【リーガエスパニョーラ・シーズンプレビュー】2連覇王者バルサ優位も3強による熾烈な覇権争い復活か
2019.08.16 19:00 Fri
2019-20シーズンのリーガエスパニョーラが8月16日(金)に開幕を迎える。昨シーズンはマドリードの2強の自滅によって独走したバルセロナの連覇に終わったが、今シーズンは再び3強による熾烈な覇権争いが期待される。
◆ネイマール復帰は? 的確補強で優勝の最右翼~バルセロナ~
ラ・リーガ3連覇に加えチャンピオンズリーグ(CL)、コパ・デル・レイのシーズン3冠を目指すブラウグラナは、今夏の移籍市場で積極的な補強を敢行。昨夏にも獲得寸前に迫ったアトレティコのエースFWグリーズマンに加え、新司令塔候補にアヤックスの新鋭MFフレンキー・デ・ヨング、勤続疲労が指摘されるDFジョルディ・アルバのバックアップにベティスDFジュニオール・フィルポを確保。DFデ・リフトの獲得撤退とDFムサ・ワゲのトップ昇格に留まった最終ラインにやや不安を残すが、ほぼ戦力ダウンなしでの戦力増強に成功。さらに、移籍市場閉幕までにFWネイマールの復帰、MFコウチーニョの放出という“大きな動き”も噂される。
その中で注目を集めるのが、バルベルデ監督が選択する今シーズンのメインシステムだ。プレシーズンマッチではメッシの不在もあってグリーズマンを最前線、左ウイングに配した[4-3-3]を採用していたが、スアレスを含めた3選手の連係が深まれば、メッシを中央でフリーマンとする[4-3-1-2]や、メッシとグリーズマンの2トップによる中盤フラットの[4-4-2]など、様々なオプションも想定される。さらに、ネイマール復帰となれば、守備度外視で世界最高峰のアタッカー4人を並べるテレビゲームのような布陣も実現するはずだ。
◆積極補強も不穏な船出か?~レアル・マドリー~
また、今夏のプレシーズンマッチではジダン監督時代の主力が多く残留しているにも関わらず、90分間での勝利がわずかに2勝と思うような結果を残せず。とりわけ、アメリカで行われたアトレティコとのダービーでは3-7という屈辱的な敗戦を喫しており、ピリッとしない守備陣やオーバーウエイトでキレを欠く新エース候補アザールを含め厳しい船出が予想される。なお、リザーブチームにあたるレアル・マドリー・カスティージャをひとまず主戦場とする久保に関してはトップチーム登録やバジャドリー移籍の可能性も伝えられるが、果たして…。
◆近年稀に見る大刷新! 超新星フェリックスに注目!~アトレティコ・マドリー~
新シーズンに向けては新契約を締結したシメオネ監督の続投こそ決まったものの、近年の成功に大きく貢献したDFゴディン、DFフィリペ・ルイス、DFフアンフラン、グリーズマンの重鎮、今後の中心選手を担うMFロドリ、DFリュカが一気に退団。代わって今夏ここまでの移籍市場最高額でベンフィカの超新星FWフェリックス、MFマルコス・ジョレンテ、DFエルモソ、MFエクトル・エレーラ、DFトリッピアー、DFフェリペなど、若手と即戦力を組み合わせた8人を獲得した。
プレシーズンマッチではグリーズマンの後釜を担うフェリックスが評判以上の輝きを放つなど、PK戦での勝利を含め6連勝という最高の形でシーズン開幕を迎えることになった。ただ、シーズンを通しては百戦錬磨の重鎮たちの不在によって、メンタル面やロッカールームの一体感という部分が懸念材料となりそうだ。新主将のMFコケや生え抜きのMFサウール、新ディフェンスリーダーのDFヒメネスら新たなリーダーたちの役割が重要になる。
◆オトラ・リーガの主役は?~セビージャ、バレンシア、ベティス~
昨季、マチン、カパロスという2人監督の下でヨーロッパリーグ(EL)出場圏内ギリギリの6位フィニッシュとなったセビージャは、ローマを退団した敏腕SDモンチ氏の復帰に伴い、今夏大幅なチーム刷新に動いた。前レアル・マドリー指揮官のロペテギ新監督を招へいし、開幕時点で11人の新戦力を獲得。昨季、主力のMFサラビア、FWベン・イェデルらの流出は痛手となったが、モンチ氏の慧眼を生かしてボルドーDFクンデやPSVのFWルーク・デ・ヨング、モナコMFロニー・ロペス、マルセイユFWオカンポスなど実力者を確保。また、指揮官の戦術を知るポルトMFオリベル・トーレスやレアル・マドリーDFレギロンらも獲得しており、新シーズンの躍進を期待させる夏を過ごしている。
昨季、序盤戦の大不振から見事に立ち直り、4位フィニッシュとコパ・デル・レイ制覇と近年で最高の戦績を手にしたバレンシアだが、今シーズンに関しては難しいシーズンになる可能性が指摘される。現時点で公式なアナウンスはないものの、エースFWロドリゴにアトレティコ行き濃厚との報道が出ており、仮にマルセリーノ体制でエースに君臨した同選手の流出となれば、昨季同様に序盤戦で苦しむことになるかもしれない。ここまでの補強に関してはGKネト、FWサンティ・ミナとのトレードという形でバルセロナGKシレッセン、セルタFWマキシ・ゴメスの獲得に始まり、ビジャレアルDFジャウメ・コスタ、レバンテMFジェイソンと国内の中堅クラブの主力、DFマンガラの復帰など最小限の補強に留まっている印象だ。そのため、昨季と同等の成果を得るには逸材MFフェラン・トーレスやMFソレール、FWゴンサロ・ゲデスら若手の覚醒が必要となるはずだ。
宿敵セビージャと同様に今夏監督交代に踏み切った昨季10位のベティスは“ポジショナルプレーの権化”セティエン前監督から、よりダイナミックな縦への推進力を求める前エスパニョール指揮官のルビ新監督を招へい。今夏の移籍市場では守護神パウ・ロペス、MFロ・セルソ、フィルポと3人の主力を引き抜かれた一方、ルビ監督の下で昨季17ゴールを記録したエスパニョールFWボルハ・イグレシアス、ビッグクラブの関心を集めたリヨンFWフェキル、ソシエダFWフアンミ、フィルポ後釜にビジャレアルMFペドラサを確保するなど、主力流出を補って余りある補強に成功。極端なチームスタイルの転換によって序盤戦の苦戦は予想されるが、ヨーロッパ出場権に絡む躍進が期待される。
その他では昨季7位のエスパニョールやELとの二足の草鞋を履く5位のヘタフェ、アスレティック・ビルバオ、ソシエダあたりがヨーロッパ出場権に絡むことになりそうだ。また、いずれも久々のプリメーラ復帰となるオサスナやグラナダ、マジョルカの昇格組3チームの戦いにも注目したい。
◆乾がエイバル帰還~日本人選手~
昨夏、ステップアップを図って加入したベティスでは、親しみの薄い“ポジショナルプレー”への順応に加え、セティエン監督が採用したシステムに適正ポジションを見いだせず、リーグ戦8試合の出場にとどまった。それでも、今年1月にレンタル移籍したアラベスでは12試合で2ゴールを挙げるなど、本調子を取り戻している。
1年ぶりの復帰となるエイバルでは恩師メンディリバル監督の存在もあって主力としての起用が濃厚だ。起用法に関しては昨季左サイドハーフでブレイクを果たし、バルセロナ経由でヘタフェに旅立ったDFククレジャの後釜としての役割が求められる。縦への推進力では劣るものの、ドリブル精度やプレーの引き出しの多さでは乾が勝っており、昨季とは異なる形でエイバルのサイドアタックを活性化させたい。
◆ネイマール復帰は? 的確補強で優勝の最右翼~バルセロナ~

Getty Images
今シーズンも優勝候補の筆頭は2連覇中の王者バルセロナだ。昨季は一時調子を崩した時期こそあったものの、絶好調だったエースFWメッシに加え、DFピケの復活で安定感を取り戻した守備陣の好パフォーマンスもあり、シーズンを通して順調に勝ち点を積み重ねて王者に相応しい1年を過ごした。ラ・リーガ3連覇に加えチャンピオンズリーグ(CL)、コパ・デル・レイのシーズン3冠を目指すブラウグラナは、今夏の移籍市場で積極的な補強を敢行。昨夏にも獲得寸前に迫ったアトレティコのエースFWグリーズマンに加え、新司令塔候補にアヤックスの新鋭MFフレンキー・デ・ヨング、勤続疲労が指摘されるDFジョルディ・アルバのバックアップにベティスDFジュニオール・フィルポを確保。DFデ・リフトの獲得撤退とDFムサ・ワゲのトップ昇格に留まった最終ラインにやや不安を残すが、ほぼ戦力ダウンなしでの戦力増強に成功。さらに、移籍市場閉幕までにFWネイマールの復帰、MFコウチーニョの放出という“大きな動き”も噂される。
◆積極補強も不穏な船出か?~レアル・マドリー~

Getty Images
ロペテギ、ソラーリ、ジダンと3人の監督の下で昨季を戦ったレアル・マドリーは、公式戦の敗戦数や失点数など近年のクラブワーストをことごとく更新する屈辱のシーズンを過ごした。そして、ジダン第2次体制の実質1年目となる今シーズンはその屈辱を払拭することが求められる。ジダン監督再任要請の際に今夏の大型補強を約束したペレス会長の下、意中のチェルシーMFアザール、手薄な最終ラインにポルトDFミリトン、リヨンDFメンディ、エースFWベンゼマのバックアップにフランクフルトFWヨビッチ。近未来の主力候補としてサントスFWロドリゴ、日本代表FW久保建英と移籍市場序盤に積極補強を敢行。その一方で、MFベイルやMFハメス・ロドリゲス、GKケイロル・ナバスなど余剰人員の売却交渉に手間取った影響もあって、その後の補強が停滞。ジダン監督がアザールと共に獲得を望むマンチェスター・ユナイテッドMFポグバやそのプランBであるトッテナムMFエリクセン、アヤックスMFファン・デ・ベーク、ポグバ失敗時の保険と目されるFWネイマールの交渉を開幕までに完了させることができず、ジダン監督とペレス会長の関係悪化も指摘されている。
また、今夏のプレシーズンマッチではジダン監督時代の主力が多く残留しているにも関わらず、90分間での勝利がわずかに2勝と思うような結果を残せず。とりわけ、アメリカで行われたアトレティコとのダービーでは3-7という屈辱的な敗戦を喫しており、ピリッとしない守備陣やオーバーウエイトでキレを欠く新エース候補アザールを含め厳しい船出が予想される。なお、リザーブチームにあたるレアル・マドリー・カスティージャをひとまず主戦場とする久保に関してはトップチーム登録やバジャドリー移籍の可能性も伝えられるが、果たして…。
◆近年稀に見る大刷新! 超新星フェリックスに注目!~アトレティコ・マドリー~

Getty Images
今夏、前述の2チーム以上に大幅なスカッド刷新に動いたアトレティコは、大きな期待と不安の双方を抱えて新シーズンに挑む、今季最注目のチームだ。昨季はグリーズマンを含め主力の残留と、クラブ史上最高額での加入となったMFレマルなど積極補強を敢行し、大きな期待を集めたものの、最終的には首位のバルセロナと勝ち点11差の2位で無冠に終わる厳しい1年となった。新シーズンに向けては新契約を締結したシメオネ監督の続投こそ決まったものの、近年の成功に大きく貢献したDFゴディン、DFフィリペ・ルイス、DFフアンフラン、グリーズマンの重鎮、今後の中心選手を担うMFロドリ、DFリュカが一気に退団。代わって今夏ここまでの移籍市場最高額でベンフィカの超新星FWフェリックス、MFマルコス・ジョレンテ、DFエルモソ、MFエクトル・エレーラ、DFトリッピアー、DFフェリペなど、若手と即戦力を組み合わせた8人を獲得した。
プレシーズンマッチではグリーズマンの後釜を担うフェリックスが評判以上の輝きを放つなど、PK戦での勝利を含め6連勝という最高の形でシーズン開幕を迎えることになった。ただ、シーズンを通しては百戦錬磨の重鎮たちの不在によって、メンタル面やロッカールームの一体感という部分が懸念材料となりそうだ。新主将のMFコケや生え抜きのMFサウール、新ディフェンスリーダーのDFヒメネスら新たなリーダーたちの役割が重要になる。
◆オトラ・リーガの主役は?~セビージャ、バレンシア、ベティス~

Getty Images
飛び抜けた戦力、実績を持つ3強による別次元の優勝争いが行われる一方、オトラ・リーガの戦いにも注目が集まる。そのオトラ・リーガの覇権争いを牽引することが期待されるのが、セビージャ、バレンシア、ベティスの3チームだ。昨季、マチン、カパロスという2人監督の下でヨーロッパリーグ(EL)出場圏内ギリギリの6位フィニッシュとなったセビージャは、ローマを退団した敏腕SDモンチ氏の復帰に伴い、今夏大幅なチーム刷新に動いた。前レアル・マドリー指揮官のロペテギ新監督を招へいし、開幕時点で11人の新戦力を獲得。昨季、主力のMFサラビア、FWベン・イェデルらの流出は痛手となったが、モンチ氏の慧眼を生かしてボルドーDFクンデやPSVのFWルーク・デ・ヨング、モナコMFロニー・ロペス、マルセイユFWオカンポスなど実力者を確保。また、指揮官の戦術を知るポルトMFオリベル・トーレスやレアル・マドリーDFレギロンらも獲得しており、新シーズンの躍進を期待させる夏を過ごしている。
