1チーム2カテゴリーを生かせない決断の一歩、田中碧は投入できなかったのか/日本代表コラム
2021.10.08 12:30 Fri
◆1チーム2カテゴリーを生かすべきでは
もちろん、前述の前半の決定機を決めていれば、この結末はなかったかもしれない。あのシーンで柴崎が繋ぐことを諦めていれば、失点はなかったかもしれない。試合が終わってしまえば、全てがタラレバになり、結果を変えることはできない。
どうなるかは誰にもわからないが、気になるのは選手交代の決断だ。
9月の2試合、オマーン代表戦、中国代表戦では、森保監督は3人ずつしか交代させていない。邪推でしかないが、レギュレーションを勘違いしているのかな?とも思ってしまったほどだ。
通常の3人ではなく、5人交代できるということは、局面を大きく変えられる可能性を秘めている。もちろん、その交代で悪化することもあるわけだが、オマーン戦にしても、全体的に動きが悪かった試合であり、積極的にカードを切っても良かったはずだ。
もちろん、余裕のある試合運びができていれば、カードを切る決断も簡単にできたのだろう。ただ、2試合を3枚の交代で終えた。
そしてサウジアラビア戦。結果として5人交代をさせるわけだが、起用された5人のうち2カテゴリー目の東京五輪世代から起用されたのは中山雄太(ズヴォレ)の1人のみだ。
個人的な意見でしかないが、柴崎が狙われ続けていたこと、そして展開やパスの精度が相手に狙われ続け、疲弊したことで下がってきた段階で、ベンチに最適な交代要員がいたはずだ。それがMF田中碧(デュッセルドルフ)だ。
柴崎と全く同じではないが、ゲームの流れを作り、ハードな守備をこなせ、相手の隙を突く選択ができる選手だ。日本代表歴は2試合しかなく、ほぼ初招集のような状態ではあるが、森保監督は良く知っているはず。東京五輪では全試合で起用するほどの信頼を寄せた選手だ。
さらに言えば、コンビを組む遠藤とは東京五輪で5試合プレーし、スペインやメキシコといった強豪との経験もある。ドイツに渡り、逞しさも増したことを考えれば、彼を起用するという決断はそこまで難しくはなかったように思う。
1チーム2カテゴリーを率いていた指揮官の最大の利点は、A代表の経験が少ない選手を見ていることで、積極的に起用できる面だろう。
かつてのフィリップ・トルシエ監督は、A代表からアンダー世代まで指揮した結果、力のある若手を積極的に起用し、チームの底上げを図った。
しかし、残念なことに森保監督のこの3試合で先発起用した選手は17人。そのうち東京五輪世代は、中国代表戦で先発したMF久保建英(マジョルカ)だけだ。途中出場を含めても、堂安律(PSV)と中山の3名。若手を起用すれば良いと言うことではないが、固定し過ぎたメンバーで結果が出ていない状況。必勝で臨まなければいけない、12日のホーム・オーストラリア代表戦では、何か変化をもたらせ、2カテゴリーを指揮した意味を見せる必要があるのではないだろうか。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
©JFA
もちろん、前述の前半の決定機を決めていれば、この結末はなかったかもしれない。あのシーンで柴崎が繋ぐことを諦めていれば、失点はなかったかもしれない。試合が終わってしまえば、全てがタラレバになり、結果を変えることはできない。
どうなるかは誰にもわからないが、気になるのは選手交代の決断だ。
9月の2試合、オマーン代表戦、中国代表戦では、森保監督は3人ずつしか交代させていない。邪推でしかないが、レギュレーションを勘違いしているのかな?とも思ってしまったほどだ。
通常の3人ではなく、5人交代できるということは、局面を大きく変えられる可能性を秘めている。もちろん、その交代で悪化することもあるわけだが、オマーン戦にしても、全体的に動きが悪かった試合であり、積極的にカードを切っても良かったはずだ。
もちろん、余裕のある試合運びができていれば、カードを切る決断も簡単にできたのだろう。ただ、2試合を3枚の交代で終えた。
そしてサウジアラビア戦。結果として5人交代をさせるわけだが、起用された5人のうち2カテゴリー目の東京五輪世代から起用されたのは中山雄太(ズヴォレ)の1人のみだ。
個人的な意見でしかないが、柴崎が狙われ続けていたこと、そして展開やパスの精度が相手に狙われ続け、疲弊したことで下がってきた段階で、ベンチに最適な交代要員がいたはずだ。それがMF田中碧(デュッセルドルフ)だ。
柴崎と全く同じではないが、ゲームの流れを作り、ハードな守備をこなせ、相手の隙を突く選択ができる選手だ。日本代表歴は2試合しかなく、ほぼ初招集のような状態ではあるが、森保監督は良く知っているはず。東京五輪では全試合で起用するほどの信頼を寄せた選手だ。
さらに言えば、コンビを組む遠藤とは東京五輪で5試合プレーし、スペインやメキシコといった強豪との経験もある。ドイツに渡り、逞しさも増したことを考えれば、彼を起用するという決断はそこまで難しくはなかったように思う。
1チーム2カテゴリーを率いていた指揮官の最大の利点は、A代表の経験が少ない選手を見ていることで、積極的に起用できる面だろう。
かつてのフィリップ・トルシエ監督は、A代表からアンダー世代まで指揮した結果、力のある若手を積極的に起用し、チームの底上げを図った。
しかし、残念なことに森保監督のこの3試合で先発起用した選手は17人。そのうち東京五輪世代は、中国代表戦で先発したMF久保建英(マジョルカ)だけだ。途中出場を含めても、堂安律(PSV)と中山の3名。若手を起用すれば良いと言うことではないが、固定し過ぎたメンバーで結果が出ていない状況。必勝で臨まなければいけない、12日のホーム・オーストラリア代表戦では、何か変化をもたらせ、2カテゴリーを指揮した意味を見せる必要があるのではないだろうか。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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