日本のレベルアップを実感する長友佑都「ここ数年と比べても強いチーム」

2021.06.14 16:10 Mon
twitterfacebookhatenalinegplus
photo
©︎CWS Brains, LTD.
日本代表のDF長友佑都(マルセイユ)が、15日に行われるカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選最終節のキルギス代表戦前のオンラインのメディア対応に臨んだ。5月28日のカタールW杯アジア2次予選のミャンマー代表戦からスタートした今回のシリーズ。日本はミャンマー戦での勝利で最終予選進出を決めていた。

6月にはU-24日本代表戦(3日)、タジキスタン代表戦(7日)、セルビア代表戦(11日)と行われた中、ミャンマー戦から4連勝を収め、最後のキルギス戦を前に長友がコメント。過去の日本代表と今のチームとの比較などについて語った。

若手の積極的なコミュニケーションに長友は「どんどん吸収しようと、成長しようと貪欲な意思が伝わってきて僕自身もすごく嬉しいですね」と語りつつ、ピッチの上では「もっとギラギラしても、自分の意見をぶつけてもいい」とより一層の主張を促した。

ただ、エゴを押し出すか協調性を重んじるかの比較に関しては「チームの時期と状況にもよる」とケースバイケースだとの見解を示唆。また、あえて言葉にはせずとも、兄貴分ならではの肌感覚で「内に秘めているものはすごく感じる」と、仲間が抱く想いは理解できているとの言葉も残した。

「南野も(鎌田)大地も(伊東)純也も、中に秘めているもの、燃えたぎるものはすごく感じるんですよね。表現はしないかもしれないですけど、中には秘めているとすごく感じてるんで。なのでまったく心配していないですし、彼らもエゴを出すだけじゃなく、チームのために走って貢献している、そういうチーム状態だと思うんで、非常にいい状態、いい雰囲気で強いチームになってきているなと思います」

そして、チームとしての完成度に関しては過去に比べて「ベースはかなり上がっていると思う」と非常にポジティブな印象の様子。これまでの代表と同等かそれ以上の競争が生まれており、長友自身も競争は歓迎だとしている。さらにチームとしてのメンタルの部分も、大きく変化していると感じているようだ。

「僕も10年以上(日本代表に)いさせてもらってますけど、近年まれにみるほどの競争があるんじゃないですかね。特に中盤とか前は非常にレベルの高い選手たちがいますし、みんな調子がいいですからね。なので、僕自身も気を引き締めなくちゃいけないし、危機感ももちろんあるし、そこには打ち勝っていかなきゃいけないなと思います」

「ベースとしては確実にレベルアップしていると感じます。もちろん強い相手とやっていないのでなかなか比べられないというか、見えない部分というはあるんですけど、チームのみんなの意識、今何をしなければいけないのかという意識、インテンシティとか取られた後にボールを取り返す意識だったりとかは、相当なレベルで僕は上がっている、浸透していると思っています」

「それは格下の相手とやったとしても、セルビアのような強い相手とやったとしても、ベースとしてまったく変わらずやれているので、ここ数年と比べても僕自身はいいチーム、強いチームだなと思います」

「今はどんな相手でも勝つことは絶対条件で、プラスアルファ90分の中で何ができるのか、何を示せるのかっていうのが、意識としてチーム全体に浸透しているし、意思統一できているので、メンタリティの部分では大きく変わっているなと感じてますね」
関連ニュース
thumb

浦和のR・ロドリゲス監督が母国紙で日本vsスペインを展望! 「スペインの方がやや有利だが…」

浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督が、3日に行われる東京オリンピックの男子サッカー準決勝、U-24日本代表vsU-24スペイン代表について展望を語った。 大会前のフレンドリーマッチでは1-1の引き分けに終わった両者。日本は史上初、対するスペインは2000年のシドニーオリンピック以来21年ぶりの決勝進出を目指し、再び相まみえる。 スペイン『アス』のインタビューに答えたリカルド・ロドリゲス監督は、拮抗した試合になると予想した上で、スペインがやや優勢だとコメント。しかし、過去最高レベルの選手が揃った日本にも勝つ可能性はあると言及した。 「互角の戦いになるだろう。スペインの方がやや有利だが、日本はスペインを退けて決勝戦に進出する歴史的なチャンスと捉えている。住んでいてそれを日々感じるよ」 「彼らはスペインと戦ったことがあるので、勝つことは可能だと思っている。歴史の中でもトップレベルの選手が揃った最高のチームだと感じているはずだ」 「それに、遠藤、酒井、吉田という3人のオーバーエイジの選手がチームにプラス要素をもたらした。そのおかげで若い選手たちがより頼もしい存在になったね」 「歴史的なチャンスに直面しているが、自分たちが劣っているとは考えていないだろう。決勝に行くチャンスはあると思っているはずだ。ホームで戦い、日本中からのサポートを受けているしね」 また、今回の日本代表の強みを分析。浦和に加入した酒井宏樹らによって構成されるDFラインに言及しつつ、2列目の選手が違いを見せてくれると答えた。 「日本はディフェンス面が強みだ。とても信頼できる」 「マルセイユから獲得した酒井は今私の選手であり、アジアのチームが最も苦手とする守備の局面に安定をもたらしているね」 「そして前線では、3人のMFが違いを見せてくれる。特に堂安と久保のコンビは別格だ」 「さらに、縦に速い前田によって相手を驚かせることもできる。監督としての意見だがね」 2021.08.03 15:15 Tue
twitterfacebook
thumb

日本代表にU-24メキシコ代表監督を招へい? 関心示すと現地で噂が急浮上

東京オリンピックに臨んでいるU-24メキシコ代表。ベスト4に進出しメダルが懸かる戦いを控える中、驚きの情報をメキシコ『レコルド』が報じた。 『レコルド』によると、U-24メキシコ代表を率いている、ハイメ・ロサーノ監督に対して、日本サッカー協会(JFA)が代表監督就任を検討しているというものだ。 日本では、現在A代表と東京オリンピックに臨んでいるU-24日本代表に関しては森保一監督が兼任している。2018年のロシア・ワールドカップ後に西野朗前監督から引き継ぐ形で監督に就任した森保監督は、元々東京オリンピック世代を率いていたこともあり兼任に。その結果、A代表との1チーム2カテゴリーで強化を進め、東京オリンピックではベスト4に駒を進めた。 U-24日本代表は、金メダルを目指して準決勝でU-24スペイン代表と対戦。勝っても負けても、残り2試合でその活動が終了する。 一方でA代表は9月からカタール・ワールドカップ アジア最終予選がスタート。来年12月の本大会の出場権確保を目指す。 そんな中で突如浮上した噂。具体的な動きはないものの、JFAがロサーノ監督を森保監督の後任に検討しているという。 U-24メキシコ代表は日本とグループステージで同居。試合は2-1で日本が勝利したが、グループステージでは一番苦しめられた相手。準々決勝ではU-24韓国代表に対して6-3で勝利するなど、メダル候補の1つだ。 『レコルド』によるとロサーノ監督を候補としている理由はメキシコと日本の選手がスピードと強さではなく、フィジカル的に似ており、体格なども似ているからだとしている。 ロサーノ監督は、現役時代はメキシコ国内でプレーしプーマスやティグレス、クルス・アスルなど名門でプレー。引退後はプーマスやケレタロのU-20チームを率いた後、ケレタロのファーストチームの監督に就任。2019年1月からU-24メキシコ代表を率いている。 あくまでも現地で浮上した噂であり、A代表なのか、パリ・オリンピックを目指す世代の代表なのか、また時期など詳細も何もない状況。しかし、東京オリンピックで見せている手腕が高いことは実証済みなだけに、興味を持つ可能性がないとは言えないだろう。 2021.08.03 11:08 Tue
twitterfacebook
thumb

スペイン五輪代表アセンシオ「タケは素晴らしい選手」 日本との準決に意気込み

U-24スペイン代表でオーバーエイジとしてプレーするFWマルコ・アセンシオが同じくレアル・マドリーに籍を置くU-24日本代表MF久保建英を警戒した。スペイン『マルカ』が報じている。 東京オリンピック男子サッカーに参戦中のスペインはグループDを苦しみながらも首位突破すると、準々決勝でU-24コートジボワール代表との延長戦にもつれ込む激戦を制して、ベスト4入り。自国開催だった1992年のバルセロナ大会以来となる金メダルにまた一歩前進した。 そんな今大会屈指のタレント軍団が次の準決勝でぶつかるのは今大会前のフレンドリーマッチでも顔を合わせ、2012年のロンドン大会以来となる4強入りを果たしたホスト国の日本。3日に決勝進出をかけて、埼玉スタジアム2002を舞台に相対する。 ここまで4試合に出場して1アシストの数字を残すアセンシオは日本との試合に先駆けた会見に出席すると、「すごく良い感じだ。初戦から全員が成長して、気持ちも楽になり、フレンドリーマッチのときよりも良い感じで試合に挑めている」とチーム状態の良さを口にした。 そのなかで、今大会のここまで3ゴールと活躍する久保にも触れ、「タケは素晴らしい選手で、今大会をすごく良いものにしている。彼にとっても、日本にとっても、良い大会になっているよね」と印象を語ると、タフなゲーム展開を予想しつつ、ファイナル進出に闘志を燃やした。 「彼らはすごく活気のあるチームで、彼も重要な選手。難しい戦いになるだろうね。彼をできるだけ消して、勝ちたい」 また、東京で行われているオリンピックについて「楽しめているよ。素晴らしいチームメイトもいるしね。人間的にも、選手とコーチングスタッフによって、素晴らしいチームが築かれている。そうじゃないと、1カ月も集中し難いよね」とも話している。 2021.08.02 18:10 Mon
twitterfacebook
thumb

日本代表へ粋なメッセージのニュージーランド、ホテルスタッフたちの“満面の笑み”が印象的なお別れ動画にも反響

東京オリンピックの男子サッカー準々決勝でU-24日本代表に敗れ、ベスト8で敗退となったU-24ニュージーランド代表。PK戦まで持ち込んだその戦いぶりだけでなく、試合後にロッカールームに置かれているホワイトボードに日本代表への感動的なメッセージを書き込んでくれるなど、そのスポーツマンシップも大きな話題を呼んだ。 敗退が決まり、すでに母国へと帰国したニュージーランド代表だが、チームの公式ツイッターで滞在していた鹿嶋市のホテルを出発するシーンの動画を投稿してくれた。 そこには、ニュージーランドの国旗を持ったホテルのスタッフの方々が、マスク越しでもハッキリと分かる笑顔で、選手たちが乗ったチームバスに大きく手を振っている姿があった。 ニュージーランド代表は「ありがとう鹿嶋、そして東京2020」と英語で感謝の言葉を述べている。 また、グループステージ敗退が決定した女子ニュージーランド代表も、「Arigato gozaimasu and sayonara @Tokyo2020!」という言葉とともに、お台場をバックにしたチームの集合写真で日本への感謝を伝えている。 <span class="paragraph-title">【動画&写真】U-24ニュージーランド代表とホテルスタッフのお別れシーンと女子チームがお台場をバックに撮った集合写真</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Thank you Kashima and <a href="https://twitter.com/Tokyo2020?ref_src=twsrc%5Etfw">@Tokyo2020</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/EarnTheFern?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#EarnTheFern</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/Tokyo2020?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Tokyo2020</a> <a href="https://t.co/p3eY6Un5qK">pic.twitter.com/p3eY6Un5qK</a></p>&mdash; New Zealand Football (@NZ_Football) <a href="https://twitter.com/NZ_Football/status/1421705311501516801?ref_src=twsrc%5Etfw">August 1, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">U-24ニュージーランド代表チームが、試合後のロッカールームにメッセージを残してくれました。<br><br>Thank you <a href="https://twitter.com/NZ_Football?ref_src=twsrc%5Etfw">@NZ_Football</a><br><a href="https://twitter.com/hashtag/Tokyo2020?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Tokyo2020</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#サッカー</a><a href="https://twitter.com/hashtag/jfa?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#jfa</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/daihyo?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#daihyo</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/U24%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#U24日本代表</a> <a href="https://t.co/1MdQUBG9nv">pic.twitter.com/1MdQUBG9nv</a></p>&mdash; サッカー日本代表【U24】#Tokyo2020 準決勝 vs8.3@埼玉 (@jfa_samuraiblue) <a href="https://twitter.com/jfa_samuraiblue/status/1421775649518223365?ref_src=twsrc%5Etfw">August 1, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="in" dir="ltr">Arigato gozaimasu and sayonara <a href="https://twitter.com/Tokyo2020?ref_src=twsrc%5Etfw">@Tokyo2020</a>! <a href="https://twitter.com/hashtag/EarnTheFern?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#EarnTheFern</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/KoT%C4%81tauTeKapaOAotearoa?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#KoTātauTeKapaOAotearoa</a> <a href="https://t.co/ox6KwnX40H">pic.twitter.com/ox6KwnX40H</a></p>&mdash; New Zealand Football (@NZ_Football) <a href="https://twitter.com/NZ_Football/status/1421715161061105665?ref_src=twsrc%5Etfw">August 1, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.08.02 14:15 Mon
twitterfacebook
thumb

なでしこが突き付けられた「経験値」と「成長速度」、男女で明暗分かれた東京五輪の日本サッカー/日本代表コラム

東京オリンピックも残すところ1週間となった。およそ3週間に渡る大会もあっという間に終わりを迎える。 自国開催のオリンピックにおいて、日本勢は各競技で躍進が続いている。柔道では連日金メダル獲得の報が入る他、新種目のスケートボードやサーフィンでメダルを獲得するなどし、金メダル数は前回の東京オリンピック(1964年)とアテネ・オリンピック(2004年)をすでに超えることとなった。 各競技で金メダルを目指してアスリートたちが戦う中、サッカーも当然のことのように目標として金メダルを掲げていた。 しかし、女子は準々決勝で優勝候補のスウェーデン女子代表に3-1で敗れて敗退。男子は準々決勝でU-24ニュージーランドと対戦し、PK戦の末に勝ち上がりを決めた。 メダルを逸した女子と可能性を残した男子。ともに準々決勝では苦しい戦いを強いられたが、その内容には明らかな隔たりがあった。 <span class="paragraph-title">◆チーム内に見えるメンタル面の充実</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210802_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> まずは男子だ。グループステージは南アフリカ、メキシコ、フランスと強豪とされる相手との“死の組”に入ったとも言われた中、16カ国中唯一の3連勝でグループステージを首位通過した。 グループステージの3試合ともに先制し、試合を優位に進めることに成功した。初戦のU-24南アフリカ代表戦こそ守備を固める相手になかなかネットを揺らせなかったが、U-24メキシコ代表戦、U-24フランス代表戦と前半の早い時間帯に先制。焦る相手を尻目に追加点と、盤石の試合運びを見せた。 一方で女子は初戦のカナダ女子代表戦では、稚拙な守備対応から6分で失点。2戦目のイギリス女子代表戦では、警戒していたエレン・ホワイトに、一瞬の隙を突かれてクロスに合わせられて失点した。 警戒していた形でやられるやり方は、3戦目のチリ女子代表戦こそなかったが、準々決勝のスウェーデン女子代表戦でもサイドを突破されてやられていた。 相手との実力差という点もあるが、何よりも試合に臨むメンタリティに差を感じた。男子に関しては、自分たちが積み上げてきたものをしっかりと出すことに集中。前からのプレス、パスワークでの崩しなど、準備したものをここまで出せている。ニュージーランドに対応されても、ブレることなく戦い方を貫いた先にPK戦での勝利を手にした。 一方で、なでしこに関しては準備してきたものを出せているとは言い難い戦いぶりだった。どこか積極性を欠き、相手の圧に押されている印象を常に感じた。もちろん、ミスやリスクを避けたかったのかもしれないが、相手のプラスの力にはそれでは負けてしまう。パスを繋ぐサッカーだったが、横と後ろへのパスが多かった印象だ。 <span class="paragraph-title">◆明暗を分けた経験値の差</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210802_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> その違いはどこから来るのか。1つは選手個々の経験値の差が大きいと言えるだろう。 互いに22名が登録されている今回のオリンピック。海外クラブに所属している選手が10名(田中碧も含む)、また海外リーグでの経験を含めると酒井宏樹と前田大然の2名がプラスされる。田中はプレーはしていないが、それでも11名が海外のトップリーグでのプレーを経験している。 一方でなでしこは、DF宝田沙織、MF長谷川唯、MF林穂之香、FW岩渕真奈、FW籾木結花の5名。経験者という意味ではFW田中美南も入るが6名だ。 男子に関しては日頃から対峙して居る相手と同等のレベルの選手とピッチ上で対峙する。またA代表との1チーム2カテゴリーを実践してきたことから、世代別ではない代表選手とのプレーも経験しており、より高いレベルを経験値として持って居ることが大きい。 もちろん、オーバーエイジの3選手の存在感は群を抜いて居るが、それでも多くの選手が外国人との対戦経験が豊富という状況だ。さらにそこに引き上げられるように、Jリーグでプレーする選手たちの強度や意識は格段に向上しているのが見て取れる。 一方で、なでしこはそこが不足。2019年の女子ワールドカップに出場したメンバーも多いが、男子に比べて経験値は圧倒的に低い。DF熊谷紗希が唯一群を抜いて経験値が高いが、1人ではカバーしきれない部分は多いだろう。 国内でプレーする選手が多いことが問題というよりは、世界基準に上げられたかどうかという部分が大きな差となった。日々の経験の差もあることながら、チームとしてどこまで世界基準を要求し引き上げたか。A代表と兼任している森保一監督の良さが出た部分とも言えるかもしれない。 <span class="paragraph-title">◆成長速度の変化</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210802_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> また、その差は経験値だけにとどまらない。強化、成長速度という点では、女子は圧倒的に世界から遅れていることが浮き彫りになった。 各国でプロ化が進んでいる女子サッカー。日本もオリンピック後の9月にWEリーグが開幕し、プロリーグが初めて誕生する。 しかし、世界の強豪国と呼ばれる選手たちはすでにプロ選手ばかり。環境の差は、そのまま成長の差に繋がっていく。 10年前、ドイツ女子ワールドカップでなでしこジャパンが世界一になり、世界を驚かせた。体格面、特にフィジカル面で劣る中、連携やテクニック、戦術的な部分で上回ることに活路を見出し、それを体現したことで世界女王に輝いた。 そこから10年。両者のフィジカル面の差を埋めることは難しい。むしろ、アスリート能力という点では、ヨーロッパやアメリカの選手たちの方が向上した感さえある。準々決勝のスウェーデン戦を見ていても、体格差以上に走力や身体の使い方などは相手の方がはるかに上だった。 そして何より、日本が長けていたはずの戦術面に関しては、それぞれの国々が10年前の日本の優勝を境に最も取り組んできた部分だったと言える。 相手に合わせた戦い方、フィジカルに任せたプレーではなく、自分たちのストロングポイントを出すスタイルに変化が現れ、選手たちもそれをしっかりとピッチ上で表現できるレベルになっていた。 細かくパスを繋ぐポゼッションスタイルと掲げていた日本に対しては、素早いプレスをかけることでうまくビルドアップさせない戦い方を選び、優っていた走力や身体の強さを生かしたプレーで攻め込んだ。 なでしこジャパンもこの10年で成長していないとは言わない。個々のレベルも上がったと言えるだろう。ただ、その成長速度には大きな差が生まれ、もともと優っていた部分の差を埋められ、もともと劣っていた部分の差も広げられたことが現実だろう。結果として、日本の力の無さが出てしまった大会とも言える。 <span class="paragraph-title">◆なでしこに突きつけられた課題、男子は払拭できるか</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210802_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> WEリーグという国内でのプロリーグが開幕する前に不安要素が浮き彫りとなった女子サッカー。もちろん、悲観的になるだけでなく、それこそWEリーグが何を果たすべきなのかが明確になったのではないだろうか。 例えば、ヨーロッパでは、女子サッカーに投資する男子のビッグクラブが年々増えて居る。2020-21シーズンからはレアル・マドリーが女子チームを作り参戦。イングランドではマンチェスター・ユナイテッドも女子チームを本格的に動かす。 フランスでは圧倒的に女子サッカーが強かったリヨンに代わり、ここからはパリ・サンジェルマンが強い時代が来そうな予感だ。女子チャンピオンズリーグの顔ぶれも、かつては女子チームとして栄えたチームが多かったが、今では男子のそれとほぼ顔ぶれは変わらない。 WEリーグに参戦するJリーグクラブは浦和レッズ、大宮アルディージャ、東京ヴェルディ、ジェフユナイテッド千葉、アルビレックス新潟、AC長野パルセイロ、サンフレッチェ広島の7つのみ。まだまだ国内での女子サッカーの地位は高いとは言えない。この先女子サッカー界で日本の地位を上げるには、国内リーグの競争力アップも必要だ。 一方でメダルに一歩近づいた男子は、準決勝でスペインと対戦する。優勝候補筆頭のスペインだが、ここでこそ今の日本代表の力を示すところだろう。これまでとの違いは何なのか。個々の選手たちがそれぞれのクラブで積み上げてきたもの、経験値を出す場だと言える。 大会前には1-1で引き分けた相手だ。ただ、来日から間も無く、チームとしての実戦が少ない状態での試合だった。そこから東京オリンピックでは4試合を戦って居る。相手も勝てば銀メダル以上が確定するだけに、当然必勝体制でくる。ここで勝てるかどうか。史上初の決勝に駒を進めるかどうかは、オリンピックだけでなく、A代表にとっても大きな1試合となりそうだ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2021.08.02 13:45 Mon
twitterfacebook
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly