レーティング:レアル・マドリー 2-0 アトレティコ・マドリー《ラ・リーガ》
2021.12.13 07:46 Mon
ラ・リーガ第17節、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーによるマドリード・ダービーが、12日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのレアルが2-0で勝利した。超WSの選手採点結果と寸評は以下の通り。
▽レアル・マドリー採点

GK
1 クルトワ 7.5
グリーズマンとレマルの直接FKを見事な読みと反応で阻止。後半の難しい時間帯での連続セーブや相手に一矢報いることも許さぬ最終盤の顔面セーブなど、まさに守護神という圧巻のパフォーマンス
DF
2 カルバハル 6.0
前半は逆サイドとのバランス、カラスコの突破を意識してか普段よりも後ろ重心でプレー。後半は守勢を強いられた中、アセンシオのゴールシーンでは勝負所を見極めた立ち位置とランニングで貢献
(→ナチョ 5.5)
堅実な対応で逃げ切りに導く
3 ミリトン 7.0
相手のアタッカー陣との一対一でほぼ完ぺきな対応。マイボール時も安定した繋ぎをみせ、2点目に繋がる好フィードを供給
試合終盤のスアレスとやり合う。試合を通して強い負荷がかかるようなシーンは少なかったが、攻守両面で的確なサポートが光った
23 メンディ 6.0
対面のコレアやジョレンテに決定的な仕事を許さず。後半は1枚カードをもらった中で軽率なファウルを犯す。レフェリー次第では退場の可能性もあっただけに反省材料
MF
10 モドリッチ 7.5
先制点の起点に。攻守両面で卓越した戦術眼とプレー精度をみせ、中盤の勝負で優位性をもたらす
14 カゼミロ 6.5
百戦錬磨の相棒2人のサポートを受けながらバランサーとしての仕事を完遂
8 クロース 6.5
中盤の主役はモドリッチに譲ったが、涼しい顔で多くのタスクを高精度でこなし続けた
FW
11 アセンシオ 6.5
前半はチームの戦い方もあって大人しかったが、直近のインテル戦に続くダメ押しの貴重なゴールを奪取
(→バルベルデ -)
9 ベンゼマ 6.5
負傷明けで前半のみの出場となるなど万全のコンディションではなかったが、圧巻のフィニッシュで決勝点を記録。2021年の公式戦得点数を「36」とし、キャリアハイを更新
(→ヨビッチ 6.0)
見事なポストワークから2点目の起点に。決定的な仕事はなかったが、水準以上のパフォーマンスだった
20 ヴィニシウス 7.0
自身のゴールチャンスは決め切れなかったが、チームを勝利に導く2アシスト。ダービーの意味を理解し、攻め残りよりも味方を助ける守備の献身性も光った
(→ロドリゴ -)
監督
アンチェロッティ 6.5
2-0のスコア以上の力の差を見せつけてラ・リーガでの対アトレティコ初勝利。抱える選手の能力の高さはもちろんのこと、的確な修正が光った
▽アトレティコ・マドリー採点

GK
13 オブラク 5.5
失点はいずれもノーチャンス。ヴィニシウスのニア上を狙った難しいシュートを防ぐなど、個人としてできることはやっていた
DF
14 マルコス・ジョレンテ 5.5
右サイドバックで相手のキーマンのヴィニシウスに応対。攻撃面では期待された仕事はできなかったが、今日のチームパフォーマンスでそれを求めるのは酷と言える
18 フェリペ 5.0
急造最終ラインの中でリーダーシップを発揮したかったが、相手アタッカー陣との駆け引きに完敗。個人としても厳しいパフォーマンスだった
4 コンドグビア 5.0
レアル相手には3バックの一角でも厳しいにも関わらず、4バックのセンターバックではやはり厳しかった。不用意に釣りだされる場面や守備時の優先順位の判断など、本職ではない難しさが多く見受けられた
22 エルモソ 5.5
