【CLプレビュー】シティとマドリーの優勝候補同士によるリスボン行きを懸けた運命の第2戦《マンチェスター・シティvsレアル・マドリー》

2020.08.07 18:00 Fri
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16の2ndレグ、マンチェスター・シティvsレアル・マドリーが日本時間7日28:00にシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでキックオフされる。優勝候補同士によるリスボン行きを懸けた運命の第2戦だ。

今年2月26日に行われたサンティアゴ・ベルナベウでの1stレグは、MFイスコのゴールでマドリーが後半序盤に先制も、追いすがるシティが78分にFWガブリエウ・ジェズス、直後の83分にMFデ・ブライネのPKによるゴールが決まって逆転に成功。その後、DFセルヒオ・ラモスが一発退場となったホームチームの反撃をしのぎ切って2-1のスコアで先勝した。

新型コロナウイルスの影響でその初戦後、約4カ月間の活動中断を余儀なくされたシティは、アーセナル相手の痛恨の敗戦でFAカップ連覇を逃したものの、プレミアリーグでは優勝をさらわれたリバプール相手に4-0の大勝を飾るなど、好調を維持。5連勝という上々の形で今季のリーグ戦を締めくくった。また、1stレグ開催時にはFFP違反によって2年間のUEFA主催試合出場停止処分が科されていたが、先月にCASによる処分撤回の決定が下され、来季以降のCL出場が認められるという最高の知らせが舞い込んだ。すでに新シーズンに向けて積極補強に動いている中、心身共に良い状態で悲願のCL制覇に向けた道を突き進む。
一方、ホームでの初戦を落としたマドリーだが、再開後のラ・リーガでは10勝1分けという圧巻の強さをみせ、宿敵バルセロナから3シーズンぶりに覇権を奪還。この中断期間にFWアセンシオやMFアザールら主力の戦列復帰が相次ぎ、対戦相手のシティ以上に盤石の状態で今回の一戦に臨めるはずだ。

なお、新型コロナウイルスの影響で中立地開催の可能性もあったこのカードだが、最終的にはホーム&アウェイの公平性を重視し、シティホームでの無観客開催が認められた。ただ、大幅なレギュレーション変更に伴い、準々決勝以降はポルトガルのリスボンでの一発勝負のトーナメント形式に変更されており、この試合の勝者がリスボン行きの切符を掴むことになる。そして、準々決勝の対戦相手は同日行われるユベントスvsリヨンの勝者となる。
勝ち上がりの条件はシティが引き分け以上で文句なし。さらに、アウェイゴール2つを奪っており、0-1の敗戦でも突破が決まる。対するマドリーは2点差以上を付けての勝利か、3点以上を奪っての1点差の勝利が必須だ。マドリーが2-1で勝利した場合のみ、延長戦に突入する。

◆マンチェスター・シティ◆
【4-3-3】

▽マンチェスター・シティ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:エデルソン
DF:ウォーカー、フェルナンジーニョ、ラポルテ、カンセロ
MF:デ・ブライネ、ロドリ、ギュンドアン
FW:マフレズ、ガブリエウ・ジェズス、スターリング
負傷者:FWアグエロ
出場停止者:DFメンディ

累積警告によりメンディが起用できない。負傷者に関してはヒザを手術したアグエロが欠場となる。

スタメンの注目ポイントはメンディが不在となる左サイドバックの人選。ジンチェンコの起用も考えられるが、カンセロの起用が有力視されている。また、攻守両面で質と量を計算してくれるベルナルド・シウバが右ウイング、あるいはインサイドMFに配置される可能性も考えられる。なお、前回対戦ではベルナルド・シウバを最前線、デ・ブライネをトップ下に置く[4-4-1-1]の奇策に出たが、今回は本来の[4-3-3]で臨むはずだ。

◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】

▽レアル・マドリー予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリトン、ヴァラン、F・メンディ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:アセンシオ、ベンゼマ、アザール
負傷者:DFマルセロ、FWマリアーノ
出場停止者:DFセルヒオ・ラモス

