【ELプレビュー】コロナ禍で4試合が中立地開催! 16強懸けた初戦!

2021.02.18 18:00 Thu
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ヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド32の1stレグが18日に開催される。グループステージを勝ち抜いた24チームと、チャンピオンズリーグ(CL)グループステージ3位敗退となった8チームを合わせた計32チームで争われるラウンド32。マンチェスター・ユナイテッドアーセナル、トッテナム、ミラン、ナポリといった優勝候補を中心にラウンド32初戦の見どころを紹介していく。

◆ラウンド32・1stレグ◆
▽2/18(木)
《24:00》
ディナモ・キエフ vs クラブ・ブルージュ

《26:55》
ブラガ vs ローマ
FCクラスノダール vs ディナモ・ザグレブ
オリンピアコス vs PSV
レアル・ソシエダ vs マンチェスター・ユナイテッド※
スラビア・プラハ vs レスター・シティ
ヴォルフスベルガー vs トッテナム※
ヤング・ボーイズ vs レバークーゼン
《29:00》
アントワープ vs レンジャーズ
ベンフィカ vs アーセナル※
ザルツブルク vs ビジャレアル
ツルヴェナ・ズヴェズタ vs ミラン
モルデ vs ホッフェンハイム※
グラナダ vs ナポリ
マッカビ・テルアビブ vs シャフタール・ドネツク
リール vs アヤックス

※中立地開催
★コロナ影響による渡航制限で4試合が中立地開催
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グループステージの段階では無観客開催を除き、新型コロナウイルスの影響は少なかったが、今冬を迎えた段階で欧州全土での感染拡大が続き、決勝トーナメントでは各国の渡航制限の影響などによって一部の試合で中立地での開催を余儀なくされた。

そして、今回の1stレグではマンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、アーセナルというイングランド勢3チーム、モルデvsホッフェンハイムの合計4試合が中立地での開催となる。

今大会の優勝候補筆頭のユナイテッドはレアル・ソシエダのホーム扱いとなる1stレグをユベントス・スタジアム(イタリア)で戦う。CLグループステージでパリ・サンジェルマン、RBライプツィヒとの三つ巴の争いに敗れたチームは、一時首位に位置していたプレミアリーグでも宿敵マンチェスター・シティに首位の座を明け渡すなど、調子は下降気味だ。

リーグ2戦連続ドローで臨む今回の一戦では古巣の本拠地凱旋を逃したMFポグバに加え、FWカバーニらが欠場の見込みとなっており、堅守を誇る相手に対してMFブルーノ・フェルナンデスやFWグリーズマンらの活躍が求められるところだ。なお、対戦相手のソシエダでは昨季までシティでキャプテンを務めたMFダビド・シルバ、古巣対戦のMFヤヌザイらのプレーにも注目が集まるところだ。

また、ELグループステージで唯一の全勝突破チームとなったアーセナルは、今ラウンドで強豪ベンフィカと対戦。そして、ベンフィカのホーム扱いとなる1stレグではスタディオ・オリンピコ(イタリア)での戦いとなる。リーグ戦での前節、エースFWオーバメヤンのハットトリックの活躍で連敗をストップしたチームだが、今週末にシティとのビッグマッチを控えており、メンバー選考を含めてアルテタ監督は難しい選択を迫られそうだ。

一方、対戦相手のベンフィカはコロナウイルスのクラブ内クラスター発生の影響などもあり、リーグ戦4位と低迷が続くが、元トッテナムDFヴェルトンゲン、元シティDFオタメンディら多くの実力者を擁しており、虎視眈々とアーセナル相手の勝利を狙う。

前述の2チームと共に優勝候補に挙がるトッテナムは予備予選、グループステージを順当に勝ち抜いて決勝トーナメントに到達。国内では直近の公式戦2連敗と不振が続く中、ヴォルフスベルガー相手に3戦ぶりの白星奪還を狙う。なお、オーストリアクラブのホーム扱いとなるこの一戦ではプスカシュ・アレーナ(ハンガリー)での試合となる。足首に軽傷を抱えるFWソン・フンミンら一部主力を休ませたいところだが、勝負師モウリーニョは手堅いメンバーで先勝を目指すはずだ。

★セリエA勢は恵まれた相手に
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前述の3チームと共に優勝候補に挙がるのは、ミラン、ナポリ、ローマのセリエA勢に、アヤックス、レスター・シティ、ビジャレアルなどの数チームだ。

予備予選、グループステージでやや苦しみながらも順当に突破を決めたミランは、セルビアの名門ツルヴェナ・ズヴェズダと対戦。セリエAではシーズン序盤から長らく首位の座を守ってきたが、前節格下スペツィアにまさかの完敗を喫し、宿敵インテルに首位を明け渡すことになった。そして、今週末にはそのインテルとのミラノ・ダービーを控えていることもあり、今回のアウェイゲームでは主砲イブラヒモビッチなど一部主力の温存の可能性もありそうだ。その中で代役を担う選手たちの活躍に期待したい。

グループステージを危なげなく首位通過し、セリエAでは上位相手に脆さを見せるものの、3位と好位置に付けるローマは、フォンセカ監督の古巣であるブラガと対戦する。地力の差に加えて、今冬にGMとして加入するまでベンフィカでGMを務めていたチアゴ・ピント氏の存在は、対戦相手の分析という部分で大きなアドバンテージとなるはずだ。コンディションを上げさせていきたいFWジェコやFWペドロらの先発起用できっちり敵地で先勝といきたい。

両チームと同様にグループステージを首位通過したナポリは、今大会初出場で突破を決めたグラナダと対戦。直近のユベントス戦で1-0の勝利を収め、ガットゥーゾ監督の進退問題がひとまず落ち着いたが、ラ・リーガで上位チーム相手に奮闘する曲者との一戦は一筋縄ではいかないはずだ。さらに、今週末にはアタランタとの上位対決も控えており、メンバー選考を含めて闘将には繊細な采配が求められる。

また、プレミアリーグで3位に付けるレスターはチェコの強豪スラビア・プラハ、セビージャ時代にEL3連覇を達成したエメリ監督率いるビジャレアルは、CL敗退組のレッドブル・ザルツブルク、アヤックスはリーグ・アン首位のリールと対戦する。

★唯一の参戦となった三好がスコットランド首位チームに挑む
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昨年12月の組み合わせ抽選会時点ではアントワープのMF三好康児に加え、MF奥川雅也とMF久保建英が今ラウンドに参戦予定だったが、奥川がザルツブルクからビーレフェルト、久保がビジャレアルからヘタフェに移籍したことで、今ラウンドでは三好が唯一参戦する日本人選手となった。

そして、三好はスティーブン・ジェラード監督の下でスコティッシュ・プレミアリーグで首位を独走する難敵レンジャーズと対戦する。

三好はトッテナム、ルドゴレツ、LASKリンツと同居したグループJでグループステージ全試合に右ウイングバックで出場し、ルドゴレツとの第5節では1アシストを記録。また、国内リーグでも年明けまでは主力としてプレーしていた。

ただ、先月21日にコロナウイルスの陽性判定が出た影響で戦列を離れると、3日の国内カップ戦で実戦復帰を果たすも、直近のリーグ戦2試合で出番がないのは気がかりだ。そのため、今回の一戦ではベンチ入りは濃厚だが、出場機会を得られるかは微妙なところだ。

一方、対戦相手のレンジャーズは今季の公式戦40試合で33勝1敗6分けと圧巻の戦績を残しており、リーグ戦とELグループステージではいずれも無敗を継続中だ。グループステージでは格上ベンフィカ、アントワープと同じベルギー勢のスタンダール・リエージュを抑えて首位通過を果たしている。

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