やっぱりスペイン勢優勝は嬉しい…/原ゆみこのマドリッド

2020.08.23 19:00 Sun
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「丸損にならなくて良かった」そんな風に私が満足感を覚えていたのは金曜日、ドイツのコロン(ケルン)で開催されたEL決勝でセビージャが見事にインテルを撃破。観客こそいないものの、選手たちが盛大に優勝を祝う様子を見ていた時のことでした。いやあ、新型コロナウィスル流行による中断から、8月に再開したヨーロッパの大会に出場するマドリッド勢を見るため、バル(スペインの喫茶店兼バー)に入り浸るのはまだ怖くて、自宅で応援しようと、リーガに続いて、ネット中継を契約してみたはいいんですけどね。一発勝負となった16強対決で弟分のヘタフェがインテルに足蹴にされたのを皮切りに、レアル・マドリーもCL16強対決2ndレグでマンチェスター・シティに連敗。

それどころか、3月には16強対決の2試合で昨季王者のリバプールを連勝で破り、一時は優勝候補の声も掛かっていたアトレティコなど、待ちに待った準々決勝で下馬評の低かったライプツィヒに2-1と負けているって、見込み外れもいいとこじゃないですか。翌日にはバルサがバイエルンに2-8と完膚なきまで叩きのめされたのもあり、あれよあれよという間にCLから姿を消してしまったスペイン勢だったんですが、その脇で着々と栄冠に向かって歩を進めていたとは、さすがELキラーのセビージャ。ええ、UEFAカップ時代から通算5回の優勝からして最多記録で、今回はSexta(セスタ/6回目の優勝のこと)となれば、そのうち、Decimotercera(デシモテルセーラ/13回目)のCL優勝記録を持つマドリーと肩を並べるのも夢ではない?

え、それにしてもセビージャのELでの強さは異常じゃないかって?そうですね、これまで決勝進出が6回で、その全てで戴冠しているとなると、ちょっと半端ないものを感じますが、何より感心したのは再開後、初戦となった一発勝負の16強対決ローマ戦、準々決勝ウォルバーハンプトン戦はまだしも、準決勝ではマンチェスター・ユナイテッド、そして決勝ではインテルと明らかに格上の相手を倒していること。しかもファイナルエイトに入ってからの3試合では毎回、CBディエゴ・カルロスがPKを献上しているんですよ。
まずはウォルバーハンプトンのアダム・トラオレを倒し、これはラウール・ヒメネスのPKをGKボノが弾いたため、事なきを得たんですが、準決勝では前半9分にラッシュフォードをファールで止めて、ブルーノ・フェルナンデスのPKによる先制点をスソとデ・ヨングのゴールで逆転。決勝でも、ヘタフェのエチェイタなど、体を張って止めなかったため、あっさりシュートを決められてしまったルカクが開始4分、ゴールに突進するところに後ろから足を掛けて転がしてしまうんですから、もし自分がセビージャファンだったら、どんなに心臓に悪かったことか。

でも大丈夫。早くも12分には、2006年と2007年に連覇を経験しているヘスス・ナバスが今度はキャプテンとしてトロフィーを掲げる意欲に満ちたファインクロスを供給。すると、ドイツに行ってからの3試合、エン・ネシリに先発CFの座を独占され、ようやくマンチェスター・ユナイテッド戦の決勝ゴールでアピール、「Firmo ahora mismo no ser titular, no jugar siquiera, si ganamos el título/フィルモ・アオラ・ミスモ・ノー・セル・ティトゥラル、ノー・フガール・シキエラ、シー・ガナモス・エル・ティトロ(タイトル獲得できるなら、スタメンじゃなくても、プレーすらしなくても今はそれでいい)」と言っていた、フォア・ザ・チーム精神溢れるデ・ヨングがロペテギ監督の抜擢に応えるヘッドで同点に。
おまけにデ・ヨングは33分にも、この試合を最後にセビージャとの契約を終了し、サウジアラビアのアル・シャバブへの移籍が決まっているバネガがやはり、2015年、2016年に続く、自身のEL3冠目を置き土産にしようと放ったFKに頭を合わせ、勝ち越しゴールを挙げているとなれば、これこそ采配の妙と言っていい?ただ、こちらは2分後、再びエリア近くでディエゴ・カルロスがファールを犯し、ブロゾビッチの蹴ったFKから、アトレティコ時代を彷彿させるようなゴディンのヘッドが決まり、インテルも意地を見せたんですが…2-2で始まった後半、まさか、その困ったちゃんがチームを勝利に導くヒーローになろうとは一体、誰が想像したでしょう。

ええ、すでにヒザを痛めていたオカンポスがリタイアし、ムニルに代わった後の29分、バネガがゴール内に入れたFKは敵DFの頭に弾かれてしまったんですが、エリア内に落ちてきたボールをディエゴ・カルロスがchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)。しかも本人、ちょっと前には太もものバンデージを締め直していて、どうやら痛みもあったようなんですが、完璧に空中でミートしたボールがルカクの足に当たり、セビージャの3点目となったから、ビックリしたの何のって。そのまま1点のリードを守った彼らは3-2で勝利。CL全滅のスペイン勢の憂さを晴らす、EL優勝をゲットできたのは不幸中の幸いと言っていいかと。

そしてスタジアムではチェフェリンUEFA会長からメダルとトロフィーの授与、2018年のW杯直前にスペイン代表監督を解任され、その原因となったマドリー監督就任後、数カ月でクビを切られるなど、苦労の多かったロペテギ監督が涙していたのは印象的だったものの、それ以外は普通のお祝いシーンが続いたんですが、やっぱり慣れですかねえ。7月にマドリーがリーガ優勝した時もシベレス広場にファンが詰めかけることもなく、マドリッド市内は静かだったことをお伝えしたんですが、金曜夜のセビージャ(スペイン南部の都市)も至って平穏だったとか。

いえ、まあ、いつもの祝勝ポイント、Puerta de Jerez(プエルタ・デ・ヘレス)は警察が封鎖していたんですが、試合が終わって、バルから出て来たファンたちも通りでバカ騒ぎを繰り広げることはまったくなし。せいぜい、翌日、空港から練習場に着いたチームを100人ぐらいのサポーターが迎えたぐらいでしたが、いやあ。日曜にはいよいよ、スペインとは無関係のCL決勝、PSGvsバイエルン戦があるんですが、ここまでの報道を見る限り、フランスでは勝っても負けてもサポーターが街に繰り出した後、暴動みたいになっているため、その日のパリは夜歩きしない方が良さそうですよね。

え、それより同じ金曜に発表されたスペイン代表の招集リストにナバスとレギロンが入っているけど、大丈夫なのかって?うーん、9月3日のドイツ戦、6日のウクライナ戦のネーションズリーグ2試合のため、今回呼ばれた選手たちは8月31日の月曜日から、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設で合宿するんですけどね。当然ながら、この日曜からバケーションに入る2人は1週間ぐらいしか、休めないことになりますが、ルイス・エンリケ監督によると、「ナバスには15分間、休憩を与えれば、3シーズン分の力が溜まるし、レギロンが休みが少なくて文句を言うとは思えない」のだとか。

まあ、この後、セビージャでのレンタル期間が終わり、マドリーに戻るのかどうかもまだわからない後者は、ルイス・エンリケ監督が娘さんの看病でチームを離れていた間、代理を務めていたロベール・モレノ監督から、1度声が掛かったきりで、A代表デビューもしていませんからね。当人もまだ23歳と若いので別にいいんでしょうけど、怖いのはセルヒオ・ラモス、カルバハル、アセンシオ、そしてレガネスへのレンタルから戻って来たオスカルらのマドリー勢、ブスケツ、アンス・ファティらのバルサ勢、そしてちょっと前までEL、CLに参加していたデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、ケパ(チェルシー)、エリック・ガルシア、ロドリゴ(マンチェスター・シティ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)らなどは所属クラブでのプレシーズン練習が始まったか、始まらないかの段階で代表に来ないといけないこと。