2センターバックが厳しい出来に終わった中で最終ラインの中で孤軍奮闘。個人としては最低限の仕事はこなした
MF
10 アンヘル・コレア 5.0
メンディとアラバに封殺される。ただ、守備や球際の部分ではハードワークしていただけにもう少し引っ張っても良かった気も…
(→スアレス 5.0)
見せ場は終盤のアラバとのバトルのみ。負傷明けのコンディション、試合展開を考えると、初めから多くを期待できなかったか
5 デ・パウル 5.5
幾度か良い形での潰しや持ち運びはあったが、今日は相手が悪かった
(→エクトル・エレーラ 5.5)
球際の強さと気迫のプレーで終盤の攻勢に関与
6 コケ 5.0
カピタンとしてチームを鼓舞して90分間走り続けたが、勤続疲労の影響か全体的にプレーの精度を欠いた
21 カラスコ 5.0
ウイングバックではなくサイドハーフの位置でより局面の打開を託されたが、ミリトンら相手守備陣にうまく潰された
(→レマル 5.5)
投入直後に攻撃を活性化させ、直接FKで見せ場を作ったが、決定的な仕事には至らず
FW
19 クーニャ 5.5
幾度か良いボールの収めや決定機に絡むプレーもあったが、相手のソリッドな守備陣を前に難しい試合となった
(→ロージ 5.5)
相手のペースダウンもあって守備は無難にこなしたが、攻撃面で推進力を出せず
8 グリーズマン 5.0
直接FKが唯一の見せ場に。相手の守備陣にことごとく潰されて前半のみのプレーに
(→フェリックス 6.0)
レマルと共に攻撃を活性化させるなど、個人としては上々のパフォーマンス。惜しむらくは最終盤に一矢報いるゴールを決めたかった
監督
シメオネ 5.0
センターバックの負傷者によって難しいやりくりを強いられた。ハーフタイムの交代で流れを変えるまでは持っていったが、以降の交代策は嵌らず
★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ!
モドリッチ(レアル・マドリー)
圧巻のゴールキーピングを見せたクルトワも見事だったが、中盤で抜群の輝きを放った36歳のベテランMFをMOMに選出。フットボールの奥深さを感じさせるプレーリードや立ち位置の妙に加え、年齢を全く感じさせないハードワークは驚異的だった。
レアル・マドリー 2-0 アトレティコ・マドリー
【レアル・マドリー】
ベンゼマ(前16)
アセンシオ(後12)
▽レアル・マドリー採点

(C)CWS Brains,LTD.
GK
1 クルトワ 7.5
グリーズマンとレマルの直接FKを見事な読みと反応で阻止。後半の難しい時間帯での連続セーブや相手に一矢報いることも許さぬ最終盤の顔面セーブなど、まさに守護神という圧巻のパフォーマンス
DF
2 カルバハル 6.0
前半は逆サイドとのバランス、カラスコの突破を意識してか普段よりも後ろ重心でプレー。後半は守勢を強いられた中、アセンシオのゴールシーンでは勝負所を見極めた立ち位置とランニングで貢献
堅実な対応で逃げ切りに導く
3 ミリトン 7.0
相手のアタッカー陣との一対一でほぼ完ぺきな対応。マイボール時も安定した繋ぎをみせ、2点目に繋がる好フィードを供給
4 アラバ 6.5
試合終盤のスアレスとやり合う。試合を通して強い負荷がかかるようなシーンは少なかったが、攻守両面で的確なサポートが光った
23 メンディ 6.0
対面のコレアやジョレンテに決定的な仕事を許さず。後半は1枚カードをもらった中で軽率なファウルを犯す。レフェリー次第では退場の可能性もあっただけに反省材料
MF
10 モドリッチ 7.5
先制点の起点に。攻守両面で卓越した戦術眼とプレー精度をみせ、中盤の勝負で優位性をもたらす
14 カゼミロ 6.5
百戦錬磨の相棒2人のサポートを受けながらバランサーとしての仕事を完遂
8 クロース 6.5
中盤の主役はモドリッチに譲ったが、涼しい顔で多くのタスクを高精度でこなし続けた
FW
11 アセンシオ 6.5
前半はチームの戦い方もあって大人しかったが、直近のインテル戦に続くダメ押しの貴重なゴールを奪取
(→バルベルデ -)
9 ベンゼマ 6.5
負傷明けで前半のみの出場となるなど万全のコンディションではなかったが、圧巻のフィニッシュで決勝点を記録。2021年の公式戦得点数を「36」とし、キャリアハイを更新
(→ヨビッチ 6.0)
見事なポストワークから2点目の起点に。決定的な仕事はなかったが、水準以上のパフォーマンスだった
20 ヴィニシウス 7.0
自身のゴールチャンスは決め切れなかったが、チームを勝利に導く2アシスト。ダービーの意味を理解し、攻め残りよりも味方を助ける守備の献身性も光った
(→ロドリゴ -)
監督
アンチェロッティ 6.5
2-0のスコア以上の力の差を見せつけてラ・リーガでの対アトレティコ初勝利。抱える選手の能力の高さはもちろんのこと、的確な修正が光った
▽アトレティコ・マドリー採点

(C)CWS Brains,LTD.
GK
13 オブラク 5.5
失点はいずれもノーチャンス。ヴィニシウスのニア上を狙った難しいシュートを防ぐなど、個人としてできることはやっていた
DF
14 マルコス・ジョレンテ 5.5
右サイドバックで相手のキーマンのヴィニシウスに応対。攻撃面では期待された仕事はできなかったが、今日のチームパフォーマンスでそれを求めるのは酷と言える
18 フェリペ 5.0
急造最終ラインの中でリーダーシップを発揮したかったが、相手アタッカー陣との駆け引きに完敗。個人としても厳しいパフォーマンスだった
4 コンドグビア 5.0
レアル相手には3バックの一角でも厳しいにも関わらず、4バックのセンターバックではやはり厳しかった。不用意に釣りだされる場面や守備時の優先順位の判断など、本職ではない難しさが多く見受けられた
22 エルモソ 5.5
2センターバックが厳しい出来に終わった中で最終ラインの中で孤軍奮闘。個人としては最低限の仕事はこなした
MF
10 アンヘル・コレア 5.0
メンディとアラバに封殺される。ただ、守備や球際の部分ではハードワークしていただけにもう少し引っ張っても良かった気も…
(→スアレス 5.0)
見せ場は終盤のアラバとのバトルのみ。負傷明けのコンディション、試合展開を考えると、初めから多くを期待できなかったか
5 デ・パウル 5.5
幾度か良い形での潰しや持ち運びはあったが、今日は相手が悪かった
(→エクトル・エレーラ 5.5)
球際の強さと気迫のプレーで終盤の攻勢に関与
6 コケ 5.0
カピタンとしてチームを鼓舞して90分間走り続けたが、勤続疲労の影響か全体的にプレーの精度を欠いた
21 カラスコ 5.0
ウイングバックではなくサイドハーフの位置でより局面の打開を託されたが、ミリトンら相手守備陣にうまく潰された
(→レマル 5.5)
投入直後に攻撃を活性化させ、直接FKで見せ場を作ったが、決定的な仕事には至らず
FW
19 クーニャ 5.5
幾度か良いボールの収めや決定機に絡むプレーもあったが、相手のソリッドな守備陣を前に難しい試合となった
(→ロージ 5.5)
相手のペースダウンもあって守備は無難にこなしたが、攻撃面で推進力を出せず
8 グリーズマン 5.0
直接FKが唯一の見せ場に。相手の守備陣にことごとく潰されて前半のみのプレーに
(→フェリックス 6.0)
レマルと共に攻撃を活性化させるなど、個人としては上々のパフォーマンス。惜しむらくは最終盤に一矢報いるゴールを決めたかった
監督
シメオネ 5.0
センターバックの負傷者によって難しいやりくりを強いられた。ハーフタイムの交代で流れを変えるまでは持っていったが、以降の交代策は嵌らず
★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ!
モドリッチ(レアル・マドリー)
圧巻のゴールキーピングを見せたクルトワも見事だったが、中盤で抜群の輝きを放った36歳のベテランMFをMOMに選出。フットボールの奥深さを感じさせるプレーリードや立ち位置の妙に加え、年齢を全く感じさせないハードワークは驚異的だった。
レアル・マドリー 2-0 アトレティコ・マドリー
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アセンシオ(後12)
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「あと大変なのは弟分だけね」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、慌ただしいミッドウィーク開催36節がバルサのリーガ優勝で終わった翌朝のことでした。いやあ、もちろん、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでマジョルカ相手に意地で勝利を挙げた甲斐もなく、翌日にはクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点差を7にした宿敵がエスパニョールに0-2と勝利。最短ルートでタイトルをものにしたのはきっと、レアル・マドリーの選手たちも面白くないものを感じているとは思いますけどね。お隣さんも負けたため、2位の座が安泰となったのは良かったかと。 一方、またしてもアウェイで恥をさらしてきたアトレティコも前節で、毎シーズンの義務である5位以上の来季CL出場権は確定させていますからね。まだ4位のアスレティックに抜かれる可能性あるものの、5位ビジャレアルとは勝ち点差6でゴールアベレージはイーブン、総得失点差で上回っているため、落ちても4位で来季のスペイン・スーパーカップ出場権(今季の決勝がバルサvsマドリーだったため)はゲットと至って平和なんですが、対照的に残り2節に全てが懸かってしまったのが、ラージョ、ヘタフェ、レガネスのマドリッド勢弟分3チームなんですよ。 その状況を説明するのを兼ねて、この火曜水曜の試合がどうだったか、振り返っていくことにすると。先陣を切ったのはどこより辛い状況にあるレガネスで、ええ、ラ・セラミカでのビジャレアル戦を私もサンティアゴ・ベルナベウへ行く前に見ていたんですけどね。前節はようやくエスパニョールに勝ったため、少しは継続してくれるかと期待したものの、それがまったくダメだったんです。相手がCL出場権獲得に邁進しているチームだというのもあったんでしょうが、前半だけでアジョセに2本、そしてハーフタイム入り直前にもペペに決められて、呆気なく3-0で勝負がついてしまいましたっけ。 それも不幸は重なるもので、同日同時間帯にプレーしていたアラベスがバレンシアに1-0で勝ったため、残留圏最後の17位である相手とレガネスの勝ち点差が4となり、いえ、おかげでバジャドリーに続き、ラス・パルマスの降格が決まり、僅かでも生き残りの可能性があるのは18位のレガネスだけとなったんですけどね。ボルハ・ヒメネス監督は、「Mientras hay vida, hay esperanza. Vamos a pelear a por los 40 puntos/ミエントラス・アイ・ビダ、アイ・エスペランサ。バモス・ア・ペレアル・ア・ポル・ロス・クアレンタ・プントス(生きている間は希望がある。ウチは勝ち点40を目指して戦う)」と話していたものの…。 というのも、彼らの残りの対戦相手は37節、日曜の全カードunificacion(ウニフィカシオン/統合)時間帯午後7時(日本時間翌午前2時)ではラス・パルマス、最終節はバジャドリーと両降格済みチームというのは希望が持てるんですが、他力本願になることだから。要はやはり、次節にバジャドリーと対戦するアラベスが勝った場合、勝ち点が41となり、レガネスは2連勝しても追いつけず。その場合はもう2つの残留未達成チーム、勝ち点5差のヘタフェか、エスパニョールが2連敗してくれるかどうかに懸かってくることに。 どちらにしろ、かなり見込みの薄い賭けに見えるんですが、ラ・セラミカでの帰りがけには応援に来ていたレガネスファンが、来季はバレンシア移籍の噂があるネユウに「Basura!/basura(クズ)」と罵声を浴びせ、一気触発状態になったなんてことも。いつもブタルケでは「2部Bになってもついていく」と歌っているファンたちなんですから、今季4年ぶりで再昇格して、慣れない1部での戦いにここまで一生懸命、取り組んできた選手たちを貶めることはしないでほしいものです。 そして火曜の午後9時半、サンティアゴ・ベルナベウにマジョルカを迎えたマドリーはというと、泣きっ面に蜂とはまさにこのことで、クラシコに負けてリーガ逆転優勝の目が99%なくなった彼らには前代未聞の頭数不足が襲来。元々、長期離脱のカルバハル、ミリトン、手術したリュディガー、アラバ、メンディ、まだリハビリ中のカマビンガ、クラシコでケガをしたビニシウス、ルーカス・バスケス、自信喪失中のロドリゴ、出場停止のチュアメニに加え、試合前日にもGKルニンとブライムが招集リスト落ちとなったおかげで、とうとう大量12名が欠けたとなれば、その日の控え選手がバジャホ以外、全員カンテラーノ(RMカスティージャの選手)だったの仕方なかったかと。 そのせいか、ベルナベウも満員にはならなかったんですが、そんな状況でも勝利を求められるのがマドリーですからね。前半11分、マテウのパスをセバージョスがカットできず、バルイェントに先制ゴールを奪われた時には場内も一瞬、凍りついたものでしたが、そこは世界一を自負するチーム。GKレオ・ロマンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発したせいで、同点になるのは後半23分、モドリッチのスルーパスから、敵DF3人に囲まれたエムバペが格の違いを際立たせるシュートを決めてくれるまで待たないといけなかったんですが、いやホント、マドリーには最後まで絶対に諦めない精神がしみ込んでいるんですねえ。 そう、後半19分に脚を打撲した、今は押しも押されぬレギュラーでも登録がRMカスティージャのままのアセンシオをトップチームの幽霊部員バジェホに交代。他は29分にせっかく巡ってきた先発のチャンスを生かせなかったエンドリックをコパ・デル・レイ準々決勝レガネス戦の後半ロスタイムに決勝ゴールを挙げたゴンサロにしただけで、トップチームの選手が常時7人以上ピッチにいないといけない規定を守ったマドリーは、アンチェロッティ監督も「Nunca he visto un equipo que haya tirado 40 veces a portería como hemos hecho/ヌンカ・エ・ビストー・ウン・エキポ・ケ・アジャ・ティラードー・クアレンタ・ベセス・ア・ポルテリア・コモ・エモス・ヘッチョー(ウチがやったように40回もシュートするチームは見たことがない)」と驚いていた猛攻を、飽きずに終盤まで続けることに。 するととうとう、後半ロスタイム最後の分にはモドリッチのCKがクリアされた後、フラン・ガルシアが再びエリアに戻したボールをバジェホがヘッドで流し、出場3試合目のCBヤコボがコペテに先んじてシュート。「He ido y no sé ni cómo, pero la he metido/エ・イドー・イ・ノー・セ・ニ・コモ、ペロ・ラ・エ・メティードー(行って、どうやったかはわからないけど、ゴールに入れた)」という彼の初得点で、土壇場のremontada(レモンダーダ/逆転劇)を達成しているんですから、驚いたの何のって(最終結果2-1)。 これでバルサがエスパニョール戦をプレーする前にして、リーガチャンピオンとなるのを防げたマドリーだったんですが、この根性を今季、リーガのバルサ戦以外の試合でも見せられていいたらねえ。試合後、クルトワなどは、「Vamos a creer hasta que matemáticamente sea imposible/バモス・ア・クレエル・アスタ・ケ・マテマティカメンテ・セア・インポシブレ(数字的に不可能になるまで、ボクらは信じる)」と言っていたものの、翌日のカタルーニャダービーでは予想通り、奇跡は起こらず。 よって、残りのセビージャ、レアル・ソシエダとの2試合は、レバンドフスキととうとう3得点差になったエムバペが上乗せゴールを入れて、ピチチ(リーガの得点王)だけでなく、ヨーロパ・ゴールデンシュー獲得を目指す機会と、クラブW杯前のプレシーズンマッチと化したマドリーなんですが、ケガから復帰する選手もそうそう多くはなさそうですしね。大体がして、もうアンチェロッティ監督の頭にはブラジル代表の6月W杯予選に向けての招集リスト作りしかないかも。 せいぜい、6月に赴任するシャビ・アロンソ監督にRMカスティージャからの抜擢メンバーがアピールする機会ぐらいにしかならないんじゃないかと思いますが、困ったのは、試合終了直前まで、勝ち点1確保を見込みながら、空手で帰ることになったマジョルカのアラサーテ監督の決意。そう、8位のコンフェレンスリーグ出場の座を勝ち点1差でラージョ、オサスナと争っている彼らだけに、「最後のCKをクリアして終わったはずだったのにゴールを入れられた。Te vas con rabia, pero hay que transformarla en energía el domingo/テ・バス・コン・ラビア、ペロ・アイ・ケ・トランスフォルマルラ・エン・エネルヒア・エル・ドミンゴ(怒り心頭だが、このエネルギーを日曜に持って行かないと)」と言っていたんですが、その日曜の相手はヘタフェなんですよ。 おまけに「Tenemos que intentar ganar el domingo para llegar a Vallecas con opciones europeas/テネモス・ケ・インテンタール・ガナール・エル・ドミンゴ・パラ・ジェガール・ア・バジェカス・コン・オプシオネス・エウロペアス(日曜に勝って、ヨーロッパの大会参加の可能性を残してバジェカスに着かないといけない)」(アラサーテ監督)というように、マジョルカの最終節はラージョ戦。となれば、もしやマドリーは弟分たちに対して、余計なことをしてくれた? ええ、何せ翌木曜にはマドリッドがサン・イシドロ祭の祝日で賑わう中、エスタディオ・バジェカスに足を運んだ私だったんですけどね。昼間に降ったにわか雨も上がり、お日様がさんさんと輝く中でキックオフとなったベティス戦は、ラージョが前半37分にペドロ・ディアスのミドルシュートがバーに当たって落ちたボールをデ・フルートスがヘッドで決めて先制。更に前半ロスタイムにもルジューヌの直接FKがゴールとなり、2-0で折り返す最高の展開に。 やっぱりここ3週間、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦から週2試合となり、しかも先週は延長戦でチェルシーとの決勝に進出とあって、ベティスは疲れているはずという予想が当たったと、ホクホクしながら、後半を捨てて、私がコリセウムに向かったところ、やられました!うーん、やはり「Salimos un poco aturdidos quizás por la euforia, en la segunda parte/サリモス・ウン・ポコ・アトゥルディードス・キサ・ポル・ラ・エウフォリア、エン・ラ・セグンダ・パルテ(ボクらは多分、歓喜しすぎていて、ちょっとボオッとして後半に入った)」(ラティウ)のせいだったんでしょうかね。 メトロからアトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り換える前、早くも6分にはクチョのゴールで1点を返され、15分には英雄だったルジューヌがアブデをエリア内で倒してPKを献上。イスコに2点目を決められて、最後は2-2で引き分けてしまうんですから、ガッカリじゃないでうか。いえ、「Tenemos dos finales por delante y hay que ganarla/テネモス・ドス・フィナレス・ポル・デランテ・イ・アイ・ケ・ガナールラ(ウチには2つの決勝があって、勝たないといけない)」とイニゴ・ペレス監督も言っていた通り、日曜のセルタ戦、最終節のマジョルカ戦に勝てば、来季のコンフェレンスリーグの切符どころか、36節で勝ち点4差になってしまったセルタを追い越して、未だにEL行きも夢じゃないんですけどね。 せっかくの直接ライバルたちと差をつける機会を失ってしまったのは残念ではありますが、まあ、最後まで競うものが残留ではないだけ、ラージョは百万倍幸せ。だってえ、ファンに総動員をかけ、アスレティック戦前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)を焚いて、チームバスをお出迎えしてもらい、普段の数倍は力強いコリセウムの応援を受けながら、GKダビド・ソリアとウナイ・シモンのロングゴールキックと延々にボールが宙を舞っていた試合、ヘタフェは後半31分にグルセタ、44分にはCKからビビアンのシュートを浴びて、ウィリアムス兄弟のいなかったアスレティックに0-2で負け、来季のCL出場確定を祝われてしまったんですよ。 おかげでとうとう、試合の終盤にはスタンドから、「jugadores mercenarios/フガドーレス、メセナリオス(選手は金で雇われた傭兵)」というカンティコが出ていた程だったんですが、つまりこれって、6連敗の彼らは未だに残留確定ができておらず。エスパニョール、アラベス、レガネスと共に降格最後の1チームになる可能性があるってことで、奇跡が起こって、お隣さんが残留できても、ヘタフェが落ちたら、そんな悲劇はない?いやまあ、それでも日曜のマジョルカ戦、最終節のセルタ戦で勝ち点を貯められれば、回避可能なんですけどね。揃って相手がヨーロッパの大会出場を目指しているチームというのが辛いところかと。 そんなヘタフェにはもう少しのガッツと幸運を祈るしかないんですが、え?何で木曜にプレーしたアトレティコの話が抜けているんだって?いやあ、私がバジェカスに行ったのも実はもう、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)であの、ちっちもさっちもいかない彼らのアウェイゲームを見ているのに耐えられなかったからで、案の定、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継でも一向にいい話は聞こえてこず。挙句の果てに前半24分にはCKから、カテナにヘッドでゴールを挙げられて先制されると、後半途中にはシメオネ監督がフリアン・アルバレス、セルロートを下げる不可解采配を見せ、ええ、今のコレアとグリーズマンではゴールをまったく期待できませんですからね。 最後は後半37分にもブドミルに頭で決められ、2-0ですごすご完敗と、その気合のないプレーぶりにラジオの解説者たちがカンカンだったのを聞くにつけ、見ないで本当に良かったとホッとしたのは私だけではない?これで彼らはコパ・デル・レイ準決勝でバルサに負けて、今季全てのタイトル獲得可能性がほぼ消えて以来、アウェイ戦5試合でたったの1勝。そんな情けない有様にならなければ、もっと遅くまでリーガで粘れたんじゃないかと思うんですが、これには「監督がアウェイで選手たちがいいレベルを見せるのに必要なモチベーションを与えられない監督の責任」といくらシメオネ監督が言い張ったって、やっぱり当事者たちの自覚の問題があるのでは? おまけにこのオサスナ戦では後半途中にバリオスがジョレンテの腰に頭をぶつけ、脳震盪で交代。日曜のスィートホーム、メトロポリターノでの今季最終戦、ベティス戦にも出られなくなってしまうとは如何に。昨季同様、シーズン終盤は突極のアウェイ弱者になり下がったアトレティコにはもう、何を言っていいか、私もわからないんですが、そんなところを含めて、彼らは人間的な愛すべきチーム。今はせめて、クラブW杯では心を入れ替えて、今季のCLグループフェーズ、PSG戦やレバークーゼン戦で見せた強さを再現してくれることを願うしかありませんね。 ご挨拶: サイトのサービス終了をもって、このコラムも今回で終わりとなります。長年のおつき合い、ありがとうございました。この先もサッカーファンの旅行先として最適なマドリッドの魅力、リーガやマドリッドのクラブの試合やニュース、スペイン代表などについて、お伝えする方法を模索中なので、その際にはよろしくお願いします。 2025.05.17 21:00 Sat4