昨季、序盤戦の大不振から見事に立ち直り、4位フィニッシュとコパ・デル・レイ制覇と近年で最高の戦績を手にしたバレンシアだが、今シーズンに関しては難しいシーズンになる可能性が指摘される。現時点で公式なアナウンスはないものの、エースFWロドリゴにアトレティコ行き濃厚との報道が出ており、仮にマルセリーノ体制でエースに君臨した同選手の流出となれば、昨季同様に序盤戦で苦しむことになるかもしれない。ここまでの補強に関してはGKネト、FWサンティ・ミナとのトレードという形でバルセロナGKシレッセン、セルタFWマキシ・ゴメスの獲得に始まり、ビジャレアルDFジャウメ・コスタ、レバンテMFジェイソンと国内の中堅クラブの主力、DFマンガラの復帰など最小限の補強に留まっている印象だ。そのため、昨季と同等の成果を得るには逸材MFフェラン・トーレスやMFソレール、FWゴンサロ・ゲデスら若手の覚醒が必要となるはずだ。
宿敵セビージャと同様に今夏監督交代に踏み切った昨季10位のベティスは“ポジショナルプレーの権化”セティエン前監督から、よりダイナミックな縦への推進力を求める前エスパニョール指揮官のルビ新監督を招へい。今夏の移籍市場では守護神パウ・ロペス、MFロ・セルソ、フィルポと3人の主力を引き抜かれた一方、ルビ監督の下で昨季17ゴールを記録したエスパニョールFWボルハ・イグレシアス、ビッグクラブの関心を集めたリヨンFWフェキル、ソシエダFWフアンミ、フィルポ後釜にビジャレアルMFペドラサを確保するなど、主力流出を補って余りある補強に成功。極端なチームスタイルの転換によって序盤戦の苦戦は予想されるが、ヨーロッパ出場権に絡む躍進が期待される。
その他では昨季7位のエスパニョールやELとの二足の草鞋を履く5位のヘタフェ、アスレティック・ビルバオ、ソシエダあたりがヨーロッパ出場権に絡むことになりそうだ。また、いずれも久々のプリメーラ復帰となるオサスナやグラナダ、マジョルカの昇格組3チームの戦いにも注目したい。
◆乾がエイバル帰還~日本人選手~

Getty Images
久保の去就次第ではあるが、現時点で今シーズンのプリメーラでプレーする日本人選手はベティスから古巣エイバルに復帰したMF乾貴士のみに。セグンダA(スペイン2部)にMF香川真司(サラゴサ)、MF柴崎岳(デポルティボ)、FW岡崎慎司(マラガ)が加入し盛り上がりを見せていることを考えれば、やや寂しいところだが、日本を背負う乾の活躍に期待したいところだ。昨夏、ステップアップを図って加入したベティスでは、親しみの薄い“ポジショナルプレー”への順応に加え、セティエン監督が採用したシステムに適正ポジションを見いだせず、リーグ戦8試合の出場にとどまった。それでも、今年1月にレンタル移籍したアラベスでは12試合で2ゴールを挙げるなど、本調子を取り戻している。
1年ぶりの復帰となるエイバルでは恩師メンディリバル監督の存在もあって主力としての起用が濃厚だ。起用法に関しては昨季左サイドハーフでブレイクを果たし、バルセロナ経由でヘタフェに旅立ったDFククレジャの後釜としての役割が求められる。縦への推進力では劣るものの、ドリブル精度やプレーの引き出しの多さでは乾が勝っており、昨季とは異なる形でエイバルのサイドアタックを活性化させたい。
バルセロナの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
バルセロナの人気記事ランキング
1
今季わずか9試合の出場、バルサで不遇のアンス・ファティは冬にトルコ行きが目前も破談…ベシクタシュ会長が理由を明かす
バルセロナのスペイン代表FWアンス・ファティ(22)だが、トルコへの移籍が近づいていたことが判明した。スペイン『アス』が伝えた。 バルセロナのカンテラ出身で、その才能には太鼓判が押されていたアンス・ファティ。将来を担う存在として期待されていた中、2020年の負傷をきっかけにパフォーマンスが急降下。チーム内での信頼を失うと、ブライトン&ホーヴ・アルビオンへのレンタル移籍も経験した。 今シーズンはバルセロナに復帰してプレーしている中、ここまで公式戦で9試合しかプレーしておらず、ハンジ・フリック監督の信頼は得られていない状況。冬にも移籍の可能性があった中、結局はバルセロナに残留していた。 しかし、実は冬の移籍市場でスュペル・リグ(トルコ1部)を戦うベシクタシュへの移籍の可能性があったとのこと。ベシクタシュのセルダル・アダリ会長がその事実を認めた。 「アンス・ファティは、パトリック・ベルグとサミュエル・ダールと同様に、我々の候補に挙がっていた。ヨーロッパリーグのトゥベンテ戦の後、私はファティをイスタンブールに連れてくるつもりだった。バルセロナとも移籍で合意に達していた」 「しかし、敗退した夜、バルセロナから彼がイスタンブールに来られないという連絡があった。選手は非常に興奮していて、すでに父親に連絡を取っていた。しかし、ヨーロッパリーグの敗退によって、獲得が台無しになってしまった」 ベシクタシュは今シーズンのヨーロッパリーグに出場していたが、リーグフェーズを28位で終えて即敗退。プレーオフにも進めなかったが、これが移籍が実現しなかった理由だという。 また、アトレティコ・マドリーのノルウェー代表FWアレクサンデル・セルロートも狙っていたようだが、こちらは不可能だと感じていたという。 「セルロートの獲得は事実上不可能に思えた。チームには明確な代替選手がいなかった。私が彼と話していないと思っているのか?冬には話した。今は連絡が取れない。アトレティコとは良好な関係を築いているが、選手について問い合わせると『では、どのストライカーを起用すべきか?』と聞かれるだろう」 アトレティコのストライカー不足により、獲得が不可能だったセルロート。夏にベシクタシュはどういった動きを見せるだろうか。 2025.04.18 19:15 Fri2
バルセロナが公式戦25戦ぶり敗戦も逃げ切ってベスト4進出! 昨季準優勝ドルトムントはギラシーのハットで意地見せる【CL】
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、ドルトムントvsバルセロナが15日にBVBシュタディオンで行われ、ホームのドルトムントが3-1で勝利。だが、2戦合計3-5でバルセロナが準決勝進出を決めている。 9日に行われた1stレグは、ホームのバルセロナが古巣対戦となったレヴァンドフスキのドブレーテの活躍などで4-0の完勝。昨季ファイナリストに地力の差を見せつけ、ベスト4進出に王手をかけた。 敵地で惨敗となったドルトムント。先週末に行われたブンデスリーガのデア・クラシカーでは敵地でバイエルンと2-2のドロー。2度のビハインドを追いついたものの、奇跡の逆転突破を目指すホームでのリターンレグに弾みを付けられる。ニコ・コバチ監督はその一戦から先発4人を変更。負傷でメンバー外のジャンに代えてベンセバイニを起用したほか、リエルソン、エズジャン、ブラントに代えてヤン・コウト、エンメチャ、アデイェミを起用。より攻撃的な[3-4-3]の布陣で臨んだ。 一方、大きなアドバンテージを得て敵地に乗り込んだバルセロナ。直近のラ・リーガではレガネスに苦戦も、1-0で競り勝って公式戦連勝を達成。そのレガネス戦からは先発4人を変更。負傷のバルデの代役にマルティン、イニゴ・マルティネス、ペドリ、エリック・ガルシアに代わってクバルシ、フレンキー・デ・ヨング、ガビを起用した。 黄色い壁の圧倒的な後押しを受けて、キックオフ直後からアグレッシブさを全面に押し出したドルトムント。前がかりな守備と人数をかけた攻撃で押し込むと、その勢いのままに先制点を奪い切る。 9分、ボックス内に抜け出したグロスがGKシュチェスニーと交錯してPKを獲得。これをキッカーのギラシーが中央上部に蹴り込んで11分の先制点とした。 開始早々のゴールによって奇跡の逆転への機運高まるスタジアムの熱狂的な空気にもあてられて攻勢を継続するドルトムント。以降はオフサイド判定となったものの、グロスが裏抜けからゴールネットを揺らす場面やセットプレーからベンセバイニのヘディングシュートで2点目に迫る。 これに対して15分を過ぎた辺りから冷静さを取り戻したバルセロナは徐々に自分たちのリズムでボールを動かし、相手陣内の深い位置まで侵攻。さらに、レヴァンドフスキの正確なポストワークを活かしてフェルミン・ロペスやハフィーニャが左サイドで背後を取って際どい場面も作り出す。 前半半ばから終盤にかけてはバルセロナがボールを保持したものの、カウンターを軸に背後を狙うドルトムントがアデイェミを起点により効率よくフィニッシュまで繋げていく。スタッツではドルトムントがシュート10本枠内7本、バルセロナがシュート1本枠内0本と圧倒したが、スコアは1-0での折り返しとなった。 互いに選手交代なしで臨んだ後半も押し込んだドルトムントがいきなりゴールをこじ開ける。49分、右CKの場面でファーへのクロスをベンセバイニがゴールライン際で頭で折り返すと、これをゴール右で競り勝ったギラシーが頭で押し込み、ハフィーニャに並ぶ今季CL得点ランキングトップの12ゴール目を挙げた。 これで再びスタジアムのボルテージが上がったが、バルセロナも反発力を示す。54分、クンデの縦パスに反応したフェルミンが右サイド深い位置からグラウンダーのクロスをGKとディフェンスラインの間に送り込むと、手前でクリアを試みたDFベンセバイニのクリアミスを誘発。これがニア下に決まってオウンゴールで1点を返した。 ツキにも見放されたダメージが残る失点によってドルトムントの勢いに陰りが見え始める。より安定してゲームをコントロールできるようになったアウェイチームは、ガビを下げてペドリ。70分にはラミン・ヤマルとフェルミンに代えてフェラン・トーレス、エリック・ガルシアとフレッシュな選手をピッチに送り込む。 これに対してドルトムントもエンメチャ、バイアーに代えてレイナ、デュランヴィルとより攻撃的なメンバーを投入。すると76分、右サイドでDF2枚を相手に見事な突破を見せたヤン・コウトが深い位置からグラウンダーのクロスを供給。DFアラウホのクリアがゴール右のギラシーの足元に入ると、背番号9が左足シュートを蹴り込んでハットトリックを達成。得点ランキングでも単独首位に立った。 この直後にはヤン・コウト、アデイェミを下げてバイノー=ギッテンスの投入でさらに前がかるホームチーム。78分にはそのブラントが裏抜けからゴールネットを揺らしたが、オフサイドでゴールとはならず。 その後、後半終盤にかけては猛攻を仕掛けるドルトムント、専守防衛のバルセロナという構図の下で試合が進んだが、割り切って守備に力を注いだバルセロナがこれ以上の失点は許さず。 この結果、ドルトムントがホームで意地の勝利も及ばず。25試合ぶり2025年初黒星となったものの、2戦合計3-5で逃げ切ったバルセロナが6シーズンぶりのベスト4進出を決めた。 ドルトムント 3-1(AGG:3-5) バルセロナ 【ドルトムント】 セール・ギラシー(前11[PK]、後4、後31) 【バルセロナ】 オウンゴール(後9) 2025.04.16 06:05 Wed3
【CL準々決勝プレビュー】バルサ逃げ切り濃厚もホームチームは黄色い壁を背に奇跡狙う《ドルトムントvsバルセロナ》
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、ドルトムントvsバルセロナが日本時間15日28:00にBVBシュタディオンでキックオフされる。初戦大勝のバルサ逃げ切り濃厚も、ホームチームが黄色い壁を背に奇跡の逆転狙う強豪対決の第2ラウンドだ。 9日にエスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニスで行われた1stレグはホームのバルセロナが4-0の快勝。試合序盤から主導権を握ると、25分にセットプレー流れからFWハフィーニャのゴールで先制に成功。後半も開始直後にトリデンテの連携から古巣対戦のFWレヴァンドフスキ、66分には再びレヴァンドフスキ、77分にはFWラミン・ヤマルのファインフィニッシュで強力トリデンテが揃い踏み、守備でも相手に一矢報いることも許さずの完勝となった。 敵地で惨敗となった昨季ファイナリストは崖っぷちを通り越して、ベスト敗退が決定的な状況だ。先週末に行われたブンデスリーガのデア・クラシカーでは敵地でバイエルンと2-2のドロー。ロングカウンターとセットプレーからFWバイアー、DFアントンのゴールで2度のビハインドを追いついた点は評価に値するが、試合全体を通しては劣勢の戦いとなった。これまで1度も勝利がない相手に4点差を撥ね返しての逆転突破には奇跡を必要とするが、ゲルベ・ヴァントの後押しを背に気概を示したい。 一方、地力の差を見せつける内容で初戦を制したバルセロナはベスト4進出がほぼ決定的な状況だ。また、熾烈なリーグタイトルレースが続くなかで先週末はレガネス相手に思わぬ苦戦を強いられたが、ターンオーバーも敢行し相手のオウンゴールで挙げたゴールを守り切ってウノセロ勝利。良い流れを継続して敵地へ乗り込む。 ◆ドルトムント◆ 【3-4-1-2】 ▽予想スタメン GK:コベル DF:アントン、ジャン、ベンセバイニ MF:リエルソン、チュクエメカ、グロス、ブラント、スベンソン FW:ギラシー、バイアー 負傷者:DFマネ、シュロッターベック、MFザビッツァー 出場停止者:なし 出場停止者はおらず、逆にサスペンション明けのグロスが復帰となる。負傷者に関しても初戦から変更はない。 初戦は[4-5-1]の形で惨敗しており、今回は直近のリーグ戦で採用している[3-5-2]への変更が見込まれる。攻撃的に戦うことを想定したメンバー予想となったが、ジューレやエンメチャ、前線を2シャドーにしてバイノー=ギッテンスやアデイェミの起用もありそうだ。 ◆バルセロナ◆ 【4-2-3-1】 ▽予想スタメン GK:シュチェスニー DF:クンデ、クバルシ、イニゴ・マルティネス、マルティン MF:フレンキー・デ・ヨング、ペドリ MF:ラミン・ヤマル、フェルミン、ハフィーニャ FW:レヴァンドフスキ 負傷者:GKテア・シュテーゲン、DFバルデ、MFカサド、ベルナル 出場停止者:なし 出場停止者はいない。負傷者に関してはバルデが数週間の離脱となったが、ダニ・オルモの復帰は朗報だ。 スタメンはバルデの代役にマルティンを起用する以外、1stレグを踏襲する可能性が高い。ターンオーバーを行う場合はアラウホ、ガビ、エリック・ガルシア辺りにチャンスがある。 ★注目選手 ◆FWセール・ギラシー(ドルトムント) ゴール託される主砲。今季最多失点は4失点も、最大2点差負けしか経験していないバルセロナに対して、逆転突破には最低4ゴールが必要なドルトムント。そうなると、大量得点を奪う上で活躍が求められるのはエースストライカーのギラシーだ。今大会ではここまで対戦相手のハフィーニャ(12点)、レヴァンドフスキ(11点)に続く3位タイの10ゴールを記録。ただ、直近の公式戦10試合では前線で存在感を示す一方で2ゴールにとどまっている。それでも、ゴールに迫るシーンには多く絡んでおり、最後の仕上げの部分で微調整を行いつつ、奇跡をもたらす複数ゴールを期待したいところだ。 ◆FWラミン・ヤマル(バルセロナ) カウンターの起点。敵地で逃げ切りを図る構図となり、守護神シュチェスニーやクバルシ、バルデの代役を担うマルティンら守備陣。ゲームメイクを担うペドリのパフォーマンスも重要となるが、フリック監督としては“攻撃は最大の防御”という姿勢でベスト4進出を目指すはずだ。その意味では前にリスクをかけたいドルトムントに対して、背後への脅威を見せられる左利きアタッカーの存在がカギを握る。ドリブル突破など個人での打開力に加え、持ち味のキープ力と高精度のラストパスを武器にフェルミンを含めた2列目、3列目からの飛び出しを促してカウンターの起点として存在感を示したい。 2025.04.15 18:30 Tue4