いえ、CL決勝に出場する唯一の招集メンバー、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)はブンデスリーガがスペイン、イタリア、イングランドより早く終わっているせいで、すでにバケーションもプレシーズン練習も済ませ、9月18日の来季スタートにそのまま雪崩込む形ですから、別にいいんですけどね。そういう意味では今週末にリーグ1が開幕したPSGにもサラビアやアンデル・エレラといった、いい選手がいながらも呼ばれず、もちろん、プレシーズンが9月まで始まらないアトレティコなんて、今回は1人も呼ばれていないため、まったく問題なかったりするんですが、初招集選手が8人、しかもロドリゴ(バレンシア)以外、CFがほとんどいないってのはちょっと、どうなんでしょう。

まあ、ルイス・エンリケ監督は「Si la Euro fuera mañana, esta sería la lista/シー・ラ・エウロ・フエラ・マニャーナ、エスタ・セリア・ラ・リスタ(もしユーロが明日からなら、これがその招集リスト)」と、現時点で最適のメンバーであることを強調していましたが、何せ今はプレシーズン練習を開始した1部2部のクラブから、すでに67人もコロナ感染陽性者が出ているという事情もありますからね。代表戦でもリーガやCL同様にPCR検査が何度も行われるため、20人程の交代要員リストも用意して挑むそうですが、おそらく状況はドイツもウクライナも似たりよったりかと。実際のとこ、ユーロ2020が2021年6月に延期されたため、このネーションズリーグのファイナルフォーがいつになるかもまだ知れず、あまり私もこの大会を今、開催する意味はわからないんですよねえ。

そして肝心のリーガの来季についてなんですが、先日はとうとうサッカー協会の承認が終わり、整式に代表戦後の9月12日の週末からの開幕が決定。ただし、8月に試合をしたマドリー、ヘタフェは2節から、バルサ、アトレティコ、セビージャは3節からと始まりが遅くなっています。ちなみに一番興味が持たれる対戦組み合わせの抽選はこの日曜、木曜の1部昇格プレーオフ1stレグを0-0で終え、モンテリビでの2ndレグでウエスカ、カディスに続く第3のチームの座を争うジローナ(準決勝でアルメリアに勝利)とエルチェ(同サラゴサに勝利)の決着がついてからとのことで、いやまあ、2部の方ではまだ、衛生規範違反でフエンラブラダを降格とするか否かについて、競技委員会の判定を待っていたり、サッカー協会は24チーム制、AFE(選手の労働組合)などは26チーム制による開催を主張していたりして、訳がわからない状態なんですけどね。

どちらにしろ、マドリッド勢も1部はヘタフェが25日、マドリーが31日、そしてアトレティコは9月3日に検査や練習を始めるようなので、ここしばらくは移籍関連ぐらいしか、話が出て来ないのが辛いところ。ちなみにすでにFW2人、ウナル・エネル(ビジャレアルから移籍)とクーチョ・エルナンデス(ワトフォードからレンタル、昨季はマジョルカでプレー)の獲得を発表したヘタフェでは、それで前線が玉突きを起こしたか、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のウーゴ・ドゥーロがRMカスティージャ(2部B)にレンタル移籍するという噂も。ここ2シーズン、頻繁にトップチームのお手伝いに駆り出されていたため、この金曜には常連のククレジャと共に、初めてスペインU21代表に呼ばれてもいるんですが、果たしてどうなることやら。

一方、CL参戦が終わった今週はアダンのスポルティングCP移籍が発表、続いてロコモティブ・ザグレブから、24才のゲブリッチが加入することが決まったアトレティコではプレシーズン開始から1週間、シメオネ監督はトップチームのGKが不在という事態に直面することに。ええ、オブラクは当然、スロベニア、ゲブリッチもクロアチア代表に呼ばれているからですが、バケーションから一気に公式戦というのは何もスペインに限ったことじゃない?その他、サビッチ(モンテネグロ)、カラスコ(ベルギー)、トリッピアー(イングランド)といった辺りにも同じ可能性があるんですが、誰もケガして帰って来たりしないことを祈っています。

そしてマドリーでは、ヘイニエルがドルトムントにレンタル移籍することは決まったものの、相変わらず、ベイルとハメス・ロドリゲスの行き先が決まらず。ウーデゴール(昨季はレアル・ソシエダでプレー)、レニン(同オビエド)らのレンタルからの復帰組以外、これといった新顔もなく、今はこの夏の獲得を見送ったエムバペ(PSG)、カマビンガ(スタッド・レンヌ)といった名前がチラホラ聞こえてくるぐらいなんですが、こちらもあまり景気のいい話はないんですよ。せいぜい、RMカスティージャのラウール監督が臨時に率いているフベニル(カスティージャの1つ下のユースチーム)が、スイスで行われているUEFAユースリーグでインテル、ザルツブルクを連破し、来週火曜にベンフィカと初めての決勝を戦うことぐらいというか、いやもう、最近はマルカもAS(スペインのスポーツ紙)もバルサのページ数の方が多いって、どういうこと?

まあ、バイエルン戦惨敗の後、セティエン監督の解任から、クーマン監督の就任、更にメッシが退団に傾いているなんて説もあって、上や下への騒ぎになっているのはわかりますけどね。とにかくこの夏は各チームのプレシーズン開始時期が揃わず、しかもコロナ感染者発生で練習やキャンプの計画が止まったりとか、何かと収集がつかないのは困りものですよねえ。

そうそう、今週中、2人目の陽性が出て、アリカンテ(スペイン南東部)のホテル・ラ・フィンカ・デ・アルゴルファへの移動が遅れていた久保建英選手のビジャレアルはようやく、土曜の午後になって出発。当初、その日に予定されていたカルタヘナ(2部)との練習試合も日曜午後7時(日本時間翌午前2時)に延期されたんですが、嬉しいことに、どうやら全てのプレシーズンマッチはクラブのオフィシャルページからライブ配信が見られるよう。気になるファンの方は覗いてみるのもいいかもしれませんね。

