なでしこジャパン、小林里歌子のゴールで一時追いつくも開催国フランスに完敗…《国際親善試合》

2019.04.05 05:57 Fri
Getty Images
なでしこジャパン(女子日本代表)は現地時間4日、オセールのスタッド・アッベ・デシャンでフランス女子代表との国際親善試合に臨み、1-3で敗戦した。

今年6月に行われるFIFA女子ワールドカップフランス2019に向けて最終調整に入るなでしこジャパンは、3月31日から4月11日にかけてヨーロッパ遠征を敢行中。そのヨーロッパ遠征の初陣で開催国で優勝候補の一角に挙がるフランスと対戦した。
先月にアメリカで行われた2019シービリーブスカップを1勝1敗1分けで終えた高倉監督率いるチームは、この初陣に向けてGKに山下杏也加、最終ラインに清水梨紗、南萌華、熊谷紗希、鮫島彩を起用。中盤は三浦成美と杉田妃和の2ボランチに中島依美、長谷川唯が両サイドに入り、2トップは横山久美と小林里歌子のコンビとなった。

立ち上がりから高さやスピードで違いを見せるホームチーム相手に劣勢を強いられたなでしこジャパンは3分、右サイドへのサイドチェンジからトルランに高い位置で浮き球のクロスを許すと、これをファーサイドでDF熊谷に競り勝ったゴーヴァンに頭で合わせられると、GK山下がゴールライン上で懸命にかき出すもラインを割ったとの判定でゴールが認められる。

早い時間帯に先制を許す厳しい入りを強いられたなでしこジャパンだが、失点直後の8分に三浦と杉田のボランチコンビの粘りから前線の横山にボールを繋ぎ右足のミドルシュートで反撃を試みる。
その後は相手のシンプルな縦への仕掛けやロングボールで押し込められる中、ホームチームにアクシデント。GKペイロー=マニャンがロングボールを蹴った際に左ヒザを負傷。プレー続行不可能となり、22分にGKブアディが緊急投入される。

すると、この交代直後の24分になでしこジャパンは左サイドからの展開から杉田の横パスをペナルティアーク付近の小林がスルー。これをフリーで受けた中島のシュートはGKに弾かれるが、こぼれ球に反応した小林が冷静に蹴り込み同点に追いついた。

良い時間帯に追いついたことで、ここからなでしこジャパンの押し返す展開を期待したが、サイドを起点にスピーディーな仕掛けを続けるフランス相手に我慢の時間帯が続く。その中でGK山下の好守やDF熊谷を中心に粘りの守備を続ける。だが、34分には左CKの場面で長身ルナールがファーに流したボールをアンリに折り返されると、このクリアボールをル・ソメにダイレクトボレーで合わせられ中島にディフレクトしたボールがゴール左隅に吸い込まれた。

その後の猛攻を何とか凌いで1-2のスコアで試合を折り返したなでしこジャパンは、後半も同じ11人で臨む。立ち上がりの49分にはディアニに個人技から枠内シュートを許すが、これはGK山下の好守で凌ぐ。

その後は守備面で粘り強い対応が目立つ一方、なかなか攻め手を見いだせないなでしこジャパン。流れを変えたい高倉監督は60分過ぎに清水と横山を下げて宮川麻都、菅澤優衣香を同時投入。システムを[4-2-3-1]に変更して1トップの菅澤の下に長谷川を置く形に。さらに79分には中島を下げてよりアタッカー色の強い宮澤ひなたをピッチに送り出すが、効果的な一手とはならない。

すると、82分にはボックス右でカスカリーノに強烈なミドルシュートを打たれると、これはGK山下の好守で凌ぐがこぼれ球をDF熊谷がクリアし切れなかったところをディオニに詰められて決定的な3点目を奪われてしまった。

その後、86分に長谷川を下げて植木理子を投入したなでしこジャパンは何とかゴールを奪おうと攻勢に出るが、試合終了間際のセットプレーの流れから熊谷が放ったシュートも枠を大きく外れて万事休す。一時は同点に追いつくも試合を通して劣勢を強いられたなでしこジャパンは1-3の敗戦を喫した。

なお、ヨーロッパ遠征初戦を黒星で終えたなでしこジャパンは、現地時間9日にドイツ女子代表戦を戦う予定だ。

フランス女子代表 3-1 なでしこジャパン
【フランス女子代表】
ゴーヴァン(3)
ル・ソメ(34)
ディアニ(82)
【なでしこジャパン】
小林里歌子(24)
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「良いシミュレーションになる」パリ五輪へ向けてアメリカ遠征に臨むなでしこジャパン、池田太監督は「選手の成長を見守り、促していきたい」

28日、4月1日から11日までアメリカで行われるShebelieves Cupに臨むなでしこジャパンのメンバー発表会見が行われた。 パリ・オリンピックのアジア最終予選で北朝鮮女子代表相手にしっかりと勝利し、出場権を獲得した日本。本番に向けて、残り短い期間での強化が必要となる。 今回のShebelieves Cupでは、6日にアメリカ女子代表と対戦。9日には、ブラジル女子代表かカナダ女子代表と対戦することとなる。 パリ・オリンピックの組み合わせも決定した中、最後の仕上げに入っていく日本。池田太は今回の大会に臨むにあたり、意気込みを語るとともに、北朝鮮戦の応援への感謝を口にした。 「我々なでしこジャパンは、先月DPRコリア(北朝鮮)とのアジア最終予選を勝ち抜きまして、パリ・オリンピック出場権獲得することができました」 「タフな戦いを1つ乗り越えて戦った選手たちを称えたいと思いますし、色々な不確定なことが多かったなか、しっかりとサポートしてくれたスタッフ、そして国立競技場に応援に来ていただいたサポーター、お客さん、テレビの前で応援してくださった皆さんに、改めて心から感謝したいと思います。ありがとうございました」 「我々はパリ・オリンピックに向けて4カ月を切っている短い中での準備期間で、このアメリカ遠征、Shebelieves Cup。そして5月末からの活動の2回を有意義に使い、パリ・オリンピックに向けて準備していきたいと思っております」 「昨年のワールドカップが終わって、アジア2次予選、最終予選、オリンピックと、この期間でチームが成長し、チームづくりを進めていく上で1つ1つの活動、また選手の成長を見守っていきたいと、促していきたいと思っています」 メンバーは2023年のオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)から大きくは変更されておらず、大きな競争というよりは精度を上げていくことがメインとなるなでしこジャパン。その中で、女子W杯得点王ながらケガの影響で久々の招集となるFW宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)が復帰を果たした。 クラブではトレーニングには復帰しているものの、試合にはまだ復帰していない宮澤。池田監督は「宮澤選手ですが、我々のメディカルチーム、スタッフも含めて、所属チームとコミュニケーションをとっている中で、彼女のケガからのリハビリの状況もしっかり把握していました」と語り、「このShebelieves Cupに向けて、彼女は所属チームではしっかりトレーニングをしており、試合に出られる状況であるというコミュニケーションも取っていて、招集させてもらいました。また、彼女がコンディションや戦い方の中でどうプレーするからはこれからですが、ピッチ上もそうですし、限られたオリンピックの活動の中で、ピッチ外で積み上げることも必要だと思って今回メンバーに入れました」と語り、本番まで時間がない中で共有することを含めて久々に招集したと語った。 また、久々に招集したGK大場朱羽(ミシシッピ大学)については「GKの大場選手ですが、GKの積み上げている中で、山下(杏也加)選手、平尾(知佳)選手、田中(桃子)選手とW杯からこの3人で色々なことを積み上げてきました。さらに、選手の共有ごとを増やしていくという意味で、今回GKの層を広げるという意味で大場選手を招集したというのがあります。GKも3人、4人と招集できる機会があれば良いですが、そういう中でGKの層を厚くしておく、やれること、考えられることを増やすということもありました」と、今回招集した理由を語った。 守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)も今回復帰を果たしたが「復帰した守屋選手は所属チームでしっかりプレーしていることもありますし、ポジションのやれること、彼女の上下動という部分でもなでしこの力になってくれるということもあります。日頃の成長を我々のチームでも生かしてくれると思って招集しました」と期待を寄せている。 今大会ではパリ・オリンピックでも対戦するブラジル女子代表とも対戦する可能性がある。試合も中2日、移動も伴うこととなると、パリ・オリンピックのシミュレーションにもなる。 池田監督は良いシミュレーションになるとコメント。さまざまな面でオリンピックのシミュレーションをしたいと語った。 「オリンピックの中2日、しかもベニュー(会場)移動が伴う中2日というのは、今回のShebelieves Cupで確認というか、シミュレーションになるんではないかと思っています。全く同じ状況ではないと思いますけど、移動してトレーニング、短い時間で次の対戦相手を分析して試合に向かう。そういった流れを体感できるのは、スタッフを含めて選手にとっても良いシミュレーションになるかなと思っています」 「2試合目の対戦相手がブラジルになるのかカナダになるのかは、1戦目の状況に応じて考えることになりますが、ブラジルに関しては昨年ですと3回対戦していますし、色々なことをお互いがトライすることになるのかなと思います」 「ブラジル戦だけでなく、Shebelieves Cupの中では我々としてはオリンピックに向けてやれることを増やしていくという確認と積み上げを同時に進めていかなければいけないですし、チームを作ってあげるのと同時に、メンバー選考ではないですが、限られた人数で戦わなければいけない見極めも含めて、Shebelieves Cup、5月末の活動を総合的に考えたいと思います」 そのオリンピックでは、ブラジル、そして女子W杯でも対戦したスペインと対戦する。改めて、その思いを語った。 「オリンピックの出場国が12カ国ということは、どこと戦っても厳しい戦いになることは承知していましたし、ポットが決まった時に、各大陸の中で組み合わせもある程度見えてきた部分もあったので、そういった部分ではポット1ではフランスかスペイン、ポット3ではブラジルかコロンビアということもある程度決まっていたので、それほど大きな驚きはなかったです」 「スペインとはアンダー世代からよく戦うことが多かったので、いつも縁があるなと思っています」 「W杯を経て、チームを進化させようとどの国もしていて、監督が変わったりすることもあります。我々がやってきたことのベースを含めて、やれることを増やしていくというのは、この遠征でもやっていきたいですし、その中でどう戦っていくか、どういうふうな変化に選手が対応するかをピッチ内外で見ていければと思います」 残り少ない実戦の機会。なでしこの準備がしっかり進むのか注目だ。 2024.03.28 20:55 Thu

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日本サッカー協会(JFA)は28日、アメリカで行われる2024 Shebelieves Cupに臨むなでしこジャパンのメンバー22名を発表した。 パリ・オリンピック本大会へ向け、重要な強化の場となる今遠征には、キャプテンの熊谷紗希(ローマ)や長谷川唯(マンチェスター・シティ)らが順当に選出された。 また、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で得点女王に輝いたFW宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)が負傷離脱から復帰。その他、FW浜野まいか(チェルシー)なども復帰した。また、今回アメリカで開催されることもありGK大場朱羽(ミシシッピ大学)も招集された。 なお、過去の同大会は4カ国総当たりのリーグ戦形式が主だったが、今年はパリ・オリンピックを意識してのトーナメント形式を採用。参加する4カ国は、日本を含めていずれもパリ・オリンピック出場権を獲得しており、本大会へ向けた意義深いものとなっている。 参加国は日本に加え、開催国のアメリカ女子代表、カナダ女子代表、ブラジル女子代表。日本は6日に行われる初戦の準決勝でアメリカと対戦し、9日に3位決定戦、または決勝に臨む。 ◆なでしこジャパンメンバー22名 GK 山下杏也加(INAC神戸レオネッサ) 平尾知佳(アルビレックス新潟レディース) 大場朱羽(ミシシッピ大学) FP 熊谷紗希(ローマ/イタリア) 田中美南(INAC神戸レオネッサ) 清水梨紗(ウェストハム/イングランド) 清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース) 守屋都弥(INAC神戸レオネッサ) 上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ) 長谷川唯(マンチェスター・シティ/イングランド) 杉田妃和(ポートランド・ソーンズFC/アメリカ) 北川ひかる(INAC神戸レオネッサ) 林穂之香(ウェストハム/イングランド) 南萌華(ローマ/イタリア) 長野風花(リバプール/イングランド) 植木理子(ウェストハム/イングランド) 宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド) 石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース) 藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) 浜野まいか(チェルシー/イングランド) 谷川萌々子(FCローゼンゴード/スウェーデン) 古賀塔子(フェイエノールト/オランダ) 2024.03.28 13:01 Thu

U-20日本女子代表DF小山史乃観が新天地スウェーデンで公式戦デビュー!主戦場はトップ下か

ユールゴーデンIFのU-20日本女子代表DF小山史乃観が、新天地での公式戦デビューを果たした。 ユールゴーデンは24日、女子スウェーデンカップ、グループ3のグループステージ最終節でAIKと対戦。小山はトップ下で先発し、フル出場を果たした。 今年2月にセレッソ大阪ヤンマーレディースからスウェーデンへと渡った小山は、AFC U20女子アジアカップ参加のため、グループステージの第1節、第2節を欠場。この試合がユールゴーデンでの公式戦初出場となった。 先のAFC U20女子アジアカップではユーティリティ性を買われ、左右のサイドバックから2列目や最前線でもプレー。U-20女子ワールドカップ(W杯)出場権獲得や準優勝に貢献した。 なでしこリーグ1部時代にはFWとして2021年に9得点、2022年に10得点を挙げ、それぞれ得点ランキングの4位、3位タイの成績も残すなど得点力も高く、ユールゴーデン加入後もトレーニングマッチながらすでにゴールを挙げている。加入時には「攻撃的なポジションでプレーしたい」とも述べており、今後も前線での起用が中心となりそうだ。 なお、試合はユールゴーデンがFKから15分に先制したが、19分、50分に失点を喫したのちに、83分にマチルダ・プランがCKから同点弾を奪取。2-2の引き分けに終わっている。 <span class="paragraph-title">【動画】なでしこ小山史乃観が新天地デビュー、ユールゴーデンvsAIKのハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="wUIdp9rLa4A";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.03.25 18:40 Mon

震災以来13年ぶり福島帰還のJFAアカデミー福島女子、Jヴィレッジでのホーム戦初戦を勝利で飾る

JFAアカデミー福島は24日、プレナスなでしこリーグ2部第2節のSEISA OSAレイア湘南FC戦を、福島県のナショナルトレーニングセンター Jヴィレッジスタジアムで行った。 「世界トップ10を目指した個の育成」や「世界基準を日常に」をキーワードに、サッカー内外における総合的なリーダーシップをそなえたエリートを育成するため、2006年に開校したac福島。 女子チームからは菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)や平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)、北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)に遠藤純(エンジェル・シティFC)、谷川萌々子(FCローゼンゴード)など、なでしこジャパンへ数多くの選手を輩出してきた。 2011年の東日本大震災、福島第一原子力発電所事故を受け、活動拠点を静岡県に移していたが、2021年4月から男子チームが1学年ずつ福島での活動を再開。女子も2024年3月21日に楢葉町へ帰還し、13年ぶりに福島での活動を再開させた。 本拠へ帰還し、福島での新たなスタートを切ったac福島は、昇格組のR湘南を迎えたホーム開幕戦を3-1で勝利。年代別の日本女子代表に名を連ねる板村真央らがゴールを決め、開幕2連勝を飾っている。 2024.03.25 17:50 Mon
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