【CLグループ最終節プレビュー①】王者リバプールが南野ザルツと生き残りを懸けた戦いへ、死の組の結末は?
2019.12.10 17:00 Tue
チャンピオンズリーグ(CL)・グループステージ最終節が10日と11日に開催される。ここでは10日に行われるE~Hの最終節のマッチプレビューを紹介していく。
◆グループE:王者リバプールと南野ザルツが決勝T進出を懸けて直接対決

■順位表
1.リバプール(勝ち点10)
2.ナポリ(勝ち点9)
3.ザルツブルク(勝ち点7)
4.ヘンク(勝ち点1)
《26:55》
ザルツブルク vs リバプール
ナポリ vs ヘンク
2週間前に行われた前節ではリバプールがナポリに引き分け、ザルツブルクがヘンクに勝利したことで最終節まで決勝トーナメント進出チームが決まらなかったグループE。迎える最終節では昨季王者リバプールとMF南野擁するザルツブルクがグループステージ突破を懸けた直接対決を戦い、ナポリが敗退の決まっているMF伊東擁するヘンクとホームで対戦する。
前節ナポリ戦では圧倒しながらもアンフィールドで1-1の引き分けに終わったリバプール。首位をキープしたものの突破を決められず、最終節のザルツブルク戦を仮に落とすことになればグループステージ敗退の可能性がある。そのリバプールは引き分けでも突破となる中、直近のボーンマス戦ではFWマネやMFワイナルドゥムを温存して3-0と余裕の勝利を飾り、プレミアリーグで独走態勢を築いている。余力を残してザルツブルク戦に向かえた中、アンフィールドでの対戦では驚異の追い上げに遭ったザルツブルク相手にアウェイの地から勝ち点を持ち帰れるか。
リバプールとザルツブルクが潰し合う中、ナポリとしては勝利すれば自力での決勝トーナメント進出が決められる状況だ。前節リバプール戦では5バックを敷いて守備に専念し、なりふり構わず勝ち点1をもぎ取った。セリエAでは7試合勝利のない泥沼の状態だが、ヨーロッパリーグ(EL)にも回れず敗退が決まっているヘンクを確実に下し、3シーズンぶりの決勝トーナメント進出を果たしたい。
◆グループF:死の組を抜け出すのはインテルかドルトか

■順位表
◎1.バルセロナ(勝ち点11)
2.インテル(勝ち点7)
3.ドルトムント(勝ち点7)
4.スラビア・プラハ(勝ち点2)
◎決勝トーナメント進出決定
《29:00》
インテル vs バルセロナ
ドルトムント vs スラビア・プラハ
グループFでは前節、バルセロナがドルトムントを粉砕し、最終節を前に首位での決勝トーナメント進出を決めた。そしてインテルがスラビア・プラハに競り勝ち、2位に浮上している。迎える最終節、インテルはバルセロナと、ドルトムントはスラビア・プラハといずれもホームで対戦する。
前節スラビア・プラハ戦を好調2トップのFWラウタロ・マルティネスとFWルカク弾で制したインテルは、勝利すれば直接対決の関係でドルトムントの結果に関係なく決勝トーナメント進出となる。直近のローマ戦では今季初めてノーゴールに終わったが、L・マルティネスは鋭い動きを見せており好調を持続。首位通過を既に決めているモチベーションを見出しにくいバルセロナを叩き、グループステージ突破を果たしたい。
一方のドルトムントはインテルが勝利を逃し、自分たちが勝利することで決勝トーナメント進出の可能性に望みを懸ける。バルセロナ戦では成す術なく大敗したドルトムントだが、その後のブンデスリーガでは2連勝し復調気配。とりわけ直近のデュッセルドルフ戦では不調だったMFロイスに2ゴールが生まれるなど5発圧勝してチームのムードを一変させた。ここまで健闘していたスラビア・プラハだが、ELへ回ることも絶たれた相手を確実に下して吉報を待ちたい。
◆グループG: ライプツィヒに続くのはゼニトかリヨンか

■順位表
◎1.ライプツィヒ(勝ち点10)
2.ゼニト(勝ち点7)
3.リヨン(勝ち点7)
4.ベンフィカ(勝ち点4)
◎決勝トーナメント進出決定
《29:00》
ベンフィカ vs ゼニト
リヨン vs ライプツィヒ
