あまり期待はされてはいないけれど…/原ゆみこのマドリッド

2020.09.03 18:50 Thu
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「リーガもまだ始まってないのにねえ」そんな風に私が違和感を覚えていたのは水曜日、いよいよ翌日には昨年11月以来となる、スペイン代表の公式戦があることに気づいた時のことでした。いやあ、記憶を紐解けば、最後に彼らを見たのは今や、こちらも懐かしいワンダ・メトロポリターノでのユーロ2020予選ルーマニア戦。直後に娘さんの病気で職を離れていたルイス・エンリケ監督が復帰することになり、彼の不在の間、チームを率いていた元アシスタントのロベール・モレノ監督とのゴタゴタがあったのもすでに大昔のように感じられるんですけどね。年が変わってみれば、ヨーロッパでも新型コロナウィルスが猛威を振るい、ルイス・エンリケ監督の再デビューとなるはずだった3月の親善試合は中止に。そうこうするうち、6月開催予定だったユーロまで来年に延期となってしまったというのに、その状況で第2回ネーションズリーグが開幕って、ちょっとついていけないファンの方も多いかと。おまけに昨季は関係各位の努力もあり、6月に再開したリーガ、8月にはCL、ELも何とか終えることができたんですが、各国リーグのコロナ対応がバラバラだったため、国ごと、チームごとに現在、シーズンのフェーズがバラバラなんですよ。

そう、実際、月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を始めたスペイン代表だけ見たって、バケーション明けほやほや、まだクラブでのプレシーズン練習に参加していない選手(レアル・マドリー、バルサ、セビージャ勢etc.)がゴロゴロいますし、河岸を変えたばかりの選手(バレンシアからマンチェスター・シティに行ったフェラン・トーレス、同リーズに行ったロゴリド)、まだ先行きが決まっていない選手(セビージャへのレンタルからマドリーに戻るレギロン、バルサ移籍を待っているマンチェスター・シティのエリック・ガルシア)等、普通にプレシーズンマッチをこなしていたのはたった6人しかいないって、一体、どういうレベルのサッカーを期待したらいい?

加えて、月曜午後、火曜のダブルセッションにはファンや取材陣の立ち入りが一切、認められず、その間にあった選手の記者会見も全てビデオコンフェレンス形式で、いえ、世間もあまりこの大会に興味がなかったせいもあったんでしょうね。ロドリゴはクラブの財政悪化による移籍の経緯を説明するのに利用したり、ヘスス・ハバスなど、「Le he dado la enhorabuena doble por la selección y por el Sevilla/レ・エ・ダードー・ラ・エンオラブエナ・ドブレ・ポル・ラ・セレクシオン・イ・ポル・エル・セビージャ(彼には代表初招集とセビージャ入りでダブルのお祝いを言ったよ)」と折しも、今季はクラブの同僚となることが決まったオスカル(昨季までマドリーからのレンタルでレガネスでプレー)に頼りになる先輩ぶりをアピール。やはり初招集のエリック・ガルシアに至っては昨今、リーガを揺るがす騒ぎとなっている、メッシのマンチェスター・シティ入りについて訊かれたりと、あまり代表戦関連の話は出なかったような。

それは水曜に会場となるシュツットガルトのメルセデス・ベンツ・アレーナで会見した、ドイツのレーブ監督の「あまり代表戦をするにはいい時期ではないかもしれない。ネーションズリーグもある意味、大事だが、一番重要なのはユーロだからね」という言葉にも象徴されていましたけどね。何せ、あちらは8月23日にCL優勝を決めたバイエルンのメンバーから、常連のGKノイアー、キミッヒ、ナブリ、ゴレツカ、準決勝に出たライプツィヒからもハルシュテルンベルク、クロスターマンを招集免除。それでも決勝の相手だったPSGのケーレンとドラクスラーを呼んでいるのは不思議ではありますが、更にはGKトラップ(フランクフルト)、ズーレとサネ(バイエルン)の予告先発までするとは、これってもしや余裕?

何せ、スペインの方はセビージャとのEL準決勝で負けたデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)とシーズン終盤にレギュラーの座を失ったケパ(チェルシー)、2人のプレミアリーグGKに不安があるばかりか、日曜にはオジャルサバル(レアル・ソシエダ)のコロナ陽性が発覚。幸い、その前日に彼がプレーした親善試合の相手、岡崎慎司のいるウエスカからも、クラブの同僚からも、月曜に入団プレゼンをレアル・アレナで行ったダビド・シルバを除き、それ以上、陽性者が現れなかったのは幸いですが、代表の方は急遽、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)が入ることに。

おまけにアダム・トラオレ(ウォルバーハンプトン)も疑似陽性が疑われ、イギリスから出ることができずにいる上、火曜にはアセンシオ(マドリー)まで、こちらは去年、靭帯を手術した左ヒザに浮腫が出て、代表離脱となれば、ルイス・エンリケ監督にとって結構、ハンデとなりそうですが、さて。そんなドイツvsスペイン戦は木曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)キックオフ、これまで代表とは趣きが変わって、新たに抜擢された若い選手たちを知るにはいい機会になるかと思います。

え、代表戦はともかく、今週は月曜にリーガの組み合わせ日程も決まったんじゃないのかって?その通りなんですが、マドリッドの1部勢は3チーム共、8月にヨーロッパの大会を戦っているため、といっても皆、1試合だけなんですが、ラ・リーガが11日金曜、グラナダvsアスレティック戦をこけら落としとした1節ではどこもまだ、プレーをせず。上手い具合に兄弟分ダービーとなったマドリーvsヘタフェ戦、アトレティコとEL王者セビージャの試合は2月か3月に先送りにされることに。それまでにメッシ騒動が片づいているかわからないバルサも昇格プレーオフの最後の最後に決まったエルチェとの対戦が飛ばされるため、開幕節の見どころは13日、日曜のビジャレアルvsウエスカ戦、久保建英選手と岡崎選手の日本人対決一択になるでしょうか。

そして2節には引き続き、ビジャレアルと乾貴士選手のエイバルによる日本人対決の他、ヘタフェがホームにオサスナを迎えて、マドリーはレアル・ソシエダとのアウェイ戦でスタートとなるんですが、どちらも本格的にプレシーズン練習を始めたのがこの月曜からと、対戦相手に比べると少々、準備不足の感は否めず。ええ、今週はこの夏、3人目のFWとして、アトレティコBからポベダを獲得、マンチェスター・シティからボランチのパラベルサも加入と、兄貴分たちに比べると積極的に補強をしているヘタフェもプレシーズンマッチは9日に2部のお隣さんフエンラブラダ、12日にサラゴサとの2試合しか組まれていませんしね。とはいえ、それどころではないのはこのインターナショナルウィーク、12人を各国代表に借り出されているジダン監督のチームの方かも。

だってえ、プレシーズン恒例のアメリカツアーもない、バルデベバス(バラハス空港の近く)での練習では新顔として、ウーデゴール(昨季はレアル・ソシエダにレンタル)こそ、注目を集めているものの、セバージョス(アーセナルに再レンタルが濃厚)、ブライム(同ミラン)、マリアーノ(同ベンフィカ)らは交渉がまとまるまでのとりあえず参加状態ですし、アンチェロッティ監督の推しでエバートン行きとなりそうなハメス・ロドリゲスなどは顔も見せず。もちろんこの状態ではプレシーズンマッチなどする余裕がないのも当然で、今はひたすら、すでに帰還したアセンシオ以外、ベイルに関してはわかりませんが、残りの代表組がケガせず戻ってくれるのを祈るしかないんですよ。

おまけにようやく、コロナによる中断期間を利用して、絶賛大改装中だったサンティアゴ・ベルナベウにようやく芝が敷かれだしたと聞いて喜んだのも束の間。当面は無観客試合が続くとあって、3節目は再び、アウェイのベティス戦ですが、今季初ホーム開催となる4節のバジャドリー戦以降も、マドリーは昨季のリーガ逆転優勝を果たしたゲンのいいエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(バルデベバス内にあるRMカスティージャのホーム)の使用を続けるのだとか。

ちなみにこの2節のレバンテ戦も来年回しになるアトレティコは木曜から、ようやくプレシーズン練習を開始するそうで、来週月曜からは1週間、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でミニ地獄の真夏キャンプ。その近隣のセゴビア(ローマ水道橋で有名な街)で、お約束のcochinillo(コチニージョ/子豚の丸焼き)ディナーの後、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にあるミニスタジアムで、そこをホームとしているラージョ・マハダオンダ(2部B、ラージョ・バジェカーノと兄弟関係はない)と親善試合をすると聞きましたが…彼らの開幕戦となる3節のグラナダ戦はしっかり、ワンダ・メトロポリターノでプレーすることになっています。

それより今はアトレティコが15日に予定していたカランサ杯(夏の親善大会)の主催クラブ、今季は久々に1部に戻って来たカディスから、ここ数日、コロナ陽性者が続出。今週、プレーするはずだったプレシーズンマッチを2件、キャンセルしたと聞いて、もしかしたら、遅めの夏休みでカディス(スペイン南部)のビーチを楽しむ機会があるかもしれないとワクワクしていた私も心配で仕方ないんですが、水曜にはやっぱり無観客試合は淋しいことを実感することに。ええ、先週末に続き、2部に降格した弟分、レガネスが今度は練習場ではなく、ブタルケでプレシーズンマッチを開催、今季は昇格を目指して共に戦うラージョが相手と聞いたため、見に行ってみたんですが、いやあ。

