ゴールが少ないのは淋しい…/原ゆみこのマドリッド

2020.07.07 21:00 Tue
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「まるでお隣さんみたいになっちゃったわね」そんな風に私が首を振っていたのは月曜日、また先週末も勝って、リーガ優勝に一歩近づいたものの、再開後の7節全勝のレアル・マドリーではここ3試合、ずっと1-0が続いていることに気がついた時のことでした。いやあ、今季は特にゴール日照りに苦しんだアトレティコでしたら、最少得点で勝ち点3を挙げるという効率の良さを褒められこそすれ、決して失望されることはないんですけどね。ただ、それが伝統的にgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のマドリーで起きるとなると話は別。

それもベンゼマ珠玉のtaconazo(タコナソ/ヒールキック)から、カセミロが決勝点を挙げたエスパニョール戦はともかく、直近2試合はセルヒオ・ラモスのPKゴールによる勝利ですからね。おかげで4得点と、再開後リーガで当人がピチチ(得点王)レースのトップに君臨、PKもここ20回、連続で成功させているのも、キッカー入れ替わり立ち替わりでその半分はゴールにならず。「El Atlético es de los equipos que más penaltis ha fallado en la historia/エル・アトレティコ・エス・デ・ロス・エキポス・ケ・マス・ペナルティス・ア・ファジャードー・エン・ラ・イストリア(アトレティコは史上、最もPKを失敗しているチームの1つ)」と認めていただけに、シメオネ監督も羨んでいるんじゃないかと思いますが、何せ最近のペナルティにはVAR(ビデオ審判)が絡みますからね。

え、でも「Si les cobran más penales es porque atacan más como el Madrid/シー・レス・コブラン・マス・ペナレス・エス・ポルケ・アタカン・マス・コモ・エル・マドリッド(PKを多く獲得するのはそれだけ多く攻めるからだ。マドリーのようにね)」(シメオネ監督)という理由付けもできるんだろうって?まあ、そうなんですが、昨今、議論になっているのはマドリーにPK与えられることではなく、逆に敵チームにはPKが認められないことで、実際、ヘタフェ戦でもオリベイラがカルバハルを倒したプレーはペナルティで、その逆はスルーされていましたからね。

これまた、似たような展開となったのが日曜のアスレティック戦で、足首の痛みでアザールが前節に続いて欠場となったため、ジダン監督はベンゼマにアセンシオとロドリゴを添えて前線を形成。別にそのせいではないんでしょうが、前半はロドリゴやベンゼマのヘッドが外れたぐらいで両者、無得点に終わります。そしていよいよ後半28分、マルセロがエリア内でダニ・ガルシアに倒されて得たPKにより、マドリーが待望のリードを奪ったんですが、その2分後には自陣エリア内でラウール・ガルシアをマークしていたラモスがうっかり相手の足を踏んでしまったから、さあ大変!

その時にはVAR介入がなかったため、そのまま0-1で敗戦となったアスレティクサイドからは、「Raúl nos ha dicho que le han pisado/ラウール・ノス・ア・ディッチョー・ケ・レ・アン・ピサードー(ラウールはボクらに踏まれたと言ってたよ)。違いはマドリーの時は見直しがあって、ウチにはなかったってことさ」とピッチインタビューで怒っていたムニアインを始め、ウィリアムスなどもツィッターで抗議することに。どうやらジャッジの決め手はラモスが後ろにいたラウール・ガルシアに気づかず、踏んだように見えたことのようですが、ラッキーと言えばラッキーですよねえ。

まあ、この日はカルバハルと共にラモスも5枚目となるイエローカードを受けたため、次戦金曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのアラベス戦には累積警告で出場停止となるんですが、となるとちょっと気になるのは、「PK時には最大の緊張感があって、自分が一番居心地良く感じる瞬間なんだ。Creo que soy el idóneo para asumir esa responsabilidad/クレオ・ケ・ソイ・エル・イドネオ・パラ・アスミル・エサ・レスポンサビリダッド(この責任を引き受けるのにボクは最適だと思うよ)」と試合後、悦に入って話していたラモスの代わりにPKキッカーをやるのは誰なのか。順当に行けばベンゼマでしょうが、ベイルやその日は個人的事情でベンチ入りを免除してもらったハメス・ロドリゲスなどにはもうチャンスはないんでしょうかね。

そして日曜は、金曜に一足早く、マジョルカ戦で3-0と快勝したアトレティコを除いて、その他マドリッド勢の連チャンで、午後5時からの枠では弟分のレガネスがエスパニョールと最下位決戦。お日様がカンカン照って暑い時間ですし、場所もバルセロナのRCDEスタジアムだったため、選手たちの体調が心配だったんですが、まあ、そうでなくても不調のチーム同士、なかなか点が入らないのは当たり前のことだったかと。エスパニョールサイドはエースのラウール・デ・トマスが途中、ほてってダウンしていたのも影響したんでしょうが、そんな中、後半8分、エリア内でボールを受けた左SBのジョナタン・シウバがレガネスの先制点を決めてくれたから、ビックリしたの何のって。

その1点のおかげでリーガ再開後、ようやく彼らは初勝利を挙げられたんですが、だからって奇跡の降格回避を望めるかといったら、それはまた別の話。いえ、その時点でバルサに勝ち点差7つけていた兄貴分が、「No voy a hablar de media Liga/ノー・ボイ・ア・アブラル・デ・メディ・リーガ(半分はリーガ優勝したようなものなんて言うつもりはない)」(ジダン監督)と用心深くしていたのは実際、夜の試合で2位チームがビジャレアルに1-4と圧勝し、また4差に戻ってしまったため、当然と言えば当然だったんですけどね。

逆にレガネスと、残留ゾーンに並ぶアラベス、セルタ、エイバルとの7差は動かなかったものの、このエスパニョール戦後にはアギーレ監督から、不可解な告発があったんですよ。ええ、3試合前のグラナダ戦で負傷したカリージョと代わり、前半20分ぐらいプレーしただけで、筋肉痛がケガに繋がるのを避けて、後半はベンチに戻ったオスカルのことなんですが、監督によると、もう今季はプレーしないのだとか。それも3度検査を受けたところ、最初は何もなかったにも関わらず、いつの間にか肉離れが3つも見つかったとか、近親の誰かから何か言われたのかもしれないとか、事情も怪しげなんですが、とにかくもうアテにはできないって、いや、今のチーム、オスカル以外、ゴールを挙げられる選手って、いるんですかあ?

更にカリージョ、オメルオは今季絶望、ルーベン・ペレスもエスパニョール戦で捻挫となると、この木曜、月曜にセビージャに負け、距離が開かなかったエイバルとのブタルケ決戦も大事ですが、その後の相手がバレンシア、アスレティック、そしてマドリーですからね。もちろん今週はまず火曜午後10時から、アトレティコがバライドスでセルタ戦。ジョアン・フェリックスが足首の負傷でお休み、ジエゴ・コスタも出場停止という、ちょっと攻撃力が落ちる状況ではありますが、再開後、7試合5勝2分けという、3位にふさわしい貫禄を示し、4位セビージャとの勝ち点差2の死守共々、弟分のヘルプに尽力するのは確実。マドリーだって、アシエル・ガリターノ監督を解任し、ムニス監督が招聘されたアラベスを全力で叩きにいくはずですが、とにかくレガネス自身が頑張ってくれないことにはどうしようもありませんって。

そしてマドリー勢、日曜最後の試合となったのはヘタフェで、いやあ、エル・サダルではゴールを1本も見ることができず。スコアレスドローというのは、すでに残留確定したオサスナにとっては良かったんですが、CL出場圏の4位届きたい弟分にはかなり痛い結果だったかと。そのせいか、とうとうボルダラス監督など、「No sé por qué habláis de Champions, no es el objetivo/ノー・セ・ポル・ケ・アブライス・デ・チャンピオンズ、ノー・エス・エル・オブヘティボ(どうしてCLの話をするのかわからない。ウチの目標ではないのに)」と開き直ってしまったんですが、でもねえ。