グループGでは前節、ベンフィカ相手に土壇場で追いついたライプツィヒがクラブ史上初の決勝トーナメント進出を一足早く決めた。一方でゼニトがリヨンを下し2位に浮上している。迎える最終節、ゼニトは敗退の決まったベンフィカと、リヨンはライプツィヒと対戦する。
勝利すれば自力でのグループステージ突破となるゼニトとしては目の前のベンフィカを下すことに集中できる状況。勝利すればELに回れる可能性があるベンフィカも厄介な相手となりそうだが、ここまで2ゴールを挙げている2トップのFWアズムンとFWジューバの得点力に期待が懸かる。
対するリヨンは決勝トーナメント進出を決めたライプツィヒをホームに迎える。ゼニトが勝利を逃すことを願い、自分たちは必勝を期したい。リヨンとしてはここまで4ゴールを挙げているエースのFWデパイの活躍に期待だ。
◆グループH: 三つ巴の戦い決着へ

■順位表
1.アヤックス(勝ち点10)
2.バレンシア(勝ち点8)
3.チェルシー(勝ち点8)
4.リール(勝ち点1)
《29:00》
アヤックス vs バレンシア
チェルシー vs リール
グループHでは前節、アヤックスが順当にリールを下して単独首位に浮上。一方でチェルシーとバレンシアは激闘の末2-2の引き分けに終わり、直接対決の関係でバレンシアが2位、チェルシーが3位となっている。迎える最終節、アヤックスvsバレンシアの決勝トーナメント進出を懸けた直接対決が行われ、チェルシーはホームでリールと対戦する。
引き分けでも突破となるアヤックスは直近のヴィレム戦ではリーグ戦今季初黒星を喫した。ホームで失態を演じてしまったが、切り替えて2季連続となる決勝トーナメント進出を果たせるか。
対するバレンシアは同勝ち点で並ぶチェルシーがリールを下すことを前提に考えると、勝利しなければ敗退が濃厚だ。こちらは直近のレバンテ戦をFWガメイロのドブレテなどで4-2と逆転勝利し、4位レアル・ソシエダに勝ち点で並んでいる。セラーデス監督の下、まとまりが生まれ始めているチームは、昨季ベスト4チーム撃破となるか。
既に最下位が決定し、敗退の決まっているリールを下せば決勝トーナメント進出となるチェルシーは、直近のエバートン戦を1-3と競り負けた。リーグ戦でやや黒星が目立ち始め、一時の勢いに陰りが見られる状況だが、ヤングスターたちはこの苦境を乗り越えられるか。
◆グループE:王者リバプールと南野ザルツが決勝T進出を懸けて直接対決

Getty Images
■順位表
1.リバプール(勝ち点10)
2.ナポリ(勝ち点9)
3.ザルツブルク(勝ち点7)
4.ヘンク(勝ち点1)
《26:55》
ザルツブルク vs リバプール
ナポリ vs ヘンク
前節ナポリ戦では圧倒しながらもアンフィールドで1-1の引き分けに終わったリバプール。首位をキープしたものの突破を決められず、最終節のザルツブルク戦を仮に落とすことになればグループステージ敗退の可能性がある。そのリバプールは引き分けでも突破となる中、直近のボーンマス戦ではFWマネやMFワイナルドゥムを温存して3-0と余裕の勝利を飾り、プレミアリーグで独走態勢を築いている。余力を残してザルツブルク戦に向かえた中、アンフィールドでの対戦では驚異の追い上げに遭ったザルツブルク相手にアウェイの地から勝ち点を持ち帰れるか。
一方、ヘンク相手に南野弾やFWハーランドの5戦連発弾など実力差を見せ付けて4-1と圧勝したザルツブルクは、最終節に突破の望みを繋げた。リバプールに勝利することで突破の道が開けるザルツブルクとしては持ち前の攻撃力を存分に生かしたオープンな戦いに持ち込みたい。アンフィールドでゴールを挙げた南野はもちろん、ブレイク中のハーランドがグループステージ全試合でゴールを記録するかにも注目だ。
リバプールとザルツブルクが潰し合う中、ナポリとしては勝利すれば自力での決勝トーナメント進出が決められる状況だ。前節リバプール戦では5バックを敷いて守備に専念し、なりふり構わず勝ち点1をもぎ取った。セリエAでは7試合勝利のない泥沼の状態だが、ヨーロッパリーグ(EL)にも回れず敗退が決まっているヘンクを確実に下し、3シーズンぶりの決勝トーナメント進出を果たしたい。
◆グループF:死の組を抜け出すのはインテルかドルトか