時間が夕方だったため、正面スタンドのプレス席を西日が直撃。この夏はほとんど外出していないため、腕に日焼け止めを塗り忘れていたのは自分が悪かったんですけどね。インスタラシオン・デポルティボ・ブタルケとは違い、高さのあるスタンドで囲まれているせいか、試合の最初から最後まで、プレーしている選手たち、涼しいバックスタンド側をベンチとした両チームの監督、スタッフ、観客席に座って出番を待っている控え選手たちの声が響くわ、響くわ。サッカーをプレーする間、あんなにも皆、大声を出していたとは私も知りませんでしたが、逆に選手たちがこの状態に慣れてしまうと、いざ、観客が戻ったら、チームメート間の意思疎通に困るかも。

ちなみに試合の方は終始、ピンクの練習着でプレーしたラージョが押し気味で、いえ、レガネスも昨季のリーガ再開後、嬉しい初ゴールを挙げていたカンテラーノ(レガネスBの選手)のアビレスのラストパスから、フアン・ムニョスのヘッドがゴール枠を直撃するなんてこともあったんですけどね。そのままスコアレスドローで終わるかと思われた後半ロスタイム、最後のFKをジョニー・モンティエルが直接決めて、0-1でイラオラ監督のチームが勝利することに。まあ、先日はエイバルに3-1で勝ったとて、レガネスはまだ前線の補強をしていませんからね。

それ程、決定力がなくても仕方ないんですが、ああ、本当にコロナ禍は深刻。というのも試合が終わった後、ブタルケのロッカールームを使ったらいけないらしく、レガネスの選手たちはピッチの隅で汗に濡れたユニフォームを脱いでいるし、早めに交代した数人も外に簡易ベッドを置いてマッサージを受けている始末で、ラージョの選手たちなんて、練習着のまま、スタジアム前に止めてあった自家用車に乗って、個々に帰って行くんですよお。

ええ、今季の2部にはレガネス、ラージョ、アルコルコン、フエンラブラダと4チームもマドリッド勢いますからね。早い節にはないんですが、彼らのダービーが始まる前にスペインでのコロナ流行が下火になって、衛生規則が緩んでくれないと、リーガでも同じ光景が繰り返される恐れがなきにしろあらず。何はともあれ、どのチームもあと10日間、クラスターを発生させず、無事に開幕を迎えられるといいのですが。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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ゴールは運次第なのかも…/原ゆみこのマドリッド