確かにリーガ再開後のヘタフェは調子を落とし、5試合目でやっと初勝利を挙げたぐらいだったんですが、その相手はレアル・ソシエダ。この水曜にも1つ上の5位でEL出場権を争っているビジャレアルと直接対決できますしね。「El Getafe está peleando por Europa, después de estar jugando Europa League, es algo increíble/エル・ヘタフェ・エスタ・ペレアンドー・ポル・エウロッパ、デスプエス・デ・エスタル・フガンドー・エウロッパ・リーグ、エス・アルゴ・インクレイブレ(ヘタフェはヨーロッパの大会への出場を争っている。しかも今季のELに出た後となれば、信じがたいことだ)」と監督も言う通り、勝ち点差が7と開いた4位の座は諦めても、まずはEL参加リピートを確定させることが肝心。それと並行して、8月に16強対決インテル戦から再開される今季ELで優勝すれば、CLに出場できることを頭に置いておいくのも悪くはないんじゃないでしょうか。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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また試合が始まる…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり水曜なんて急すぎだったのよ」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、競技委員会が2部最終節で1試合だけ順延されていたデポルティーボvsフエンラブラダ戦を5日の午後8時に実施という決定を前日に出したものの、金曜に変更されるという報を聞いた時のことでした。いやあ、競技委員会と示し合わせたのか、月曜にはラ・リーガがデポルティーボの選手、スタッフのPCR検査を予定。ところが、バケーション中だった選手たちは誰1人、検査会場のアベゴンド(デポルの練習施設)に姿を現さず、もう試合48時間前には新型コロナウィルス陰性を確認するという手順から、すっかり崩れてしまっていたんですけどね。 火曜になってようやく、アトレティコBからレンタルで行っているモジェホなど、チラホラやって来たそうですが、いや、大体がして、自身の試合結果に関わらず、2部B降格が決まったデポルとあって、どこよりアクティブにラ・リーガ、サッカー協会、CSD(スポーツ上級委員会)などに経営陣が抗議していただけでなく、先週金曜にはラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)市内をフェルナンド・バスケス監督を先頭にファンたちが車を連ねてのデモを開催。そんなにしてまで降格回避に必死だったというのに何故か選手たちだけ、最終節の翌日にはバケーション入りしていたことも驚きでしたが、もしやクラブも42節の11試合を全てやり直すべきという主張は通りっこないってわかっていた? もうこうなると、放棄試合にしてもいいんじゃないかと傍からは思えるんですが、それをデポル側がすると、競技委員会から降格の罰を受け、2部Bどころか、来季は3部になってしまうという恐れがあるため、クラブも慌てて選手たちを呼び戻すことに。せめて規定のトップチーム所属の最低7人だけでも揃えて試合をするつもりになったようですが、現在、日本に帰国中の柴崎岳選手が間に合うのかは疑問。今は別にスペイン入国後、2週間の自宅隔離措置もないんですが、48時間前にPCR検査を受けないといけないとなると、かなり難しいかと。 ただ、選手たちの状態が懸念されるのは、デポル戦をプレーすれば、1部昇格プレーオフ参加への道が開かれると喜んでいるフエンラの方も同様で、何せ、彼らは最終節直前からコロナ陽性者が見つかり始め、7月20日月曜の試合が順延になった後もずっとラ・コルーニャの滞在先ホテルでチーム全員が隔離。その間、ドンドン感染者数が増え続け、最盛期では28人だか何だかを記録していたのも凄いんですが、ようやく遠征部隊43人中、33人が解放されたのは先週の金曜ですからね。 実際、未だに6人が隔離中なんですが、その第1陣でマドリッドに帰京したサンドバル監督は張り切って、翌日から、こちらも最悪、規定ギリギリのトップチーム選手だけとなっても試合ができるようにと、8人程の少人数で練習を再開。でもねえ、ホテルの個室に12日間軟禁されていたのと2週間、ビーチでバケーションしていたのと、果たして体調がいいのはどっち? こんな2チームが試合をすることになったのですから、この2週間余り、プレーオフを目標に暑い中、練習を続けていたエルチェが怒るのも当然で、何せ、彼らはフエンラがデポル戦で勝ち点1を獲れば、6位を奪われてしまいますからね。おまけに待機の時間が長引いたせいか、先週水曜にはプレーオフ初戦の相手が決まるのを待っているうちに、コロンビア人エースのルイス・スアレスのレンタル契約の延長終了をワトフォードに通告されてしまった3位のサラゴサ、まずはジローナと対戦するアルメリアからもコロナ陽性者が1人ずつ、発見されてしまうことに。ええ、アルメリアなんて、ようやく練習を再開したこの火曜にもまた1人、陽性者が出たとなれば、競技委員会がリスケしたプレーオフ準決勝の13日と16日、決勝の20日と23日に全員クリーンでいられるチームの方が少ないかも。 そして2部ではデポルと一緒に最終節で降格したヌマンシアが来季は24チーム制を主張していたんですが、サッカー協会もその案を推したところ、21位でもっと前に2部B行きが決まっていたエクストレマドゥラが「今季の降格は全て取り消されるべき」と声を上げたり、こうなったらもう、言った者勝ちですよね。最下位で2部降格が決まったエスパニョールまで、コロナ被害による降格無効を訴えているんですが、いやあ。そうそう、最終節で兄貴分のレアル・マドリーと引分けて、18位で降格したレガネスはようやくこの火曜、デポルやジローナを指揮した経験のあるマルティ監督が就任し、静かに1部復帰への活動を開始しています。 え、コロナ感染者はこれから、CL、ELの残り試合に挑むチームからも出ているんだろうって?その通りで先週はマドリーのマリアーノが1週間のミニバケーション明けにPCR検査陽性となり、2週間の自宅隔離に入ったんですが、週中にはセビージャのグデリにも感染が判明。この水曜にローマとのEL16強対決一発勝負を控えるロペテギ監督のチームはその後、PCR検査を繰り返し、他に陽性者がいないかどうか確認できるまで、個人練習に努めていたんですが、どうやら残りのメンバーは無事だったようで、水曜には試合の行われるデュイスブルクに移動できることに。 一方、同様に相手が3月にはコロナ大流行中だったイタリアのインテルだったため、EL16強対決1stレグが延期されたヘタフェは1日早い水曜、午後9時(日本時間翌午前4時)から、ゲルゼンキルヘンのアウフシャルケで一発勝負となるんですが、先週は4日間、アリカンテのオリバで合宿をしてきたチームからは今のところ、陽性は出ておらず。レンタル契約終了に伴い、リーガの最終戦を待たずにチームを離れたケネディ(チェルシー)とデイベルソン(パルメイラス)の代わりにアマトとカバコが新たに選手登録されていますが、とにかくヘタフェはparon(パロン/リーガの中断期間)明けに別人のように調子を落とし、最後は8位と、来季のEL出場権も獲得できませんでしたからね。 もちろん、ククレジャも「Si conseguimos el pase se olvidará el final de Liga/シー・コンセギモス・エル・パセ・セ・オルビダラ・エル・フィナル・デ・リーガ(突破できれば、リーガの結末は忘れられる)」と言っていましたし、アンヘル・トーレス会長も「Si ganamos al Inter, temenos muchas opciones de ganar la Europa League/シー・ガナモス・アル・インテル、テネモス・ムーチャス・オプシオネス・デ・ガナール・ラ・エルロッパ・リーグ(インテルに勝てば、ウチにはEL優勝の大きなオプションがある)」と野心的だったんですが、相手は先週末に終了したセリアAの最後、ジェノア、ナポリ、アタランタに3連勝して、ユベントスに次ぐ、堂々2位でリーグを終わっているんですよ。 ヘタフェでなくても、かなりハードルは高いような気がしますが、それを言ったら、この金曜午後9時にエティハッド・スタジアムでCL16強対決2ndレグを戦うマドリーも相当の苦難が待ち受けているのを忘れる訳にはいきません。だってえ、3月にサンティアゴ・ベルナベウで行われた1stレグでは1-2と負けただけでなく、キャプテンのセルヒオ・ラモスがレッドカードで退場。無観客試合で敵サポーターのプレッシャーは考えなくていいものの、2点を取らないと逆転できないのも大変ですし、CL決勝トーナメントでラモスが欠場した場合、彼らは7試合で1勝1分け5敗と、まったくもって分が悪いって、知っていましたか? うーん、当人はマンチェスターでのコロナ感染拡大傾向を受け、なるたけ参加人数を減らすようにというUEFAの忠告も何のその、チームメートを支えるために遠征に同行。準々決勝を見据えて、バルデベバス(バラハス空港の近く)での練習でも一切、手を抜いていないんですけどね。相手もアグエロの回復が間に合わずとはいえ1stレグでグアルディオラ監督は彼を使っていませんし、だんだん自信をつけてきたものの、代理のCBが22才のミリトンではちょっと心もとない感もなきにしろあらず。 そんなマドリーは土曜にペレス会長の激励訪問を受け、練習では選手たちの半分が来季の第2ユニ、ピンクのユニを着て、紅白戦をしていたんですが、マンチェスター・シティ戦でこちらも公式戦デビューとなるのだとか。木曜には現地に移動するチームでは、PCR陽性もマリアーノ以外に広がることはなく、ケガ人もいないため、ジダン監督もベンゼマ、アザール、アセンシオ、ビニシウス、ロドリゴ、イスコ、ヨビッチと数ある攻撃オプションを心おきなく用いて、逆転勝ち抜けを目指すはずですが、土曜にカンプ・ノウにナポリを迎えるバルサ共々、リスボンでお隣さんと肩を並べることはできるのでしょうか。 え、それで来週木曜のCL準々決勝に向け、カリアリでプレーする長男のジョバンニも「Cada vez que lo llamo me habla de la Champions/カーダ・ベス・ケ・ロ・ジャモ・メ・アブラ・デ・ラ・チャンピオンズ(電話をするたび、ボクにCLの話をする)。1日中、ライプツィヒはいいプレーをする、どういった選手がいるって、そればっかり考えているんだ」と言っていた程、シメオネ監督が集中しているアトレティコはどうしているのかというと。いやあ、こちらは試合が1週間、遅いせいか、まだ結構、楽しそうにマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で猛暑の中、トレーニングしていますけどね。 ええ、土曜など、本当は親善試合をやりたかったものの、この折ですから、相手が見つからず、紅白戦をしたそうで、だんだんライプツィヒ戦のスタメンも固まりつつあるよう。GKオブラクを始め、DFにアリアス、ヒメネス、サビッチ、ロディ、中盤はコケ、サウール、左右にカラスコ、コレア、前線はジエゴ・コスタとマルコス・ジョレンテらしいんですが、まだ日にちがありますからね。チーム内、唯一のCL優勝経験者、しかもそれはマドリーがこの準々決勝の会場、エスタディオ・ダ・ルスでアトレティコを破って達成した2014年だったというモラタや、先日は彼女のポルトガル人モデル、マギ・コンセイロさんと一緒に質問に答えるビデオを公開していたジョアン・フェリックスらの追撃も期待できるかと。 一方、リーガの最終戦で負傷したトマスはリハビリに精を出しているものの、準決勝までは難しいようで、それだけは不安材料ですが、3月にはあの昨季王者のリバプールを破った彼らですからね。新鋭チームのライプツィヒに遅れを取るなんて、絶対あってはいけないんですが、時として予想のつかないことをしでかすのがアトレティコ。よって、あまり過信はせず、とにかく今はコロナ陽性ゼロ体制を維持して、無事にリスボン入りしてもらいたいものです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.08.06 16:00 Thu
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笑えない展開になってきた…/原ゆみこのマドリッド

「天国から地獄に落とされるとはまさにこのこと!」そんな風に私が呆気に取られていたのは火曜日、マドリッド2部の弟分、フエンラブラダのプラエナ会長、サンドバル監督、チームドクター、選手のウーゴ・フライレとその代理人をサッカー協会の競技委員会が水曜に開かれる会合にオンライン参加するように要請。事と次第によっては、義務違反により、2部B降格処分もありうるかもしれないと知った時のことでした。いやあ、新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの停止期間)が開けてから5週間強、連日連夜ぶっ続けでプレーして、1部は19日の日曜日に、2部も翌20日にはシーズン終了に辿り着いたスペインだったんですけどね。 残念ながら、最後の最後でケチがつき、2部最終節当日にフエンラにコロナ陽性者が複数いることが発覚。リアソルで開催予定だったデポルティーボ戦が延期されただけでなく、以来ずっと、チーム全員がラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)のホテルで隔離されているんですが、いやもう、それからが大変だったんですよ。というのもフエンラは6位で終わったエルチェと勝ち点差1と丁度、1部昇格プレーオフ参加が懸かる位置にいただけでなく、デポルティーボの方は他のチームの最終節の結果により、戦わずして2部B降格が決定。 そこで早々に42節の全てのカードのやり直しから始まって、今季をシーズン無効として、昇格も降格もなしにすべきとか、はたまた感染者がいるにも関わらず、マドリッドから危険を顧みず、移動してきたフエンラを公衆衛生規律違反と見なし、たまたまチームドクターも同伴していなかったことから、降格処分にすべきって、ちょっとお、いくら名門クラブが2部B行きになるは悔しいからって、そこまで言う? まあ、これには便乗しないのは損とばかり、全試合消化して7位に留まった、もう1つの弟分、ラージョなども「最終節は公平性が保たれていないため、エルチェとラージョでプレプレーオフの一戦をやるか、6チームでプレーオフをするべき」といった、こじつけのような提案や、19位で最終節に降格が決まったヌマンシアも来季の2部リーガを24チームで開催することを主張、挙句の果てには、もっと前に落ちていたエクストレマデラもシーズン無効を支持と、もう無茶苦茶な様相を呈しているですが、日曜にラ・リーガがフエンラの「選手たちの回復を待って試合をするか、デポルティーボ戦を完全に中止とするか、当局の決定に従う」という声明を深読みしたのも事態を悪化させたかと。 ええ、フエンラの好意に感謝しつつ、「延期試合は実施せず、昇格プレーオフにはエルチェが出場すると競技委員会に伝える」という声明を出したところ、プラエナ会長、そしてプレーオフ出場ボーナス2万2000ユーロ(約270万円)が懸かっている選手たちから猛反発を受けることに。うーん、正直、ラ・コルーニャで隔離生活を始めてからもフエンラ関係者の陽性反応は増え続け、先週土曜にはマドリッド居残り組の4人を含め、新たに12人が感染していたことが判明。計28人となり、金曜など、具合の悪くなった陽性の選手が市内の病院に救急車で搬送されるなど、もうホント、試合のできる状態になるのはいつになるやら、まったくわからないんですけどね。 感染していない選手たちだって、滞在しているホテル・フィニステレが一般営業も止めていない都合上、ジムもプールも使えず、自身の個室に軟禁状態。シーツもろくろく代えてもらえないとなれば、その体調は推して知るべしかと。何せ、彼らは去年の夏、初めて2部に昇格したばかりですからね。本来なら、先週木曜には始まっていた準決勝1stレグを延期させられたアルメリア、ジローナ、そして相手が決まるのを待っているサラゴサらと共に、月曜にはラ・リーガの指示でPCR検査を受け、準備万端なエルチェに忖度して、ここは譲ってあげても全然、悪くはないと思いますが…でも、降格なんて問題外ですよ! まあ、その辺はデポルティーボ戦の実施、プレーオフ参加チームの件を含め、競技委員会の結論を待たないといけないんですが、実はあまり騒ぎにはなっていないものの、コロナ陽性者と濃厚接触した選手がいたため、先週土曜に予定されていた2部B昇格プレーオフでもポルトゥガレテvsサスタオ戦が延期に。と思いきや、リーガ終了から1週間のバケーションを取った後、8月7日のCL16強対決マンチェスター・シティ戦2ndレグに向けての練習再開に先立ち、月曜に選手やスタッフの自宅でPCR検査を行ったレアル・マドリーでも陽性の選手が見つかったという報が入ってきたから、ビックリしたの何のって。 うーん、最近はスペイン全土でも感染者が再び増え始めていますし、中にはセビージャのバネガのように先週末、スタッフ12人のクラスターが発生したバレンシア(スペイン南部のビーチリゾート)のディスコを訪れ、まだ警戒事態だった時期に禁止されていた10人以上が集まるバーベキューの写真を公開して、お目玉を喰らっていた奥さんが再び映像をアップ。マスクもせず、如何にも感染最適環境にいたように見えながら、8月5日のEL16強対決ローマ戦に備えた練習再開前の検査では大丈夫だったなんてこともありましたしね。 たとえ、8月8日のCL16強対決2ndレグのため、カンプ・ノウを訪れるナポリが遠征を渋るほど、感染者が増えてきているバルセロナでマリアーノが休暇を過ごしたとて、ウィルスをもらったのは運が悪かったとしか言いようがないんですが、バケーション先はイビサ島が多かったチームメートたちとの接触はなかったため、無症状の彼は1人で2週間の自宅隔離となることに。当然、マンチェスター・シティ戦には間に合わないとはいえ、他はリーガ最終戦を欠場したマルセロ、アザールを含め、火曜には猛暑のバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で元気にトレーニングしていましたからね。 何より、サンティアゴ・ベルナベウで1-2と負けた1stレグを戦った2月26日はもう遠い昔、今は栄えあるリーガチャンピオンとして、自信もつけたマドリーとなれば、たとえ、この日曜、四男のマキシモ・アドリアーノ君が誕生したキャプテンのセルヒオ・ラモスが出場停止でおらずとも、最後の2節、ワトフォード、ノーウィッチシティをgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で下し、リバプールと勝ち点差18の2位で先週末、プレミアリーグを終えたグアルディオラ監督のチームだって、恐れるには足らず?向こうはアグエロもケガでいないようですしね。今週から、イギリスではコロナ輸入を警戒して、スペインからの渡航者には2週間の隔離措置を強いているんですが、それもCL遠征は例外ということで、マドリー関係者は影響を受けないというのも朗報ではあります。 え、それで3月に昨季のCL王者を16強対決2ndレグでも破り、今季のプレミアリーグ絶対王者に早めのバケーションを贈ってあげたアトレティコも8月13日の準々決勝ライプツイヒ戦に向けて、練習を再開したんだろうって?その通りでお隣さんより1日早い日曜にPCR検査を行った彼らは月曜から始動。ちなみに最初、AS(スポーツ紙)などが、例年のプレシーズンキャンプ地、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿に入ると言っていたのは勇み足だったようで、この暑い中、マハダオンダ(マドリッド近郊)からチームは動かないようですが、ここはコロナだけでなく、熱中症にも十分、気をつけてほしいところ。 ちなみにこちらの欠席者はリーガ最終節でケガをしたトマス、中断期間中に靭帯断裂したヒザから補助パーツを取り出す手術をしたベルサイコだけどなっていますが、丁度、そのレアル・ソシエダ戦の日、マラガでの2部昇格プレーオフ初戦の応援に行っていたマヌ・サンチェスとリケルメも再び、トップチームに合流。結局、最後は決勝でもアンス・ファティとリキ・プッチの参加をセティエン監督に阻まれたバルサBを制し、見事、昇格を決めたサバデル相手にPK戦で兄貴分同様、ダメダメなところを露呈して、アトレティコBは早期敗退してしまったんですが、まあそれはそれ。 アトレティコがリスボンのエスタディオ・ジョゼ・アルバラーデ(スポルティングCPのホーム)で、エースだったベルナーがもう移籍先のチェルシーの練習に合流しているライプツィヒを破り、準決勝に進めば、アタランタvsPSG戦の勝者との試合はエスタディオ・ダ・ルス(ベンフィカのホーム)で18日。同じ会場で行われる決勝も23日と、またハードスケジュールになるため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)たちにも沢山、働いてもらわないと。彼らとはあまり年齢が変わらない20才のジョアン・フェリックスにもとりわけ、現地での練習場がベンフィカの施設に決まったこともありますし、古巣での煌めきを思い出してくれることを期待しています。 そしてまだシーズンが終わっていないマドリッド勢は1部の弟分にもいて、それは8月5日にEL16強対決インテル戦をドイツのアレナ・アウフシャルケでプレーするヘタフェ。いやあ、彼らは最終節で来季のEL出場権を逃し、リーガ再開後はまったく以前の面影がないんですが、早急に選手たちの気分を切り替えたかったんですかね。1週間の休暇を取った後、月曜から、こちらはそれこそ、ボルダラス監督のプレシーズンご用達、アリカンテ(スペイン南東部)のオリバで木曜まで4日間の合宿に入っています。 何せ、相手はセリエA9連覇を先週、達成したユベントスにこそ及ばず、アタランタやラツィオと2位を最終節まで争うことになるとはいえ、来季のCL出場権を獲得しているチームですからね。メンバーを見てもルカクやら、リーガ中断中にバルサ移籍が決まったと思わされながらも実はまだ、契約延長の交渉をしているラウタロやら、アレクシス・サンチェスやらと、名の知れた選手が多いため、突破は難しいかもしれませんが、そこは一発勝負。リーグ終了が8月2日と休む時間のない相手の疲れを上手く利用できれば、勝機もあるかもしれません。 え、それで来季はラージョやアルコルコンと2部でご一緒することになったレガネスはどうしているのかって?いやあ、最終節のマドリー戦で勝ち越しの1点が取れず、4年間過ごした1部を後にすることが決まった翌日、アギーレ監督の退任が発表されたんですが、まだ新監督は決まっておらず。最初は2016年にクラブ史上初の1部昇格を果たしたアシエル・ガリターノ監督(今季終盤、アラベスの監督を解任)の復帰が取り沙汰されていたんですが、いつの間にか立ち消えになり、その後は今季、コパ・デル・レイで2部のミランデスを準決勝まで導いたイラオラ監督、今週になってからはルビ監督(今季、リーガ再開3試合目にベティス監督を解任)の名前などが挙がっていますが、さあて。 いずれにしろ、フエンラブラダの件が片づかない限り、1部も2部もいつ来季が始まるのか、わかりませんからね。一応、9月中旬と言われてはいるものの、コロナウィルス流行が収まらない限り、スタジアム無観客状態は続くでしょうし、こればっかりはどうしようもなし。一応、最近はお店やレストランもほぼ平常モード、普通に外出できるようになったとはいえ、40度近く気温が上がるマドリッドでもマスク着用が義務化されたため、私もつい、出不精になっちゃうんですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.30 16:00 Thu
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すんなりとは終わらなかった…/原ゆみこのマドリッド

「最後の最後で躓いたわね」そんな風に私が残念がっていたのは火曜日、日曜のリーガ1部に続き、2部も月曜には全節終了するはずだったにも関わらず、この後に及んで、新型コロナウィルス感染により、初めて試合が延期された翌日のことでした。いやあ、まだスペイン全土が警戒事態の中、5月に各チームが練習を再開したばかりの頃は選手や関係者らの検査がよく話題になったものでしたけどね。さすがに2カ月以上も経過すると、世間もあまり関心示さないようになったんですが、どこも試合48時間前のPCR検査はずっと続けていたようで、実は土曜のテストでマドリッド2部の弟分、フエンラブラダから陽性者が1人発生。 それはまあ仕方ないんですが、日曜にも関係者に3人、見つかったチームは月曜朝にも検査を繰り返し、その結果が出るのを待たずにラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)に移動。午後5時半には更に7人の選手に陽性反応が現れたと連絡を受け、ラ・リーガやスペイン・サッカー協会が協議した結果、夜9時に統一されていた11試合中、デポルティーボvsフエンラブラダ戦のみ延期という決断がなされたんですが、その後、幾つもクラブが巻き込まれる騒動に発展したのは、このカードが降格と昇格プレーオフ出場順位の両方に関わっていたから。 え、でも元々、19位の降格圏にいたデポルティーボはたとえ、フエンラに勝っても残留できるか、わからなかったんだろうって?その通りで、この日は勝ち点差1上にいたアルバセテがカディスに勝ち、2部優勝のトロフィーを岡崎慎司選手のいるウエスカに贈ったのはともかく、ルーゴもミランデスに勝利。サラゴサに負けたポンフェラディーナが18位に落ちたんですが、デポルティーボの勝ち点が3増えて並んでも、直接対決のゴールアベレージで負けているため、最後の試合を戦わずして2部B降格が決定することに。 これではフェルナンド・バスケス監督から、「ウチがプレーしていてれば、アルバセテもルーゴも試合中のプレッシャーが違ったはず」と抗議が出るのも当然ですが、デポルティーボは最終節全部のやり直し、もしくは24チームでの来季開催を求め、そうでなければ、現在、ラ・コルーニャの滞在先ホテルで隔離中のフエンラが規定の期間を経た後、とりあえず30日にリスケジュールされた試合を放棄するとラ・リーガに宣言。ええ、そりゃそうでしょう。すでに降格決定済みとなれば、柴崎岳選手だって、さっさと日本に戻りたいのでは? 実際、大ごとなのはフエンラの関わる昇格プレーオフ順位決定の方も同じで、いえ、同じ2部弟分仲間のラージョはすでに降格しているラシングを下したものの、エルチェがオビエドに勝ったため、7位で届かず。アルコルコンもプレーオフ出場が確定していたジローナをサント・ドミンゴで2-0と破り、有終の美を飾ったんですが、10位とかなり離れているのでまあ、関係ないんですが、フエンラとエルチェは勝ち点差1しかないんですよ。つまりフエンラがデポルティーボ戦で引き分け以上となれば、6位に上がって、3位のサラゴサとプレーオフ準決勝を戦う権利を得られるんですが、本来なら今週木曜からのはずだったプレーオフの予定もおかげで8月までずれ込む始末。 要はエルチェにしたって、万が一に備えてバケーションに入ることはできませんし、サラゴサの香川真司選手だって、相手が決まるまで待たないといけないとなれば、もうただでさえ、paron(パロン/リーガの中断期間)のせいで終了が大幅に遅れている今季。プレーオフ準決勝のもう1戦、アルメリアとジローナだって、1部昇格が決まる決勝が8月開催となったら、チームは休めませんしね。今のところ、ラス・パルマスに勝ちながら、18位で降格が決まったヌマンシア、大会の整合性がなくなるからプレーしたくないと言ったものの、ラ・リーガに勝ち点3はく奪を示唆されたというラージョなどを含め、影響を受けた複数のクラブが訴えを起こすと言っているため、先行きが何とも不透明なんですが、リーガ再開が100点満点で終わらなかったのは本当に残念だったかと。 え、それより1部の最終節がどうだったのかの方が気になるって?いやあ、実はこちらも弟分には悲しい結果になってしまったんですが、ブタルケでは前節、リーガ優勝が決まったレアル・マドリーをレガネスがpasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)を作ってお出迎え。またしても私がパソコンの画面を分割して見ていたワンダ・メトロポリターノでは、今季限りでシメオネ監督と袂を分かち、自身でチームを率いることを発表していた”モノ”・ブルゴス第2監督へのお別れセレモニーが行われていましたが、前半、先手を取ったのはどちらもすでに目標を達成していたチームの方でした。 そう、速攻だったのはマドリーで9分、イスコのFKをセルヒオ・ラモスが頭でゴールに。マークしていたレガネスのキャプテン、ブスティンサへのファールも疑われたんですが、元々、今季はセットプレーからの失点で大打撃を受けている彼らですからね。大体、これでクラブ公式戦100得点目となる、頭自慢のラモスに小柄なブスティンサが付いていたところから、間違っていたような気がしますが、粘って最終節まで2部降格を回避してきたとなれば、レガネスの選手たちもこんなところでギブアップはできません。ええ、その日はカルバハルに代わり、ルーカス・バスケスが右SBとして入ったサイドを執拗に狙い、ハーフタイムに入る直前、ジョナタン・シウバのスルーパスから、ブライアン・ヒルがGKアレオラを破り、同点に追いつけたため、後半に望みを繋げることに。 ただねえ、やっぱりレガネスの守備には難があって、後半7分にはイスコが送ったパスをアセンシオが決めて、再びリードを許してしまったんですよ。アギーレ監督はようやくケガが治ったらしいオスカル、そしてゲレロを後半頭から投入したのに続き、ロケ・メサとアサレも入れて反撃。33分にはそのアサレが再び、ジョナタン・シルバのアシストで同点弾を放ったんですが、いやあ。その2分後の絶好機にも彼がシュートを決めてくれていれば、もしくは38分のCKでヨビッチの手にボールが当たったのがVAR(ビデオ審判)でペナルティに取ってもらえていれば、もしくは普段は3部のレガネスBでプレーしているアビレスのゴール前からのvolea(ボレア/ボレーシュート)が変なところに飛ばなければ、レガネスが勝ち越し点を奪うのも可能だったはずなんですが…。 17位のセルタも一時はエンバルバにゴールを決められて、エスパニョールに負けかねなかったんですけどね。それもVARで認められず、最後は0-0で分けたんですが、どちらにしろ、レガネスは自身が勝ち点3を獲得する他に残留の道がなかったのが災い。普通でしたら、エン・ネシリ(セビージャに移籍)もブライトワイテ(同バルサ)もいない中、兄貴分のマドリー相手に2-2の引き分けたのは立派の一言とはいえ、「問題はこの90分じゃない。その前の26試合にある」(アギーレ監督)というのが全てでした。ええ、1節前にベティスに勝って、残留を確定したアラベスがその日はバルサに0-5とコテンパンにのされながら、ムニス監督が笑顔だったのがその証拠です。 そして選手たちが涙で4シーズンの1部生活に別れを告げ、翌月曜にはアギーレ監督の退団も発表されたレガネスなんですが、大丈夫。ラージョなんて何度も落ちては上がってきていますし、ヘタフェだって3年前には最速Uターンしてきているんですから、また彼らに1部で会える日も来ますって。一方、再開後11連勝は逃したものの、無敗を保ったマドリーはジダン監督も「Ahora toca descansar, no vacaciones, pero sí desconectar/アオラ・トカ・デスカンサール、ノー・バカシオネス、ペロ・シー・デスコネクタル(今は休む時。バケーションではないが、離れないと)」と言っていた通り、翌日から1週間、練習はお休みに。何せ、8月7日にはマンチェスター・シティとのCL16強対決2ndレグが待っていますからね。1-2で敗戦という1stレグの結果を覆すため、また猛暑のマドリッドでのトレーニングになりますが、ホント、熱中症が心配ですよね。 一方、前半30分、トリッピアーのクロスから始まったプレーでエレラが頭でボールを落とし、ジエゴ・コスタのシュートが逸れてモラタに渡ったところ、その後ろ蹴りでラストパスを受けたコケがゴールを挙げ、この日ものらりくらりとリードを守ってしまいそうだったお隣さんはというと。いやあ、相性のいいヘタフェにはそれで良かったんですが、この日のライバルはレアル・ソシエダ。リーガ中断前までCL出場圏の4位にいながら、再開後は調子を落とし、EL出場権を最終節で争わないとならなくなったため、必死でしたからね。 「En el descanso, les he dicho a los jugadores que lo íbamos a conseguir/エン・エル・デスカンソ、レス・エ・ディッチョー・ア・ロス・フガドーレス・ケ・ロ・イバモス・ア・コンセギール(ハーフタイム、選手たちにウチは目標を達成すると言った)。80分にもそう言って、最後は86分だった」とイマノル監督も後で語っていた通り、後半41分、ヤヌザイが右サイドからFKを放ったところ、敵と味方の動きに幻惑されたんでしょうかね。GKオブラクが止め損ね、同点ゴールを奪われてしまったから、さあ大変! いや、大変なのは実はアトレティコではなく、同じ時間、アリカンテ(スペイン南部)のラ・ヌシアでレバンテと戦っていたヘタフェで、グラナダがアスレティックに4-0とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝っていたこともあり、0-0だった彼らはこの瞬間、EL出場圏外の8位に落ちてしまうことに。それまでも思いっきり不運の塊のような展開で、前半にはマタがオフサイド、アンヘルがGKへのファールと、どちらもゴールをVARで取り消されてしまうとは如何に。まあ、レバンテもロジェールのゴールが認められませんでしたが、後半、ようやくゲットしたPKまで、25回連続で成功させていたマタがゴールポストに当ててしまうとは一体、どこまで呪われている? 結局、不甲斐ない兄貴分はそのまま1-1で引き分け、バレンシアに勝ったセビージャに勝ち点で並ばれたものの、ゴールアベレージで定位置の3位を確保。勝ち点1ゲットのレアル・ソシエダがまるで優勝したみたいにピッチで喜び、更にはロッカールームでも大騒ぎしているのを尻目に、「Mala suerte por el empate/マラ・スエルテ・ポル・エル・エンパテ(ドローだったのは運が悪かったね)」とコケが飄々と話していたのも何ですけどね。数々のVAR判定で試合が長引いていたヘタフェの方はワンタからの報に落胆したか、ロスタイム8分にはジェネが弾いたボールがレバンテのコケに当たり、土壇場で1-0の負け、2年連続のEL出場を逃すという最悪の結果になってしまいましたっけ。 うーん、ボルダラス監督に言わせると、「Un octavo puesto para un conjunto como el nuestro es una buena clasificación/ウン・オクタボ・プエストー・パラ・ウン・コンフントー・コモ・エル・ヌエストロ・エs・ウナ・ブエナ・クラシフィカシオン(ウチのようなチームにとって、8位というのはいい順位だ)」そうですが、何せリーガ中断前が前でしたからね。「Después del parón no hemos reaccionado/デスプエス・デル・パロン・ノー・エモス・レアクシオナードー(ボクらは中断期間が終わった後、リアクションできなかった)。11試合で1つしか勝てなくてはヨーロッパの大会に行けないのも当然」(アンヘル)とはいえ、ファンの期待も高かっただけに悔しいところかと。 そんなヘタフェには8月5日のEL16強対決インテル戦一発勝負が残っているんですが、今の状態を見ると、とてもELに優勝すれば、来季はCLに出られるなんて夢物語は口にできないですよね。とりあえず、ここ数日休んだら、練習再開だそうですが、気分的には中断直前、リバプールを破り、すでにCL準々決勝進出を決定。8月13日のライプツイヒ戦に向け、来週からは毎年、真夏の地獄キャンプが行われるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿に入るアトレティコの方が何倍も良さそう。 いえ、レアル・ソシエダ戦で交代を頼んだトマスがミニ肉離れで全治3週間という懸念もあるんですけどね。7月にロス・アンヘレスへ行くのは選手たちも慣れていますし、試合が近づく頃にはリスボンにあるベンフィカのトレーニング施設で練習とこれもまた、ジョアン・フェリックスが古巣に戻り、アトレティコが昨夏、大枚1憶2700万ユーロ(約160億円)の移籍金を払った理由を思い出してくれるキッカケになるかもしれないのは吉でしょうか。 ちなみにレアル・ソシエダ戦の後、「ウチはリーガ終盤、最高の仕事をして7勝4分け、マドリーは10勝1分けだった。我々は全ての大会に勝利を義務付けられている2チームと争っている。Estamos buscando siempre nuestro espacio y lugar y vamos a insistir hasta que tengamos nuestra oportunidad/エスタモス・ブスカンドー・シエンプレ・ヌエストロ・エスパシオ・イ・ルガール・イ・バモス・ア・インシスティル・アスタ・ケ・テンガモス・ヌエストラ・オポルトゥニダッド(自分たちの居場所を探して、ウチはチャンスを掴むまで戦い続けるよ)」とはシメオネ監督の言葉。いや本当に、お隣さんもバルサもまだ準々決勝進出が決まっていない、この異例のシーズンが念願のCL優勝に繋がってくれるといいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.22 18:30 Wed
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街は静かだ…/原ゆみこのマドリッド

「まさかホントに言いつけを守るとは!」そんな風に私が感心していたのは土曜日、前夜、ホームのアルコラスで岡崎慎司選手の技ありtaconazo(タコナソ/ヒールキック)なども含め、ヌマンシアに3-0と完勝。ウエスカが直接昇格の2位以上を確定し、最短1部Uターンを決めながら、街中で大勢のファンが集まってお祝いする風景はなかったとお昼のニュースで知った時のことでした。いやあ、確かにウエスカ(スペイン西部)は最近、新型コロナウィルス感染者が再び増えてきている地域ですし、スペイン全土の感染数も5月以来の1日600人台を記録しているとなれば、誰もが用心するのは当然なんですけどね。 実際、何より驚かされたのは木曜の夜、3年ぶりにレアル・マドリーのリーガ優勝が決まりながら、シベレス広場にはお祝いに訪れるファンより、マスコミ各社から送られたレポーターの方が多かったというオチで、いえ、通行止めをしていない車道をクラクションを鳴らしたり、マフラーを振ったりして走り抜ける自家用車やバイクは多々あったというんですけどね。普通の年なら、私の自宅近辺でもクラクションなどは聞こえるんですが、それもなく、念のため、バル(スペインの喫茶店兼バー)の多い通りを一回りしてみても優勝祝いをしているグループなど1組も見当たらず。 <div id="cws_ad">◆マドリー、無観客でのトロフィーリフト<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJvYkNoTHhieCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> 選手たちがトロフィーを受け取り、ピッチで記念撮影をしまくっていたエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノのあるバルデベバス(バラハス空港の近く)の施設出入り口に集まったファンもせいぜい2、30人といったところで、至って静かだったとテレマドリッド(ローカルTV局)のレポートで知ったんですが、いや凄い。だってえ、日本よりコロナ被害が遥かに大きかったヨーロッパでは6月中、ナポリのコッパ・イタリア優勝、リバプールのプレミアリーグ優勝、この水曜にはポルトのポルトガルリーガ優勝、スペインでも月曜夜に1部昇格1番乗りを果たしたカディスなど、マスクなし、ソーシャルディスタンス無視でサポーターが街に繰り出し、大騒ぎをしている映像には事欠かなかったんですよ。マドリッド市民って、そんなに素直に当局の警告を聞く性質だった? まあ、私にしてみれば、チームがシベレス広場にも行かず、サンティアゴ・ベルナベウでのメガフィエスタもなかったため、試合が終わった後、TVにひっついている必要もなし。翌日も恒例の州、市庁舎への表敬訪問ですら、逆に州知事、市長がバルデベバスに出向いてミニセレモニーと、立ち会えるイベントもなかったため、あまり優勝の実感が湧いてこないんですが、とりあえず、順位争いに関係ないエイバルvsバジャドリー戦以外、木曜午後9時に一斉開催となった37節を振り返ってみることにすると。 いやあ、コロナ禍の余波でバルに入り浸るのも気が引け、リーガの配信契約をしたところ、以前はハオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の多元中継をイヤホンで聴きながら、時間割が統一されるシーズン終盤など特に、複数の試合を同時に見られたらいいのにと願っていたものですが、とうとうその長年の夢が実現。この日は無料地上波のGolTVでアスレティックvsレガネス戦を流しながら、パソコンの画面でマドリーvsビジャレアル戦、ヘタフェvsアトレティコ戦をつけていたんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで序盤から、シメオネ監督のチームが攻めまくられていたとなれば、そちらに目が釘付けになってしまったのも仕方ない? 何せ、前節にはマストであるCL出場圏順位を確定させたアトレティコですからね。「Tuvimos pocas presión e intensidad en los primeros 20 minutos/トゥビモス・ポカス・プレシオン・エ・インテンシダッド・エン・ロス・プリメーロス・ベインテ・ミヌートス(最初の20分間、ウチはあまりプレスをかけず、プレーの激しさもなかった)」(シメオネ監督)という状態だった彼らが、EL出場権が懸かっているボルダラス監督のチームに気迫で押されてしまうのも当然だったんですが、まったく。相性が悪いとはよく言ったもので、マタが3度程、絶好のシュートを撃ちながら、フェリペのゴールライン上クリアがあったり、GKオブラクが中に入ってから掻き出しても直前のオフサイドで得点を認められないなど、アトレティコが無失点でハーフタイムを迎えているんですから、ビックリしたの何のって。 その一方で前半16分にはカンプ・ノウから、アルナイスのゴールでオサスナがバルサに0-1とリードしたという朗報を受け、勢いづいていたマドリーは25分、モドリッチのラストパスをベンゼマが決めて先制。相手のビジャレアルがこの試合より、EL出場確定に必要な勝ち点1を獲るのは最終節のエイバル戦の方が容易いと考えたか、カソルラを温存してきたのも有難かったようですが、そのままマドリー勝利、バルサ敗戦となれば、余裕で優勝決定ですからねえ。その日はアザールが3試合ぶりに復帰という嬉しいニュースもあったものの、特に他には見せ場がないまま、そちらの前半は終わってしまいましたっけ。 そして後半に入って8分、カラスコがエリア前でヘタフェDF陣に囲まれながら出したボールをマルコス・ジョレンテがクルリと体を回してシュート。それまでの劣勢が嘘のような先制点をアトレティコが挙げているのには呆気に取られるしかなかったんですが、いよいよ30分過ぎには3試合同時にイベントが発生したから、さあ大変!ええ、バルデベバスでセルヒオ・ラモスがチャクラにエリア内で倒されたプレーがペナルティとされ、当人がPKマークに立ったんですが、ボールを横に短く出して、後ろから来たベンゼマが撃つという、いやあ、多分、キャプテンはピチチ(リーガの得点王)レーストップのメッシがオサスナ戦後半にFKで同点ゴールを入れたことを知り、また差が3本に戻っていた後輩の力になりたかったんだと思いますけどね。 でもねえ、ベンゼマのシュートはゴールとなったものの、ラモスが蹴る前に当人がエリア内に入っていたことが発覚してやり直しに。今度はキッカーとしてベンゼマが蹴って、ちゃんと2点目を挙げたとなれば、初めからそうしていれば良かったのでは?そんな意味不明なことが起こっている横で交代出場したビトロがエリア内左奥に切り込んだ後、ゴール前に送ったボールをトマスが決めて、アトレティコも2点目をゲット。いえ、そのちょっと前にはparon(パロン/リーガの中断期間)直前のCL16強対決リバプール戦2ndレグから、チームの切り込み隊長と化していたジョレンテが交代を頼んでいて、ケガが心配されるなんてこともあったんですけどね。 どうやら当人曰く、「En las últimas jugadas se me han subido los gemelos/エン・ラス・ウルティマス・フガダス・セ・メ・アン・スビードー・ロス・ヘメロス(最後のプレーでふくらはぎがつったんだ)。FWがダッシュできないんじゃ、ピッチにいる意味がないからね」という理由だったため、全然、大丈夫だったんですが、え、そのアトレティコがリードを広げている間中、サン・マメスではレガネスがVAR(ビデオ審判)判定を待っていなかったかって? その通りで、アスレティックは前半23分にエリアを飛び出してブライアン・ヒルの突撃を止めたGKウナイ・シモンが退場に。そこからずっと人数的優位で戦いながら、例の如く、ゴールが遠かった弟分なんですが、とうとう冬の市場でセビージャに移籍したエン・ネシリを補うべく、加入していたアサレとゲレロがやってくれたんですよ!前者のスルーパスを後者がvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKエレリンの頭を越えてネットに入れたんですが、オフサイドチェックが延々と続いているとなれば、待たされる方はたまったもんじゃありませんって。それがレガネスのVAR運の悪さ故か、認められないだろうという大方の予想を裏切って、スコアボードに上がってくれたのにはもう、サッカーの神様に感謝するばかりかと。 これで一番の課題をクリアしたレガネスはロスタイムにもアビラスのパスから、アサレが2点目を挙げ、0-2で勝利。その日は10人も負傷や出場停止者がいて、ピッチにいるトップチーム選手の人数が減りすぎないように気をつけないと、alineracion indebida/アリネラシオン・インデビダ(不適切なラインアップ)で訴えられる危険もあった彼らだったんですけどね。おまけに「ルベン・ペレスとブスティンサはケガ人なのにプレーしてくれた」(アギーレ監督)という極限状況だったんですが、ここ4試合、エスパニョール、エイバル、バレンシア、アスレティックとの対戦で勝ち点10を稼いだのはまさに僥倖。 おかげで同日、グラナダに負けたマジョルカが最短2部Uターンとなったのを横目に、17位のセルタがレバンテに負けたおかげもあって、勝ち点差1で最終節まで首の皮が繋がりましたからね。ただ、だからといって手放しで喜べないのは、セルタがすでに降格しているエスパニョールと対戦することもそうですが、レガネスがブタルケに日曜午後9時(日本時間翌午前4時)に迎えるのは今を時めく、今季のリーガチャンピオン。もちろん「Solo nos vale ganar y vamos a intentarlo/ソロ・ノス・バレ・ガナール・イ・バモス・ア・インテンタールロ(有効なのは勝利だけだから、やってみるつもりだ)」(アギーレ監督)という姿勢で行くしかないとはいえ…。 いや、先走ってはいけません。木曜の試合に話を戻すと、ベンゼマのPKゴールで2-0としたマドリーは後半38分、イボラのヘッドで1点を返されたものの、ロスタイムにはGKクルトワの連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)などもあって、2-1の勝利で優勝が決まることに。その頃にはロベルト・トーレスの決勝点でオサスナがバルサに勝ったという報も届いていたんですけどね。ジダン監督も「Hemos sido los mejores porque somos los que más puntos hemos sumado. y ya está/エモス・シードー・ロス・メホーレス・ポルケ・ソモス・ロス・ケ・マス・プントス・エモス・スマードー、イ・ジャー・エスタ(どこより勝ち点を積んだのだから、ウチが最高のチームだった。それだけだ)」と話していた通り、「Cuando uno gana 10 partidos no hay nada que decir/クアンドー・ウノ・ガナ・ディエス・パルティードス・ノー・アイ・ナーダ・ケ・デシール(誰かが10試合全てに勝ったのなら、言うことは何もない)」(シメオネ監督)というのが、まさに今季の総括といったところでしょうか。 そんなアトレティコも直近17試合でヘタフェに31-0で圧勝しているという流れのまま、その日も0-2で勝ったんですが、実は彼らには最終節にやってもらいたいことが。いえ、罪滅ぼしという訳ではありませんが、2季連続EL出場を目指す弟分のため、日曜にワンダ・メトロポリターノに迎えるレアル・ソシエダには勝ってあげてほしいんですよ。ええ、その日はセビージャがバレンシアと0-0で分けたため、彼らの3位は揺らがなかったものの、まだ確定という訳ではないですしね。サウールは累積警告で一足先にリーガ終了となりますが、8月13日にはライプツィッヒとのCL準々決勝も控えているとなれば、とりわけケガの治ったジョアン・フェリックスなど、まだまだ気を抜いてはいけないかと。 まあ、実際、ヘタフェが「Somos de los peores tras el confinamiento/ソモス・デ・ロス・ペオーレス・トラス・エル・コンフィナミエントー(ウチは外出禁止令後、最悪だったチームの1つ)」(ボルダラス監督)というのは本当ですし、アトレティコ戦の後半ロスタイムにはニヨムがアリアスに後ろから強烈タックスをお見舞いして一発退場。せっかくビジャレアル戦でのtangana(タンガナ/小競り合い)で受けた出場停止処分が1試合で済みながら、再び出られなくなってしまうなど、自業自得の面もあるとはいえ、3月まではクラブ史上初のCL出場も夢ではないと言われていた彼らですからね。 最終節のレバンテ戦には処分3試合とされたエチェイタも引き続き出場停止と逆境ばかりのヘタフェですが、幸いまだEL出場圏内の7位をキープ。ただ、この位置は予選3ラウンドの突破が必要と、ELグループリーグに辿り着くまでの道のりが大変なため、マドリーに負けながらも他試合の結果で7位以上が決定したビジャレアルはともかく、勝ち点差1に迫ってきた8位バレンシア、9位グラナダの追撃を避けつつ、レアル・ソシエダを乗り越えて、6位に這い上がれるといいのですが、さて。 そして奇跡を期待したいのがレガネスで、いえ、ジダン監督など、「モチベーションを持たないといけない。クラブのDNAには全ての試合に勝つことが刷り込まれているし、además es de Liga. No es un amistoso/アデマス・エス・デ・リーガ。ノー・エス・ウン・アミストーソ(リーガ戦だからね。親善試合じゃない)」と言っていたんですけどね。どうやらビジャレアル戦でキンティージャに顔面膝打ちされながら、頑張って最後までプレーしたGKクルトワはサモラ(リーガで一番失点率が低いGKに与えられる賞)がほぼ確定したのもあり、アレオラに先発を譲るようですし、土曜に発表された招集リストからはハメス・ロドリゲスに加え、まだ本調子でないアザール、そしてとうとうベイルも落ちましたからね。 レガネスがマドリー勝った記憶など、2017-18シーズンのコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグで逆転突破した時ぐらいしか、私にもないんですが、こればっかりはやってみないことには何とも。ちなみに金曜に一斉開催された2部の41節、マドリッド勢でプレーオフ圏内に入ったのはエルチェとの直接対決を制して6位に上がったフエンラブラダだけ。アルコルコンはマラガに負けて望みがなくなり、ラージョもラス・パルマスと引分け、勝ち点差3で8位とかなり厳しい状況になったため、月曜の最終節ではデポルティーボに勝って、フエンラブラダに2年連続昇格の夢を繋いでほしいところですが…いやあ、その試合、柴崎岳選手のいるデポルには2部残留が懸かっているのは辛いところです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.19 18:30 Sun
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シベレスに行ってはいけない…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり祝賀行事はないのか」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、6月中旬から再開して以降、連日ノンストップで続いていたリーガ戦が最後の2節は開催時刻統一となるため、ようやく途切れた午後のことでした。いやあ、先週末は土曜にマドリッドの2部の弟分、フエンラブラダに予想外の敗戦を喫したため、翌日、3位のサラゴサがオビエドに負けるまで待たなければならなかったとはいえ、カディスが昇格一番乗りを達成。さすがに15年ぶりの1部復帰とあって、未だに新型コロナウィルス流行の影響で自粛モードが続く中、カディス(スペイン南西部のビーチリゾート都市)市内に大勢のファンが集まって、大騒ぎしていたのがマズかったんですかね。 おかげでこの木曜の37節、バルサがすでに残留が確定しているリラックスムードのオサスナに勝っても、日曜の最終節まで持ち越されるのはマドリーがビジャレアルと引き分けか負けた時のみという、かなりリーガ優勝決定の可能性が高まった今、いえ、最初にシベレス(レアル・マドリーが優勝した時にお祝いに行く広場)でのイベントを企画したいと言っていたのは当のマドリッド市長だったんですけどね。火曜には一変、「バルコニーから、レアル・マドリーの旗と拍手で祝ってほしい。De verdad, que no se acerquen a Cibeles/デ・ベルダッド、ケ・ノー・セ・アセルケン・ア・シベレス(本当にシベレスには近づかないように)」とファンに嘆願する破目に。 実際、近年はシベレスにステージを設置、最後は女神像にbandera(バンデラ/旗)やbufanda(ブファンダ/マフラー)をキャプテンたちが巻いた後、サンティアゴ・ベルナベウでのメガフィエスタというのが定番だったクラブも何せ、後者は来季が9月に始まるまで、簡単には元に戻せない大規模改装工事中でもありますからね。昨季はCL連覇も途切れ、リーガに至っては3年ぶりの優勝となるため、祝う気満々のファンが何万人と詰めかけるのを心配したか、「nuestros jugadores no acudirían a los tradicionales lugares de celebración, especialmente a la plaza de Cibeles/ヌエストロス・フガドーレス・ノー・アクディリアン・ア・ロス・トラディソナレス・ルガーレス・デ・セレブラシオン、エスペシアルメンテ・ア・ラ・プラサ・デ・シベレス(我々の選手たちは伝統的な祝勝行事開催ポイント、とりわけシベレス広場には行かない)」とオフィシャル・ウェブに公式声明を出して警告。 とはいえ、クラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)に勝ったぐらいでもシベレスへ行くファンは常にいますし、いくら周辺の警備を厳重にしたとて、人が集まらないことはないんじゃないかと思いますが、さて。加えて木曜の試合はバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノでのホームゲームとなれば、敷地内に入れないのはわかっていても、野っ原の中にある周辺の路上で選手たちの出待ちを兼ねて、盛り上がろうというサポーターが大量に現れても不思議じゃあありませんって。 ま、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢の試合の話もしていかないと。実は前節、一足早く目的を達したチームもあって、それはお隣さんのアトレティコ。でもねえ、土曜の36節ではワンダ・メトロポリターノにベティスを迎えた彼らだったんですが、相手はようやく残留が確定し、ペジェグリーニ監督招聘の発表で、すでに意識が来季の巻き返しに向いていたにも関わらず、すんなり片付かないんですから、これは彼らの宿命と言っていい? というのも前半20分、コレアがゴールを決めたものの、VAR(ビデオ審判)により、事前にマルコス・ジョレンテにハンドがあったとして認められず。36分にもコケが絶妙のスルーパスを送り、モラタが技ありvaselina(バセリーナ/ループシュート)でフィニッシュしながら、VARでほんの数ミリのオフサイドが発覚して、こちらもスコアに挙がらないんですよ。おまけに前半のうちにトリッピアーが腹痛でアリアスと交代したのはともかく、シメオネ監督が後半8分、勝負を懸けて、サウール、ジョレンテ、モラタをジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロへトリプルチェンジした直後、CBのエルモーソがローレンへのタックルでレッドカードって、何てまあ、間が悪いんでしょう! 実際、それについては当のシメオネ監督も「後半、退場者が出た時間が早くて、残り40分近くあったし、選手たちの疲労も溜まっていた。Se me pone la piel de gallina explicándolo/セ・メ・ポネ・ラ・ピエル・デ・ガジーナ・エクスプリカンドロ(説明しているだけで鳥肌が立つね)」と言っていた程で、コレアを下げ、フェリペ投入で守備体制を整えた彼らは、唯一の武器を使えるチャンスを辛抱強く待つことに。もちろんそれは人数的不利があまり関係ないセットプレーで28分、カラスコが蹴ったFKをコスタがヘッドしたところ…。 ていうか、「Si remato bien creo que va fuera, pero el cabezazo es mordido.../シー・レマト・ビエン・クレオ・ケ・バ・フエラ、ペロ・エル・カベサソ・エス・モルディードー(しっかり撃っていたら外れていたと思うけど、完璧なヘッドじゃなかった)」と本人も告白していた通り、頭なんだか、肩なんだか、胸なんだか、腕なんだか、映像でもはっきりしない部分で叩きつけたボールがGKダニ・マルティンを破っただけでなく、VAR裁定もクリアして、とうとう先制点となってくれるとは!その後はロスタイムのベティスのシュートもGKオブラクが難なく捌き、アトレティコは1-0で勝利。勝ち点3ゲットでとうとう、マストのCL出場圏順位確定が叶いましたっけ。 いやあ、度重なる逆境にもめげず、選手たちが目標を達成してくれたことに対して、シメオネ監督は「en el campo no hay gente, pero sí está el alma de ellos y apareció todo eso que tiene el Wanda Metropolitano/エン・エル・カンポ・ノー・アイ・ヘンテ、ペロ・シー・エスタ・エル・アルマ・デ・エジョス・イ・アパレシオ・トードー・エソ・ケ・ティエネ・エル・ワンダ・メトロポリターノ(スタジアムに人はいなくても、彼らの魂はあって、そういうワンダ・メトロポリターノが持っているものが現れた)」とやっぱり、コロナ警戒事態によるparon(パロン/リーガの中断期間)中、下手したら、シーズン打ち切りになって、6位で終わっていたかもしれないという心労もあったんでしょうか。どこか、スピリチュアルな話になっていましたが、TVで試合中継を最後まで見ていたファンはロッカールームに引き上げる際のロディの行動にも感動。 ええ、彼はベティスのエメルソンと話しながら歩いていたんですが、ピッチ入り口前の地面に描かれているクラブの紋章を迂回するよう、さり気に同胞を誘導。入団1年目のロディまでが、クラブのレジェンドであり、2008年のユーロ優勝でスペイン代表の黄金期の礎を築いた、今は亡きルイス・アラゴネス監督の名言、「El escudo del Atlético de Madrid nunca se pisa/エル・エスクード・デル・アトレティコ・デ・マドリッド・ヌンカ・セ・ピサ(アトレティコの紋章を決して踏んではいけない)」を忠実に実践している辺りがツボに入ったのかと。 まあ、そんな彼らは日月と2連休を取った後、木曜一斉午後9時(日本時間翌午前4時)キックオフの試合ではコリセウム・アルフォンソ・ペレスで兄弟分ダービーとなるんですが、日曜にはセビージャもマジョルカに勝ったため、勝ち点で並んだまま、3位の座を確定させることはできず。いやまあ、3位でも4位でもCLグループリーグに直接参加できるんですが、ここ8年連続でチームをCL出場に導いているシメオネ監督は常に3位以上で終わっていますからね。2試合の出場停止処分を受けたエルモーソはもう今季は出られないものの、何せヘタフェの方は中断期間中、ずっと5位と兄貴分の上に立ちながら、再開後はと1勝5分け3敗と絶不調に突入。 月曜のアラベス戦でも前節、ビジャレアル戦でtangana(タンガナ/小競り合い)に参加したエチェイタ(3試合)、ダミアン(2試合)、ニヨム(1試合)、更に累積警告のアンヘルの出場停止が響き、カンテラーノ(ベタフェBの選手)、ウーゴ・ドゥーロの2試合連続かと思われたゴールもVARでマタがハンドを取られ、得点にならずとはツイていない。せっかく日曜にはブタルケでGKクエジェルがパレホのPKを止め、ルーベン・ペレスの先制PKゴールを守って、バレンシアに1-0で勝ち、アラベスと勝ち点差3まで詰めていたお隣さん、レガネスの援護射撃もできずにスコアレスドローで終わったため、まだEL出場も確定できていないですからね。そんなボルダラス監督のチームの希望を砕かず、尚且つ、レアル・ソシエダと対戦するセビージャに抜かされない結果になってくれればと。 何にせよ、こちらは高みでの贅沢な悩みと言ってもいいんですが、やはり絶望的なのは19位のレガネスで、だってえ、16、17位のセルタ、アラベスは勝ち点差4と、あと2試合で追い抜ける可能性はあるものの、間の18位にはマジョルカもいるんですよ。バレンシア戦では、エスパニョール戦で貴重な決勝ゴールを挙げたジョナタン・シルバが退場と、木曜のアスレティック戦なんて、更に得点源が減っている状況ですが、こう悪循環ばかりではねえ。アギーレ監督は「No esperamos nada de nadie. Nuestro objetivo es ganar los dos partidos y esperar/ノー・エスペラモス・ナーダ・デ・ナディエ。ヌエストロ・オブヘティボ・エス・ガナール・ロス・ドス・パルティードス・イ・エスペラル(誰にも何も期待しない。ウチの目標は2連勝して待つことだ)」と言っていましたが、せめて日曜の最終節ではすでに優勝を決定したマドリーをブタルケに迎えられるといいのですが。 え、私がそんなことを言うのは月曜にグラナダ戦に挑んだマドリーが前半8分にはメンディが、10分にはベンゼマが今季リーガ19本目、現在最多のメッシまであと3本と迫るゴールでチームの2点目を挙げた後、「En lugar de ir a matar el partido buscando el 0-3 nos relajamos/エン・ルガール・デ・イル・ア・マタール・エル・パルティードー・ブスカンドー・エル・セロ・トレス・ノス・レラハモス(0-3にして試合に決着をつけにいく代わりにボクらはリラックスしてしまった)」(セルヒオ・ラモス)という状態になったからなのかって? そうですね、もちろんこの連戦日程をこなした後ですから、どのチームも疲れが溜まっているんだと思いますが、後半4分にカセミロがカルロス・フェルナンデスにボールを奪われ、エレラからラストパスを受けたマチスが1点を返したグラナダは終盤、まさに追いつかんばかりの勢いでしたからね。おかげでロスタイムなど、GKクルトワがゴールキックで時間稼ぎして、イエローカードをもらったりしていたんですが、それでも1-2で逃げ切れるのですから、しっかりしているじゃないですか。苦しい試合もあったとはいえ、リーガ再開後、9戦9勝しているとなれば、アトレティコと同じ6勝3分けのバルサが2連覇中だったリーガの王座を譲る破目になってもまったく、文句は言えないかと。 何せ、丁度、木曜の相手、ビジャレアルはセビージャ勝利と自身のレアル・ソシエダ戦での負けが重なり、CL出場権獲得の望みが消滅、その一方でEL出場権は確定とある意味、詰みの状態ですからね。となると、マドリーが勝つのも決して難しくはないかと思いますが、果たして結果は如何に。ちなみにカディスの昇格決定の後、やはり結末が近づいている2部の41節は金曜午後9時から一斉にスタート。直接昇格2番手には岡崎慎司選手のいるウエスカ(現在、3位アルメリアと勝ち点差1の2位)が来るのか、香川真司選手のいるサラゴサ(同、2位と勝ち点差2の4位)になるのかといった興味もあるかと思いますが、マドリッド勢の弟分たちもここが正念場です。 ええ、カディスに勝ったフエンラブラダがプレーオフ出場圏の6位と勝ち点1差の7位、最短1部復帰を狙うラージョはその1つ下の8位で勝ち点差2、そしてアルコルコンも11位ながら、勝ち点差は4と到達可能範囲にあるため、私もそれぞれエルチェ戦、マラガ戦、ラス・パルマス戦が気になるところですが…いやあ、たとえ、レガネスが2部に落ちてもマドリッド1部4チーム体制が維持できるよう、応援している訳では決してないですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.15 19:00 Wed
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