Getty Images
■順位表
◎1.バルセロナ(勝ち点11)
2.インテル(勝ち点7)
3.ドルトムント(勝ち点7)
4.スラビア・プラハ(勝ち点2)
◎決勝トーナメント進出決定
《29:00》
インテル vs バルセロナ
ドルトムント vs スラビア・プラハ
グループFでは前節、バルセロナがドルトムントを粉砕し、最終節を前に首位での決勝トーナメント進出を決めた。そしてインテルがスラビア・プラハに競り勝ち、2位に浮上している。迎える最終節、インテルはバルセロナと、ドルトムントはスラビア・プラハといずれもホームで対戦する。
前節スラビア・プラハ戦を好調2トップのFWラウタロ・マルティネスとFWルカク弾で制したインテルは、勝利すれば直接対決の関係でドルトムントの結果に関係なく決勝トーナメント進出となる。直近のローマ戦では今季初めてノーゴールに終わったが、L・マルティネスは鋭い動きを見せており好調を持続。首位通過を既に決めているモチベーションを見出しにくいバルセロナを叩き、グループステージ突破を果たしたい。
一方のドルトムントはインテルが勝利を逃し、自分たちが勝利することで決勝トーナメント進出の可能性に望みを懸ける。バルセロナ戦では成す術なく大敗したドルトムントだが、その後のブンデスリーガでは2連勝し復調気配。とりわけ直近のデュッセルドルフ戦では不調だったMFロイスに2ゴールが生まれるなど5発圧勝してチームのムードを一変させた。ここまで健闘していたスラビア・プラハだが、ELへ回ることも絶たれた相手を確実に下して吉報を待ちたい。
◆グループG: ライプツィヒに続くのはゼニトかリヨンか

Getty Images
■順位表
◎1.ライプツィヒ(勝ち点10)
2.ゼニト(勝ち点7)
3.リヨン(勝ち点7)
4.ベンフィカ(勝ち点4)
◎決勝トーナメント進出決定
《29:00》
ベンフィカ vs ゼニト
リヨン vs ライプツィヒ
グループGでは前節、ベンフィカ相手に土壇場で追いついたライプツィヒがクラブ史上初の決勝トーナメント進出を一足早く決めた。一方でゼニトがリヨンを下し2位に浮上している。迎える最終節、ゼニトは敗退の決まったベンフィカと、リヨンはライプツィヒと対戦する。
勝利すれば自力でのグループステージ突破となるゼニトとしては目の前のベンフィカを下すことに集中できる状況。勝利すればELに回れる可能性があるベンフィカも厄介な相手となりそうだが、ここまで2ゴールを挙げている2トップのFWアズムンとFWジューバの得点力に期待が懸かる。
対するリヨンは決勝トーナメント進出を決めたライプツィヒをホームに迎える。ゼニトが勝利を逃すことを願い、自分たちは必勝を期したい。リヨンとしてはここまで4ゴールを挙げているエースのFWデパイの活躍に期待だ。
◆グループH: 三つ巴の戦い決着へ

Getty Images
■順位表
1.アヤックス(勝ち点10)
2.バレンシア(勝ち点8)
3.チェルシー(勝ち点8)
4.リール(勝ち点1)
《29:00》
アヤックス vs バレンシア
チェルシー vs リール
グループHでは前節、アヤックスが順当にリールを下して単独首位に浮上。一方でチェルシーとバレンシアは激闘の末2-2の引き分けに終わり、直接対決の関係でバレンシアが2位、チェルシーが3位となっている。迎える最終節、アヤックスvsバレンシアの決勝トーナメント進出を懸けた直接対決が行われ、チェルシーはホームでリールと対戦する。
引き分けでも突破となるアヤックスは直近のヴィレム戦ではリーグ戦今季初黒星を喫した。ホームで失態を演じてしまったが、切り替えて2季連続となる決勝トーナメント進出を果たせるか。
対するバレンシアは同勝ち点で並ぶチェルシーがリールを下すことを前提に考えると、勝利しなければ敗退が濃厚だ。こちらは直近のレバンテ戦をFWガメイロのドブレテなどで4-2と逆転勝利し、4位レアル・ソシエダに勝ち点で並んでいる。セラーデス監督の下、まとまりが生まれ始めているチームは、昨季ベスト4チーム撃破となるか。
既に最下位が決定し、敗退の決まっているリールを下せば決勝トーナメント進出となるチェルシーは、直近のエバートン戦を1-3と競り負けた。リーグ戦でやや黒星が目立ち始め、一時の勢いに陰りが見られる状況だが、ヤングスターたちはこの苦境を乗り越えられるか。
リバプールの関連記事
UEFAチャンピオンズリーグの関連記事
|
リバプールの人気記事ランキング
1
「これがアシストになるのか!」遠藤航、プレミアリーグ開幕戦で右サイドバック出場&アシスト 50試合出場の節目を飾る「ラッキーアシストだけど数字は大事」
リヴァプールの日本代表MF遠藤航が、プレミアリーグ開幕節のボーンマス戦に途中出場。ダメ押しゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献した。初戦からの活躍ぶりにファンたちが歓喜した。なお遠藤はこの試合でプレミアリーグ通算50試合出場を達成している。 <iframe width="100%" height="360" src="https://www.youtube.com/embed/0Vd5FfDSETM" title="【ショートハイライト|リヴァプール v ボーンマス】プレミアリーグ25/26 第1節" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 昨季のプレミアリーグ王者であるリヴァプールは、開幕節でボーンマスをアンフィールドに迎えた。ベンチスタートだった遠藤は、2ー0とリードして迎えた60分にジェレミー・フリンポンとの交代で右サイドバックとしてピッチに立った。 その後は2点を奪われて試合は振り出しとなるも、88分にフェデリコ・キエーザのゴールで勝ち越し。迎えた90+4分に遠藤の見せ場を迎えた。 フィルジル・ファン・ダイクが競り合って溢れたボールに反応した遠藤は、自陣から前線に向かって右足で大きくクリアする。このボールを回収したモハメド・サラーがそのままボックス左まで運び、カットインから右足を振り抜くとこれがゴールネットに吸い込まれた。 サラーの個人技もあって、遠藤のプレーはアシストがつく結果に。するとファンたちはSNS上で「遠藤が開幕戦からアシスト!」「ラッキーアシストだけど数字は大事」「これがアシストになるのか!」「50試合出場の日にアシストがつくなんて!」「開幕戦から最高だわ」「遠藤のアシストは嬉しい」「今季もクローザーとしてめちゃくちゃ活躍しそう」「これはサラーさまさまだな」と歓喜の声が並んでいる。 また、地元メディアである『Liverpool echo』は遠藤に「6」をつけて「右サイドバックでのプレーは快適ではなかったようで、中央に移動。4点目をアシストした」と報道。同じく地元メディアの『Liverpool.com』は「6」をつけるもののは「当初右サイドバックを務めたこの日本人選手は、ブルックスという優れた選手と対戦することとなった。ブルックスを比較的うまくかわしたが、ボーンマスのゴールは彼が前線で捕まった際に生まれたものだった」と失点場面を指摘した。 2025.08.16 10:44 Sat2
リバプールのレジェンドGKローレンス氏が77歳で死去
▽リバプールのレジェンドGKであるトミー・ローレンス氏が10日、77歳で死去した。 ▽1957年10月に17歳でリバプールとプロ契約を結んだローレンス氏は、トップリーグで2度の優勝、FAカップで1度の優勝に貢献。名将ビル・シャンクリー体制となって低迷期からの脱却を図っていた時代のリバプールを支えた守護神だった。 ▽リバプールでは1971年に退団するまで公式戦390試合に出場した。 2018.01.11 01:00 Thu3
かつて“神童”と期待された元リバプールのMFウッドバーン、新天地はイングランド4部のサルフォード・シティに決定
かつてリバプールで“神童”と謳われ、その将来が嘱望されていた元ウェールズ代表MFベン・ウッドバーン(24)。23日に、EFLリーグ2(イングランド4部)のサルフォード・シティへの加入が発表された。 リバプールのアカデミー育ちであるウッドバーンは、2016年11月に行われたプレミアリーグに17歳と42日で出場してファーストチームデビュー。そのデビュー戦の3日後に行われたEFLカップ準決勝のリーズ戦では、クラブ史上最年少ゴール記録(17歳と45日)を樹立し、クラブやメディア、ファンから大きな期待が寄せられていた。 しかし、その後は伸び悩みファーストチームで思うような出場機会を得られず。シェフィールド・ユナイテッド、オックスフォード・ユナイテッド、ブラックプールと国内の下部カテゴリーのクラブや、スコットランドのハーツへの武者修行を繰り返すも結局リバプールではチャンスがなく、2022年夏に退団が発表された。 その後は同年夏にチャンピオンシップ(イングランド2部)のプレストンに加入すると、在籍2シーズンで公式戦通算64試合3ゴール3アシストを記録。昨シーズンはリーグ戦21試合に出場したが先発はわずか1試合にとどまり、今夏に契約満了で退団していた。 ここまで残念ながら期待されていたようなキャリアは送れていないウッドバーンだが、まだ24歳。2年契約を締結したサルフォード・シティで、再び輝く姿が期待されている。 2024.07.24 18:20 Wed4
ヴェンゲル、スアレスへの“4000万1ポンド”オファーを反省 「馬鹿げていた…」
2018年までアーセナルで長期政権を築いたアーセン・ヴェンゲル氏が、リバプールから 引き抜きを狙ったウルグアイ代表FWルイス・スアレスに関するエピソードについて語った。イギリス『ミラー』などが伝えている。 今夏にバルセロナからアトレティコ・マドリーに移籍したスアレスは、2011年1月から2014年7月までリバプールに所属。公式戦133試合に出場し82得点を記録するなど、絶対的なエースとして君臨していた。 そのリバプールのエースの獲得に向け、アーセナルが動いたのが2013年の夏。 当時、チャンピオンズリーグ(CL)から遠ざかるなど、低迷が続いていたクラブからの退団の意思を示していたスアレスに関して、ヴェンゲル氏はCL出場権を切り札のひとつとして獲得が可能と踏んでいた。ただ、同じプレミアリーグのライバルへの売却を望まないリバプールの徹底抗戦が予想されていた。 ただ、当時スアレスには4000万ポンド(約54億8000万円)の契約解除金が設定されていると報じられており、アーセナルはこの金額に1ポンド(約136円)を上乗せした“4000万1ポンド”のオファーを掲示し、エースの引き抜きを図った。 やや非常識ともいえるこのオファーは物議を醸し、リバプールのオーナーであるジョン・ヘンリー氏は自身の『ツイッター』で「彼らはエミレーツで何か(薬のようなものを)吸っているのか?」と呟くなど激高。また、実際に前述の契約解除条項は存在しておらず、リバプール側が交渉を拒否したこともあり、スアレス獲得は実現しなかった。 ただ、10月13日に販売が開始されたヴェンゲル氏の自叙伝『My Life in Red and White: My Autobiography』によると、同氏は契約解除条項が存在しないことを理解した上で前述のオファーを掲示していたという。そして、自身の振る舞いを反省している。 「2013-14シーズンにスアレスを獲得したいと思っていた。我々はプレーヤー本人、代理人と合意に達していた。そして、彼の代理人は4000万ポンド以上のオファーがあれば、リバプールは彼を手放さなければならない条項があると主張していた」 「しかし、リバプール内部の軽率な振る舞いのおかげで、そんな条項が存在しないということも理解していた。その事実を確かめるために、4000万1ポンドのオファーを出した。これについては、馬鹿げていると思われただろうし、私自身も同意する」 「リバプールはスアレスを売る気がなかったし、彼らにはプレーヤーを残すだけの(金銭的)余裕があった。さらに、既にバルセロナからのオファーが差し迫っていた」 リバプールはアーセナルからのオファーを拒絶した1年後に、スアレスをバルセロナに6500万ポンド(約89億円)で売却している。ヴェンゲル氏からすると、交渉上の駆け引きのつもりだったと思われるが、ビッグネームの獲得を逃しただけでなく、相手方にばらされてひんしゅくまで買う苦い経験だったようだ。 2020.10.15 17:03 Thu5