【ELプレビュー】最多優勝セビージャと優勝候補筆頭ユナイテッドによる決勝進出を懸けた運命の一戦!
2020.08.16 18:00 Sun
ヨーロッパリーグ(EL)準決勝、セビージャvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間16日28:00にドイツのシュタディオン・ケルンで開催される。4シーズンぶり最多6度目の優勝を目指すセビージャと、3シーズンぶり2度目の優勝を目指すユナイテッドによるファイナル進出を懸けた一戦だ。
ロペテギ新監督の下、今季のラ・リーガを4位フィニッシュしたセビージャは、得意とするELの舞台でもローマ、ウォルバーハンプトンという曲者を連破。準々決勝のウルブス戦では試合序盤にPKを与えるピンチを招くも、GKブヌの完璧なPKストップで阻止。その後は主導権を握りながらもゴールが遠かったが、試合終了間際の88分にショートコーナーからエースFWオカンポスが決勝点となるヘディングでのゴールを決め、ウノセロで勝ち切った。
なお、ウルブス戦での勝利によって公式戦無敗を19試合に更新した絶好調のセビージャは、前身のUEFAカップ時代を含め、EL準決勝で一度も敗退したことがなく、優勝候補筆頭のユナイテッドに対しても良いイメージで臨めるはずだ。
一方、今季の終盤戦で公式戦19試合無敗を記録するなど、見事な巻き返しを見せたユナイテッドは、プレミアリーグを3位でフィニッシュ。ELではリンツ(オーストリア)、コペンハーゲン(デンマーク)と5大リーグ以外の格下との連戦を順当に制し、準決勝に駒を進めた。
ただ、コペンハーゲン戦では相手GKヨンソンに1試合でのEL新記録となる13本のセーブを記録されるなど、決定機を決め切れず。延長戦まで持ち込まれる思わぬ苦戦を強いられた。最終的にMFブルーノ・フェルナンデスのPKによる決勝点で勝ち切ったものの、連戦が続く中での120分間の戦いの影響が懸念されるところだ。それでも、対戦相手とのタレント力、選手層の差を考えれば、ファイナル進出の本命という見方に変化はない。
▽セビージャ予想スタメン

GK:ブヌ
DF:ヘスス・ナバス、クンデ、ジエゴ・カルロス、レギロン
MF:ジョルダン、フェルナンド、バネガ
FW:スソ、エン=ネシリ、オカンポス
負傷者:なし
出場停止者:なし
退団者:MFロニー・ロペス
出場停止者はいないが、ニースにレンタル移籍したロニー・ロペスがメンバー外となっている。負傷者に関しては新型コロナウイルスの陽性反応が出て自宅待機を余儀なくされたグデリが、ようやくドイツ入りを果たしており、主力全選手が起用可能な状態だ。
スタメンに関しては引き続きローマ戦、ウルブス戦と同じメンバーを起用する見込み。ただ、コンディション次第ではオリベル・トーレス、ムニルあたりにチャンスが回ってきそうだ。
▽マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン
GK:ロメロ
DF:ワン=ビサカ、リンデロフ、マグワイア、ウィリアムズ
MF:マティッチ、ポグバ
MF:グリーンウッド、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード
FW:マルシャル
負傷者:DFショー、トゥアンゼベ、ジョーンズ
出場停止者:なし
退団者:MFアンヘル・ゴメス
出場停止者はいないが、リールに新天地を求めたアンヘル・ゴメスがメンバー外となっている。負傷者に関しては登録外のショー、トゥアンゼベに加え、ジョーンズが起用できない。そ径部に軽傷を抱えるラッシュフォードの起用は問題ないようだ。
スタメンに関しては引き続きセカンドGKのロメロを起用する以外、シーズン終盤の躍進を支えたメンバーが並ぶはずだ。コペンハーゲン戦ではバイリー、フレッジが先発も途中出場となったリンデロフ、マティッチが先発に復帰する見込み。
★注目選手
◆セビージャ:DFジュール・クンデ

セビージャの注目プレーヤーは赤い悪魔の快足アタッカーと対峙するアスリートセンターバックだ。昨夏、ボルドーから加入したクンデは、快足を生かした守備範囲の広さと優れたタックル技術を武器にセンターバックのレギュラーに定着。同じくフランスのナントから加入し、高さと強さを特長とするジエゴ・カルロスとの補完性抜群のコンビで、リーグ3位の堅守をけん引し、セビージャの4位フィニッシュに大きく貢献した。