「頭を切り替えるのが大変になってきたわ」そんな風に私が嘆いていたのは月曜日、リーガの順位表で首位のレアル・ソシエダがビジャレアルと1-1で分けたため、差を勝ち点1に縮め、2位につけているアトレティコを見てニンマリした後、今週は火曜開催のCLグループリーグへと目を移すとそこでも彼らは2位。とはいえ、状況的にはかなり厳しいことに気づいてしまったから。だってえ、リーガでは破竹の6連勝中というのに、CLでは3、4節でロコモティブ・モスクワに連続引き分け。おかげでこの5節、もし初戦で4-0と大敗を喰らっている、前大会王者のバイエルンにまた負けてしまったら、計算上では、たとえ、最終節のザルツブルク戦で勝っても、ロコモティブ・モスクワが2連勝すれば、3位敗退、来年はEL決勝トーナメント参加というシナリオもありうるんですよお。 折しもこの日曜には、2年前にアル・サッドに移籍し、この6月に退団していたアトレティコの元キャプテン、ガビが自身のSNSで現役引退発表していたんですが、それで思い出したのが、彼がいた最後のシーズン。やはりグループ最弱だったカラバフに2引き分けして、チームがCL早期敗退の瀬戸際に追い込まれた試合の直後、「A día de hoy, es una mierda/アディア・デ・オイ、エス・ウナ・ミエルダ(今日のところはクソみたいなもんだ)」とEL行きについて、ボロくそに言っていたものですが、その思い出のワンダ・メトロポリターノのミックスゾーンも今はコロナ禍により、固く閉ざされたまま。ガビからキャプテンを引き継いだコケなども、まあ、その年はELに優勝したせいもあるんでしょうかね。前日記者会見では、「Esta noche soñaremos con ganar al Bayern/エスタ・ノッチェ・ソニャレモス・コン・ガナール・アル・バイエルン(今夜はバイエルンに勝つことを夢見るよ)」とどこか、呑気なものでしたが、いや、ホント、心配になりますって。 そんなことはともかく、先に週末のリーガの話からしていくことにすると、土曜にマドリッド勢の先陣を切ったのはアトレティコ。中2日置いた先にはCLバイエルン戦が迫っていましたから、ローテーションがあるのは覚悟していたものの、メスタジャではジョアン・フェリックスとカラスコを温存し、代わってスタメンに入ったのがレマル、そして最近、シメオネ監督が気に入っているエルモーソを第3のCBとして入れ、ロディに左のアタッカー兼SBを任せるとは結構、予想外だったかと。それでもこの日は前半からレマルが健闘し、2度程、バレンシアのGKドメネクにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を強いていたんですが、やはり、11月の各国代表戦明けからのなかなか、ゴールが入らない病は治っていなかったよう。 ええ、サウールやマルコス・ジョレンテ、コレラらも積極的に撃っていったんですが、ドメネクに弾かれなければ、枠を外れるといった具合でしたからね。幸いバレンシアの方も、後でハビ・グラシア監督が「あのプレーがゴールになっていたら、もっと試合もオープンになって、hubiéramos tenido más opciones de puntuar/ウビエラモス・テニードー・マス・オプシオネス・デ・プントゥアル(勝ち点を稼ぐオプションがもっとあったろう)」と嘆いていたように、前半21分にラチッチのシュートがゴールポストに当たったのが一番のチャンスだったため、両チーム、無得点のまま、試合はハーフタイムに。後半頭からはいよいよ、ロディに代わってジョアンが出動です。 でもねえ、あまり変化はなかったかもしれません。またしてもジョレンテはシュートを弾かれ、レマルの一撃もヴァスに当たって逸れてしまったとなれば、うーん、後半20分過ぎから始まった戦力のリフレッシュもカラスコ、ビトロ、コンドグビアが入った後はもう、ベンチにはCBのフェリペと、ルイス・スアレスがコロナ陽性、ジエゴ・コスタを血栓症と両CFが戦列を離れても一向にお声のかからないFWサポンジッチ以外、4人のカンテラーノ(アトレティコB)しか、残っていませんでしたからね。先週のCLロコモティブ・モスクワ戦のようにまた、スコアレスドローで終わってしまうのかと恐れていたところ…。 信じる者は救われるとはまさにこのことです。ええ、「La suerte ha sumado/ラ・スエルテ・ア・スマードー(運も巡ってきた)」と後でカラスコも言っていたんですが、31分、彼がエリア内左から出したラストパスをゴール前のビトロは撃てなかったものの、その後ろでボールが抜けてくるとは思っていなかったラトの足に当たり、ネットに入ってくれたから、ビックリしたの何のって。オウンゴールで値千金の1点をゲットしたアトレティコはそのまま最後までリードを保って、0-1で勝っちゃったんですよ。 いやあ、これで今季リーガ戦9試合中、7回目の無失点を達成したのはGKオブラクでしたが、間違いなく、MVP級の働きをしたドネネクも「No han sido muy superiores a nosotros y lo justo habría sido un empate/ノー・アン・シードー・ムイ・スペリオーレス・ア・ノソトロス・イ・ロ・フストー・アブリア・シドー・ウン・エンパテ(ウチより相手がずっと上だった訳じゃない。より順当なのは引き分けだったろう)」と言っていたんですけどねえ。ずっとではなくても、シュート数などでも勝っていたのはアトレティコでしたし、何より、撃っても撃っても入らずとも、諦めずに攻め続ける根性は褒めてあげていいかと。そこにツキが加われば、それこそ鬼に金棒じゃないですか。 え、試合後はレマルがインタビューに答えていたけど、2年前、ジョアンが来る前はクラブ史上最高額の7000万ユーロ(約88億円)という移籍金でモナコから鳴り物入りで入団しながら、まったく活躍できず。表舞台に立つこともなかったため、いつの間にか、スペイン語がペラペラになっているのには驚いたって?そうですね、私も知らなかったんですが、特に今季は過密日程も手伝って、シメオネ監督が辛抱強く使っていた成果がようやく出てきたよう。ただ、指揮官が「Juega muy bien, créanme/フエガ・ムイ・ビエン、クレアンメ(彼はとてもいいプレーをする。私を信じてくれ)」と記者会見でマスコミを説得しないといけないというのも、どうなんでしょうかね。 そしてまた夜になって、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に戻った私だったんですが、何せ先日のCLではインテルを寄せ付けなかったレアル・マドリーですからね。相手もアラベスと強豪チームではないため、どこか気楽に眺めていたものの、まさか開始早々の3分、CKをラグアルディアがヘッドしたボールがナチョの腕に当たり、ペナルティを取られてしまうとは一体、誰が予想した?ルーカス・ペレスがPKを決め、これで代表戦前のバレンシア戦でのソレルのハットトリックから、前節ビジャレアル戦のジェラール・モレノの同点ゴールと、マドリーはここリーガ3試合、PKで5失点って、いやもう、これって、何かに憑かれているとしか言えない? まさにジダン監督も「Es el peor inicio de la temporada/エス・エル・ペオール・イニシオ・デ・ラ・テンポラーダ(今季最悪の始まり方だった)」と言っていた通りだったんですが、それとは逆にマドリーの方はアザールがドゥアルテにエリア内で倒されてもVAR(ビデオ審判)にスルーされるわ、ハーフタイム入り直前、ラグアルディアが犯したマルセロへのペナルティも無視。