【2022年カタールへ期待の選手vol.74】オーバーエージ抜きFW陣のけん引役。ガーナ戦の1得点1アシストで「チームを勝たせる仕事」を遂行/上田綺世(鹿島アントラーズ/FW)
2021.06.07 11:45 Mon
3日に急きょ組まれた日本代表との"兄弟対決"を東京五輪・当落選上メンバー主体の編成で戦ったU-24日本代表。攻撃陣も田川亨介(FC東京)を最前線に据え、その後ろに三好康児(アントワープ)、久保建英(ヘタフェ)、遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)の欧州組トリオを並べる布陣で挑んだ。
しかし、個人個人の生き残りへの意識が空回りしたのか、森保一監督が重視する連携・連動を欠き、チームとしての崩しが見られなかった。結果的にも0-3。前後半の立ち上がりに失点を重ねるという試合運びの悪さを露呈。オーバーエージ枠で加わった新キャプテン・吉田麻也(サンプドリア)も「ハッキリ言って1点目のような失点を大会でやってしまうと、大会自体が終わってしまう可能性がある」と苦言を呈していた。
5日のU-24ガーナ戦(福岡)では同じ轍を踏むわけにはいかない。札幌から福岡への移動日だった4日に予期せぬ悪天候に見舞われ、いったん新千歳空港へ到着しながら、再び札幌ドームに移動してブルペンで練習し、夜に飛行機に乗るというドタバタを強いられた分、コンディション面では難しさがあっただろうが、それを言い訳にはできなかった。今回は吉田、酒井宏樹(マルセイユ)、遠藤航(シュツットガルト)のオーバーエージ3人を含めたベスト布陣を組んだだけに、東京五輪本番の初戦・南アフリカ戦を想定したいい入りを見せる必要があった。
こうした中、大きな重責を背負ったのが、最前線に陣取った上田綺世(鹿島アントラーズ)。森保一監督がオーバーエージ枠で大迫勇也(ブレーメン)を招集しなかった分、彼に課せられる役割がより大きくなると見られたからだ。
「もともと代表に呼ばれるということは国を背負うということ。その覚悟を持って僕は戦っていますし、それは鹿島でも変わらない。何をもってエースというのか分からないですけど、僕はFWである以上、試合に勝たせるための点を取るのが仕事だと思っている。U-24代表通算で僕が一番多く点を取っているかもしれないですけど、目の前の試合で点を取ることが重要。FWとしての責任を持ってプレーしていきます」と上田は改めて強い決意を胸に秘め、福岡・ベスト電器スタジアムのピッチに立った。
ここまでは自分のリズムでボールを受ける機会が少なかったものの、前半32分には大きな見せ場が訪れる。久保建英(ヘタフェ)のスルーパスに抜け出し、ゴールライン際のところから中央にラストパス。そこに久保が飛び込み、左足で豪快にネットを揺らす。上田の巧みな動きが2点目を演出したのである。
前半を3-0で折り返した日本は後半も攻撃の手を緩めなかった。立ち上がり早々に相馬勇紀(名古屋)が4点目を叩き出し、迎えた11分、上田は左サイドバック・中山雄太(ズウォレ)の高精度クロスを頭で合わせ、5点目をゲット。1ゴール1アシストという結果を残し、6-0の大勝の原動力となった。
「どちらかというとホッとしたというか、やっと取れたという実感があります。ニアに入っていく意識はあったけど、深い位置からのクロスだったので、マイナスも行けるようにしていた。(マイナスに流れたけど)身体能力を活かしてニアに打てたのでよかったです」
本人は冷静にゴールシーンを分析したが、そうやって自身の一挙手一投足を俯瞰できるのが、彼の強みだ。持ち前の賢さを生かして長所短所を客観視し、突き詰めていくことで、大迫勇也(ブレーメン)らの領域に上り詰めようと躍起になっているに違いない。南アフリカ、メキシコ、フランスという強豪国と渡り合える東京五輪は自らを一段階、二段階飛躍させる絶好の機会。これをガッチリとつかみに行くべきだ。
「東京五輪はキャリアの分岐点。活躍すれば海外も見えてくるかもしれないですし、選ばれなければ、次のキャリアに向けて頑張るだけ。1つの区切りになると思います」
彼はこう語っていたが、確かに憧れの大迫はドイツに赴いてから急激な成長曲線を辿った。上田が同じ道を歩みたければ、やはり海外移籍のチャンスを引き寄せるしかない。
