大久保嘉人、復活の理由/六川亨の日本サッカーの歩み
2021.03.09 11:45 Tue
2月26日に開幕したJ1リーグは、ACLとの関係やG大阪の選手に新型コロナの感染者が出るなどして消化試合数にバラつきがあるものの、川崎Fが3連勝で首位の座をキープしている。今後も破壊的な攻撃力で連勝を重ねるのか。早くも焦点の1つに、どこが川崎Fを止めるかになりそうだ。
川崎Fや名古屋(2連勝)が好スタートを切ったのはほぼ想定通りと言っていい。そこで予想外の活躍を見せているのがC大阪の大久保嘉人である。昨シーズンは東京Vに移籍したものの、19試合に出場しながらノーゴールに終わったからだ。
しかし開幕戦の柏戦で先制点を決めて2-0の勝利に貢献すると、続く第11節(3月3日開催)の川崎F戦でも2ゴール。さらに6日のFC東京戦でも先制点と2点目のアシストを決め、3試合で早くも4ゴールを決めた。
まずは古巣相手の川崎F戦の先制点である。インステップの足の甲に乗せるように打ったブレ球のシュートだが、これは川崎Fに在籍した当時、バイタルエリアでフリーになるとよく狙っていたシュートでもあった。
ボックス内でマーカーと駆け引きをすることも多いが、ミドルサードまで戻ってボールをキープすることも川崎F時代は多かった。体で巧みにスクリーンするのでボールを奪われることはほとんどない。そして一瞬の隙を突いてブレ球のミドルでゴールを急襲する。
大久保自身は「とりあえず枠内に打とう」と振り返ったが、リラックスして打ったボールは左上ぎりぎりに飛んだため、GKチョン・ソンリョンも為す術がなかった。
2点目も大久保らしいゴールだった。「アザーサイド」と言われる、ボール保持者の逆サイドに流れてゴールを狙うプレースタイルだ。ボールを保持する味方選手と、ゴール前のGKとDFの3者を同一視野内に捕らえ、なおかつゴールに向かい1タッチでシュートのできる体勢である。川崎F戦では松田陸の右クロスに左ポスト際へタイミングよく飛び込み2点目を決めた。
さらに第3節のFC東京戦でも同じような状況から先制点を決めている。右サイドの坂元のクロスに飛び込み、頭で決めた得点だったが、そのシーンを次のように振り返っている。
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意外なのは連勝スタートを切った鳥栖だろう。さらに昨シーズンは16位の清水も1勝1分と健闘している。清水は開幕戦で鹿島を3-1と撃破したが、今シーズンはロティーナ新監督を迎えただけでなく、各ポジションで即戦力を積極的に補強しただけに、台風の目になるのではと予想した。一方の鳥栖は、どちらかというと失礼ながら降格候補だっただけに、選手も連勝で自信をつかんだのではないだろうか。今後はどれだけ“降格候補"と目されるライバルから勝点を稼げるかが生き残るためには必要だろう。しかし開幕戦の柏戦で先制点を決めて2-0の勝利に貢献すると、続く第11節(3月3日開催)の川崎F戦でも2ゴール。さらに6日のFC東京戦でも先制点と2点目のアシストを決め、3試合で早くも4ゴールを決めた。
開幕前、J1通算185ゴールはもちろん最多得点記録だが、前人未踏の200ゴールまで「YOSHI METER」を伸ばすのは今シーズンでは難しいと思っていた。しかしその「YOSHI METER」をすでに189に更新。200の大台はもちろん、4度目となる得点王も可能かもしれない。それだけ全盛時に近い輝きを放っている。
まずは古巣相手の川崎F戦の先制点である。インステップの足の甲に乗せるように打ったブレ球のシュートだが、これは川崎Fに在籍した当時、バイタルエリアでフリーになるとよく狙っていたシュートでもあった。
ボックス内でマーカーと駆け引きをすることも多いが、ミドルサードまで戻ってボールをキープすることも川崎F時代は多かった。体で巧みにスクリーンするのでボールを奪われることはほとんどない。そして一瞬の隙を突いてブレ球のミドルでゴールを急襲する。
大久保自身は「とりあえず枠内に打とう」と振り返ったが、リラックスして打ったボールは左上ぎりぎりに飛んだため、GKチョン・ソンリョンも為す術がなかった。
2点目も大久保らしいゴールだった。「アザーサイド」と言われる、ボール保持者の逆サイドに流れてゴールを狙うプレースタイルだ。ボールを保持する味方選手と、ゴール前のGKとDFの3者を同一視野内に捕らえ、なおかつゴールに向かい1タッチでシュートのできる体勢である。川崎F戦では松田陸の右クロスに左ポスト際へタイミングよく飛び込み2点目を決めた。
さらに第3節のFC東京戦でも同じような状況から先制点を決めている。右サイドの坂元のクロスに飛び込み、頭で決めた得点だったが、そのシーンを次のように振り返っている。
「タツ(坂元)が持って中に切り返したときに自分はファーにいたんですけど、蹴る瞬間にディフェンスの前に入って、GKの間で合わせようと思ったら本当にいいボールが来た」
ファーで待ち構えていたものの、味方選手の体勢から瞬時に判断し、右SB中村帆高の背後から回り込むようにして前に飛び出しフリーとなって決めた。
ゴールを決められた中村は「坂元選手がカットインしてきて、その瞬間に(前に)入られて為す術がなかった」と失点を悔やんだが、簡単に止められるプレーではないので大久保の咄嗟の判断を評価すべきだろう。
ただし、大久保が類い希な得点センスの持ち主であっても、パスが来なくては勝負できない。そういう意味でC大阪とクルピ監督との相性はいいのだろう。今後、連続得点記録がどこまで続くのか。これも序盤戦のJ1リーグの見物である。
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