いえ、当人も「Ha tirado de mi pelo/ア・ティラードー・デ・ミ・ペロ(ボクの髪を引っ張ったんだ)」とベガ主審に猛抗議したんですけどね。一番はっきり、そのシーンを捉えていた映像ではマルセロのアフロに入ってしまった相手の手が髪に絡まって、抜けなかったようにも見えましたが、もしや審判にも、掴めるような髪型をしているせいでの自己責任と解釈された? エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)のスタンドに陣取った、セルヒオ・ラモス、ベンゼマ、カルバハル、バルベルデといった負傷中の選手たちも無観客で声が通るのをいいことに、「Penalti clarísimo, hombre!/ペナルティ・クラリシモ、オンブレ(明白なペナルティだぜ、おいおい)」と圧力をかけたんですけどねえ。サンティアゴ・ベルナベウなら響き渡ったであろう、ファンからのpito(ピト/ブーイング)程の影響もなく、全然、相手にしてもらえないんですから、まったくツイていません。 とはいえ、まだ差はたった1点。後半丸々あれば、たとえ、この日、コロナ明け、3試合目となったアザールが太ももを痛め、前半28分にロドリゴと交代になっていたとしても、十分、逆転は可能かと想えたんですが、何と、再開から3分、今度はGKクルトワが大チョンボ。ええ、ゴールキックを自分の正面にいたホセルに出してしまい、そのまま2点目を決められてしまうなんて、やってくれるじゃないですか。実際、それ以外は味方の守備の乱れから、ルーカス・ペレスやホセルに複数回、カウンターで1対1に迫られながら、チームのピンチを救っていた彼なんですけどね。遅ればせながら、41分にはCKからのプレーでカセミロがゴールを挙げて1点差に迫り、土壇場で2-2と引分けたCLボルシア・メンヘングラッドバッハ戦の再現もありかと思われたものの、最後はイスコのシュートがゴールバーに当たって万事休すとなりましたっけ。 結局、試合は1-2でマドリーの敗戦となり、何せ、もうこれで今季リーガ10試合のうち、5勝3分け2敗と半分しか勝てていませんからね。ただ、その黒星を喫した相手、カディス、バレンシア、アラベスの3チームがヨーロッパの大会に参加しておらず、「Lo hemos estudiado durante toda la semana y el míster nos ha dado las claves/ロ・エモス・エストゥデシアンドー・ドゥランテ・トーダ・ラ・セマーナ・イ・エル・ミステル・ノス・ア・ダードー・ラス・クラベス(1週間ずっと、ウチは相手を研究して、監督が要点を教えてくれた)」(ルーカス・ペレス)という事情は考慮するべきかと。 え、それは地獄の10連戦に参加中のチームは皆、同じ条件だし、ケガで出られない選手がいてもインテルには勝っているんだから、言い訳にはならないって?うーん、今は4位のままとはいえ、お隣さんとも勝ち点差が6に開いてしまいましたしね。こうなるとアラベスのマチン監督に「Sinceramente, hubiese preferido ganar a un rival que fuese directo que no ganar al Real Madrid/シンセラメンテ、ウビエセ・プレフェリードー・ガナール・ア・ウン・リバル・ケ・フエセ・ディレクトー・ケ・ノー・ガナール・アル・レアル・マドリー(正直に言うと、レアル・マドリーに勝てないより、直接ライバルに勝つ方が好ましいんだが)」なんて言われてしまうのも自業自得だった? ただ、そんなマドリーでもCLではまだ恵まれていて、いえ、すでにグループ突破が決まったバルサやセビージャ程ではないんですけどね。この火曜午後6時55分(日本時間翌午前2時55分)から、2年前、リバプール相手に今のところ、最後となるDecimotercera(デシモテルセーラ/13回目のCL優勝のこと)を達成したゲンのいいオリンピスキー・スタジアムで行われるシャフタール戦に勝てば、決勝トーナメントの切符をゲットできることに。まあ、今度は右太ももを負傷したアザールは全治3週間。とうとう、第2のベイル(現トッテナム)か、カカーかと言われるようになってしまったのは気の毒ですが、昨季、チェルシーから来て、ここまで全試合の30%しか出場していないため、チームも彼がいないのには慣れていますからね。 セルヒオ・ラモスもまだ治らず、キエフ遠征には参加していませんが、これもインテル戦の前例からすれば、ナチョとバランが頑張ってくれるかと。唯一、気掛かりなのはその試合でカルバハルも太ももを痛め、アラベス戦から引き続いて、本職でないルーカス・バスケスが務める右SBですが、とうとうベンゼマの筋肉痛が治って、出場できるという朗報もありますからね。たとえ、1節では油断が祟って、ディ・ステファノで2-3と負けているシャフタールとはいえ、基本的には格下のチームですから、余裕で勝てると思うのですが、さて。 一方、私が覗きに行ったワンダ・メトロポリターノでの前日練習ではまだルイス・スアレス、トレイラ、ウルグアイ代表クラスター被害者の姿は見えず、どうやらその日、行ったPCR検査ではまだ陽性だったようなんですけどね。シメオネ監督によると、「Si mañana diese negativo podría estar en condiciones/シー・マニャーナ・ディエセ・ネガティーボ・ポドリア・エンスタル・エン・コンディシオネス(もし明日、陰性が出たら、プレーできるコンディションなるかもしれない)」とのことで、うーん、リーガでは2回、陰性結果が必要と聞いていましたが、UEFAの大会では1回でいい? まあ、その辺は曖昧なことも多いため、あまりスアレスは当てにしない方がいいかと思いますが、嬉しいことにやはり、過密日程消化中のバイエルンはすでに1位突破が決まっているせいか、エースのレバンドフスキ、GKノイアー、そして1節でゴールを挙げているゴレツカをミュンヘンに残してマドリッド入り。とはいえ、前節はメッシをお留守番にしたバルサがディナモ・キエフに0-4と大勝したなんてこともありましたからね。火曜の午後9時(日本時間翌午前5時)からの一戦ではとにかく、守備を決して怠らず、ゴール運が巡ってくるのを期待するということになりますでしょうか。 そして最後に日曜にリーガをプレーしたマドリッドの弟分、ヘタフェなんですが、いやあ、また引き分けちゃったんですよ。ええ、アスレティックをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた彼らは前半9分、CKからビジャリブレにヘッドで決められて、早々にリードを奪われてしまう始末。後半30分には何とか、アンヘルのゴールで追いついたんですが、逆転勝利までには至らず、もうこれで5試合連続白星なしとは情けない。まあ、彼らの場合はミッドウィークに試合がなく、土曜の相手、レバンテに備えて、準備する時間がたっぷりあるのは兄貴分たちから見たら、羨ましい限りなんですけどね。今はケガ人もほとんどいないとはいえ、ゴール日照りばかりは運が変わってくれるのを待つしかないというのは辛いところですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.12.01 20:30 Tue
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TVで見た時は強かったのに…/原ゆみこのマドリッド

「あまり変わり映えがしなかったかも」そんな風に私が溜息をついていたのは水曜の夜、思い起こせば、コロナ禍が昨季のリーガを止める直前、3月上旬のセビージャ戦以来となるワンダ・メトロポリターノでの試合観戦を終え、家路を辿っている時のことでした。いえ、いまだにスペインは1部、2部リーガ、そしてCL、ELでもスタジアムは無観客のままなんですけどね。このCL4節ではラッキーにも数少ないメディアとして、ロコモティブ・モスクワ戦を見に行けることに。それが以前なら、マッチデーには人で溢れかえっていたメトロの駅やワンダへと繋がる道に人影はほとんどなく、スタジアムの赤いライトアップだけが試合があることを告げているだけで、とにかく何もかもが非現実的。そんな中、まったくゴールが決められないアトレティコにイライラさせられる感覚だけが、妙に懐かしい気がしたのも久々のスタンド観戦だったせい? まあ、そんなことはともかく、今週のCLグループリーグでは火曜にバルサがメッシとデ・ヨングをお留守番にし、控えメンバーで挑みながら、ディナモ・キエフに0-4と大勝。セビージャもかなりの数のロシア人ファンがスタンドから見守る中、クラスノダールにムニルの土壇場のゴールで1-2と勝利して、どちらも決勝トーナメント進出が決まっていたんですが、この2チームはどちらも前半戦順調でしたからね。それとは対照的だったマドリッドの両雄は必勝を期して、それぞれインテル戦、ロコモティブ・モスクワ戦に挑むことに。ホーム、アウェイが逆だった3節はキックオフ時間がずれて、私もバル(スペインの喫茶店兼バー)に4時間居座っての観戦となったんですが、同時進行となれば、レアル・マドリーの方はオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継に頼るしかありません。 どちらも同日、午後5時頃に訃報が伝わってきたマラドーナを追悼する黙祷から、スタートしたんですが、何せ、アトレティコは先週末の土曜に同じワンダでバルサに勝利したばかりでしたからね。メンバーも左SBのエルモーソがロディになった以外、いえ、それには当日の午前中に先発予定だったジエゴ・コスタが深部静脈血栓症を患っていることが発覚。これって、長時間フライトをした時に起きるエコノミー症候群みたいなもので、彼は今季のプレシーズン練習開始直前にコロナ陽性となり、その後遺症かもしれないと言われているんですが、急遽、招集外になったせいもあるんですけどね。もうすっかり、選手たちもファンの応援がないのには慣れたもんで、バルサ戦同様、序盤から、血気盛んなプレーを見せてくれたものの…。 でも、コレアが撃っても、マルコス・ジョレンテが撃っても、カラスコが撃っても全て、GKギジェルメに弾かれてしまったんですよ。そうこうするうち、前半7分、早くもサン・シーロからはナチョがバレッラにエリア内で倒されてPKをゲットの報が。スペイン代表戦3試合目のドイツ戦で負傷したセルヒオ・ラモスが不在だったため、アザールが代わりに決めて、お隣さんは先制点を挙げたんですが、とにかく目の前の試合の方はゴールが入らなくてねえ。更にミラノでは、バランに倒されたのにペナルティを取ってくれないのに激怒。「Tiene ahí la mierda del VAR para mirar y nada/ティエネ・アイー・ラ・ミエルダ・デル・バル・パラ・ミラール・イ・ナーダ(そこに見るためのクソVARがあるのに何にもしない)」と主審に喰ってかかったアルトゥロ・ビダルが続けざまにイエローカードをもらい、退場となった33分にもまだ、雨の降りしきるピッチでアトレティコはギジェルメを破ることができません。 そしていよいよ後半、ジダン監督がトップチームに残った唯一のCF、マリアーノをロドリゴに、ウーデゴールをようやくPCR検査が陰性になって、この試合に間に合ったカセミロに代えたと聞いてほんのすぐ後、14分にはルーカス・バスケスのクロスをロドリゴがvalea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、マドリーのリードが2点に広がったことが伝わってきたんですが、いえ、22分には私もゴールを喜ぶことができたんですけどね。ええ、カラスコのFKは敵の壁に当たって戻って来たものの、再びシュートしたボールをGKが弾いたところにコケが詰め寄って、至近距離からシュート。これがネットに突き刺さって、場内には観客のいる試合とまったく同じ、お祝いのミュージックとゴールアナウンスが響いたんですが…。 いやあ、まさかVAR(ビデオ審判)により、「Me han dicho que estaba por la minima/メ・アン・ディッチョー・ケ・エスタバ・ポル・ラ・ミニマ(ギリギリのところだったと言われた)」というコケのオフサイドが指摘され、ノーゴールになってしまうとは。うーん、あとで後半のピッチに出る前、トンネルでヒメネスとコレアがその日の主審について会話。スロベニア人のビンチッチ審判が、「Se pone a hablar en ruso con los otros/セ・ポネ・ア・アブラル・エン・ルソ・コン・ロス・オトロス(他の奴らとロシア語で話してたよ)」とコレアから聞いて、「とにかく変だよな」と話しているシーンが公開。2人共、サウールに「Cámara con audio/カマラ・コン・アウディオ(カメラが音も録ってる)」と注意されて黙ったなんてこともあったんですが、いざとなれば、同郷のオブラクにも頼れたはずですからね。 別に彼らが文句を言う程、その日のジャッジが悪かったとは思えませんし、何より、反省すべきは16回もCKのチャンスがありながら、1点も取れなかった自分たちの決定力のなさかと。ええ、シメオネ監督もレマル、エルモーソ、そして最後はカンテラーノ(アトティコBの選手)のカメージョを入れて、チームをリフレッシュしてみたんですけどね。モスクワではCKから先制ゴールを決めたヒメネスのヘッドもこの日は枠を外れ、そのまま、0-0で終了となれば、まさに「Es para estar enfadado/エス・パラ・エスタル・エンガダードー(これは怒っていい結果)」(コケ)とはこのことでしょう。 え、グループ最弱のチームと中2節、連続引き分けって、2年前のカラバフの悲劇(3位敗退でその後、ELに優勝)を思い出さないかって?その通りなんですが、あの時はもっと4チームの勝ち点数が競っていたんですが、今回はバイエルンがこの日もザルツブルクに3-1で勝利して4連勝と、すでに首位突破を確定。おかげで勝ち点5の2位アトレティコにも次点で勝ち抜ける可能性は十分、残っているんですが、いやあ。いくら、「Cuando se depende de uno mismo, hay tranquilidad/クアンドー・セ・デペンデ・デ・ウノ・ミスモ、アイ・トランキリダッド(自分たち次第で何とかなるんだから、平静でいられるよ)」(ヒメネス)とはいえ、来週火曜にワンダに迎えるのはまさにその、アトレティコが1節で4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らったバイエルンなんですよお。 ロコモティブに1勝でもしていれば、まだ負けても大丈夫と、私も気楽でいられましたが、アウェイでの最終節、ザルツブルク戦に全てのカードを懸けるのはあまりに怖いですからね。シメオネ監督も「La Champions se nos viene complicando un poco/ラ・チャンピオンズ・セ・ノス・ビエネ・コンプリカンドー・ウン・ポコ(CLはちょっと難しくなっている)」なんて悠長なこと、言っているどころではない?といってもコスタの治療は長引きそうですし、ルイス・スアレスもまだコロナ陽性になってから、1週間ちょっとしか経っていないのが辛いところ。 今週末、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、メスタジャでのバレンシア戦には再び、CFなしで挑まないといけないのは仕方ありませんが、ファンとしては、スアレスが来週には陰性になってくれるのを祈るばかり。メキシコ代表の合宿中に負傷したエレーラも復帰は微妙ですし、先日、入団したコンドグビア(バレンシアから移籍)はCLに選手登録されていないため、現在、5連勝で2位と、好調なリーガの方はローテーションが入りそうな感じですが、さて。相手の方も左SBのガヤが前節のアラベス戦で左ハムストリングを肉離れして全治1カ月と最近、どのチームもケガ人が増えてきているのは嫌な傾向ですよね。 一方、「出られない選手が多くてマドリーが泣いているなんてマスコミが言うのはお笑いだ」という、コンテ監督の試合前のコメントを裏付けるように、そのまま、0-2で勝利。インテルに2連勝して、来週火曜にキエフでシャフタールに勝てば、グループ突破が決まるところまで、2節まで勝ち点1しかなかったマドリーは立て直すことができたんですが、そこはやはり、前人未踏の13回優勝をしている得意な大会。いみじくもバルサに勝って、ロコモティブに勝てなかったシメオネ監督と、リーガ前節ビジャレアル戦で1-1と引分けながら、インテルには完勝したジダン監督が「Esto es el fútbol/エストー・エス・エル・フトボル(これがサッカー)」という台詞で一致していたのも何ですが、負傷中のベンゼマ、コロナ陽性のヨビッチ、マリアーノもこの日は不発ながら、ちゃんとゴールが入るのですから、お隣さんもここは見習わないといけないかと。 いえまあ、コンテ監督も「精神的にとても重圧のある試合で、落とすことができなかった上、相手がマドリーとあっては…」と、グループ最下位のインテルがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)での3節のように、互角にプレーできなかった理由を説明していましたが、何せ、2010年にはモウリーニョ監督(現トッテナム)の下、CL優勝を遂げて以来、しばらく不調が続き、6シーズンもこの大会に出られない時代もあった彼らですからね。昨季もグループリーグで敗退し、EL16強対決の一発勝負ではヘタフェを簡単に足蹴にしたものの、その時はエチェイタがシュートを邪魔することもできず、巨人のように見えたルカクでさえ、ラモス抜きで、ナチョ&バランのCBコンビに成す術もなかったとなれば、これは格の違いと言っていい? もっともそのELの方でも、最後にインテルはこちらも前人未踏、6回目の優勝を遂げたセビージャに決勝で負けることになったんですが、ちなみに夏にはヘタフェの一員として、そのインテル戦に途中出場し、今季からはRMカスティージャにレンタル移籍。頭数不足で遠征に参加していたウーゴ・トゥーロの出番はなかったんですが、一応、これでリベンジは果たせたかと。先週から、マドリーも地獄の10連戦に突入したため、また近いうちにトップチームに呼ばれることもあるかと思いますが、とりあえず、木曜のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションの映像を見たところ、土曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのアラベス戦にはベンゼマが戻って来られるかもしれません。 何せ、宿敵のバルサはもっと切実なんですが、マドリーもリーガでは現在4位と、そんなに調子がいい訳ではありませんからね。ラモスはシャフタール戦に向けて、鋭意リハビリ中ですが、ようやくミリトンはPCR検査が陰性に。この先もセビージャ戦、お隣さんとのマドリーダービーと大変な試合が続くだけに早いところ、ケガ人、自宅隔離選手には復帰してもらいたいところですが、アラベスでも前節のバレンシア戦の後、マヌ・ガルシアが陽性と、ウィルスにはもう誰がいつ、感染しても不思議はなさそう。 そしてヨーロッパの大会組でないヘタフェはまた日曜、同じ週1ペースのアスレティックをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えることになるんですが、相手は前節、ベティスに4-0で大勝と復活の兆しが見えてきていますからね。このところゴール日照りに見舞われ、直近4試合、白星に見放されているボルダラス監督としてもそろそろ、浮上のキッカケを掴みたいはずですが、さて。今のところ、11位と程々のところに位置している彼らですが、年が変わって、ファンがスタジアムに戻って来られる頃にはまた、EL出場権を争えるぐらいの高みにいてくれたら、きっと皆、喜んでくれますって。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.28 13:30 Sat
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どこにいたって伝染る時は伝染る…/原ゆみこのマドリッド

