前後半の出来の差は? 見えたオートマティズムと戦い方の選択/日本代表コラム

2019.09.08 17:00 Sun
©超ワールドサッカー
コパ・アメリカから約2カ月。久々に集まった日本代表は、キリンチャレンジカップ2019でパラグアイ代表と対戦した。カタール・ワールドカップ(W杯) アジア2次予選を控える日本にとって、この一戦は確認と調整の場であっただろう。

★攻撃で見せたオートマティズム
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日本は1年間にわたる森保一体制においての主力選手が順当に先発。ボランチのMF橋本拳人(FC東京)以外は、主軸を担ってきた選手たちだ。

コパ・アメリカで見せた[3-4-2-1]のシステムではなく、[4-2-3-1]のシステムで臨んだ日本は、チームのコンセプト、選手間の連携と積み上げたものがあり、前半でその差を見せる。
最前線の大迫勇也(ブレーメン)を起点に、トップ下の南野拓実(ザルツブルク)、右サイドの堂安律(PSV)、左サイドの中島翔哉(ポルト)が連動。パラグアイ陣内でのプレー時間が長く、序盤からペースを握っていた。

特に、相手のアンカーの脇を南野に加え、堂安、中島の両サイドが絞ってポジションを取ることで、相手のバイタルエリアを攻略。さらに、サイドが絞ることで、同サイドバックの酒井宏樹(マルセイユ)、長友佑都(ガラタサライ)が上がりを見せ、攻撃に厚みをもたらせていた。
1点目の大迫のゴールは、中に絞った中島へ橋本がパス。これをダイレクトで、同じく中に絞った堂安へパスを出すと、空いたサイドのスペースに上がってきた長友へと展開。ニアに飛び込んだ大迫がクロスを蹴り込んで決めたシーンだった。

2点目のシーンも中に絞った中島がパスを受けると、右サイドを駆け上がった酒井に展開。この時に大迫はバイタルエリアに残り、堂安と南野が最前線に駆け込んだダメ、酒井へのコースが空いた。あとは、酒井が冷静にフリーになった南野へと丁寧にクロスを送ったわけだが、見事な連携プレーだったと言える。

「お互いが意思疎通を図り、イメージを共有してくれた」と森保監督が試合後に語ったように、呼吸の合い方、味方のポジショニングと理解が進んでいることがみられた。先発したメンバーでは一定のパフォーマンスが出せることは、この先の戦いに向けた自信になるだろう。

★冨安の可能性、久保の存在
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後半に入り、日本は選手を入れ替えた。多くの人が楽しみにしていた久保建英(マジョルカ)も後半スタートからピッチに入り、45分間プレーを見せた。

コパ・アメリカではトップ下でプレーしていたが、この試合では2列目の右サイド。堂安のポジションに入ってのプレーとなった。ボールを持てば、自分で仕掛け、味方との連携もまずまず。久保らしさは投入直後から見せる。

特に右サイドからのFKとCKのキッカーは久保に任され、2本のFKからはゴールを狙いあわやというシュートを見せた。

また、右サイドを抉ったプレーでは、ボックス内の角度のないところから強引にシュート。これはクロスバーを叩いてしまったが、アグレッシブな姿勢を見せたことはポジティブな結果と言えるだろう。
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もう1人、後半に輝きを見せた選手がいる。それが冨安健洋(ボローニャ)だ。前半は吉田麻也(サウサンプトン)とセンターバックでコンビを組むと、後半は右サイドバックのポジションに入った。

今季からプレーするボローニャでは右サイドバックを任されており、イタリア国内での評価も高い。アグレッシブに攻撃参加する点は前半からも見え、後半はサイドバックながら中に絞った守備、オーバーラップなど随所に能力の高さを見せた。

冨安はクラブとの役割の違いを感じながらも「そんなに戸惑いなく入れた」とコメントしている。イタリアでさらに成長し、攻守にわたってプレーの幅を広げてもらいたいところだ。

★求められる対応力、柔軟性のある戦い方
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一定のメンバーではオートマティズムが見えた一方で、後半の戦い方は微妙なズレ、相手の対策への対応の遅れが見えたことも事実だ。

前線のユニットも大迫、南野、久保、そして原口元気(ハノーファー)に代わり、前半とは戦い方を変えた。また、柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ)や長友、酒井が下がったこともあり、連動という点でも前半ほどスムーズにはいかなかった。

ベストなメンバーを常に組める状況であれば、力を発揮できるチームだが、少しメンバーが入れ替わると機能不全を起こすことはこれまでの戦いでも見られた。特に前線の4名のうち1人が変わるだけで、同じ戦いはできない状況。この課題は、この先の戦いを考えても解決していかなければならないものだ。

例えば、大迫が起用できないと想定すれば、永井謙佑(FC東京)、鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)が控えている。彼らはスピードに長けた選手であり、スペースを突かせれば相手の脅威となるだろう。しかし、パラグアイ戦では永井のスピードを活かせたかというと、ほとんどランニングしてスペースを突くシーンはなかった。選手の特性に合わせて、プレーの選択をさせなくてはいけないだろう。

アジア2次予選は、慣れない環境で戦うこともあり、この予選を経験していない選手が多いことも1つの不安材料。誰が出ても一定の戦いができなければ、足元をすくわれることも考えられる。そのためにも、1つの戦い方に固執しない対応力が求められる。

ケガ、出場停止、コンディション不良…様々な状況を考慮し、多くの可能性を試すことが森保監督には求められる。リアリストになり、予選で必要な“勝利”という結果を突き詰められるかが重要となる。選手だけでなく、初めて予選を戦う監督の手腕、判断にも期待だ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》

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元日本代表MF橋本英郎氏の引退試合で、南アフリカ・ワールドカップ(W杯)の3トップの共演も実現していた。 16日に行われた橋本氏の引退試合。2005年のJ1初優勝時メンバーで構成される「ガンバ大阪'05」と、日本代表時代のチームメイトで構成される「日本代表フレンズ」が対戦し、「ガンバ大阪'05」が7-5で勝利していた。 豪華なメンバーが揃った中、試合3日前にはMF本田圭佑の参加も決まり、「日本代表フレンズ」の一員としてプレーしていた。 また、大久保嘉人氏、松井大輔もそれぞれ「日本代表フレンズ」のメンバーとしてプレー。なんと、2010年の南アフリカW杯で3トップを組んだ3人が集結することとなった。 本人たちとしても感慨深いものがあったようで、松井は19日にインスタグラムを更新。3人での集合写真を投稿している。 「2010年ワールドカップ以来 3トップナツい‼️」 また、大久保氏も自身のインスタグラムのストーリーズで同じ写真を投稿し、「南アフリカW杯 3トップ あの時は走ったね~」と当時を振り返っていた。 南アフリカW杯の日本代表は岡田武史監督が指揮。大会直前に本田を最前線へと据える形を採用し、左に松井、右に大久保氏を起用すると、初戦となったカメルーン代表戦では松井のアシストから本田が決勝点をマーク。デンマーク代表戦では本田が鮮烈なFKを決めるなどグループステージを突破し、ベストイレブン16という成績を残していた。 当時が思い出される貴重な3ショットには、ファンも「最高過ぎます」、「最高のメンツ」、「すっごくなついわー」とコメントを寄せている。 橋本氏の引退試合には、3人以外にも楢崎正剛氏、中澤佑二氏、稲本潤一氏、中村憲剛氏、玉田圭司氏、駒野友一氏、今野泰幸、内田篤人氏、遠藤保仁と多くの南アフリカW杯メンバーが参加。さらに「日本代表フレンズ」は岡田監督が指揮していた。 <span class="paragraph-title">【写真】南アフリカW杯の日本代表3トップが再び集結!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C1B4fkEPOVT/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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