2019年夏に法政大学に在学しながらサッカー部を退部し、鹿島アントラーズ入りしてから早いもので2年。彼は2020年はJ1・26試合出場10得点という好成績を残し、今季もケガの離脱を繰り返しながら13試合出場6得点という悪くない数字を出している。直近の5月30日の川崎フロンターレ戦を見ても、荒木遼太郎のスルーパスに鋭く反応。GKチョン・ソンリョンの動きをしっかり見ながら右足ループで押し込んだ一撃は進化を象徴するものだった。「普段の僕にはないアイディアを生かせたし、新しい引き出しのゴールを取れた」と本人も手ごたえを口にしていた。
そうやって一瞬の判断で多彩な得点パターンを出せるのは、優れたストライカーの絶対的条件。今回のU-24代表を見渡すと、左右両足とヘッドで柔軟にゴールを奪えるのは上田くらいだ。しかも、前線でボールを引き出し、タメを作り、2列目やサイドバックが上がる時間を稼ぐプレーにも長けている。この万能型FWがオーバーエージ不在の攻撃陣をけん引しなければ、日本悲願のメダル獲得はあり得ない。
「ポスト・大迫勇也一番手」と目される男にはここで一気に浮上してほしいもの。ガーナ相手に見せたゴール前の迫力を、次なるジャマイカにも示すことが肝要だ。それが五輪本番、そして近未来の海外進出につながる。伸び盛りの今を逃してはならない。
しかし、個人個人の生き残りへの意識が空回りしたのか、森保一監督が重視する連携・連動を欠き、チームとしての崩しが見られなかった。結果的にも0-3。前後半の立ち上がりに失点を重ねるという試合運びの悪さを露呈。オーバーエージ枠で加わった新キャプテン・吉田麻也(サンプドリア)も「ハッキリ言って1点目のような失点を大会でやってしまうと、大会自体が終わってしまう可能性がある」と苦言を呈していた。
5日のU-24ガーナ戦(福岡)では同じ轍を踏むわけにはいかない。札幌から福岡への移動日だった4日に予期せぬ悪天候に見舞われ、いったん新千歳空港へ到着しながら、再び札幌ドームに移動してブルペンで練習し、夜に飛行機に乗るというドタバタを強いられた分、コンディション面では難しさがあっただろうが、それを言い訳にはできなかった。今回は吉田、酒井宏樹(マルセイユ)、遠藤航(シュツットガルト)のオーバーエージ3人を含めたベスト布陣を組んだだけに、東京五輪本番の初戦・南アフリカ戦を想定したいい入りを見せる必要があった。
「もともと代表に呼ばれるということは国を背負うということ。その覚悟を持って僕は戦っていますし、それは鹿島でも変わらない。何をもってエースというのか分からないですけど、僕はFWである以上、試合に勝たせるための点を取るのが仕事だと思っている。U-24代表通算で僕が一番多く点を取っているかもしれないですけど、目の前の試合で点を取ることが重要。FWとしての責任を持ってプレーしていきます」と上田は改めて強い決意を胸に秘め、福岡・ベスト電器スタジアムのピッチに立った。
長距離移動に厳格なコロナ対策の疲労、年齢的に日本より年下と三重苦を強いられたガーナが相手ということもあり、日本は序盤から敵を圧倒した。上田は献身的な守備でチームに貢献。開始16分の堂安律(ビーレフェルト)の先制弾のシーンではゴール前に飛び込んでマークを引き付ける黒子の働きをしてみせた。
ここまでは自分のリズムでボールを受ける機会が少なかったものの、前半32分には大きな見せ場が訪れる。久保建英(ヘタフェ)のスルーパスに抜け出し、ゴールライン際のところから中央にラストパス。そこに久保が飛び込み、左足で豪快にネットを揺らす。上田の巧みな動きが2点目を演出したのである。
前半を3-0で折り返した日本は後半も攻撃の手を緩めなかった。立ち上がり早々に相馬勇紀(名古屋)が4点目を叩き出し、迎えた11分、上田は左サイドバック・中山雄太(ズウォレ)の高精度クロスを頭で合わせ、5点目をゲット。1ゴール1アシストという結果を残し、6-0の大勝の原動力となった。
「どちらかというとホッとしたというか、やっと取れたという実感があります。ニアに入っていく意識はあったけど、深い位置からのクロスだったので、マイナスも行けるようにしていた。(マイナスに流れたけど)身体能力を活かしてニアに打てたのでよかったです」
本人は冷静にゴールシーンを分析したが、そうやって自身の一挙手一投足を俯瞰できるのが、彼の強みだ。持ち前の賢さを生かして長所短所を客観視し、突き詰めていくことで、大迫勇也(ブレーメン)らの領域に上り詰めようと躍起になっているに違いない。南アフリカ、メキシコ、フランスという強豪国と渡り合える東京五輪は自らを一段階、二段階飛躍させる絶好の機会。これをガッチリとつかみに行くべきだ。