「先に罹った者勝ちなのかしら」そんな風に私が首を振っていたのは木曜日、アトレティコのトレイラがバラハス空港での入国時検査で陽性を出したと聞いた時のことでした。いやあ、前日の夕方にはコロナ禍発生以来、初めてマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でのセッションを見学することができて、大いに喜んでいた私だったんですけどね。久々に会った顔馴染みのクアトロ(スペインの民放)のレポーターによると、火曜のW杯予選2試合目前にコロナ陽性が発覚し、即モンテビデオで隔離となっていたルイス・スアレスとは別に、ウルグアイ代表の同僚であるトレイラ、ヒメネス、そして彼らとの対戦に0-2で勝ったブラジル代表のフェリペ、ロディの4人はクラブの用意したプライベートジェットで一緒に帰って来たのだとか。 うーん、どうやらクラスター発生の原因はウルグアイ代表合宿中にやったバーベキューのせいじゃないかと言われているんですが、その全員マスクなしの写真を見ると、確かにトレイラは先に陽性となったスアレルとロドリゴ・ムニョス(クラブ・リベルタ)の間に座っていて、さもありなんという印象。でもスアレルの反対側の隣にはマドリッドの弟分、ヘタフェのアランバリがいて、そしたら彼も怪しくない?といっても代表合宿に集合した直後にも検査はあり、その時は皆、白だったとなれば、むしろバーベキューの用意をした現地スタッフとかから、ウィルスをもらった可能性の方が強いかと。 何せ、今やどこで感染するか、わかったもんじゃないコロナですからね。少なくともロディは昨季の中断後、6月に練習開始となった時点で、ヒメネスも10月の代表戦期間中にマドリッドで感染しているため、再陽性になることはなさそうですが、さて。今はフェリペも難を逃れていることを祈るばかりなんですが、その間、お隣さんではインターナショナルマッチウィーク前に自宅隔離となったカセミロに続き、アザール、ミリトンも木曜にPCR検査で陰性をゲット。つまり、代表戦とその移動で体力を消耗することもなく、この先、感染の心配なしで、レアル・マドリーの試合に出られるのは羨ましい限りですが、そのうち、シーズン序盤に陽性者多発で苦しんだアスレティックなどが、逆に免疫獲得選手多数となって、有利になったりするのでしょうか。 ま、そんなことはともかく、今はスペイン代表が2020年の最後を文句のつけようのないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で締めくくった試合の話をしないといけません。ええ、火曜には第2回ネーションズリーグのファイナルフォー進出を懸けて、セビージャ(スペイン南部)のカルトゥハでドイツ戦に挑んだ彼らなんですが、この必勝だった試合にルイス・エンリケ監督はモラタ(ユベントス)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)の3人を前線に配置。ただ、ここ最近のゴール不足を解消することができたのは、皮肉にも前半9分、カナレス(ベティス)が左太ももを痛め、早い段階でファビアン・ルイス(ナポリ)が入ったおかげと言えなくもなかったかと。 そう、22分に彼が蹴ったCKをモラタが見事に頭で捉え、先制ゴールを入れてくれたからですが、その5分後にもファビアンからのラストパスでモラタは再び、GKノイアー(バイエルン)を破ることに。こちらは線審がオフサイドの旗を上げたため、得点にはなりませんでしたが、いやあ、実はネーションズリーグにはVAR(ビデオ審判)が導入されてないんですよ。リプレーではオフサイドでなかったというのもしょっちゅう、ユベントスの試合で後からノーゴールにされている当人にとっては皮肉ではありますが、嘆く必要は全然ありません。というのもこの日のスペインは、「全てが最初からひどかった。ボール争いに1回も勝てず、組織的なプレーもできなかった」(レーブ監督)というドイツを圧倒的に押しまくり。 32分にはコケ(アトレティコ)の上げたクロスから、オルモのヘッドはゴールバーに弾かれたものの、こぼれ球をフェランが撃ち込んで2点目が入ったかと思いきや、37分にも再び、ファビアンからのCKを今度は、「Trabajamos mucho la estrategia/トラバハモス・ムーチョ・ラ・エストラテヒア(セットプレーは沢山、練習した)」というロドリ(マンチェスター・シティ)が頭で流し込んでいるって、え、前半だけで3-0とは、一体、何の冗談?それだけ点差がつけば、前節のスイス戦で2度のPKに失敗。その日は直接FKでリベンジを図ったものの、惜しくもノイアーに弾かれてしまったセルヒオ・ラモス(マドリー)がハーフタイム入りの3分前、右太ももの肉離れで19才のエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)に代わってしまったとて、それ程、心配するには及びません。 ええ、実際、「ウチのゲームプランは95分間、同じままだった。No especulamos ni defendemos resultados/ノー・エスペクラモス・ニー・デフェンデモス・レスルタードス(様子見をしたり、結果を守ったりはしなかった)」とルイス・エンリケ監督が後で言っていた通り、後半も攻め続けたスペインは9分、ファビアン、ガヤ(バレンシア)と繋いで、またしてもフェランがゴール。更に16分、再びファビアンのアシストでフェランが自身3点目、ハットトリックを達成って、ちょっとお、先日、ヒザの半月板損傷で4カ月の離脱になったアンス・ファティ(バルサ)よりは2つ上ですが、この選手もまだ、U21代表でプレーできる20才なんですよ。末恐ろしいというか、将来が楽しみというか、ホント、こういう若い選手たちが出て来ると、2012年のユーロ優勝以来、ずっと停滞していたスペイン代表にも期待が持てるようになる? そして5点入ったところでようやく、ルイス・エンリケ監督は前線をアセンシオ(マドリー)、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)に代えたんですが、43分には、オランダ戦で額を縫ったガヤの復活証明アシストでオジャルサバルもゴール祭りに加わり、最後は6-0の大勝に。最終節で首位を奪還して、試合後のロッカールームも大騒ぎだったんですが、いやあ。だってえ、「Muy ilusionados con la Final Four con el equipo que temenos/ムイ・イルシオナードス・コン・ラ・ファイナル・フォー・コン・エル・エキポ・ケ・テネモス(今のチームでファイナルフォーを迎えるのが凄く楽しみだ)」とフェランなどは言っていましたけど、それ、開催は来年10月なんですよ。 翌水曜にはイタリアとベルギーの参戦も決まり、すでに前節には勝ち抜けが決まっていたフランスと共に12月3日の組み合わせ抽選を待つことになるんですが、その4日後には2022年W杯予選の抽選会も開催。このファイナルフォー出場で5チーム編成のグループに入ることが決まっているスペインはまず、3月にW杯予選3試合、9月に3試合、11月に2試合を消化する中、6月11日から1カ月間は延期されていたユーロ2020本大会、そして10月にイタリアでネーションズリーグ・ファイナルフォーと、もう訳わからない状態に。その上、U21ユーロ予選を勝ち抜いた後輩たちも3月に本大会グループステージ、6月11日から7月11日までは決勝トーナメント、そしてもし、本当に開催できなるなら、オリンピックもあるって、いやもう、私が今回、追加招集でU21合宿から呼ばれたククレジャ(ヘタフェ)だったら、正直、何をどう、目標にしたらいいか、さっぱりわからなくなっているかと。 おまけに今シーズンはリーガやヨーロッパのクラブ大会も凝縮日程ですから、「No me esperaba jugar los tres partidos/ノー・メ・エスペラバ・フガール・ロス・トレス・パルティードス(3試合、プレーするとは予想してなかった)」という、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、ケパ(チェルシー)を抑えて、一気に代表正GK最有力候補となったウナイ・シモン(アスレティック)を始め、この日は中盤で2年前のアトレティコでは成し得なかった、前向きのコンビネーションを披露。「2年間、代表に呼ばれなかったコケの復活ぶりは素晴らしい。No solo se ha limitado a dar pases de seguridad/ノー・ソロ・セ・ア・リミタードー・ア・ダール・パセス・デ・セグリダッド(安全なパスを送るだけに留まらなかった)。オランダとの親善試合で一番、良かった時間もこの2人がピッチにいた」と代表スタッフから、お褒めの言葉をもらっていたコケとロドリにしても、この11月の代表戦で活躍した選手たちが3月にも元気でいられるかはそれこそ、神のみぞ知るところですからね。 まあ、その辺も踏まえてルイス・エンリケ監督は、「No tenemos un equipo fijo, puede jugar cualquiera y eso no va a cambiar/ノー・テネモス・ウン・エキポ・フィホ、プエデ・フガール・クアルキエラ・イ・エソー・ノー・バ・カンビアル(ウチには決まったチームがなくて、どの選手でもプレーできる。それは変わらないだろう)」と言っていたのかもしれませんが、さて。とりあえず、水曜から選手たちが戻り始めたリーガのチームもこの週末は、代表被害がより少なくて済んだのは誰か、競うことになるんですが…。 え、どこより甚大なのはキャプテン、ラモスを2週間、欠くことになったマドリーじゃないのかって?そうですね、実はCBコンビを組むバランもフランス代表の最後の試合となったスウェーデン戦で肩を痛め、途中交代。土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時45分)からのビジャレアル戦への出場は金曜の練習を見て決めるのだとか。とはいえ、丁度、ナチョがケガを治して復帰していますし、ミリトンもコロナ陰性になりましたからね。他にもカルバハル、アザール、カセミロ、そしてバレンシア戦で筋肉痛を患ったベンゼマも出られるため、たとえ、相手が現在2位の好調チームとはいえ、ラ・セラミカで引けは取らないと思いますが、やはり怖いのは来週水曜のCLインテル戦。 そう、ラモス抜きのマドリーがCLで苦戦するのは周知の事実とあって、とにかくジダン監督は5節のシャフタール戦までには回復してもらいたいところでしょうが、こればっかりはねえ。ビジャレアルも久保建英選手を始め、ジュラール・モレノ、パウ・トーレスら、代表帰りの選手が結構いるため、3度もペナルティを取られた前節バレンシア戦のような不運に見舞われなければ、いい勝負になると思いますよ。 一方、ウルグアイ・サッカー協会にセレソ会長が苦情を申し立てているアトレティコは土曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、ワンダ・メトロポリターノでバルサ戦なんですが、最初に言った通り、スアレス、トレイラ、2人のコロナ感染者以外にもエレーラがメキシコ代表合宿中に負傷。結局、韓国、日本、どちらの親善試合にも出場していないため、むしろ連戦のツケがこの時期に出たということでしょうが、私が覗いた水曜のセッション、マスコミ公開15分間ではジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロら、paron(パロン/リーガの中断期間)前からのリハビリ組、そしてモンテネグロ代表を早退してきたサビッチも全体練習に合流していたのは朗報だったかと。 その日をジムで過ごしたコケやジョアン・フェリックス、水曜のギリシャ戦でもクリーンシートを維持して、スロベニアがネーションズリーグのCグループからBグループに昇格するのを助けたGKオブラクも木曜の練習には参加していましたしね。確かにスアレス不在は攻撃面で痛いとはいえ、2節前のオサスナ戦では彼抜きで3点取っていたり、ジョアンもポルトガル代表で2ゴールと調子に乗っていますしね。シメオネ監督もあまり心配していないかも。ただ、彼らも来週水曜にはCLロコモティブ・モスクワ戦がありますし、その後もバレンシア戦、CLバイエルン戦と難しい試合が続くため、スアレスには早く陰性結果を出して、せめてマドリッドには戻って来てもらいたいですよね。 一方、バルサではスペイン2戦目のスイス戦でヒザを捻ったブスケツが2週間の離脱。あとは特に代表戦での負傷、感染等は聞いていませんが、コウチーニョのケガが治って復帰というのはクーマン監督にとって、大きいかと。今はアトレティコが3位で、8位のバルサとは勝ち点差6と、ここで負けても順位が引っくり返ったりはしないんですけどね。せっかく今季はここまで7試合で無敗と、リーガで唯一の黒星なしチームになっているんですから、その記録をできるだけ長く続けて欲しいところかと。 そしてククレジャがスペインA代表デビューを果たせなかったとはいえ、U21の消化試合で体力を使うこともなかったヘタフェは日曜午後2時(日本時間午後10時)から、アウェイでのエイバル戦に臨むんですが、何せこちらは前節、ビジャレアルに1-3と負けてしまいましたからね。バルサと勝ち点が同じの10位とはいえ、16位のエイバルとの差も2ポイントだけなので、気を緩める訳にはいきません。この先、3、4週間、再びヨーロッパの大会のないチームにとっては、体力的に有利な日程になりますが、10月の代表戦からの3週間でヘタフェはバルサ戦勝利以外、白星がなし。ここからはギアを上げて、再びEL回帰の夢が見られる彼らに戻ってくれたらいいんですが…。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.20 19:00 Fri
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試合もコロナも増えていく…/原ゆみこのマドリッド

「7連戦じゃない!?」そんな風に私が目を瞠っていたのは月曜日、これまでまったく話題に上がってなかったため、ほとんど気にしていなかったコパ・デル・レイ1回戦の組み合わせ抽選会のライブ配信ページをASのサイトで見つけた時のことでした。いやあ、コロナ流行のせいで通常より、シーガが遅く始まった今季は10月のインターナショナルマッチウィークが終わった後にヨーロッパの大会も開幕。おかげでCL、ELのグループリーグに参加しているスペインのチームは地獄の7連戦をこなさないといけなかったんですけどね。11月も代表戦後にグループリーグ後半戦があるため、同じ7連戦リピートと勝手に思っていたところ、何と12月16日前後にコパ1回戦って、それじゃ、10連戦になっちゃうじゃないですか。 それも、おそらく昨季と同じ1月に開催になるだろう、スペイン・スーパーカップのファイナルフォーに出場するレアル・マドリー(リーガ優勝)、バルサ(リーガ準優勝)、レアル・ソシエダ(昨季のコパ・ファイナリスト)、アスレティック(同、昨季のコパ決勝は来年4月4日に延期されている)ら、4チームは1、2回戦が免除。よって、このミッドウィーク、週末の4週間連続ループの苦行に挑むのはアトレティコ、セビージャ、ビジャレアル、グラナダだけなんですけどね。112チームによる1発勝負のコパ1回戦でシメオネ監督のチームが地方リーグ所属のカルダサル(マジョルカ島)と当たったのはともかくお隣さんとバルサのもたつきにより、今季こそリーガ優勝争いに喰い込めかもしれないとファンに期待されている昨今、あまりにハードなスケジュールでは? 大体がして、各国代表に大量14人もの選手を送り込んでいるアトレティコにはすでに不安をかきたてる知らせが届いており、まずはサビッチ(モンテネグロ)がネーションズリーフのアゼルバイジャン戦を筋肉痛により欠場。キプロス戦を待たずに代表を離脱することに。エレーラ(メキシコ)も韓国との親善試合に左太もものケガで出られず、火曜の日本戦を待たずにマドリッドに戻ったんですが、何と言っても一番の懸念はGKオブラク(スロベニア)だったかと。ええ、週末のネーションズリーグ、コソボ戦前に左肩に痛みを覚えたため、その試合には出場せず、検査をしていたんですが、幸い、負傷は発見されなかったため、水曜のギリシャ戦には出られるかもって、いや、温存してくれて全然、構いませんって。 というのもこのparon(リーガの中断期間)明け、アトレティコがワンダ・メトロポリターノに迎えるのがバルサだからで、実は大西洋の向こう側でもウルグアイ代表メンバーにコロナ陽性選手が発生。先日、隔離期間が終わって復帰してきたヒメネスはともかく、ルイス・スアレスとトレイラ、そしてマドリッドの弟分、こちらもコパ1回戦を地方リーグのアナイタスナ(バスク)との対戦が決まったものの、ヨーロッパの大会がないため、連戦にはならないとヘタフェから出向しているダミアンとアランバリにだって、もしものことがあったら、困りますからね。おまけに月曜にはスペインとネーションズリーグで同グループのウクライナで3人、陽性の選手が見つかったため、火曜の最終節、スイス戦が延期になったって、え、そのウクライナと対戦したばかりのドイツと試合するスペインのコケやマルコス・ジョレンテに感染の危険はないの? いえ、アトレティコだけにかまけず、今はスペイン代表の話をしないといけません。実は土曜のネーションズリーグ5節でスイスとバーゼルで対戦した彼らだったんですが、あまり良くない結果だったんですよ。いやあ、戦前はオランダとの親善試合でいいプレーをしたモラタ(ユベントス)が持ち上げられ、先発CF間違いなしと言われていたにも関わらず、ルイス・エンリケ監督はダニ・オルモ(ライプツィヒ)をfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/仮のCF)として起用。オジャルサバル(レアル・ソシエダ)とフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)の3トップで挑んだんですが、どうにもゴールが入らなくてねえ。 そうこうするうち、前半26分、オランダ戦同様、守備陣の乱れを突かれ、エンボロ(メンヘングラッドバッハ)が1人、エリアにドリブル突進。そのラストパスをフロイラー(アタランタ)に決められて、スイスに先制点を奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって。いえ、このゴールには、こちらも意表を突いて、オランダ戦からの連続先発となったGKウナイ・シモン(アスレティック)に責任はないんですけどね。1点ビハインドのままだった後半9分、エリア外までクリアに出て、セフェロビッチ(ベンフィカ)にボールを先取りされ、ガラ空きのゴールにシュートを撃たれるとはこれまた如何に。その時は幸い、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)がラインを越える前にクリアしてくれたため、紙一重で更なる失点を逃れたスペインだったんですが…。 直後にはファビアン・ルイス(ナポリ)に代わってモラタが入り、いよいよ真剣に反撃を開始した彼らの同点のチャンスを作ったのもラモスでした。ええ、12分、CKのボールを彼がヘッドしたところ、それが敵の腕に当たり、VAR(ビデオ審判)はないネーションズリーグながら、主審も見逃さずにペナルティを宣告。もちろん、PKキッカーは当人で、この日、いよいよブッフォン(ユベントス)を抜いて、代表戦177試合出場という、ヨーロッパ最多記録を打ち立てた記念ゴールを挙げるべく、意気揚々と蹴ったところ、まさかGKヤン・ゾマー(メンヘングラッドバッハ)に弾かれてしまうとは! いやあ、昨季のリーガ最終戦でPKを弾かれ、ヘタフェの2年連続EL出場を逃した戦犯となったマタもそうだったんですが、ラモスもここまで25回連続PK成功中でしたからねえ。おまけにヒザをケガしたブスケツ(バルサ)、オルモ、オジャルサバルが一気にコケ、カナレス(ベティス)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に代わった後の34分にもスペインはPKをゲット。今度はコケが昨季までのチームメートにスルーパスを送り、シュートに行ったモラタがゴール前でエルベディ(メンヘングラッドバッハ)に倒されてくれたおかげでしたが、いやあ、前節のバレンシア戦ではソレルが1度、PKをクルトワに弾かれながら、その後、3度連続して決めて、PKハットトリックを達成という光景を目の辺りにしていたせいでしょうかね。 ラモスにもキッカーを代わってもらおうという考えは起きなかったか、リピートしたんですが、今度は緩いパネンカ風をあっさり止められてしまうとはまったく、世も末。ルイス・エンリケ監督など、「Si hubiera habido tres o cuatro los habría tirado él/シー・ウビエラ・アビードー・トレス・オ・クアトロ・ロス・アブリア・ティラードー・エル(もし3度目、4度目のPKがあったとしても彼が蹴っていただろう)」と代表キャプテンを庇っていましたが、試合後記者会見ではその時、エルベディがペナルティのファールで2枚目のイエローカードをもらい、explusion(エクスプルシオン/退場)となっていたことに気がついてなかったことがバレてしまったのはやっぱり、滅多にないことに指揮官も動揺していた? え、さっきからメンヘングラッドバッハの選手が何人も出てくるけど、もしやそれって、CLグループリーグ2節でマドリーが対戦したチームじゃなかったかって?その通りで、おそらくGKゾマーなどはその際にラモスのPKを研究していたんじゃないかと思うんですが、心配なのはまだアウェイのインテル戦やシャフタール戦があって、突破へ道筋が不確かなジダン監督のチームが最終節、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にこのドイツ勢を迎えないといけないこと。何せ、アウェイでは2点先行され、土壇場にベンゼマとカセミロのゴールでようやく引き分けた相手ですからね。もし、ギリギリで勝ち抜けを争っている状況でまた、ゾマーとラモスのPK対決になったら、ちょっと怖い気もしないではないんですが、ま、それはそれ。 スイス戦の話に戻すと、ラモスの2度目のPK失敗の直後、ルイス・エンリケ監督は最後の切り札、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)を投入。43分にはレギロン(トッテナム)のラストパスを彼が決めて、何とか同点には持ち込んだんですが、ロスタイムにはウナイ・シモンも参加してのCK全員攻撃も実らず、結局、1-1の引き分けで終わることに。先月最後のウクライナ戦から、これで3試合連続白星なしというのが、スペイン代表では20年ぶりの不名誉というのも困ったもんですが、何よりマズいのは同時刻、ドイツがザネ(バイエルン)とベルナー(チェルシー)の2発でウクライナに3-1の逆転勝利。勝ち点差2を覆してグループ首位に立ち、スペインがファイナルフォーに出場するには火曜の直接対決でドイツを破らないとはちょっと、ハードル高くない? いえ、今のドイツ代表は、アトレティコがCLグループリーグ1節で4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を浴びた昨季の5冠王者バイエルンとイコールという訳ではありませんけどね。GKノイアーを始め、ゴレツカ、ナブリ、ザネ、ズーレと何人も見知った顔がいるため、コケやジョレンテはまた、アリアンツ・アレンアでの悪夢を思い出してしまうかも。その一方で、出身地セビージャ(スペイン南部)での大一番とあって、前日記者会見に出る予定だったラモスは最近、今季で満了するマドリーとの契約延長交渉の話題ばかりになっている状況がウザかったんでしょうかね。 会見を当日にドタキャンして、サッカー協会のビデオインタビューに答えることにしたようですが、またPKのチャンスが巡って来た際には蹴る気満々だったのはいかにもラモスらしい。いやあ、モウリーニョ監督時代にはバイエルンとのCL準決勝でPK戦の最後のキッカーに。奇しくもノイアー相手にサンティアゴ・ベルナベウの天高く撃ち上げてしまい、当時は悲願だったdecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)達成の道が遠のいたなんていう、若き日の苦い思い出もある彼ですが、さすがにこちらはもう、当人も忘れているかもしれません。 ちなみに前日にはカルトゥハでのスタジアム練習を行ったスペインでは、オランダ戦で額を縫ったガヤ(バレンシア)が回復。ブスケツの方はヒザの靭帯の負傷でスタンド観戦に回ることになったため、ロドリ(マンチェスター・シティ)が代役を務めるようです。ルイス・エンリケ監督は「Tengo decidido el portero que jugará mañana/テンゴ・デシディードー・エル・ポルテーロ・ケ・フガラ・マニャーナ(明日、プレーするGKは決めてある)」と言っていたものの、誰かは明かさなかったため、ウナイ・シモンの続投か、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)になるのかは見てのお楽しみというところでしょうか。 どちらにしろ、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのスペインvsドイツ戦でネーションリーグのグループ戦も終わりですからね。うーん、このカルトゥハで10月に女子A代表が2022年女子ユーロ予選のチェコ戦を戦った時には800人程、ファンが入ることができたんですけどね。男子の方が無観客試合なのはちょっと不公平ではありますが、ここは選手たちには気持ちを強く持ってもらって、とにかくケガ人とコロナ陽性者だけは出ないことを祈っています。 というのも、マドリーではノルウェイ代表に行っていたウーデゴーアがチームに陽性選手が出たため、週末のネーションズリーグ、ルーマニア戦遠征ができず、水曜のオーストリア戦も母国の政府の方針で一緒に合宿していたメンバーは隔離期間を設けないといけないということで、1試合もせずにマドリッドに帰還。すでに月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で汗を流しているのを夜のTVニュースで見て、何せ、あちらはアザールとカセミロも代表戦週間入り直前に自宅隔離になってしまいましたからね。せめて1人でもMFが元気で戻って来てくれて良かったと思った矢先、ルイス・スアレスがW杯予選準備中のウルグアイ代表で陽性発覚という凶報が入ってきたから。 昨今では国ごとに隔離日数や出入国条件が違うため、土曜のバルサ戦出場は絶望としても、彼がいつ、マドリッドに戻って来られるのかすら、わからないとなれば、ただただ、コロナを恨むしかないんですが、まったく。今の時期、選手たちの大量移動を伴う代表戦開催はできれば、避けて欲しいんですが、FIFAもUEFAも予定試合を消化していかないと、あとがまた詰まってしまいますからね。代表に行かなくても感染する選手はいるため、その辺は何とも言えないんですが、今後は先日、レアル・ソシエダ戦でトップチームの選手数が規定未満になったグラナダのように、試合をするのが難しくなるチームがリーガでも結構、出てくるんじゃないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.17 22:30 Tue
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選手にだって体力の限界はあるだろうに…/原ゆみこのマドリッド

「いつの間にやら、凄いことになってたのね」そんな風に私が口をアングリ開けていたのは木曜日、マドリッドの外出禁止令は夜間のみなのをいいことに散歩がてら、3月以来となるサンティアゴ・ベルナベウを訪れた時のことでした。いやあ、コロナ流行による昨季のリーガ中断以前からもチョロチョロ、スタジアムの改装工事は始まっていたんですけどね。これがまた、再開後も無観客試合となったのを渡りに船とばかり、周囲を完全に封鎖しての突貫作業がスタート。度々、スポーツ紙などで「obra faraonica(オブラ・ファオニカ/エジプトのファラオ並の巨大建築)と形容されていたのも納得できる程の規模になっていたから。 ええ、スタジアム全てを覆う、開閉式屋根の取り付けのためか、見ていると首が痛くなるぐらい高いクレーン塔が何台も立ち並び、以前、オフィシャルショップ旗艦店などがあった建物も今では完全に撤去。この状態でも通常、17ユーロ(約2100円)からの入場料を3ユーロ(約400円)にまで値下げして、トロフィールームやスタンド最上階に行けるスタジアムツアーをやっているというのはビックリですが、重機マニアにはたまらないかもというのは、その入り口すら、見つけられなかった私のただの負け惜しみ。しかも辺りが暗くなる午後7時頃になっても工事が終わる気配すらないとは、2022年完成予定を前倒しして、来年夏にはエムバペ(PSG)、もしくはハーランド(ドルトムント)のメガプレゼンを大勢のファンの前でやりたいという野望がペレス会長にあるというのは決して、私の穿ち過ぎではない? まあ、何にしてもスペイン政府の方針が変わらない限り、リーガもCL、ELも無観客状態なのは続きますからねえ。その間、レアル・マドリーも人里離れたバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で試合を開催するため、すでに何軒ものバル(スペインの喫茶店兼バー)やレストランが閉店していたサンティアゴ・ベルナベウ周辺が賑わうこともなさそうですが、さて。実際、丸々1年もスタンドにファンのいない試合が続いたりすると、その間、デビューした新人選手など、いざ、平常状態に戻った時のプレッシャーが、半端ないんじゃないかと心配になってしまうんですが…。 そんなことはともかく、今週から始まったインターナショナルマッチウィークではスペインも水曜にオランダと親善試合を実施。こちらの様子もお伝えしていくことにすると、いやもう、ホントにせわしないんですよ。月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設に集合したチームは翌日、早くもアムステルダムに移動。ヨハン・クライフ・アレナでの前日練習を含め、たった2回、セッションをこなしただけでキックオフとなったんですが、おやおや。2018年のワールドカップ以来の招集となったコケ(アトレティコ)が出場数45試合で最多となり、キャプテンを務めていたことからもわかるように、その日のルイス・エンリケ監督は比較的、代表歴の少ない選手でスタメンを構成。 それでも相手が守備の要、キャプテンのファン・ダイク(リバプール)、デ・リフト(ユベントス)を負傷で欠き、おまけで先発したCBアケ(マンチェスター・シティ)も開始5分でケガをして、ブリント(アヤックス)に交代という不運に見舞われたおかげもあったんですかね。前半18分にはモラタ(ユベントス)のスルーパスをカナレス(ベティス)が撃ち込んで、スペインは先制点をゲット。この日、チェルシーでとんと出番のなくなってしまったケパに代わり、代表デビューを果たしたGKウナイ・シモン(アスレティック)に普段やりつけない、ボールを後ろから繋ぐプレーをルイス・エンリケ監督が命じたため、何度か、昨季のCL16強対決マンチェスター・シティ戦2ndレグのように、バランの失点ミスを引き起こしたマドリーのクルトワの二の舞になるんじゃないかと、ヒヤヒヤさせられた場面はあったものの、リードを保ったまま、ハーフタイムに入ります。 でもねえ、後半始まってすぐだったんですよ、オランダに追いつかれてしまったのは。そう、中盤の3人を入れ替えたデ・ボエール監督率いるチームは2分、ワインダム(AZ)のクロスをファン・デ・ベーク(マンチェスター・ユナイテッド)がスペイン守備陣の混乱に乗じてエリア内からシュート。これがゴールとなり、いえ、前半途中に左SBのガヤ(バレンシア)が空中戦でハテブール(アタランタ)と頭をぶつけ、レギロン(トッテナム)に交代していたのはあまり、関係ないかと思いますけどね。元々、右SBが代表5年ぶりのベジェリン(アーセナル)、CBコンビもイニゴ・マルティネス(アスレティック)とエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)という、皆、初顔合わせ状態でしたし、この試合前は芝生上での練習より、ビデオセッションの方が多かったとなれば、コンビネーションがあうんの呼吸でいかないのも当然だった? そしてスペインも16分にはモラタ、アセンシオ(マドリー)、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)の前線3人をダニ・オルモ(ライプツィヒ)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に総入れ替え。勝ち越し点を狙っていったんですが、残念ながら、なかなか好機が作れません。ええ、カナレスと代わり、マルコス・ジョレンテ(アトレティコ)も代表デビューを果たした後、最後は40分、ブッフォン(ユネントス)がイタリア代表で持つ、ヨーロッパ最多出場記録の176試合に並ぶべく、セルヒオ・ラモス(マドリー)がピッチに入った時など、実況アナも「そのままCFでプレーした方がいいんじゃないか」と言っていた程だったんですが、まあ所詮は親善試合。そこまで極端に走ることもなく、1-1のまま、荒寥感溢れる無人の場内にルイス・エンリケ監督の声が響き渡った試合は引き分けで終了となりましたっけ。 え、クーマン監督のバルサ赴任に伴い、10月からオランダ代表を引き継ぎ、3分け1敗とまだ白星のないデ・ボエール監督もあとで、「お金は非情に大事だが、選手たちのケアもしないといけない。この試合をやる必要があったとは思えない」と告白していたように、リーグとヨーロッパの大会の過密日程が続く中、わざわざ親善試合までプレーさせられるなんて、いくら高給をもらっていても非人道的じゃないかって?うーん、ただそれを言うなら、マドリーのクロースなども合宿中のドイツ代表から、「こういう大会はとにかくFIFAやUEFAが収入を得るためにあって、選手たちを肉体的に搾取している」という意見を発信していたように、この9、10、11月のヨーロッパの代表戦週間のメイン、ネーションズリーグからして、あまり意義が感じられなかったりしますからね。 もちろん、2年前に始まった初回ネーションリーグで好成績を残した、ユーロ2020(来年に延期)予選落ちの16国が先月からプレーオフで激突。木曜には北アイルランドとの決勝に勝って、スペイン、スェーデン、ポーランドのいるグループEでの本大会出場が決まったスロバキアなどにとっては貴重な機会だったでしょうけどね。すでに第2回ネーションズリーグが進行中なのも違和感がありますし、1番上のリーグにいるスペインはファイナルフォーに出場して、去年、初代王者となったポルトガルの後を継ぐことが目標と言っても、その決勝は一体、いつあるんでしょうか。 いやあ、聞きかじった話によると、来年秋らしいんですが、そうなると2022年W杯予選と並行ということになって、再び代表戦過密日程のリピートというのもねえ。ちなみに金曜にはネーションズリーグ5節のスイス戦が行われるバーゼルに直接移動したスペインでしたが、ルイス・エンリケ監督は左眉の上を4針縫ったガヤの状態を気遣って、マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でU21ユーロ予選のフェロー諸島戦に出る予定だったククレジャ(ヘタフェ)を追加招集。とはいえ、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのザンクト・ヤコブ・パルクで、同時開催のドイツvsウクライナ戦の勝者と首位を争うことになる一戦の先発見込みはレギロン、ガヤも来週火曜、セビージャのカルトゥハで行われるドイツ戦目指して、チームに残っているため、デビューできるかどうかはわかりません。 加えて、ルイス・エンリケ監督には「Es un jugador de una garantía total de que va a rendir a un altísimo nivel/エス・ウン・フガドール・デ・ウナ・ガランティア・トタル・デ・ケ・バ・レンディル・ア・ウン・アルティスモ・ニベル(超レベルの高いパフォーマンスを見せる保証が完璧にある選手)」と大仰に褒められていたコケも、いえ、代表キャプテン初体験に110キャップのアトレティコの先輩、フェルナンド・トーレスからお祝いメッセージももらい、「Kokiño(コキーニョ/ブラジル人風の愛称)」と呼ばれていた当人は、いたく感激していたようなんですけどね。元々、今回のチームプラン自体が「公式戦にフレッシュな選手で挑む」(ルイス・エンリケ監督)というものらしいため、フル出場の後はお休みかもしれませんが、いやいや、温存上等! 今度はブスケツ(バルサ)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)、ファビアン・ルイス(ナポリ)といった選手たちに働いてもらって、アトレティコ勢はparon(パロン/リーガの中断期間)明けのバルサ戦、CLロコモティブ・モスクワ戦に備え、見学してくれたらいいかと。そうそう、10月から1試合、1得点以上できないゴール不足対策にはモラタのCF連投、オランダ戦ではベンチ外となったオジャルサバル(レアル・ソシエダ)、そして何より、代表戦出場数ヨーロッパ最多記録を作るべく、今度はスタメンとなるラモスに期待が懸かっているようですよ。 え、それでこの1週間、マドリッドの1部チームたちは何をしていたのかって?いやあ、3チーム共、週末は練習休みになるんですが、とにかく両雄はアットホーム感の強いセッションでねえ。というのもアトレティコなど14人、木曜からはマヌ・サンチェスもククレジャの代わりにスペインU21に玉突き招集されたため、大量15人が各国代表に出払っている上、ジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロ、ベルサイコらはまだ負傷のリハバリ中。おかげでマハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドにはサウール、エルモーソ、レマル、コレア、サポンジッチの5人しか、トップチームの選手がいなかったとか。 マドリーの方も似たり寄ったりで、ええ、こちらにはコロナ陽性で自宅隔離中のミリトン、アザール、カセミロもいますからね。代表招集は11人とお隣さんより少なかったんですが、先週末には筋肉痛のベンゼマ、脛骨亀裂のバルベルデに加え、ルーカス・バスケス、メンディの負傷も判明。よって、ジダン監督が指導できたのはマルセロ、マリアーノ、イスコ、そしてRMカスティージャ所属の第3GKアルトゥーベのたった4人だけって、何せ、彼らの場合は前節のバレンシア戦で4-1という大敗をしただけでなく、代表戦明けにもビジャレアル、そしてCLインテル戦という、強敵相手のアウェイ2連戦が控えていますからね。 いかにチームを立て直すか、ここはジダン監督の腕の見せ所とはいえ、あまりやれることもないんですが、カルバハルとナチョ、両名の復帰が秒読み段階に入っていること、コロナ勢3人も来週の検査で陰性が出れば戻れるのは朗報と言っていい?ただ、今は各国代表でもチラホラ、陽性者が発見されているため、逆に感染して戻って来る選手がいないとも限らないんですけどね。この件に関しては、アトレティコのシメオネ監督にしても、出向しているのが、ウナル(トルコ)、ダミアン、アランバリ(ウルグアイ)、マクシモビッチ(セルビア)、ジェネ(トーゴ)、そしてククレジャと6人だけのヘタフェのボルダラス監督も天に祈るような気持ちでいるのは間違いないかと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.14 14:00 Sat
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