FIFAとWHOがタッグ! 選手やOBが参加する新型コロナウイルス対策の啓発キャンペーンをスタート

2020.03.24 11:57 Tue
Getty Images
国際サッカー連盟(FIFA)と世界保健機関(WHO)は、世界的な選手たちが率いる新たな啓発キャンペーンをスタートすることを発表した。世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)だが、ヨーロッパや中東ではここ数日で急速に感染者が増え、WHOはパンデミック(世界的大流行)が拡大しているとしていた。

サッカー界では、世界中のほとんどの国で活動が中止に。国内リーグが中断している他、2020年開催予定だったユーロやコパ・アメリカも1年延期されるなど、影響範囲が拡大している。
今回発表されている「Pass the message to kick out coronavirus(コロナウイルスを追い出すためのメッセージ)」というキャンペーンは、WHOのガイダンスに従い、人々が健康を守るために重要な5つのステップを促進しているもの。キャンペーンには28人の選手や監督が、13の言語で公開されているビデオに参加している。

参加者には、現役選手ではリオネル・メッシ(アルゼンチン)やジャンルイジ・ブッフォン(イタリア)、アリソン・ベッカー(ブラジル)、ヤヤ・トゥーレ(コートジボワール)らが参加。引退した選手では、チャビ・エルナンデス(スペイン)やマイケル・オーウェン(イングランド)、サミュエル・エトー(カメルーン)らが参加し、日本からはなでしこジャパンで指揮を執る高倉麻子監督が参加している。

WHOのテドロス・アドハノム・ゲブレイェサス会長は「FIFAとジャンニ・インファンティーノ会長は、当初からこのパンデミックに対するメッセージの伝達に積極的に関わってきた」と語り、「キャンペーンや資金を通じ、FIFAはコロナウイルスに立ち向かった。世界のサッカーがコロナウイルスを追い出すため、WHOを支援してくれることを嬉しく思う。この種のサポートで我々が一緒に勝利することは間違いない」とコメントしている。
また、FIFAのインファンティーノ会長は「コロナウイルスと戦うためにはチームワークが必要だ」とし、「健康が第一であるため、FIFAはWHOと提携した。世界中のフットボールコミュニティにこのメッセージをさらに伝えるため、このキャンペーンのサポートに参加することを呼びかけます。美しいゲームを演じた最高の選手の何人かは、キャンペーンに名前をつけ、COVID-19を追い出すためにメッセージを伝えたいという願いで団結している」とキャンペーンのみならず、新型コロナウイルス対策に動くと語った。

このビデオでは、Hands(手)、Elbows(ヒジ)、Face(顔)、Distance(距離)、Feel(症状)と5つに分かれて選手たちが紹介。手の洗い方、咳やくしゃみ時のヒジの使い方、顔に触れないこと、他人との距離の取り方、そして症状が感じられた時の対応などが紹介されている。

◆キャンペーン参加者
サーミー・アル=ジャービル(サウジアラビア)
アリソン・ベッカー(ブラジル/リバプール)
エムレ・ベロゾグル(トルコ)
ハレド・ボルヘッティ(メキシコ)
ジャンルイジ・ブッフォン(イタリア/ユベントス)
イケル・カシージャス(スペイン)
スニル・チェトリ(インド)
ユーリ・ジョルカエフ(フランス)
ハン・ドゥアン(中国/大連実徳女子)
サミュエル・エトー(カメルーン)
ラダメル・ファルカオ(コロンビア/ガラタサライ)
ローラ・ジョルジュ(フランス/バイエルン女子)
ヴァレリ・カルピン(ロシア)
ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)
フィリップ・ラーム(ドイツ)
ギャリー・リネカー(イングランド)
カーライ・ロイド(アメリカ/スカイ・ブルー)
リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
アーメド・ホッサム・ミド(エジプト)
マイケル・オーウェン(イングランド)
パク・チソン(韓国)
カルレス・プジョル(スペイン)
セリア・シャシッチ(ドイツ)
高倉麻子(日本/なでしこジャパン監督)
ヤヤ・トゥーレ(コートジボワール/無所属)
フアン・セバスティアン・ヴェロン(アルゼンチン)
スン・ウェン(中国)
チャビ・エルナンデス(スペイン)

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