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今季のラ・リーガ最高のサイドバック。近年、ケガによる離脱が目立っていたが、今季は2014-15シーズン以来のリーグ戦30試合出場を達成。チームとして右ウイングをなかなか固定できなかった中、攻守両面で右サイドに安定感をもたらした。1ゴール5アシストと数字上の貢献以上に試合を読む力、要所を締める好守が光った。 DF ジエゴ・カルロス(27歳/セビージャ) 出場試合数:35(先発:35)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでセンセーショナルな活躍を披露。今夏、ナントから1500万ユーロで加入したブラジル人DFは、リーグ・アンよりレベルの高いアタッカーが揃うラ・リーガでも、持ち味の圧倒的な対人能力の強さ、読みを利かせた守備で快足を誇るクンデとのコンビで堅牢な守備を築いた。現在、国内外のビッグクラブから寄せられる関心こそ、今季の充実度を表しているはずだ。 DF セルヒオ・ラモス(34歳/レアル・マドリー) 出場試合数:35(先発:35)/得点数:11 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 3年ぶりのラ・リーガ制覇に導いたエルブランコの頼れるカピタン。シーズンを通して良好なコンディションを維持し、ディフェンスリーダーとしてリーグ最少失点の堅守に大きく貢献。さらに、正確無比なPK、得意のヘディングに加え、圧巻の直接FKまで決めるなど、ゴールスコアラーとしても存在感を放ち、キャリアハイの11ゴールを挙げた。 DF セルヒオ・レギロン(23歳/セビージャ) 出場試合数:31(先発:29)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> センターバックでヴァラン、サビッチ、左サイドバックでユーリという候補もいたが、武者修行先のセビージャで充実した1年を過ごしたレアル・マドリーのカンテラーノを選出。フェルラン・メンディの加入によって押し出される形でマドリー前指揮官のロペテギ監督が率いるアンダルシアの雄に加入すると、左サイドバックと左ウイングバックの主力としてキャリアハイの31試合2ゴール4アシストと見事に結果を残した。粗削りな部分はあるものの、攻守両面で総合力の高さを見せつけた。来季に関してはセビージャ残留を希望も、新天地は国外か…。 MF カゼミロ(28歳/レアル・マドリー) 出場試合数:35(先発:35)/得点数:4 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季のMVP。両ウイングや中盤では積極的なローテーションを採用したジダン監督だったが、唯一フル稼働をさせたのは中盤の底で攻守のバランスを整えたブラジル代表MF。文句なしの今季のベストMFだった。 MF サンティ・カソルラ(35歳/ビジャレアル) 出場試合数:35(先発:29)/得点数:11 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> スペイン屈指の魔術師が完全復活。2018年夏に7年ぶりの古巣帰還を果たしたベテランMFは、4ゴール10アシストを記録した昨季を上回る11ゴール10アシストの圧巻の数字を残し、イエローサブマリンでのラストシーズンを終えることになった。本人が認めるようにプレー強度や運動量の面では衰えは否めないが、それを補って余りある戦術眼、テクニックを武器にチームの5位フィニッシュに大きく貢献した。絶妙なボールタッチ、視野の広さ、プレー精度と、思わず感嘆の声を上げざるを得ない妙技の数々を披露してくれた。なお、シーズン終了後にチャビ監督率いるカタールのアル・サッドへの移籍が発表されており、魔術師の今後の幸運を心から願う。 MF ジェラール・モレノ(28歳/ビジャレアル) 出場試合数:35(先発:33)/得点数:18 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> キャリアハイの18ゴールを挙げ、スペイン人最多得点者に与えられるサラ賞を初受賞。昨シーズン、エスパニョールから古巣帰還を果たしたスペイン代表FWは、カソルラやチュクウェゼ、エカンビら特長の異なるアタッカー陣との質の高い連係を見せながらコンスタントにゴールを量産。質の高い動き出しと得意の左足でのフィニッシュが印象的だった。 MF リオネル・メッシ(33歳/バルセロナ) 出場試合数:32(先発:31)/得点数:25 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 25ゴールを挙げて歴代最多となる7度目のピチーチを受賞。さらに、21アシストはキャリアハイの数字となり、1シーズンでの20ゴール20アシストはラ・リーガ史上初の記録となった。相棒スアレスの不在や、グリーズマンらの適応苦戦によってフィニッシュの局面では依存がより顕著なシーズンとなり、徹底したセットプレー対策などを敷かれたものの、その対策を上回るパフォーマンスで個人としてはきっちり結果を残した1年だった。 MF ルーカス・オカンポス(26歳/セビージャ) 出場試合数:31(先発:29)/得点数:14 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでキャリアハイの14ゴールを記録。10代でフランスに渡り、イタリアでの武者修行を経て、マルセイユで台頭したアルゼンチン代表FW。昨夏、満を持してスペインの地ではセビージャの新エースとして華々しい活躍を披露。187cmの恵まれた体躯に加え、ロングスプリントを繰り返せるスタミナ、両足をそん色なく使いこなす万能型ウイングは、フィニッシャーとしての才能も開花させ、14ゴール3アシストという見事な数字を残した。また、サイドバックでのプレー経験を生かし、守備面の貢献も見逃せない。 FW カリム・ベンゼマ(32歳/レアル・マドリー) 出場試合数:36(先発:35)/得点数:21 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> エル・ブランコの主砲として優勝に大きく貢献。昨季に続き20ゴールの大台に乗せ、異次元のメッシに次ぐ2位のゴール数を挙げると共に、チーム最多8アシストを記録し、エースストライカーの役割を全うした。相手の徹底マークに遭った中、チーム最多の36試合出場という責任感も高く評価したい。 2020.08.11 21:01 Tue

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