【平成サッカー30年の軌跡】平成11年/1999年 トルシエJAPAN始動!
2019.04.11 21:30 Thu
新元号が「令和(れいわ)」に決定し、2019年4月30日をもって幕を閉じる「平成」。日本サッカーにとって、「平成」という時代は大きな変革を遂げた30年間となりました。Jリーグ設立、ドーハの悲劇、日韓W杯招致…。激動の30年を平成の出来事と共に振り返ってみましょう。
世の中の流れ

1999年、ルノー・日産アライアンスが誕生。カルロス・ゴーン氏が日産自動車のCOOに就任した。
■大予言に揺れた日本
平成11年(1999年)、日本ではあの不吉な予言がブームになっていました。ノストラダムスの大予言です。なんでも、予言によると「1999年7月に世界が滅亡する」と言うのです。
2019年を生きている現在の人からすれば、馬鹿げた噂に聞こえますが、日本では1990年代に入ってから、バブル崩壊後の不況、阪神淡路大震災、そして地下鉄サリン事件などのテロ事件など、これまで経験したことのない事件、事故が起こっていました。このことを受けて、多くの人が何とも言えない「不安感」を持っていたのです。
その他、日産自動車が経営難を受けて、フランスの自動車会社・ルノーと業務提携を発表。現在何かと話題になっているカルロス・ゴーン氏が日産自動車の最高執行責任者に就任します。この結果、日産自動車は短期間での経営の立て直しに成功しますが、同時に大規模なリストラを行うなど、大胆なコストカットは賛否両論を生みました。
また、1月に2020年をもって活動を休止する事を発表し、話題になったアイドルグループの「嵐」がデビューしたのもこの平成11年です。他にも、だんご3兄弟が大ヒットする等、数多くのヒット商品、作品が出ました。
サッカー界

エキセントリックな言動で話題を呼んだフィリップ・トルシエ監督。組織的サッカーを確立させた。
■新監督の下で動き出した日本代表
日韓W杯に向けて、世界と戦えるチーム作りを目指していた日本代表は前年から、新監督としてフランス人監督のフィリップ・トルシエを迎えていました。彼は徹底した組織サッカーを選手に植え付ける為、選手たちに厳しい規律と監督への服従を求めます。
個人の生活にまで介入するという今までになかった指導法に戸惑いや反発を覚える選手たちも少なくありませんでした。
しかし、ユースチームの指揮も任されていたトルシエ監督の元、日本代表はU-20の世界大会で準優勝に輝くという偉業を達成。世界と戦う準備を着実に進めていました。

社会問題にもなったフリューゲルス消滅。Jリーグに大きな傷痕を残した。
■フリューゲルス“消滅”の衝撃と傷跡
この年、Jリーグに大きく影を落とす事件が起きます。それは横浜フリューゲルスの“消滅”です。クラブの赤字が続く中、親会社であった全日空も財政難にあえいでいた時期であり、フリューゲルスのクラブとしての存続が難しくなってしまっていたのでした。
前年の1998年に横浜フリューゲルスが横浜マリノスと合併するという形で消滅するという合意がなされます。それに対しフリューゲルスサポーターが「俺たちはあきらめない」という横断幕を掲げての抗議や署名活動等を続け、社会問題になるほど反響を呼びました。
それに答えるように、チームも1999年の元旦に行われた天皇杯では、清水エスパルスを破り、横浜フリューゲルスが“奇跡”の優勝を果たしました。しかし、クラブ存続の道は最後まで見つからず、これが横浜フリューゲルスとしての最後の姿になりました。
奇しくもこの年、Jリーグでは、J2が始まり、2部制へ以降した年でした。チーム数がさらに増えたものの、クラブの経営や企業への依存等、多くの事を考えさせられる事件となりました。
世の中の流れ

1999年、ルノー・日産アライアンスが誕生。カルロス・ゴーン氏が日産自動車のCOOに就任した。
平成11年(1999年)、日本ではあの不吉な予言がブームになっていました。ノストラダムスの大予言です。なんでも、予言によると「1999年7月に世界が滅亡する」と言うのです。
2019年を生きている現在の人からすれば、馬鹿げた噂に聞こえますが、日本では1990年代に入ってから、バブル崩壊後の不況、阪神淡路大震災、そして地下鉄サリン事件などのテロ事件など、これまで経験したことのない事件、事故が起こっていました。このことを受けて、多くの人が何とも言えない「不安感」を持っていたのです。
その影響からか、本当に人類が滅亡するのではないかという空気が少なからずありました。ご存知の通り、7月が過ぎても結局人類が滅亡するような事件は何も起きず、いつしか予言も忘れ去られましたが、人々が抱えていた未来への不安を象徴する出来事です。
その他、日産自動車が経営難を受けて、フランスの自動車会社・ルノーと業務提携を発表。現在何かと話題になっているカルロス・ゴーン氏が日産自動車の最高執行責任者に就任します。この結果、日産自動車は短期間での経営の立て直しに成功しますが、同時に大規模なリストラを行うなど、大胆なコストカットは賛否両論を生みました。
また、1月に2020年をもって活動を休止する事を発表し、話題になったアイドルグループの「嵐」がデビューしたのもこの平成11年です。他にも、だんご3兄弟が大ヒットする等、数多くのヒット商品、作品が出ました。
サッカー界

エキセントリックな言動で話題を呼んだフィリップ・トルシエ監督。組織的サッカーを確立させた。
■新監督の下で動き出した日本代表
日韓W杯に向けて、世界と戦えるチーム作りを目指していた日本代表は前年から、新監督としてフランス人監督のフィリップ・トルシエを迎えていました。彼は徹底した組織サッカーを選手に植え付ける為、選手たちに厳しい規律と監督への服従を求めます。
個人の生活にまで介入するという今までになかった指導法に戸惑いや反発を覚える選手たちも少なくありませんでした。
しかし、ユースチームの指揮も任されていたトルシエ監督の元、日本代表はU-20の世界大会で準優勝に輝くという偉業を達成。世界と戦う準備を着実に進めていました。

社会問題にもなったフリューゲルス消滅。Jリーグに大きな傷痕を残した。
■フリューゲルス“消滅”の衝撃と傷跡
この年、Jリーグに大きく影を落とす事件が起きます。それは横浜フリューゲルスの“消滅”です。クラブの赤字が続く中、親会社であった全日空も財政難にあえいでいた時期であり、フリューゲルスのクラブとしての存続が難しくなってしまっていたのでした。
前年の1998年に横浜フリューゲルスが横浜マリノスと合併するという形で消滅するという合意がなされます。それに対しフリューゲルスサポーターが「俺たちはあきらめない」という横断幕を掲げての抗議や署名活動等を続け、社会問題になるほど反響を呼びました。
それに答えるように、チームも1999年の元旦に行われた天皇杯では、清水エスパルスを破り、横浜フリューゲルスが“奇跡”の優勝を果たしました。しかし、クラブ存続の道は最後まで見つからず、これが横浜フリューゲルスとしての最後の姿になりました。
奇しくもこの年、Jリーグでは、J2が始まり、2部制へ以降した年でした。チーム数がさらに増えたものの、クラブの経営や企業への依存等、多くの事を考えさせられる事件となりました。
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森保監督続投で歴代最長監督はというと…/六川亨の日本サッカーの歩み
まだ正式決定ではないが、森保一監督の『2年間の』続投が決まったようだ。正式には来年のJFA(日本サッカー協会)理事会での承認待ちになる。その頃にはコーチ陣などのスタッフの詳細も決定しているだろう。 93年のJリーグ誕生以降、日本代表の監督は基本的にW杯の4年サイクルで交代してきた。例外は94年のアジア大会で韓国に敗れたロベルト・ファルカン氏、97年のアウェー中央アジア2連戦で更迭された加茂周氏、07年に病に倒れたイヴィチャ・オシム氏、15年に契約解除されたハビエル・アギーレ氏、そして18年に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏の5人しかいない。 そうした過去30年の歴史のなかで、初めて『続投』が決定的となったのが森保監督である。目標としていた「ベスト8」には届かなかったものの、大国ドイツとスペインに逆転勝ちを収めたことが高く評価されたことは言うまでもない。 そこで過去の歴代監督の任期を振り返ると、上には上がいるもので、長沼健氏(元JFA会長)は1962年から69年までの7年間と、さらに72年から76年までの4年間、トータル11年間も日本代表の監督を務めた。「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、おそらく2度と破られることのない記録と言っていいだろう。 長沼氏が“長期政権"を担うことになったのには理由がある。64年に東京五輪があったからだ。このため62年に33歳の若さで監督に抜擢された。そして東京五輪ではグループリーグでアルゼンチンを倒して決勝トーナメントに進出。準々決勝で銀メダルに輝いたチェコスロバキアに0-4で敗れたが、ベスト8進出で日本に“第1次サッカーブーム"を巻き起こした。 さらに4年後のメキシコ五輪では、アジア勢初となる銅メダル獲得の快挙を達成。その再現を半世紀後の21年東京五輪で森保監督は期待されたが、残念ながらメダルにはあと一歩届かなかった。 長沼氏は69年のメキシコW杯アジア1次予選で、韓国とオーストラリアの後塵を拝したことで監督の座をコーチだった岡野俊一郎氏(元JFA会長)に譲る。しかし岡野氏が71年のミュンヘン五輪予選で韓国とマレーシアに負けたことで、日本サッカーの復権は再び長沼氏に託されることになった。 ところが73年の西ドイツW杯アジア予選はイスラエル(当時はアジアに所属し、中東勢が対戦を拒否したため予選は東アジアに組み込まれた)とマレーシアに敗れ、76年のモントリオール五輪アジア予選も韓国とイスラエルに敗れて監督から退くことになった。 当時の日本サッカーは、「W杯予選は負けても当たり前」であり、五輪予選で敗退するたびに監督は交代していた。Jリーグ開幕以前では、92年のバルセロナ五輪アジア最終予選で敗れた横山謙三総監督、88年ソウル五輪アジア最終予選で中国に逆転負けを喫した石井義信氏(故人)、80年モスクワ五輪アジア予選で韓国とマレーシアに及ばなかった下村幸男氏らである。 しかし96年のアトランタ五輪に28年ぶりに出場して以来、五輪出場は7大会連続して出場。その間には12年ロンドン五輪と21年東京五輪ではメダルまであと一歩に迫った。もう五輪は出場するのは当たり前で、次の24年パリ五輪は「メダル獲得」がノルマになるだろう。 同じようにW杯も98年以降7大会連続して出場中で、さらに2026年のアメリカ・カナダ・メキシコ大会は出場国が48に増えるため、出場権を失うことはまず考えられない。森保監督にとっては「ベスト8」への再チャレンジになるが、その前に横内昭展ヘッドコーチは磐田の監督に、上野優作コーチはFC岐阜の監督に転身するなどスタッフの陣容は一新せざるを得ない。 果たして新たなスタッフの顔ぶれはどうなるのか。そこに外国人コーチが入るのかどうかなどは楽しみなところ。 そして森保監督は、23年こそ秋まで親善試合しかない“静かな"一年になるものの、21年東京五輪は「金メダル」を目標に掲げながらも4位に終わり、カタールW杯も「ベスト8」が目標だったがラウンド16で敗退した。このため、まだ先の話ではあるが、24年のアジアカップでは『優勝』がW杯まで続投するためのノルマにすべきではないだろうか。 2022.12.26 22:00 Mon5