1stレグで退場したセルヒオ・ラモスが出場停止となる。また、事前の検査で新型コロナウイルス陽性反応が確認されたマリアーノ、自らプレーを拒否したベイルも招集外となっている。その一方で、軽傷を抱えるマルセロはメンバー入りを果たしている。

欠場するカピタンの代役はミリトンが務め、ヴァランが左センターバックにスライドする形となる。中盤に関してはバルベルデ起用の可能性もあるが、百戦錬磨の3選手の起用が濃厚だ。両ウイングの人選に関してはイングランド初凱旋のアザール、アセンシオのコンビを予想するが、左にヴィニシウス、右にロドリゴ、あるいはイスコの前線起用の可能性も十分にありそうだ。

★注目選手
◆マンチェスター・シティ:MFケビン・デ・ブライネ
Getty Images

シティの注目プレーヤーはシチズンズの絶対的司令塔だ。今シーズン、2位に甘んじたプレミアリーグにおいて個人として圧巻の輝きを放ったデ・ブライネは、キャリアハイの13ゴールに加え、ティエリ・アンリ以来の1シーズン20アシストという偉大な記録を残した。

今季のCLでは5試合1ゴール2アシストと活躍は限定的も、マドリーとの前回対戦では1ゴール1アシストの活躍でチームを逆転勝利に導いている。前回対戦に比べて相手が前がかりな戦いを見せてくれる中、ゲームを落ち着かせる仕事、カウンターの起点となる仕事がまず一番に求められる。また、今季のラ・リーガでサモラ賞を獲得した同胞GKクルトワを相手に、リーグ再開以降磨きがかかるプレースキックでゴールをこじ開けたい。

◆レアル・マドリー:FWカリム・ベンゼマ
Getty Images

マドリーの注目プレーヤーはエルブランコのエースストライカーだ。今季のラ・リーガでは両翼の相棒が頻繁に変わる中、チーム最多の36試合に出場し、いずれも最多の21ゴール8アシストと、まさにエースの仕事で3季ぶりのリーグ制覇に導いた元フランス代表FW。

今季のCLではグループステージのガラタサライ戦、パリ・サンジェルマン戦で2試合連続マルチゴールを記録も、7戦4ゴールとやや調子に波がある印象だ。前回対戦でもイスコとヴィニシウスの両翼が存在感を放った一方、やや存在感を欠く一戦となっており、逆転突破に向けて最低2点以上が必要な状況の中ではラ・リーガ同様にエースとしての仕事が求められる。

マンチェスター・シティの関連記事

マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督と、長年連れ添った妻であるクリスティーナ・セラさんの離婚理由が明らかになったようだ。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 これまでバルセロナやバイエルンで数多くの栄冠を勝ち取り、2016年から指揮を執るシティでも昨シーズンは前人未到のプレミアリーグ4連覇 2025.01.15 17:30 Wed
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、痛恨のドローを振り返った。クラブ公式サイトが伝えている。 直近の公式戦3連勝で復調気配のシティは、14日に敵地で行われたプレミアリーグ第21節においてブレントフォードと対戦。ホームで強さを発揮する相手に前半はノーゴールで終えるも、後半は78分までにフィル・ 2025.01.15 10:20 Wed
プレミアリーグ第21節、ブレントフォードvsマンチェスター・シティが14日にGtechコミュニティ・スタジアムで行われ、2-2のドローに終わった。 直近の公式戦3連勝で復調気配の6位シティは、11位ブレントフォードとのアウェイゲームに臨んだ。前節は不振のウェストハムに4-1の快勝を飾ると、4部のサルフォードとのF 2025.01.15 06:45 Wed
後半戦初戦となった第20節はリバプール、アーセナル、チェルシーの上位陣が揃ってドロースタートとなったなか、快勝のノッティンガム・フォレストが3位に浮上した。また、下位に沈むエバートンとウェストハムがダイチ監督、ロペテギ監督を解任し、それぞれモイーズ、ポッターを新指揮官に招へいしている。 先週末はFAカップ開催に伴 2025.01.14 19:30 Tue
マンチェスター・シティがパウメイラスのブラジル人DFヴィトール・レイス(19)獲得に近づいている。ブラジル『UOL』が報じた。 1月の移籍市場ではフランクフルトのエジプト代表FWオマル・マーモウシュ(25)やRCランスのウズベキスタン代表DFアブドゥコディル・クサノフ(20)の獲得に動いているシティ。並行してレイ 2025.01.14 17:31 Tue