また、ELの戦いにおいてもローマ戦ではジェコやムヒタリアン、ウルブス戦ではアダマ・トラオレ、ヒメネスと強さ、巧さ、スピードを兼ね備えるアタッカー陣を流れの中では完璧に封じ込める出色のパフォーマンスを継続中。相棒がスピードやアジリティにやや不安を抱えていることもあり、グリーンウッド、ラッシュフォード、マルシャルと快足アタッカーを揃えるユナイテッドの攻撃を封じる上ではクンデの仕事がより重要となるはずだ。また、攻撃時のセットプレーでは幾度も決定機に絡んでおり、そろそろ結果が出るはずだ。
◆マンチェスター・ユナイテッド:MFブルーノ・フェルナンデス

ユナイテッドの注目プレーヤーは、カントナを彷彿とさせるインパクトをもたらす絶対的司令塔だ。今冬にスポルティング・リスボンから加入したポルトガル代表MFは、瞬く間にユナイテッドと初挑戦のプレミアリーグの戦いに順応。そして、加入から数カ月後には赤い悪魔を“ブルーノ・フェルナンデスのチーム”に変貌させるほどの存在感を示す。
卓越した戦術眼、キック精度、プレーの連続性によって自らのプレーだけでなく周囲をも輝かせる闘える魔術師は、加入後の公式戦21試合11ゴール8アシストと圧巻の数字を残している。なお、今季のELでは前所属のスポルティング時代を含め、7ゴールを挙げており得点ランキングのトップに立っている。
堅守を誇る難敵セビージャ戦に向けては出足鋭い2センターバックや、バイタルエエリア付近をケアするフェルナンドやジョルダンから徹底監視に遭うことが予想されるが、サイドや低い位置に下りてボールを引き出しながら、アタッカー陣に決定的なラストパスを供給したい。
ロペテギ新監督の下、今季のラ・リーガを4位フィニッシュしたセビージャは、得意とするELの舞台でもローマ、ウォルバーハンプトンという曲者を連破。準々決勝のウルブス戦では試合序盤にPKを与えるピンチを招くも、GKブヌの完璧なPKストップで阻止。その後は主導権を握りながらもゴールが遠かったが、試合終了間際の88分にショートコーナーからエースFWオカンポスが決勝点となるヘディングでのゴールを決め、ウノセロで勝ち切った。
なお、ウルブス戦での勝利によって公式戦無敗を19試合に更新した絶好調のセビージャは、前身のUEFAカップ時代を含め、EL準決勝で一度も敗退したことがなく、優勝候補筆頭のユナイテッドに対しても良いイメージで臨めるはずだ。
ただ、コペンハーゲン戦では相手GKヨンソンに1試合でのEL新記録となる13本のセーブを記録されるなど、決定機を決め切れず。延長戦まで持ち込まれる思わぬ苦戦を強いられた。最終的にMFブルーノ・フェルナンデスのPKによる決勝点で勝ち切ったものの、連戦が続く中での120分間の戦いの影響が懸念されるところだ。それでも、対戦相手とのタレント力、選手層の差を考えれば、ファイナル進出の本命という見方に変化はない。
なお、両チームの通算対戦成績はセビージャの1勝1分け。2017-18シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16では1stレグは0-0のドローも、敵地での2ndレグをFWベン・イェデル(現モナコ)の2ゴールの活躍で勝ち切ったセビージャがクラブ史上初のCLベスト8進出を決めていた。
◆セビージャ◆
【4-3-3】
【4-3-3】
▽セビージャ予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:ブヌ
DF:ヘスス・ナバス、クンデ、ジエゴ・カルロス、レギロン
MF:ジョルダン、フェルナンド、バネガ
FW:スソ、エン=ネシリ、オカンポス
負傷者:なし
出場停止者:なし
退団者:MFロニー・ロペス
出場停止者はいないが、ニースにレンタル移籍したロニー・ロペスがメンバー外となっている。負傷者に関しては新型コロナウイルスの陽性反応が出て自宅待機を余儀なくされたグデリが、ようやくドイツ入りを果たしており、主力全選手が起用可能な状態だ。
スタメンに関しては引き続きローマ戦、ウルブス戦と同じメンバーを起用する見込み。ただ、コンディション次第ではオリベル・トーレス、ムニルあたりにチャンスが回ってきそうだ。
