰り返した。また、ボランチのエメルソンとトンマージが中盤で相手から自由を奪う。 そして、主に攻撃を担当したのが前線の3枚。トップ下に入るトッティを中心としたトライアングルで高速カウンターを仕掛けて得点を重ねた。中田がこの当時、ローマの攻撃がボールを縦に運ぶのが速すぎると漏らしたほど、彼らはボールを縦へ縦へと繋いで相手ゴールを目指した。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">MFフランチェスコ・トッティ(23)</span> ローマの“プリンチペ(王子)”が自身の愛する街に栄冠をもたらした。豪快なシュートに加え、柔らかなタッチのトラップやパスなど、ファンタジー溢れるプレーで攻撃陣を操った。13ゴール挙げるなど得点力を発揮したトッティは、ローマのバンディエラとして現役生活を終えた。 2019.04.12 12:00 Fri5