UEFAチャンピオンズリーグの関連記事

ディナモ・ザグレブは29日、ファビオ・カンナバーロ氏(51)を新指揮官に招へいしたことを発表した。 ディナモ・ザグレブでは同日、9月よりセルゲイ・ヤキロビッチ氏の後を受けて就任したネナド・ビエリカ監督(53)を解任していた。 チャンピオンズリーグ(CL)では2勝2分け2敗とまずまずの戦績を収めているディナモ 2024.12.30 11:00 Mon
ヨーロッパ・スーパーリーグ(ESL)創設を支援するために設立された『A22スポーツ・マネジメント』は17日、欧州サッカー連盟(UEFA)と国際サッカー連盟(FIFA)に対して、新たな欧州大会を主催する権利を正式に認めるよう、提案書を提出したことを明かした。『ESPN』が伝えている。 ヨーロッパの司法裁判所は昨年1 2024.12.18 17:00 Wed
国際サッカー連盟(FIFA)は17日、「The Best FIFAフットボールアワード2024」の男子年間最優秀監督を発表し、レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が初選出された。 檀上でアンチェロッティ監督は「私が指導した選手たちの顔がたくさん浮かぶ。FIFAからこのような賞を貰えて大変光栄だ。この賞は 2024.12.18 06:30 Wed
レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(24)が「The Best FIFAフットボールアワード2024」の男子年間最優秀選手を受賞したことを受けて、檀上で次のようにスピーチした。 「子供の頃は犯罪の多い街に近いサンゴンサロの路上で裸足でボール遊びをするただの少年だった。そんな僕がここまで来 2024.12.18 06:00 Wed
国際サッカー連盟(FIFA)は17日、「The Best FIFAフットボールアワード2024」の男子年間最優秀選手を発表し、レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(24)が選出された。 10月28日に発表されたフランス『レキップ』が主催するバロンドールではマンチェスター・シティのスペイン代 2024.12.18 05:30 Wed

マンチェスター・シティの人気記事ランキング

1

今季シティで苦しむグアルディオラ監督が30年間連れ添った妻と離婚…その原因は?

マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督と、長年連れ添った妻であるクリスティーナ・セラさんの離婚理由が明らかになったようだ。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 これまでバルセロナやバイエルンで数多くの栄冠を勝ち取り、2016年から指揮を執るシティでも昨シーズンは前人未到のプレミアリーグ4連覇を成し遂げたグアルディオラ監督。その戦術は多くの指揮官に影響を与えており、世界最高の監督とも評されている。 しかし、今シーズンはシティでまさかの大苦戦。現在はやや不調を脱しつつあるものの、昨年12月にはキャリア初の公式戦7試合未勝利に陥るなど、かつてない姿を見せていた。 不振の最中には試合結果への落胆から自身の頭と鼻にひっかき傷を作るなど、精神面の乱れも指摘されていたグアルディオラ監督。そうした中で今週になってスペイン紙からは、30年連れ添ってきたファッションデザイナーのクリスティーナ・セラさんとの離婚が報じられた。 その離婚理由について、『デイリー・メール』はグアルディオラ監督の友人の証言として、指揮官の「仕事中毒」を指摘。クリスティーナ・セラさんは17歳の娘と2019年にバルセロナへ戻ると家族のブティック運営に携わっており、随分前から別居状態だったようだ。 関係者はグアルディオラ監督の不倫の可能性などについては否定。2人は友好的な関係を保ったまま別れたようであり、3人の子供たちとの関係も良好なようだ。 それでも、今シーズンは指揮官キャリアで初と言っても良い厳しい時期を過ごすグアルディオラ監督。家族との別れはそんな指揮官にとって、大きな打撃となりそうだ。 2025.01.15 17:30 Wed
2