◆マンチェスター・ユナイテッド◆
【4-2-3-1】
【4-2-3-1】
▽マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:ロメロ
DF:ワン=ビサカ、リンデロフ、マグワイア、ウィリアムズ
MF:マティッチ、ポグバ
MF:グリーンウッド、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード
FW:マルシャル
負傷者:DFショー、トゥアンゼベ、ジョーンズ
出場停止者:なし
退団者:MFアンヘル・ゴメス
出場停止者はいないが、リールに新天地を求めたアンヘル・ゴメスがメンバー外となっている。負傷者に関しては登録外のショー、トゥアンゼベに加え、ジョーンズが起用できない。そ径部に軽傷を抱えるラッシュフォードの起用は問題ないようだ。
スタメンに関しては引き続きセカンドGKのロメロを起用する以外、シーズン終盤の躍進を支えたメンバーが並ぶはずだ。コペンハーゲン戦ではバイリー、フレッジが先発も途中出場となったリンデロフ、マティッチが先発に復帰する見込み。
★注目選手
◆セビージャ:DFジュール・クンデ

Getty Images
セビージャの注目プレーヤーは赤い悪魔の快足アタッカーと対峙するアスリートセンターバックだ。昨夏、ボルドーから加入したクンデは、快足を生かした守備範囲の広さと優れたタックル技術を武器にセンターバックのレギュラーに定着。同じくフランスのナントから加入し、高さと強さを特長とするジエゴ・カルロスとの補完性抜群のコンビで、リーグ3位の堅守をけん引し、セビージャの4位フィニッシュに大きく貢献した。
また、ELの戦いにおいてもローマ戦ではジェコやムヒタリアン、ウルブス戦ではアダマ・トラオレ、ヒメネスと強さ、巧さ、スピードを兼ね備えるアタッカー陣を流れの中では完璧に封じ込める出色のパフォーマンスを継続中。相棒がスピードやアジリティにやや不安を抱えていることもあり、グリーンウッド、ラッシュフォード、マルシャルと快足アタッカーを揃えるユナイテッドの攻撃を封じる上ではクンデの仕事がより重要となるはずだ。また、攻撃時のセットプレーでは幾度も決定機に絡んでおり、そろそろ結果が出るはずだ。
◆マンチェスター・ユナイテッド:MFブルーノ・フェルナンデス

Getty Images
ユナイテッドの注目プレーヤーは、カントナを彷彿とさせるインパクトをもたらす絶対的司令塔だ。今冬にスポルティング・リスボンから加入したポルトガル代表MFは、瞬く間にユナイテッドと初挑戦のプレミアリーグの戦いに順応。そして、加入から数カ月後には赤い悪魔を“ブルーノ・フェルナンデスのチーム”に変貌させるほどの存在感を示す。
卓越した戦術眼、キック精度、プレーの連続性によって自らのプレーだけでなく周囲をも輝かせる闘える魔術師は、加入後の公式戦21試合11ゴール8アシストと圧巻の数字を残している。なお、今季のELでは前所属のスポルティング時代を含め、7ゴールを挙げており得点ランキングのトップに立っている。
堅守を誇る難敵セビージャ戦に向けては出足鋭い2センターバックや、バイタルエエリア付近をケアするフェルナンドやジョルダンから徹底監視に遭うことが予想されるが、サイドや低い位置に下りてボールを引き出しながら、アタッカー陣に決定的なラストパスを供給したい。
セビージャの関連記事
UEFAヨーロッパリーグの関連記事
|
セビージャの人気記事ランキング
1
ブライトンのアルゼンチン代表DFバルコがストラスブールに買取OP付きレンタル移籍…今季はセビージャにレンタルも9試合の出場に終わる
ストラスブールは2日、ブライトン&ホーヴ・アルビオンのアルゼンチン代表DFバレンティン・バルコ(20)を買い取りオプション付きのレンタル移籍で獲得したことを発表した。 バルコはボカ・ジュニアーズ育ちのサイドバック。2024年1月にブライトンへと完全移籍を果たしていた。 アルゼンチン期待のSBだったが、ロベルト・デ・ゼルビ前監督の下では7試合の出場と多くの出番を得られず。ファビアン・ヒュルツェラー監督も構想に入れておらず、今シーズンはセビージャにレンタル移籍していた。 そのセビージャでも多くの出番はなく、ラ・リーガで7試合、コパ・デル・レイで2試合に出場し1アシストを記録するにとどまっていた。 2025.02.02 23:20 Sun2
昨季のEL制覇は“かりそめ”…衰退するセビージャ、ケガ人も多く37歳S・ラモスを酷使中
セビージャにはケガ人が非常に多い。スペイン『Relevo』が伝えている。 現在セビージャはラ・リーガで5勝9分け11敗の15位に低迷。昨季のヨーロッパリーグ(EL)制覇によってもたらされたチャンピオンズリーグ(CL)もグループステージ最下位で敗退…“お家芸”とも言える「3位→EL参戦→優勝」ルートに進めなかった。 振り返ると、セビージャは昨季から異変が起きている。 21世紀に入ってからラ・リーガで一度も下位(11位〜20位)フィニッシュがなかったにもかかわらず、昨季まさかの12位で、今季もここまで15位に沈む。 昨季序盤戦は2部リーグ降格圏に足を踏み入れるほど低迷し、ホセ・ルイス・メンディリバル監督の途中就任より戦術を「ポゼッション」から「ロングボール&速攻」にチェンジ…大胆な決断が通算7度目のEL制覇をもたらした。 しかし、今思えばこれも“かりそめ”。 メンディリバル登板は劇薬に過ぎず、対戦相手から研究・対策された結果、同監督は今季序盤戦で解任の憂き目に。欧州初指揮の前ウルグアイ代表指揮官、ディエゴ・アロンソ監督が後任となったなか、ラ・リーガ直近4試合で2勝2分けの無敗とはいえ、『Relevo』はある点を不安視する。 そう、セビージャは主力を中心にケガ人が非常に多いのだ。 DFネマニャ・グデリ、DFマルコス・アクーニャ、DFマルコン、DFタンギ・ニアンズ、MFエリク・ラメラ、MFルシアン・アグメ、FWドディ・ルケバキオ、FWマリアーノ・ディアス、FWルーカス・オカンポス アクーニャ、マルコン、マリアーノについては、ここ2〜3週間の間にケガから復帰して数試合で別の箇所を痛めたか再発。17日のバレンシア戦で途中交代した主軸アクーニャは筋断裂だという。 ケガ人の頻発により、37歳DFセルヒオ・ラモスも最終ラインでフル稼働せざるを得ない状況。前半戦は2〜3試合に1試合ベンチスタートだったが、昨年12月以降、出場停止1試合を除いて10試合連続でフル出場中だ。 理想的な11人、またはそれに近い11人を組むこともできない現状では、昨季からの低迷を脱却することも難しいか。少なくとも、もはやセビージャはラ・リーガの第二勢力とは言えない立ち位置にある。 2024.02.21 15:35 Wed3
セビージャ、インテルからU-21仏代表MFが再加入! 一時ローンバックも完全移籍での加入に
セビージャは6日、インテルからU-21フランス代表MFルシアン・アグメ(22)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2028年6月30日までの4年となる。 移籍市場に精通するジャーナリストのニコロ・スキラ氏によると、インテルは今回のアグメ売却で移籍金400万ユーロ(約6億3000万円)+リセール時の移籍金50%を受け取ることになるという。 カメルーンのヤウンデ出身で2019年にフランスのソショーからインテルのユースチームに加入したアグメ。185cmのスケールの大きな守備的MFはネッラズーリのファーストチームで思うように出場機会を得られず、スペツィアやスタッド・ブレスト、トロワといった武者修行先でプレー。 今年1月にはセビージャに買い取りオプション付きのレンタル移籍で加入し、公式戦13試合に出場した。ただ、ガルシア・ピミエンタ新監督の就任の影響などもあったか、クラブは買い取りオプション行使を見送り、プレシーズンはインテルに一度復帰。 だが、最終的にセビージャとアンダルシア行きを希望したアグメの意向もあり、完全移籍での加入が決定した。 そして、アグメはセビージャ再加入の喜びと新たな決意を語っている。 「昨シーズンとても幸せだった場所に戻ってこられてとても嬉しい。とても簡単な決断だったよ」 「準備はできている。インテルでプレシーズンを全うしたし、体力的にはとても良い状態だ。あとは新監督と一緒にピッチに出て、監督が何を求めているのかを学び、新しいプレースタイルに適応して戦うだけだ」 2024.08.06 19:35 Tue4
現役時代のシメオネ監督はどんな人物だった? かつての同僚が明かす
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督について、現役時代のチームメイトたちが振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 現役時代セビージャやアトレティコ、そしてインテルなどで活躍したシメオネ氏。特に現在監督を務めるアトレティコには1994年から1997年までの3年間と2003年から2005年1月までの1年半の2度在籍し、公式戦155試合出場29ゴールを記録した。 <div id="cws_ad"><div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJKcDZqR25nZCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script></div> 監督としてピッチサイドで感情を全面に出したスタイルでチームを鼓舞するシメオネ氏だが、現役時代からこの情熱的なスタイルは一貫したもので、共にプレーした多くの選手たちに大きな印象を与えていたようだ。 アトレティコでのチームメイトだった元スペイン代表DFトニ・ムニョス氏は、選手時代のシメオネ氏の情熱を振り返っている。 「彼は全てにおいて情熱的で、ピッチ上でも自分が感じたことを表現していた。苦しむことを楽しんでいたし、全員に対して高い要求を持っていて、強いパーソナリティのある選手だった」 またムニョス氏は、シメオネ氏の優れた戦術眼が得点に繋がっていたと話す。 「戦術的にもとても優れていた。常に1シーズンで8から14ゴールくらいを決めていたが、それは彼がフリーキックや攻撃参加が上手かっただけでなく、試合を読む力に非常に長けていたからだ」 「彼のフットボールに対する思いはとても大きかった。私にシエスタすらさせてくれなかったよ。常にフットボールについて話していて、寝ていても起こされたものだ」 「彼のウォーミングアップは試合前のホテルから始まっていた。チームメイトに指示をして人を集めて、ランチやディナーの時、気付いたら相手がどういう風にプレーするのかという話をしていた」 またセビージャ時代のチームメイトである元スペイン代表DFマノーロ・ヒメネス氏も、シメオネ氏がピッチ上で見せる姿に感嘆していたと明かし、選手時代から名監督としての片鱗を見せていたと語った。 「彼は熱量に溢れていた。失敗した時には怒り、野心と高い要求を求める選手だった。彼はチームのみんなのリスペクトを勝ち取った。なぜなら、失敗しても自分の足でもう一度立ち上がることのできる、勇気ある選手だったからだ」 「彼はハードワーカーで、自分の持つ全てをピッチで出し尽くし、全てのボールを200%の力で追う、今で言うBox to Box タイプのMFだった」 「アグレッシブさとクオリティを兼ね備え、前線への攻撃参加もできた、完全な選手だった。彼が監督になる姿は容易に想像できた」 「選手の時も監督の時も、エル・チョロ(シメオネ愛称)は誇張して大袈裟に行動したりしない。あれが彼のそのままの生き方なんだ」 「彼はベンチで静かに座っているようなタイプではない。自分のメンタルの強さやウイニング・スピリットを常に示してきた人物で、それは彼のDNAの中にあるものなんだ」 また、同じくセビージャ時代の同僚でチームのCBであったホセ・ミゲル・プリエト氏も、シメオネ氏は選手時代からリーダシップを発揮していたと明かした。 「彼はよく試合の前、失敗はピッチに持ち込まずロッカールームに置いていけと私たちに言ったよ」 「常にフットボールのことを考えていて、その執着にも似た思いは今でも増していると思う」 「試合中は全てのプレーに関わっていたし、サッカーというものを理解していた。優れたMFがいれば、CBの力を引き出すことができる。私たちが活躍できたのは彼のおかげだ」 しかし、そんな情熱的なシメオネ氏だが、抜けている部分もあったとプリエト氏は語る。 「私たちはトレーニングに彼の車に乗って行ったことがあったが、車のタイヤがパンクしていたのにずっと変えていなかったんだ。だから私がタイヤの買い方を教えてやったんだ」 2020.06.10 12:45 Wed5