【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.32“リヨン黄金期”ル・グエンのリヨン、完成形/リヨン[2004-05]

2019.04.19 12:00 Fri
Getty Images
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。

日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
vol.32

2004-2005シーズン/リヨン
〜リヨン黄金期〜


(C)CWS Brians,LTD.

監督:ポール・ル・グエン(40)
タイトル実績:リーグ・アン優勝
攻撃力7:★★★★★★★☆☆☆
守備力8:★★★★★★★★☆☆
タレント7:★★★★★★★☆☆☆
連係8:★★★★★★★★☆☆
選手層6:★★★★★★☆☆☆☆


ル・グエンのリヨン、完成形

リヨンは2000年代に黄金期を迎えた。2001-02シーズンにリーグ・アン初優勝を飾ると、そこから7連覇という偉業を達成。一気にフランスの強豪へと伸し上がった。とりわけ、7連覇を達成したチームの中で重要な存在となったのが、2002年にクラブの指揮官に就任したル・グエン監督だ。
ル・グエン監督は、2005年にクラブを退団するまでの3シーズンすべてでクラブをフランス王者に導いた。特に、2004-05シーズンは、ル・グエン監督が作り上げてきたチームの集大成と言っていいだろう。

開幕から安定した戦いを続けたリヨンは、第22節でリールに敗れるまで21試合無敗を継続する。第10節で首位に立って以降、ポジションを譲らず。最終的に、2位のリールに勝ち点12もの差をつけてリーグ4連覇を達成した。また、チャンピオンズリーグでも準々決勝に進むなど、欧州にその強さを印象づけることに成功した。
圧倒的な中盤の構成力

2004-05シーズンのリヨンは、チームの主力選手のほとんどが全盛期と言える状態だった。センターバックのカサーパとクリスは、個々の能力で見ると決してワールドクラスとは言えなかったものの、同じブラジル人同士だけに連携は抜群。徹底したチャレンジ&カバーで、中央ラインを守った。共に25歳のレベイエールとアビダルは豊富な運動量でサイドをアップダウンし、攻守に安定したパフォーマンスを続けた。

当時のリヨンにおける最大のストロングポイントは中盤だった。アンカーのマハマドゥ・ディアッラとセントラルMFのエッシェン、オフェンシブMFのジュニーニョの補完性は完璧。ディアッラは守備に集中し、エッシェンはボックス・トゥ・ボックスで働く。そして、ジュニーニョはショートパスとロングパスでリズムを形成。また、強烈な無回転FKは、相手GKを恐怖に陥れた。

攻撃の中心は、ヴィルトール、マルダ、ゴヴというスピード豊かなアタッカー3選手。センターフォワードでは、20歳のブラジル人FWニウマールも途中出場からしっかりと攻撃を活性化する力を備えていた。

ピックアップ・プレイヤー

MFマイケル・エッシェン(22)

10代の頃はサイドバックやセンターバックとしてプレーする機会が多かったが、2003-04シーズンにリヨンへ加入した後、セントラルMFにコンバートされて才能が開花。すぐさまチームの主力となり、2004-05シーズンはリーグ・アンの最優秀選手に選出された。エッシェンのパフォーマンスはすぐに欧州にスカウト陣の目を引き、2005年には3800万ポンドという高額移籍金でチェルシーに移籍。プレミアリーグでも素晴らしい活躍を続け、ワールドクラスのMFとしての地位を確固たるものにした。

リヨンの関連記事

リヨンのジョージア代表FWジョルジュ・ミカウタゼが、1日に行われたニース戦後に帰宅した自宅で強盗被害に遭っていたことがわかった。フランス『Le Progrès』が報じている。 ミカウタゼは1日にホームで行われたリーグ・アン第13節のニース戦に途中出場。チームの4-1の勝利に貢献した。 その試合後の夜に自宅へ 2024.12.03 07:10 Tue
スタッド・ランスは23日、リーグ・アン第12節でリヨンと対戦し1-1の引き分けに終わった。ランスの伊東純也、中村敬斗はフル出場している。 前節のル・アーヴル戦を伊東&中村のアベック弾で勝利した7位ランスが、前節サンテチェンヌ戦で公式戦5試合ぶりの白星を飾った5位リヨンをホームに迎えた一戦。ランスは伊東、中村を両ウ 2024.11.24 07:02 Sun
アルゼンチン代表DFニコラス・タグリアフィコ(32)が所属するリヨンに見切り? ユベントスへ自らコンタクトを取ったという。 まず、リヨンについて。 フランス国内の覇権を失って久しいリヨンは先日、財政問題により「暫定的なリーグ・ドゥ(フランス2部)降格」「補強禁止」という厳しい処分を科されることに。5億800 2024.11.21 20:20 Thu
リバプールはリヨンのU-23フランス代表FWラヤン・シェルキ(21)獲得を検討しているようだ。 10代の頃から逸材として注目を集めていたシェルキ。昨シーズンはリヨンの主力として公式戦39試合3得点9アシストの成績を残しており、自国開催であるパリ・オリンピックのメンバーにも選出された。 今シーズンも公式戦11 2024.11.21 16:55 Thu
ユべントスがリヨンのジョージア代表FWジョルジュ・ミカウタゼ(24)に関心を示しているようだ。イタリア『トゥットスポルト』が報じている。 元々の前線の選手層の薄さに加え、セルビア代表FWドゥシャン・ヴラホビッチの去就が不透明なユベントス。今冬の移籍市場ではマンチェスター・ユナイテッドのオランダ代表FWジョシュア・ 2024.11.19 11:00 Tue

リヨンの人気記事ランキング

1

伊東純也&中村敬斗がフル出場もスタッド・ランスはリヨンとドロー…中村は終盤の決定機を生かせず【リーグ・アン】

スタッド・ランスは23日、リーグ・アン第12節でリヨンと対戦し1-1の引き分けに終わった。ランスの伊東純也、中村敬斗はフル出場している。 前節のル・アーヴル戦を伊東&中村のアベック弾で勝利した7位ランスが、前節サンテチェンヌ戦で公式戦5試合ぶりの白星を飾った5位リヨンをホームに迎えた一戦。ランスは伊東、中村を両ウイングに配置した[4-3-3]の布陣で試合に臨んだ。 立ち上がりから攻勢を強めるリヨンに対し、ランスは7分にピンチ。ラカゼットのパスを右サイドで受けたヌアマがボックス右からグラウンダーのクロスを供給すると、逆サイドから走り込んだベンラーマがネットを揺らしたが、これはVARの末にベンラーマがオフサイドと判定され、ゴールは取り消された。 さらにリヨンは16分、楔のパスをボックス手前で受けたヌアマの落としからシェルキがシュート。その直後にもボックス右でパスを受けたシェルキにチャンスが訪れたが、共にシュートはGKディウフのセーブに阻まれた。 前半半ば以降も劣勢の展開が続くランスは38分、マティッチのロングパスで左サイドを駆け上がったラカゼットのダイレクトクロスをニアサイドのシェルキがヘディングでゴール右に流し込んだ。 先制を許したランスは42分、敵陣で相手DFのミスパスをカットした中村がボックス右からシュートを放ったが、これはゴール左に外れた。 迎えた後半は一進一退の展開が続くなか、ランスは55分に試合を振り出しに戻す。伊東の右CKをアタンガナ・エドアが頭で折り返すとコネがシュート。これは相手DFにディフレクトしたが、最後はこぼれ球に素早く反応したディアキテがゴールに押し込んだ。 その後は互いに選手を入れ替えながらゴールを目指すなか、ランスは試合終了間際に決定機。96分、中村のパスをボックス左で受けたテウマが縦への仕掛けからシュート。さらにGKペッリの弾いたボールを中村が詰めたが、これも相手GKの正面を突いた。 結局、試合はそのまま1-1でタイムアップ。上位争いを狙う両者の一戦は痛み分けのドローに終わった。 スタッド・ランス 1-1 リヨン 【スタッド・ランス】 ウマル・ディアキテ(後10) 【リヨン】 シェルキ(前38) 2024.11.24 07:02 Sun
2

リヨンFWミカウタゼがニース戦後の帰宅時に強盗被害…幸いにもケガはなし

リヨンのジョージア代表FWジョルジュ・ミカウタゼが、1日に行われたニース戦後に帰宅した自宅で強盗被害に遭っていたことがわかった。フランス『Le Progrès』が報じている。 ミカウタゼは1日にホームで行われたリーグ・アン第13節のニース戦に途中出場。チームの4-1の勝利に貢献した。 その試合後の夜に自宅へ帰宅した際、待ち構えていた2人の武装した男に遭遇。ミカウタゼは武器で脅され、自宅の鍵を開けさせられた後、宝飾品、時計、高級皮革製品など約25万ユーロ(約3900万円)相当の金品を盗まれたという。ただ、強盗は同選手に危害を与えることはなく、幸いにもケガはなかったという。 なお、フランス国内では高給取りのフットボーラーが強盗や空き巣グループの標的となっており、リヨンでは昨年にMFマクサンス・カクレ、DFニコラス・タグリアフィコがナントとの試合中に強盗未遂の被害に遭っていた。 2024.12.03 07:10 Tue
3

ユベントス、財政問題抱えるリヨンの万能型FWに関心か?

ユべントスがリヨンのジョージア代表FWジョルジュ・ミカウタゼ(24)に関心を示しているようだ。イタリア『トゥットスポルト』が報じている。 元々の前線の選手層の薄さに加え、セルビア代表FWドゥシャン・ヴラホビッチの去就が不透明なユベントス。今冬の移籍市場ではマンチェスター・ユナイテッドのオランダ代表FWジョシュア・ザークツィーやリールのカナダ代表FWジョナサン・デイビッドらの獲得に動いているとみられる。 さらに、直近の『トゥットスポルト』の報道によれば、新たな候補として財政問題によってリーグ・ドゥ降格の危機を迎えるリヨンのストライカーに興味を示しているようだ。 前所属先のメスとジョージア代表で非凡な得点能力を発揮するミカウタゼは、今夏の移籍市場にて1850万ユーロ(約30億2000万円)の移籍金でアカデミー時代を過ごしたリヨンへ完全移籍。ここまでは公式戦14試合2ゴール1アシストの数字を残している。 センターフォワードとセカンドトップを主戦場とする176cmのアタッカーは、スピードやパワーといったフィジカル的な資質に恵まれてはいないものの、視野の広さと駆け引きの巧さ、安定した足元の技術が光る技巧派。フィニッシャーとしてだけでなくチャンスメーカーとしても有能で、将来的には万能型ストライカーとしての大成が期待されている。 2024.11.19 11:00 Tue
4

飛んできたのは“豚の頭”、19年前のエル・クラシコを覚えているか?

ピッチに投げ入れられた最も衝撃的なものはなんだろうか。 21日に行われたリーグ・アン第14節のリヨンvsマルセイユでは、スタンドから中身が入った状態のペットボトルが投げ入れられた。これがMFディミトリ・パイエの左耳付近を直撃し、パイエは頭を押さえながら倒れ込んでしまう。試合は一時中断を経て、中止にまで追いやられる事態となっていた。 19年前のエル・クラシコ、2002年11月23日に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsレアル・マドリーの一戦では、豚の頭がピッチに投げ入れられたのを覚えているだろうか。 元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴは2000年夏にバルセロナからレアル・マドリーへという禁断の移籍を決行。バルセロナのファンからは猛烈な反感を買っていた。前述のクラシコで、マドリーの一員としてカンプ・ノウに足を踏み入れたフィーゴに対してはブーイングの嵐。ライターやコインなども投げ入れられた。 その中でも異色だったのが豚の頭だ。CKでボールをセットした際に、あるバルセロナのファンがフィーゴに向かってそれを投擲。当たりはしなかったものの、様々な意味で衝撃を与えたことは間違いなかった。 当時のクラシコは一時中断こそしたものの、試合は継続。ゴールレスに終わっている。何事もなかったために、笑い話として語れるものの、ケガにつながっていれば大きな問題に発展していたことは間違いないだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】ピッチに投げ入れられた豚の頭</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">On this day in 2002, Barcelona fans threw a pig&#39;s head at Luis Figo before he took his corner at the Camp Nou <br><br>Figo left Barca for Real Madrid two years earlier. <a href="https://t.co/j3ZgOQ85dW">pic.twitter.com/j3ZgOQ85dW</a></p>&mdash; B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1463119883055599616?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.11.24 22:10 Wed
5

戦力強化図るリバプールがシェルキ獲得を狙う?財政難のリヨンは1月売却の可能性も排除せず

リバプールはリヨンのU-23フランス代表FWラヤン・シェルキ(21)獲得を検討しているようだ。 10代の頃から逸材として注目を集めていたシェルキ。昨シーズンはリヨンの主力として公式戦39試合3得点9アシストの成績を残しており、自国開催であるパリ・オリンピックのメンバーにも選出された。 今シーズンも公式戦11試合2ゴール3アシストを記録。今夏には1500万ユーロ(約24億4000万円)でのフルアム行きがクラブ間合意に至りながら、選手本人が移籍を拒んだことで残留に。9月には2026年夏までの契約延長も発表されたが、ビッグクラブからは高い関心が寄せられ続けている。 そんな中で、フランス『RMCスポーツ』によるとリバプールがシェルキ獲得に強い関心を示している模様。クラブ上層部やアルネ・スロット監督は、同選手を高く評価しているという。 リヨンとしては契約延長したこともあり、今夏フルアムと合意した時以上の移籍金を求めたいところ。しかしクラブは15日に、フランスリーグに所属するクラブの財務状況を監視する全国経営監査委員会(DNCG)から、財政問題を理由として暫定的なリーグ・ドゥ降格、補強禁止、給与の監督という厳しい処分が科されてしまった。 これにより、早急な財政問題改善が急務となったクラブは、来年1月の移籍市場で数人の選手売却を計画。シェルキについては、3000万ユーロ(約49億円)の移籍金を希望しているが、それより低い金額でもオファーがあった場合は受け入れる可能性があるようだ。 リヨンのオーナーであるジョン・テクスター氏はシェルキについて、「1月に残留するはずだが、フットボールでは常にそうであるように彼の選択次第だ」と発言。オファー次第で冬の移籍も許容する姿勢を示しているが、果たして。 2024.11.21 16:55 Thu

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly