妹が射殺された元ガーナ代表MFが心境を告白、新型コロナウイルスの影響で国に帰れず…

2020.04.15 11:55 Wed
Getty Images
エラス・ヴェローナの元ガーナ代表MFエマヌエル・バドゥが、自身に襲い掛かった苦しみと悲しみを明かした。イギリス『BBC』が伝えた。

現在は世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で世界中でサッカー活動が停止している。ヨーロッパでは特にイタリアが大きな被害を受けている状況。海外への渡航も制限されている状況だ。

イタリアでプレーするバドゥは、新型コロナウイルスで活動が制限されているが、それ以上の悲しみを味わっている。3月16日、母国のガーナ・ベレクムで実の妹であるハガルさんが何者かに射殺されてしまったのだ。
妹の突然の訃報を受けたバドゥだったが、すでにイタリア国内で新型コロナウイルスの感染が拡大していたため、ガーナに戻ることができず。妹の死に寄り添うことができなかった。

バドゥはその当時の心境を明かし、悲しみに暮れていることを告白した。
「2019年、2020年は僕の人生の中で最も過酷な年だった」

「僕は死に近づき、ケガもたくさんした。そして、妹がとても痛い目に遭ってしまった」

「僕も家族もとても複雑だ。妹を撃った男はまだ逃げている。このウイルスのために全ての物事がゆっくり進んでおり、彼らはまだ捕まっていない」

「それは災害だった」

「ここヴェローナで1人で住んでいる。ガールフレンドと子供は一緒には居ない。1人でこのパンデミックの真っ只中にいる」

「家族、友人、チーム、代理人に感謝する」

「監督は僕をチェックするために毎日電話をかけてくる。それは、チームマネージャーと社長も同じだ。すべて素晴らしいものだったよ」

「それらがなかったら、災難としか言えないね」

「僕は34日間部屋にこもっている。妹が痛々しく殺されても、何が起きたのか見に行くこともできなかった」

「でも、これは僕が選んだ仕事。これが置かれている状況なんだ」

「僕はそれを守り、自分を大事にし、精神的に厳しくても、今はそれを向き合って暮らす必要がある。今、僕は何もできない」

そんなバドゥだが、今シーズンの開幕前には自身が命を落とす可能性があった。2019年8月、肺に血栓が見つかり、入院していた。

バドゥは、自身が命の危険に晒された当時を振り返った。

「シーズン前だったけど、すべてが順調だった。あれは、リーグが始まる前の1週間前だったかな」

「試合の翌朝、僕はジムに行きトレーニングをした。その夜、僕は家に帰ると、呼吸が難しくなったんだ」

「最初は真剣に取り合っていなかった。疲れだと思ったんだ」

「朝、鎮痛剤を飲んだ。でも、次の夜に事態は悪化した」

「午前2時に医者に電話をすると、幸いにも彼は起きていたんだ。彼は僕の近くにいるフィジオを向かわせてくれたけど、彼は「すぐに病院に行く必要がある」と言っていた」

「結局、僕の肺に血栓があることが発覚したんだ。3〜4カ月の間、サッカーをプレーできなくなった」

「僕にとってとてもドラマチックな時間だったけど、強くなる必要があった。今は自分の居場所に戻っていることを、神に感謝します」

「とても深刻だったし、もし医者に診てもらうことができなかったら大惨事だったと思う」

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