「東京五輪はキャリアの分岐点。活躍すれば海外も見えてくるかもしれないですし、選ばれなければ、次のキャリアに向けて頑張るだけ。1つの区切りになると思います」
彼はこう語っていたが、確かに憧れの大迫はドイツに赴いてから急激な成長曲線を辿った。上田が同じ道を歩みたければ、やはり海外移籍のチャンスを引き寄せるしかない。
2019年夏に法政大学に在学しながらサッカー部を退部し、鹿島アントラーズ入りしてから早いもので2年。彼は2020年はJ1・26試合出場10得点という好成績を残し、今季もケガの離脱を繰り返しながら13試合出場6得点という悪くない数字を出している。直近の5月30日の川崎フロンターレ戦を見ても、荒木遼太郎のスルーパスに鋭く反応。GKチョン・ソンリョンの動きをしっかり見ながら右足ループで押し込んだ一撃は進化を象徴するものだった。「普段の僕にはないアイディアを生かせたし、新しい引き出しのゴールを取れた」と本人も手ごたえを口にしていた。
そうやって一瞬の判断で多彩な得点パターンを出せるのは、優れたストライカーの絶対的条件。今回のU-24代表を見渡すと、左右両足とヘッドで柔軟にゴールを奪えるのは上田くらいだ。しかも、前線でボールを引き出し、タメを作り、2列目やサイドバックが上がる時間を稼ぐプレーにも長けている。この万能型FWがオーバーエージ不在の攻撃陣をけん引しなければ、日本悲願のメダル獲得はあり得ない。
「ポスト・大迫勇也一番手」と目される男にはここで一気に浮上してほしいもの。ガーナ相手に見せたゴール前の迫力を、次なるジャマイカにも示すことが肝要だ。それが五輪本番、そして近未来の海外進出につながる。伸び盛りの今を逃してはならない。
日本の関連記事
キリンチャレンジカップの関連記事
|
|
日本の人気記事ランキング
1
「まさに死闘ってカンジ」歴史に残るバーレーンとの4-3の激闘!2004年大会プレイバックに反響「このゴールで中澤佑二に惚れた」
31日、日本代表はアジアカップ2023のラウンド16でバーレーン代表と対戦する。 過去の対戦成績は日本の8勝2敗となっているが、アジアカップの舞台で最後に対戦したのは2004年の中国大会での準決勝。記憶に残る激闘だった。 MF小野伸二、FW高原直泰ら当時の主力選手が欠場していた当時の日本は、開催国の中国サポーターにブーイングを浴びせられながらも決勝トーナメントに進出すると、準々決勝ではPK戦途中でのサイド変更とGK川口能活の神がかり的なセーブが印象深いヨルダン代表戦に勝利し、準決勝でバーレーンと対戦した。 しかし、バーレーン戦では開始6分に先制ゴールを許すと、40分にはMF遠藤保仁が不可解な判定で一発退場。日本はビハインドの状況で数的不利を負ってしまった。 数的不利の状況でもMF中田浩二とFW玉田圭司のゴールで逆転した日本だったが、その後2失点。2-3と1点ビハインドで試合終盤を迎えた。 それでも日本は最後まで諦めず。DFも攻めあがって同点ゴールを狙うと、90分にDF中澤佑二が値千金の同点ゴール。不屈の精神で同点に追いつくと、延長前半には玉田の独走ゴールが決まり、4-3で激闘を制していた。 なんとか決勝に進出した日本は、決勝で中国代表を撃破。見事に大会連覇を成し遂げていた。 久しぶりの対戦を前に『DAZN』は当時の試合映像をプレイバック。SNS上のファンも「このゴールで中澤佑二に惚れた」、「バーレーン戦といえばこの試合よな」、「痺れたね、玉田」、「まさに「死闘」ってカンジだった!」、「2004の大会は激熱だった」と当時を思い返している。 ベスト8を懸けた一戦は、31日の20時30分にキックオフ。『DAZN』で視聴が可能だ。 <span class="paragraph-title">【動画】当時の記憶が蘇る!2004年大会でのバーレーンとの激闘ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>「バーレーンvs日本」<br>過去対戦をプレイバック<br>\<br><br>アジアカップ2004年大会で起きた<br>奇跡の大逆転劇<br><br><a href="https://twitter.com/hashtag/AFC%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#AFCアジアカップ</a> ラウンド16<br>バーレーン×日本<br>1/31(水)20:30(19:45配信開始)<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> 独占配信<br>出演:水沼貴史/小野伸二/佐藤寿人/下田恒幸/桑原学 <a href="https://t.co/x7Sals8iKu">pic.twitter.com/x7Sals8iKu</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1752609401201189348?ref_src=twsrc%5Etfw">January 31, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.31 18:45 Wed2
日本代表が離脱の南野拓実の代役にオナイウ阿道を追加招集、フランス2部で現在2試合連続ゴール中で背番号は南野の「10」に
日本サッカー協会(JFA)は4日、トゥールーズのFWオナイウ阿道を日本代表に追加招集することを発表した。背番号は「10」を付ける。 日本代表は2日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオマーン代表戦で0-1と敗戦。中国代表戦を戦うため、カタールへと移動した。 オマーン戦を負傷欠場していたMF南野拓実(リバプール)がケガのためそのまま離脱。攻撃陣が手薄となっていた。 なお、DF板倉滉(シャルケ)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)に続いて3人目の離脱となっていた。 オナイウは今シーズンの明治安田生命J1リーグで20試合に出場し12得点を記録。夏にリーグ・ドゥ(フランス2部)のトゥールーズへと完全移籍すると、6試合で2ゴールを記録。2試合連続ゴール中と好調を維持していた。 2021.09.04 22:05 Sat3
「素晴らしいムービーありがとう」W杯の熱量そのままに!開幕へ向けたJリーグのPVが大反響「四年後じゃない。二ヶ月後だ」
ワールドカップ(W杯)の熱気を冷ましてしまうのはもったいない。 日本代表の活躍も記憶に新しいカタールW杯はアルゼンチン代表の優勝で閉幕したが、サッカーファンにはとっては高校サッカー、インカレ、皇后杯など、まだまだイベントが続く。 23日には来季のJリーグ開幕節の日程も発表に。さらにJリーグは翌日、公式SNSで開幕へ向けたプロモーションビデオを公開した。 各W杯戦士がJリーグチームに在籍していた際の懐かしいユニフォームをファンが着用し、試合を注視。さらに当時の映像に加え、ラストにはサプライズも盛り込まれてる。 「Jリーグから巣立った選手たちが、カタールで戦っていた。」 「祭りが終わって、もうすぐ日常が始まる。」 「次の主役たちは、たぶん、私たちの日常の中にいる。もしかしたら、いつものスタジアムのピッチに。」 「また、ここから始めよう。」 「四年後じゃない。二ヶ月後だ。」 「2023年2月17日、Jリーグ開幕。」 近年では新卒で海外挑戦をする選手や海外クラブの育成組織へ加入するプレーヤーも増加しているが、カタールW杯を戦った日本代表26選手は全員がJリーグ経験者。中にはJ3でのプレー経験を持つ選手もいる。 過去から未来へとつながる映像には、ファンからも「素晴らしいムービーありがとうございます」、「感動したわ」、「泣かせますやん」、「2ヶ月後とか待ちきれないな」などの声が届けられたほか、現役選手やOBからも大きな反響が寄せられている。 <span class="paragraph-title">【動画】Jリーグ開幕へ向けた煽りPV</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="A32xw6cPO3w";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2022.12.24 15:50 Sat4
「日本代表を熟知している」妻は日本人、過去に京都所属のモンゴル代表指揮官が意気込む《カタールW杯アジア2次予選》
日本代表は10日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップ予選のモンゴル代表戦を行う。 試合に先立ち、モンゴル代表のドイツ人指揮官、ミハエル・ワイス監督が記者会見に出席した。 ワイス監督は、会見の冒頭に「どっちが良いですか?日本語ですか?」と日本語を披露。「どちらでも良いですが、英語で話しましょう」と語ると、日本人女性と結婚していることを明かした。 2000年7月から2004年6月までは、京都パープルサンガでゲルト・エンゲルス監督、ピム・ファーベーク監督の下でアシスタントコーチを務めていた。 日本との関わりも深く、日本代表も熟知しているワイス監督は、日本代表戦に向けた意気込みを語った。 ◆ミハエル・ワイス監督(モンゴル代表) 「では、英語で話しましょう。モンゴル代表監督として、アジアでベストのチームと試合ができることを誇りに思っています。それから個人的に思い入れがありまして、実は21年間神戸に住んでいる日本人の女性と結婚しているので、今回の凱旋に関しては特別な思いがあります」 「しかし、それは脇に置いておいて、チームは明日日本代表と戦うわけですが、若い選手が多く、このレベルで試合をした経験があまりない選手もいますので、明日の雰囲気に飲まれないように、日本に怖気付かないように、立派なプレーができるように望んでいます」 ──日本代表を熟知しているかと思いますが、日本代表の印象は。またモンゴル代表の強みをどう生かしたいか 「まず、私自身、随分前になりますが、京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)で仕事をしていましたので、日本に住んでいたことがあります。あとは家族の関係もありますので、日本代表や日本のサッカーはずっとフォローしていますし、多くの知人もいます。日本代表については深い知識があると思っています」 「今、日本代表はちょうど過渡期にあって変革の時にあると思います。若いワクワクするような選手が台頭しています。中島選手、堂安選手、南野選手たちです。それから、コパ・アメリカから始まって、最近2試合のミャンマー戦、パラグアイ戦もしっかりとモニタリングしました」 「そうした色々な自分たちの知識に基づいて、我々は攻撃的なリスクをとるのではなく、守備的な試合を明日はします。選手たちが明日圧倒されないように、そして自分たちが持っているベストの能力を最大限にしっかりと発揮できるようにしたいと思います。あとは、どれだけモンゴルのサッカーが発展しているかを見せたい」 ──明日の試合は、監督、選手にとって良いパフォーマンスをすることと、良い結果を残すことのどちらが大事か 「もちろん、我々はしっかりとしたパフォーマンスを見せること、我々のやり方を見せることが大事です。そして、明日の試合で多くを学びたいと思います。そして、我々モンゴル代表の優れたパフォーマンス、長所をしっかり出していきたいと思います」 「日本の攻撃的なアクションにあふれたプレーに対して、しっかりと照準を合わせて、メンバーの面でも日本代表にしっかりと対応していく準備ができています。準備を実践することが大事だと思っています」 ──明日は元横綱の朝青龍も観に来ると言っていますが、何かチームに影響はあるのか 「とてもポジティブだと思います。自分たちの存在をしっかりと認めてくれていて、横綱が応援してくれる、サポートしてくれるということは、代表にとって心強いです。素晴らしいパフォーマンスを見せようとやる気が出ると思うので、良いことだと思います」 ──今回のメンバーの中でベストと考える選手のコンディションが起用に影響するか 「私はあまりたくさんのことを変えることは好きではなく、継続性を大事にしています。ただ、対戦相手のスタイルに合わせて、早い動きができる選手、経験のある選手、フィジカルに強い選手、ヘディングが強い選手を選びます。我々の日本代表のリサーチに基づいて、明日の選手をしっかり選んでいきます」 ──この日に向けてはどれぐらいの期間調整をして、準備をしてきたのか 「実は2年半前から準備を始めました。このレベルに達するために、私は2017年3月に監督に就任した時から、まず最初の目標はW杯の2次予選に出ることでした。そして6月にブルネイ戦の結果、目標が達成できました」 「明日の試合の準備に関しては、先週金曜日に集合して開始しました。モンゴルはリーグ戦が4月から10月までしかありません。その他の季節は寒すぎてプレーできません。ですので、年の初めやモンゴルでプレーできないときは、海外で合宿をしたりして、しっかりとした一環のプロセスの下、一連の準備を行っています」 「JFAの皆様が、我々モンゴル代表、そして女子サッカーに対しても、非常に大きなサポートをしてくださっています。モンゴル協会と日本サッカー協会は良い関係を育んでおり、常日頃のご支援に感謝します」 2019.10.09 20:15 Wed5