シティ退団意向のウォーカー、ミランが獲得に急接近か

ミランがマンチェスター・シティのイングランド代表DFカイル・ウォーカー(34)の獲得に迫っているようだ。イギリス『テレグラフ』が報じている。 今季は低調なパフォーマンスが目立ち、シティ不振のやり玉に挙げられていたウォーカー。そんな中11日、シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督がウォーカーの退団意向を明かしていた。 海外クラブでのプレーを希望しているとされるウォーカーにはサウジアラビア勢が関心を示しているとの報道があったが、ここに来てミランが獲得に急接近しているようだ。 『テレグラフ』によるとミランの特別顧問であるズラタン・イブラヒモビッチ氏がウォーカーと契約を結ぶために内密に動いていたという。そして2027年6月までの契約合意が間近と報じられている。 2017年夏にトッテナムからシティに移籍し、公式戦319試合に出場したウォーカーは6度のプレミアリーグ優勝、クラブ史上初のCL優勝に貢献するなど不動の右サイドバックとして活躍していた。 2025.01.13 11:15 Mon
3

三笘ブライトンvsチェルシーなど4つのプレミア勢対決! FAカップ4回戦の対戦カード決定

FAカップ4回戦の組み合わせ抽選会が12日に行われた。 イングランドサッカー協会(FA)に登録されている全てのクラブが出場可能なFAカップ。プレミアリーグ勢、チャンピオンシップ(2部)勢が参戦した3回戦ではブレントフォードが唯一下位カテゴリーに敗れたものの、アーセナルやウェストハムといったプレミア勢対決に敗れたチームを除いて波乱は起きなかった。 そんななか、今回決まった4回戦では三笘薫のブライトン&ホーヴ・アルビオンがチェルシーとのプレミア勢対決に。さらに、アーセナルを撃破した前大会王者マンチェスター・ユナイテッドは、クラブOBで今季途中までコーチングスタッフを務めていたルート・ファン・ニステルローイ監督が率いるレスター・シティと対戦。さらに、アストン・ビラvsトッテナム、エバートンvsボーンマスがプレミア勢対決となった。 遠藤航所属のリバプールはブレントフォード撃破のプリマス・アーガイルと、マンチェスター・シティはレイトン・オリエントvsダービー・カウンティの勝者との対戦となる。 その他の日本人所属のプレミアリーグクラブでは菅原由勢のサウサンプトンがバーンリー、鎌田大地のクリスタル・パレスがドンカスターと対戦。 その他では大橋祐紀(ブラックバーン)、坂元達裕(コヴェントリー・シティ)、瀬古樹(ストーク・シティ)、田中碧(リーズ・ユナイテッド)、岩田智輝、横山歩夢のバーミンガム・シティが参戦する。 なお、FAカップ4回戦は2月第2週の週末に開催予定だ。 ◆FAカップ4回戦対戦カード マンチェスター・ユナイテッド vs レスター リーズ(2) vs ミルウォール(2)orダゲナム&レッドブリッジ(5) ブライトン vs チェルシー プレストン(2)orチャールトン(3) vs ウィコム・ワンダラーズ(3) エクセター・シティ(3) vs ノッティンガム・フォレスト コヴェントリー(2) vs イプスウィッチ ブラックバーン(2) vs ウォルバーハンプトン マンスフィールド(3)orウィガン(3) vs フルアム バーミンガム(3) vs ニューカッスル プリマス(2) vs リバプール エバートン vs ボーンマス アストン・ビラ vs トッテナム サウサンプトン vs バーンリー(2) レイトン・オリエント(3)orダービー・カウンティ(2) vs マンチェスター・シティ ドンカスター(4) vs クリスタル・パレス カーディフ(2) vs ストーク・シティ(2) ◆FAカップ3回戦 結果&日程 ▽1/9 シェフィールド・ユナイテッド(2) 0-1 カーディフ(2) エバートン 2-0 ピーターバラ(3) フルアム 4-1 ワトフォード(2) ▽1/10 ウィコム・ワンダラーズ(3) 2-0 ポーツマス(2) アストン・ビラ 2-1 ウェストハム ▽1/11 バーミンガム(3) 2-1 リンカーン(3) ブリストル・シティ(2) 1-2 ウォルバーハンプトン ミドルズブラ(2) 0-1 ブラックバーン(2) リバプール 4-0 アクリントン(4) レスター 6-2 QPR(2) ボーンマス 5-1 WBA(2) ブレントフォード 0-1 プリマス(2) チェルシー 5-0 モアカム(4) エクセター・シティ(3) 3-1 オックスフォード・ユナイテッド(2) ノリッジ(2) 0-4 ブライトン ノッティンガム・フォレスト 2-0 ルートン・タウン(2) レディング(3) 1-3 バーンリー(2) サンダーランド(2) 1-2 ストーク・シティ(2) リーズ(2) 1-0 ハローゲート・タウン(4) マンチェスター・シティ 8-0 サルフォード(4) コヴェントリー(2) 1-1(PK:4-3) シェフィールド・ウェンズデー(2) ハル・シティ(2) 1-1(PK:4-5) ドンカスター(4) ▽1/12 タムワース(5) 0-3 トッテナム アーセナル 1-1(PK:3-5) マンチェスター・ユナイテッド クリスタル・パレス 1-0 ストックポート(3) イプスウィッチ 3-0 ブリストル・ローヴァーズ(3) ニューカッスル 3-1 ブロムリー(4) サウサンプトン 3-0 スウォンジー・シティ(2) ▽1/13 ミルウォール(2) vs ダゲナム&レッドブリッジ(5) ▽1/14 レイトン・オリエント(3) vs ダービー・カウンティ(2) マンスフィールド(3) vs ウィガン(3) プレストン(2) vs チャールトン(3) ※()内は所属カテゴリー 2025.01.13 06:34 Mon
4

ウォーカーが退団を要請か…グアルディオラ監督「海外でプレーする可能性を探ってみたいとクラブに申し出た」

マンチェスター・シティのイングランド代表DFカイル・ウォーカー(34)が、クラブへ退団を要請したようだ。イギリス『BBC』が報じている。 今季もシティの主力であり、主将でもあるが、プライベートでの乱れも影響してか、肝心のプレー自体に精彩を欠くウォーカー。強みの対人でも衰えが隠せないのが実情だ。 そのウィーカーにはアル・ナスル、アル・アハリ、アル・イテハドらサウジアラビア勢が関心を示しているとのことで、移籍を見込んでか11日に行われたFAカップ3回戦のサルフォード戦のメンバーから外されていた。 シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督は、8-0と圧勝した試合後の会見でウォーカーがクラブに退団を希望していると明かした。 「2日前、カイルは海外でプレーする可能性を探ってみたいとクラブに申し出た。今のところ、我々はその理由を把握していない」 「カイルがいなければ、この数年間クラブが勝ち取ったすべてのトロフィーを手に入れることはできなかった。絶対に不可能だ。彼は我々の右サイドバックで、我々に欠けていたものを与えてくれた。でも今、彼の心の中では、いろいろな理由から、他の国に行って晩年を過ごせるかどうか探りたいようだ」 もしウォーカーが退団を望んだ場合、その願いは叶うのかと問われたグアルディオラ監督は「もちろんだ」と、移籍を容認する考えを示した。 「状況はわからないから、必ずしも移籍が実現するとは限らない。だが、我々のチームに所属している選手の中で、ここにいたくないと思っている選手はいないと確信している。ここでは彼らが理想とするようなパフォーマンスと活躍ができるはずだ」 2025.01.12 08:20 Sun
5

【2024-25 プレミアリーグ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手は異次元のアタッカー

◆4連覇王者不振にロンドン勢奮闘も新生レッズが独走 開幕前には5連覇を狙うマンチェスター・シティ、アーセナルと直近2シーズンに優勝を争った2強を軸にタイトルレースが繰り広げられるかに思われたが、蓋を開けてみれば1試合未消化ながら2位以下に6ポイント差を付けたリバプール(勝ち点45)が首位を独走している。 クロップ長期体制終焉に伴い、前フェイエノールトのスロット監督を新指揮官に招へいしたリバプール。昨夏の移籍市場では主力の残留に成功した一方、純粋な補強はキエーザのみと上位争いへの関与に疑いはなかったが、タイトル争いの主役を演じると見る向きは少なかった。しかし、プレミア初挑戦のオランダ人指揮官の下、攻守両面で傑出した安定感をみせたマージーサイドの雄は14勝3分け1敗、最多45得点、最少タイ17失点と圧巻のスタッツを含め首位にふさわしいパフォーマンスを披露した。さらに、並行して戦うチャンピオンズリーグ(CL)ではリーグフェーズ唯一の全勝で首位、EFLカップ(カラバオカップ)でも準決勝進出と最高の前半戦を過ごした。 その首位チームに次ぐ2位は開幕前からタイトルコンテンダーに挙がっていたアーセナル(勝ち点39)。10月から11月の期間に4戦無勝利(2分け2敗)と厳しい時期を経験したが、開幕からの安定した滑り出しに年末年始の復調と上位陣において最も安定したチームのひとつだった。リバプールと並ぶリーグ最高の堅守に加え、昨季後半戦から猛威を振るうセットプレーによってしぶとく勝ち点を積み重ねてきた。現在、離脱中のサカ、不振の期間に不在だったウーデゴールと一部主力への依存度の高さ、ケガ人の多さや選手層の問題は懸念材料も、今冬の移籍市場で適切な補強ができれば、首位チームの状況次第で逆転優勝の可能性は十分にある。 リバプール同様に新指揮官の下で前半戦を4位で終えたチェルシー(勝ち点35)。昨夏の移籍市場では引き続き若手有望株を乱獲し、全体の経験不足と大きすぎるスカッドは懸念材料だったが、戦術の幅に用兵に優れたマレスカ新監督の下でここまで上位争いの主役の一角を担っている。ただ、上位陣との直接対決の戦績、年末年始での不振はやや気がかり。とりわけ、守備陣に目立つ離脱者の穴埋めやパーマー、ジャクソンの両エースの状態次第の攻撃面の改善は後半戦への課題となる。 その上位陣に引き離されて6位に甘んじるマンチェスター・シティ(勝ち点31)は、グアルディオラ体制において最も厳しい前半戦となった。開幕4連勝スタートも、9月末にバロンドーラーのロドリが長期離脱を強いられると、勤続疲労や相次ぐ離脱者も重なって大不振に。11月以降はペップ初のリーグ4連敗など、2勝2分け6敗と苦しい戦いを強いられた。プレー強度、切り替えの精度を中心に攻守両面でテコ入れが必要な部分は幅広く、稀代の名将も一時はお手上げ状態だった。今冬の移籍市場では数人の補強を行う見込みだが、財政違反の審理の影響も引き続き懸念されるなか、例年のような後半戦の無双状態に持っていくことは厳しいかもしれない。 その王者以上に厳しい前半戦を過ごしたのは11位のトッテナム(勝ち点24)、14位のマンチェスター・ユナイテッド(勝ち点22)。ポステコグルー体制2年目で補強も行ったトッテナムだが、消耗激しいプレースタイルと、今季はヨーロッパリーグ(EL)に参戦している影響で昨季以上に負傷者が増加。センターバックの主力3人、守護神ヴィカーリオと守備陣を中心に満身創痍の状況が続く。また、リーグ2位の得点数に得失点差+13とトップ4圏内のスタッツを残しながらも、試合ごとの大きすぎる波が低迷に繋がっている。 一方、昨季FAカップを制してテン・ハグ体制を継続したユナイテッドは各ポジションに新戦力も補強。だが、スパーズ同様に負傷者の多さと指揮官のマネジメントの拙さもあり、10月末にオランダ人指揮官を解任。ファン・ニステルローイ暫定体制を挟み、11月中旬から前スポルティングCP指揮官のアモリム監督を招へい。ただ、新体制移行後も苦しい戦いは変わらず、残留争いも気になる前半戦となった。 ビッグ6以外では古豪ノッティンガム・フォレスト(勝ち点37)が3位と大躍進。前半戦の最大のサプライズチームとなった。また、シーズンが進むごとに本来の力を取り戻したニューカッスル(勝ち点32)が5位、ボーンマス(勝ち点30)やフルアム(勝ち点29)がトップハーフ入り。一方、昨季4位のアストン・ビラ(勝ち点29)は9位、MF三笘薫のブライトンは中盤戦以降の失速で10位フィニッシュ。 ボトムハーフではMF鎌田大地のクリスタル・パレス(勝ち点20)が15位、エバートンやウェストハムも苦しい戦いが続く。残留争いではDF菅原由勢を擁するサウサンプトン(勝ち点6)の最下位に、レスター・シティ(勝ち点14)、イプスウィッチ・タウン(勝ち点15)の昇格組が降格圏に沈んでいる。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWモハメド・サラー(リバプール) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 得点ランキングとアシストランキングでトップ。前半戦に輝いた選手は数知れずも、前半戦のMVPは異論なく首位チームの攻撃をけん引した32歳のエジプト代表FWだ。開幕前の段階からピッチ外では契約延長問題が取り沙汰されるが、ピッチ上では開幕から圧巻の輝きを放った。 いずれもリーグトップの17ゴール13アシストを記録。特筆すべきはそのパフォーマンスの安定感で、唯一の敗戦となったノッティンガム・フォレスト戦、辛勝となったクリスタル・パレス戦の2試合を全試合でゴールかアシストを記録。前半戦の対ビッグ6の全試合でゴールを挙げる勝負強さが光った。 32歳とは思えないスピード、パワーに、アシスト数が物語るように、一時批判を浴びた利己的なプレーはほぼなくスーパーエースとして躍動した。 ★最優秀監督 ◆アルネ・スロット(リバプール) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 首位快走に導く。フェイエノールト時代から優れた指揮官として評価されていたが、プレミア初采配に、クロップの後任として初めてメガクラブを指揮するオランダ人指揮官の手腕に懐疑的な見方も少なからずあった。 それでも、プレシーズンの段階から目の肥えた選手たちを納得させる指導をみせ、信頼を勝ち取ると、キャプテンを務めるファン・ダイク、中盤と前線でキープレーヤーとなったグラフェンベルフ、ガクポの同胞を中心にうまくチームがまとまった。 開幕直後こそメンバー固定に否定的な意見も出たが、交代策や試合中の修正力の高さを含めて非の打ち所がない采配によって節が進むごとにそういった批判を払拭。ルイス・ディアスのセンターフォワード起用や遠藤航の偽センターバック起用など、新たなオプションも構築。指導者としての引き出しの多さも垣間見せている。 【期待以上】 ★チーム ◆ノッティンガム・フォレスト <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦最大のサプライズ。昨季は残留圏内ギリギリの17位でフィニッシュした古豪が数多の強豪を抑えて前半戦を3位でフィニッシュ。昇格プレーオフを制して久々の復帰となった2022-23以降の2シーズンは総入れ替えに近いスカッド構築の問題で残留争いを強いられてきたが、ヌーノ体制2年目の今季は引き続き人員を入れ替えたものの、昨季後半戦をベースとした継続路線を選択した。 [4-3-3]と[3-4-2-1]を併用しながら、ポルトガル人指揮官が得意とする堅守速攻、セットプレーを軸に、ソリッドな戦いぶりで11勝4分け4敗という見事な戦績を残した。さらに、リバプールに今季唯一の黒星を付け、トッテナムやユナイテッドにも内容が伴った勝利を収めている。 個人の部分ではミレンコビッチ、アンダーソンとセンターラインに迎え入れた新戦力2人、リーグ得点ランキング上位に付けるベテランFWウッド、攻守に推進力と躍動感がある2列目のエランガ、ギブス=ホワイト、ハドソン=オドイが印象的。さらに、ムリージョとアイナの守備陣2人は強豪クラブの関心を集める躍動ぶりだった。 ★選手 ◆MFエリオット・アンダーソン(ノッティンガム・フォレスト) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 新天地で躍動の“ジョーディ・マラドーナ”。クラブOBだった祖父の影響もあり8歳からニューカッスルのアカデミーに在籍したアンダーソンは、2021年にファーストチームデビュー。昨季はトップチームに定着するも、財務違反の処分回避の目的もあって昨夏フォレストへ売却される形となった。 繊細なボールタッチと攻撃センスに優れる天才肌は、新天地でセントラルMFでプレー。ここまでチームトップの5アシストを記録するなど持ち味である攻撃センスを遺憾なく発揮。さらに、トップ下や左サイドでもプレーする攻撃に特長を持つ選手ながらも、新天地では守備面でも奮闘が光る。 昨夏移籍時に総額3500万ポンドの移籍金と報じられており、ある意味で値段に見合った活躍と言えなくもないが、フォレスト躍進の象徴の一人として選出した。 【期待外れ】 ★チーム ◆マンチェスター・ユナイテッド <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 赤い悪魔の暗黒期続く。クラブの買収問題の長期化によって昨季を8位で終えたなか、ラトクリフ卿主導で初めて臨んだ移籍市場ではヨロ、デ・リフト、マズラウィ、ウガルテ、ザークツィーとセンターラインを中心に積極補強を敢行。開幕時点での期待感は大きかったが、結果的にはFAカップ優勝でテン・ハグ体制を延命させた決断が裏目に出た。 開幕から低空飛行が続いたなか、10月末にオランダ人指揮官を解任。ファン・ニステルローイ暫定で持ち直したのち、11月中旬から宿敵シティもリストアップしていたアモリム監督を招へい。だが、新体制では2勝1分け5敗という厳しい戦績で前半戦を終える形となった。 新指揮官の手腕に疑いはないものの、戦術浸透に時間を擁するタイプな上、現状のスカッドでは個人でなんとかできるタイプのタレントが少なく、過密日程のなかでチームを成熟させながら逆転でのヨーロッパ出場権獲得へ巻き返すのは至難の業だ。 ★選手 ◆DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 大不振のチームとともに低調な前半戦に。ラッシュフォードやザークツィーといったユナイテッドの攻撃陣やソン・フンミン、エンケティアといった選手も厳しい前半戦となったが、フォーデンとともに絶対的な王者で不振に陥ったスキッパーを選出した。 30歳を過ぎて時期によってはパフォーマンスに波があったものの、34歳で臨んだ今季は開幕から低調な出来が続く。多くの離脱者の影響で軽傷を抱えながらプレーを続けているとの話もあるが、フィジカル的に無理が利かない以外にも集中力の欠如や責任感のないプレーも散見され、キャプテンという立場を考えれば批判は避けられない。 現状ではリコ・ルイスにファーストチョイスを奪われつつあるが、チームの後半戦の巻き返しに向けてはプレミア屈指の右サイドバックの復活が必須だ。 2025.01.09 22:24 Thu

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly