【ユーロ2020/グループD展望】イングランド&クロアチアが本命も、スコットランドとチェコも粒揃い
2021.06.13 18:30 Sun
ユーロ2020のグループステージが6月11日に開幕する。グループDは、初優勝を目指すイングランドや前回のワールドカップで準優勝の成績を収めたクロアチアが本命も、スコットランドやチェコも粒揃いで侮れない存在となっている。◆成長著しい若手タレント軍団~イングランド~
最高順位/3位
予選戦績/7勝1敗(グループA・1位)
監督/ガレス・サウスゲイト
注目選手/FWハリー・ケイン(トッテナム)
今大会で10度目の出場も、最高成績は3位と何度も涙を飲んできたスリーライオンズ。前回大会は躍進のアイスランドが起こした波乱に巻き込まれベスト16で敗退。目標はもちろん優勝だが、6大会ぶりのベスト4進出をまずは目指したい。今予選では対抗馬となり得たのが唯一チェコのみという、ほぼ1強だったグループAを7勝1敗で余裕の首位突破。ただ、その1敗はこのグループDでも同居したチェコに喫したものであることは忘れてはならない。
とはいえ、予選では勝利した7試合は全て4得点以上記録しており、ホームのモンテネグロ戦は7得点、アウェイのブルガリア戦も6得点と、なかなか大量得点が難しい代表戦において他の追随を許さない圧倒的な得点力を誇る。そして、注目選手に挙げたケインはその中で12得点と量産。予選でチームが挙げた総得点37のうち、およそ3分の1を記録し、全チームにおいて最多得点者となった。
そんなエースを支える中盤や守備陣を構成するのは、多くが世界最高峰のプレミアリーグの荒波に揉まれる選手たち。とりわけ、MFフォーデンやMFマウント、FWラッシュフォードといった本大会での活躍が期待される中心選手は20代前半で、フォーデンは今季プレミアリーグの最優秀若手選手にも選ばれた至宝だ。一方でMFヘンダーソンやDFマグワイア、DFカイル・ウォーカーといった経験豊富な選手が脇を固めており、スリーライオンズを優勝候補に挙げるメディアは少なくない。
最高順位/ベスト8
予選戦績/5勝2分け1敗(グループE・1位)
監督/ズラトコ・ダリッチ
注目選手/MFルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
イングランドに次いでグループステージ突破の本命に数えられるクロアチア。予選ではウェールズやスロバキア、ハンガリーなど結果的に5チーム中4チームが本戦に進んだ曲者揃いのグループで5勝2分け1敗の首位突破。唯一本戦出場を逃した格下のアゼルバイジャンと引き分ける面もあったが、スロバキアやハンガリーから3点以上奪っており、得点力は問題ないようだ。
ユーロでの最高成績はベスト8止まりとなっているクロアチアだが、やはり2018年ワールドカップでの躍進はまだまだ印象深く刻まれている。ダークホース的扱いだったなか、グループステージではアルゼンチンを抑えて首位通過すると、決勝トーナメントではデンマーク、ロシアと対戦相手にも恵まれながら、準決勝でイングランドを延長戦の末に破って決勝へ進出。優勝したフランスには及ばなかったものの、タレント不足を運動量で補った戦い方は見るものを熱くさせた。
そして、そんなクロアチアの注目選手はもちろん主将モドリッチ。準優勝したロシアW杯では大会MVPに選ばれ、さらにその年のバロンドールまで受賞。名実ともに世界最高のMFとして認められた。現チームは代表から引退したMFラキティッチやFWマンジュキッチを除けば、MFブロゾビッチやDFヴルサリコをはじめ、DFロブレンにFWペリシッチなどの中心メンバーは健在。そこにMFパシャリッチやDFブラダリッチ、MFヴラシッチなど、この3年で台頭した若手が融合しており、予選でチーム最多の4ゴールを記録したFWペトコビッチは、マンジュキッチに代わるエースに名乗りを挙げている。
◆予選は苦しむも躍進の可能性?~スコットランド~
最高順位/グループステージ敗退
予選戦績/5勝5敗(グループI・3位)
監督/スティーブ・クラーク
注目選手/MFジョン・マッギン(アストン・ビラ)
スコットランドは6大会ぶり3度目の出場となる。ただ、その1996年大会もグループリーグ敗退となっており、歴史上決勝トーナメントに進んだことはない。今回の予選でもやはり苦戦を強いられており、ベルギーとロシアが同居したグループIで3位となったが、UEFAネーションズリーグ2018-19の成績からプレーオフに進出。そのイスラエル戦ととセルビア戦はいずれもPKによる辛々の勝利だったが、見事に本戦出場の切符を勝ち取った。
ここまでは今回もグループステージ突破は厳しそうだが、メンバーは意外にも粒揃い。リバプールで不動の左サイドバックに君臨するDFロバートソンをはじめ、マンチェスター・ユナイテッドで主力を張るMFマクトミネイ、今季のサウサンプトンでMVP級の活躍を見せたMFアームストロングなど、プレミアリーグの猛者が集う。
その中で注目選手に挙げるのは、予選でチーム最多の7ゴールを記録したMFジョン・マッギンだ。中盤を縦横無尽に走り回る運動量を武器に攻守で存在感を放つボックス・トゥ・ボックスの選手で、今季のアストン・ビラではリーグ戦37試合に出場3ゴール6アシストの成績を残した。同じポジションでは先に挙げたマクトミネイの他、チェルシー所属の有望株ギルモアなどタレントは十分に揃っており、中盤でいかに優位性を作れるかが突破の鍵となる。
◆ソーチェク擁する中盤に注目~チェコ~
最高順位/準優勝
予選戦績/5勝3敗(グループA・2位)
監督/ヤロスラフ・シルハヴィ
注目選手/MFトマシュ・ソーチェク(ウェストハム)
同グループではイングランドと並んで最多となる10度目の出場。チェコとしては1996年大会の準優勝が最高成績だが、チェコスロバキアとしては1976年に優勝した経験を持つ。前述のように、予選ではイングランドを下すなどして2位通過。だが、最多得点がFWパトリック・シックの4点と、攻撃面に迫力が欠けるというのがチームの印象だ。
予選以降の試合でも、FIFAランキングで同等以下のチームには勝てても、上位のチームになると沈黙することが多く、ドイツやイタリアに力負けしてきた。また、懸念すべきはネーションズリーグでスコットランドに2連敗していること。初戦でこの壁を越えて勢いをつけたところだ。
注目選手は今季のウェストハムの躍進を支えたMFソーチェク。豊富な運動量とインテンシティで中盤を制圧し、プレミアリーグの台風の目となったハマーズの原動力に。同じクラブで活躍したDFコウファルにも刮目したい。また、国内リーグ3連覇中のスラビア・プラハから招集されたMFマソプストやMFセフチク、DFボリルら5人のコンビネーションも武器の一つだ。
【試合日程】
◆第1節
▽6/13(日)
《22:00》
イングランド vs クロアチア
▽6/14(月)
《22:00》
スコットランド vs チェコ
◆第2節
▽6/19(土)
《25:00》
クロアチア vs チェコ
《28:00》
イングランド vs スコットランド
◆第3節
▽6/23(水)
《28:00》
クロアチア vs スコットランド
チェコ vs イングランド
Getty Images
最高順位/3位
予選戦績/7勝1敗(グループA・1位)
監督/ガレス・サウスゲイト
注目選手/FWハリー・ケイン(トッテナム)
とはいえ、予選では勝利した7試合は全て4得点以上記録しており、ホームのモンテネグロ戦は7得点、アウェイのブルガリア戦も6得点と、なかなか大量得点が難しい代表戦において他の追随を許さない圧倒的な得点力を誇る。そして、注目選手に挙げたケインはその中で12得点と量産。予選でチームが挙げた総得点37のうち、およそ3分の1を記録し、全チームにおいて最多得点者となった。
そんなエースを支える中盤や守備陣を構成するのは、多くが世界最高峰のプレミアリーグの荒波に揉まれる選手たち。とりわけ、MFフォーデンやMFマウント、FWラッシュフォードといった本大会での活躍が期待される中心選手は20代前半で、フォーデンは今季プレミアリーグの最優秀若手選手にも選ばれた至宝だ。一方でMFヘンダーソンやDFマグワイア、DFカイル・ウォーカーといった経験豊富な選手が脇を固めており、スリーライオンズを優勝候補に挙げるメディアは少なくない。
◆3年前の経験と若手の融合で再びダークホースに~クロアチア~
Getty Images
最高順位/ベスト8
予選戦績/5勝2分け1敗(グループE・1位)
監督/ズラトコ・ダリッチ
注目選手/MFルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
イングランドに次いでグループステージ突破の本命に数えられるクロアチア。予選ではウェールズやスロバキア、ハンガリーなど結果的に5チーム中4チームが本戦に進んだ曲者揃いのグループで5勝2分け1敗の首位突破。唯一本戦出場を逃した格下のアゼルバイジャンと引き分ける面もあったが、スロバキアやハンガリーから3点以上奪っており、得点力は問題ないようだ。
ユーロでの最高成績はベスト8止まりとなっているクロアチアだが、やはり2018年ワールドカップでの躍進はまだまだ印象深く刻まれている。ダークホース的扱いだったなか、グループステージではアルゼンチンを抑えて首位通過すると、決勝トーナメントではデンマーク、ロシアと対戦相手にも恵まれながら、準決勝でイングランドを延長戦の末に破って決勝へ進出。優勝したフランスには及ばなかったものの、タレント不足を運動量で補った戦い方は見るものを熱くさせた。
そして、そんなクロアチアの注目選手はもちろん主将モドリッチ。準優勝したロシアW杯では大会MVPに選ばれ、さらにその年のバロンドールまで受賞。名実ともに世界最高のMFとして認められた。現チームは代表から引退したMFラキティッチやFWマンジュキッチを除けば、MFブロゾビッチやDFヴルサリコをはじめ、DFロブレンにFWペリシッチなどの中心メンバーは健在。そこにMFパシャリッチやDFブラダリッチ、MFヴラシッチなど、この3年で台頭した若手が融合しており、予選でチーム最多の4ゴールを記録したFWペトコビッチは、マンジュキッチに代わるエースに名乗りを挙げている。
◆予選は苦しむも躍進の可能性?~スコットランド~
Getty Images
最高順位/グループステージ敗退
予選戦績/5勝5敗(グループI・3位)
監督/スティーブ・クラーク
注目選手/MFジョン・マッギン(アストン・ビラ)
スコットランドは6大会ぶり3度目の出場となる。ただ、その1996年大会もグループリーグ敗退となっており、歴史上決勝トーナメントに進んだことはない。今回の予選でもやはり苦戦を強いられており、ベルギーとロシアが同居したグループIで3位となったが、UEFAネーションズリーグ2018-19の成績からプレーオフに進出。そのイスラエル戦ととセルビア戦はいずれもPKによる辛々の勝利だったが、見事に本戦出場の切符を勝ち取った。
ここまでは今回もグループステージ突破は厳しそうだが、メンバーは意外にも粒揃い。リバプールで不動の左サイドバックに君臨するDFロバートソンをはじめ、マンチェスター・ユナイテッドで主力を張るMFマクトミネイ、今季のサウサンプトンでMVP級の活躍を見せたMFアームストロングなど、プレミアリーグの猛者が集う。
その中で注目選手に挙げるのは、予選でチーム最多の7ゴールを記録したMFジョン・マッギンだ。中盤を縦横無尽に走り回る運動量を武器に攻守で存在感を放つボックス・トゥ・ボックスの選手で、今季のアストン・ビラではリーグ戦37試合に出場3ゴール6アシストの成績を残した。同じポジションでは先に挙げたマクトミネイの他、チェルシー所属の有望株ギルモアなどタレントは十分に揃っており、中盤でいかに優位性を作れるかが突破の鍵となる。
◆ソーチェク擁する中盤に注目~チェコ~
Getty Images
最高順位/準優勝
予選戦績/5勝3敗(グループA・2位)
監督/ヤロスラフ・シルハヴィ
注目選手/MFトマシュ・ソーチェク(ウェストハム)
同グループではイングランドと並んで最多となる10度目の出場。チェコとしては1996年大会の準優勝が最高成績だが、チェコスロバキアとしては1976年に優勝した経験を持つ。前述のように、予選ではイングランドを下すなどして2位通過。だが、最多得点がFWパトリック・シックの4点と、攻撃面に迫力が欠けるというのがチームの印象だ。
予選以降の試合でも、FIFAランキングで同等以下のチームには勝てても、上位のチームになると沈黙することが多く、ドイツやイタリアに力負けしてきた。また、懸念すべきはネーションズリーグでスコットランドに2連敗していること。初戦でこの壁を越えて勢いをつけたところだ。
注目選手は今季のウェストハムの躍進を支えたMFソーチェク。豊富な運動量とインテンシティで中盤を制圧し、プレミアリーグの台風の目となったハマーズの原動力に。同じクラブで活躍したDFコウファルにも刮目したい。また、国内リーグ3連覇中のスラビア・プラハから招集されたMFマソプストやMFセフチク、DFボリルら5人のコンビネーションも武器の一つだ。
【試合日程】
◆第1節
▽6/13(日)
《22:00》
イングランド vs クロアチア
▽6/14(月)
《22:00》
スコットランド vs チェコ
◆第2節
▽6/19(土)
《25:00》
クロアチア vs チェコ
《28:00》
イングランド vs スコットランド
◆第3節
▽6/23(水)
《28:00》
クロアチア vs スコットランド
チェコ vs イングランド
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