【J1クラブ通信簿】念願のアジアタイトル獲得も…2年連続国内タイトル無冠《鹿島アントラーズ》
2018.12.19 20:05 Wed
▽優勝争いから残留争いまで手に汗を握る接戦、熱戦が続いた2018シーズンの明治安田生命J1リーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。第16弾は3位の鹿島アントラーズを総括!
▽弱点を補強して整えたはずだった守備陣も15試合で16失点(得失点-4)と満足する結果とは言えず、不安を覚える出来であった。
▽さらにW杯後、チームの要であったDF植田直通(→セルクル・ブルージュ)、FW金崎夢生(→サガン鳥栖)が立て続けに流出。一方で、鳥栖から韓国代表DFチョン・スンヒョンを獲得して植田の穴を埋めるも、エースの抜けた穴は埋めきれずにいた。
▽ACLの勝ち上がり、リーグ戦、YBCルヴァンカップ、天皇杯と四足の草鞋を履く鹿島が今シーズンの過密日程を乗り越えられたのは、若手の成長も特筆すべきポイントだ。
▽エースにまで成長した鈴木はもちろんのこと、中盤のバランサーとしてMFレオ・シルバ、MF永木亮太、MF小笠原満男に加えてDF西大伍まで、様々に変わった相棒とのバランスを上手く取りチームの軸となったMF三竿健斗、19歳の若さで常勝軍団・鹿島の主力として定着したFW安部裕葵など、彼らの活躍は目覚ましいものがあった。
◆MVP
FW鈴木優磨(22)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発25試合)/11得点10アシスト
▽特にW杯中断明け、金崎が鳥栖へ移籍した事でエースの自覚が生まれたのか、後半戦だけで7得点。さらに自らの得点だけではなく、前線からの守備、ポストプレー、そしてサイドで起点となりアシストも量産。クラブ初となる日本人選手での得点・アシストともに二桁に乗せた。
▽ACLではゴールこそ2得点に終わったものの、チームの勝利に貢献したことで大会MVPを受賞。入れ替えの激しかった今シーズンの鹿島において、大きな支えになった。
◆補強成功度 《A》※最低E〜最高S
▽W杯後に植田が移籍、さらに昌子源も負傷で長期離脱となったものの、鳥栖から補強したチョンスンヒョン、シーズン前に加入した犬飼、そしてユースから昇格した3年目の町田が奮闘。最終ラインを支えたレギュラーの抜けた穴をしっかりと埋めることができた。
▽さらには、今シーズンは一歩奮わなかったFWペドロ・ジュニオール(→武漢卓爾職業足球倶楽部)、ケガで長期離脱を余儀なくされたMFレアンドロの代わりとして、ジーコTDの秘蔵っ子・セルジーニョを獲得。献身的な守備から攻撃の起点を作り、攻撃陣を活性化。リーグ戦では3得点に終わったが、ACLでは決勝トーナメントで5試合連続ゴールと火を吹いた。
▽そして、なんと言ってもジーコTDの復帰が最大の補強になったのではないだろうか。“ジーコイズム”を継承する選手が少なくなったこのタイミングでチームに復帰。彼のTD就任が、チームに程よい緊張感が生み、ACL制覇、リーグ3位という好成績を残す要因となったと言っても過言ではないだろう。
◆総合評価 《B》※最低E〜最高S
▽加えて、最終節は勝てば2位の可能性も残す中、残留争い中のサガン鳥栖とホームで0-0のゴールレスドロー。煮え切らない形でのシーズン終了は、サポーターにとってもフラストレーションの溜まるラストとなったに違いない。
▽とはいえ、シーズン終盤はリーグ戦、ACL、ルヴァンカップ、天皇杯と4つの大会を抱える事となったが、上手くターンオーバーし過密日程を切り抜けられたことはプラス材料と言えるだろう。その裏には、鈴木、三竿(健)、安部など若手の台頭はもちろん、曽ヶ端準、小笠原の2人のベテラン選手のひたむきな姿勢と経験値が生かされたとも言える。
▽シーズン中盤は迷走気味とも言われた大岩剛監督だったが、選手たちの疲労やプレイスタイルの相性などを見極め、全ての大会でトップレベルの結果を残すことができたことは評価できるのではないだろうか。
▽しかし、常にトップを目標に定める鹿島においては、ベスト4は喜ばしいものではなく、“優勝”以外は意味を持たない。国内タイトルを2年連続で逸している鹿島にとって、タイトルを奪還する為に必要なものは何なのか。ACL初制覇の経験をいかにチームに落とし込んでいくかが、来シーズンの成功のカギとなるだろう。
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◆シーズン振り返り(C)CWS Brains,LTD
▽あと一歩のところでリーグ制覇を逃した昨シーズンから4冠を目指した鹿島アントラーズ。センターバックにDF犬飼智也(清水エスパルス)、サイドバック、サイドハーフ、ウイングのどこでもできる器用なDF安西幸輝(東京ヴェルディ)に加え、長らくドイツでプレーしたDF内田篤人(ウニオン・ベルリン)が復帰。課題であったサイドバックの人員不足も解消し、新シーズンに臨んだ。▽AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージは2勝3分け1敗、鬼門だったラウンド16を突破するなど好調を見せるも、リーグ戦では奮わず。ロシア・ワールドカップ(W杯)による中断前の15試合で6敗(5勝3分け)で11位に沈み、開幕前に掲げた4冠など程遠いところに位置していた。▽さらにW杯後、チームの要であったDF植田直通(→セルクル・ブルージュ)、FW金崎夢生(→サガン鳥栖)が立て続けに流出。一方で、鳥栖から韓国代表DFチョン・スンヒョンを獲得して植田の穴を埋めるも、エースの抜けた穴は埋めきれずにいた。
▽そんな中、神様・ジーコ氏がテクニカルディレクターとして復帰。そして、ブラジルから連れて来たFWセルジーニョがすぐさまフィットし結果を出す。さらにエースとしての自覚を強めた鈴木優磨の躍進もあり、一時は15位まで下げた順位を最終的に3位にまで引き上げることができた。
▽ACLの勝ち上がり、リーグ戦、YBCルヴァンカップ、天皇杯と四足の草鞋を履く鹿島が今シーズンの過密日程を乗り越えられたのは、若手の成長も特筆すべきポイントだ。
▽エースにまで成長した鈴木はもちろんのこと、中盤のバランサーとしてMFレオ・シルバ、MF永木亮太、MF小笠原満男に加えてDF西大伍まで、様々に変わった相棒とのバランスを上手く取りチームの軸となったMF三竿健斗、19歳の若さで常勝軍団・鹿島の主力として定着したFW安部裕葵など、彼らの活躍は目覚ましいものがあった。
◆MVP
FW鈴木優磨(22)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発25試合)/11得点10アシスト
(C)J.LEAGUE PHOTO
▽今年の鹿島を3位まで押し上げたのは、この人と言っていいだろう。トップ昇格から4年目の今シーズン。これまで途中出場が多かった鈴木だが、25試合で先発起用された。金崎、土居聖真、セルジーニョと相棒が変わる中、順応性と成長を見せた。▽特にW杯中断明け、金崎が鳥栖へ移籍した事でエースの自覚が生まれたのか、後半戦だけで7得点。さらに自らの得点だけではなく、前線からの守備、ポストプレー、そしてサイドで起点となりアシストも量産。クラブ初となる日本人選手での得点・アシストともに二桁に乗せた。
▽ACLではゴールこそ2得点に終わったものの、チームの勝利に貢献したことで大会MVPを受賞。入れ替えの激しかった今シーズンの鹿島において、大きな支えになった。
◆補強成功度 《A》※最低E〜最高S
Getty Images
▽J2で頭角を見せていた安西をはじめ、犬飼、8年ぶりに帰還した内田とディフェンスラインを補強。ACLとリーグ戦の兼ね合いでターンオーバーを繰り返すも、ベストな組み合わせが見つけられないままW杯の中断期間に入った。▽W杯後に植田が移籍、さらに昌子源も負傷で長期離脱となったものの、鳥栖から補強したチョンスンヒョン、シーズン前に加入した犬飼、そしてユースから昇格した3年目の町田が奮闘。最終ラインを支えたレギュラーの抜けた穴をしっかりと埋めることができた。
▽さらには、今シーズンは一歩奮わなかったFWペドロ・ジュニオール(→武漢卓爾職業足球倶楽部)、ケガで長期離脱を余儀なくされたMFレアンドロの代わりとして、ジーコTDの秘蔵っ子・セルジーニョを獲得。献身的な守備から攻撃の起点を作り、攻撃陣を活性化。リーグ戦では3得点に終わったが、ACLでは決勝トーナメントで5試合連続ゴールと火を吹いた。
▽そして、なんと言ってもジーコTDの復帰が最大の補強になったのではないだろうか。“ジーコイズム”を継承する選手が少なくなったこのタイミングでチームに復帰。彼のTD就任が、チームに程よい緊張感が生み、ACL制覇、リーグ3位という好成績を残す要因となったと言っても過言ではないだろう。
◆総合評価 《B》※最低E〜最高S
(C)J.LEAGUE PHOTO
▽2位のサンフレッチェ広島と勝ち点差3の勝ち点56の3位に終わったが、首位・川崎フロンターレには「13」も勝ち点差を付けられての終幕。昨シーズンの勝ち点72と比較しても、かなり物足りないシーズンとなった。▽加えて、最終節は勝てば2位の可能性も残す中、残留争い中のサガン鳥栖とホームで0-0のゴールレスドロー。煮え切らない形でのシーズン終了は、サポーターにとってもフラストレーションの溜まるラストとなったに違いない。
▽とはいえ、シーズン終盤はリーグ戦、ACL、ルヴァンカップ、天皇杯と4つの大会を抱える事となったが、上手くターンオーバーし過密日程を切り抜けられたことはプラス材料と言えるだろう。その裏には、鈴木、三竿(健)、安部など若手の台頭はもちろん、曽ヶ端準、小笠原の2人のベテラン選手のひたむきな姿勢と経験値が生かされたとも言える。
▽シーズン中盤は迷走気味とも言われた大岩剛監督だったが、選手たちの疲労やプレイスタイルの相性などを見極め、全ての大会でトップレベルの結果を残すことができたことは評価できるのではないだろうか。
▽しかし、常にトップを目標に定める鹿島においては、ベスト4は喜ばしいものではなく、“優勝”以外は意味を持たない。国内タイトルを2年連続で逸している鹿島にとって、タイトルを奪還する為に必要なものは何なのか。ACL初制覇の経験をいかにチームに落とし込んでいくかが、来シーズンの成功のカギとなるだろう。
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1月12日に行われた2025年鹿島アントラーズ新体制発表会。それに先駆けて午前に行われたユースとのトレーニングマッチでいきなりハットトリックを達成したのが、今季正式にトップ昇格を果たした徳田誉だ。 「チームとしてつながりを持った攻撃や技術のところは言われていて、それを出せたシーンはチャンスになっていましたけど、もっともっと増やして開幕を迎えられればと思います」と今季は34番をつけることになった17歳の点取屋は目をギラつかせた。 2024年はチャヴリッチの長期離脱、夏に欧州から戻ってきた田川亨介のコンディションが上がり切らなかったこともあり、徳田がジョーカー一番手と位置づけられた時期もあった。J1は12試合に出場。優勝争いに踏みとどまれるかどうかが懸かっていた9月のサンフレッチェ広島戦では起死回生の同点弾をゲット。存在感を強烈にアピールした。 「あのシーン含めて手ごたえをつかんだ部分もありましたけど、もっともっとゴールだったり、チームに貢献できるところはあった。シーズン1点というのは満足できないですし、出場時間が短いという言い訳もできない。もっと自分に厳しくして、結果を求めてやっていく必要があると思います」と本人は野心に満ち溢れているのだ。 公式戦に出た2024年の1年間で、確実に進化を遂げたのは間違いない。屈強なDFとのマッチアップや駆け引き、ボールをタメて起点を作るプレーなども十分通用していた印象だ。 「体の使い方だったりボールの隠し方という部分はすごく意識させられたところ。中後(雅喜=現コーチ)さん、羽田(憲司=現U-20日本代表コーチ)さん、(鈴木)優磨君にも求められていたし、自分なりに出せたこともあったかなと思います」と本人も自信を口にする。 そういった部分を研ぎ澄ませていき、得点数をアップさせていけば、レオ・セアラが加わった分厚いFW陣の中でも一定の地位を築けるのではないか。彼の伸びしろは無限大なのだ。 「鹿島の未来を背負う選手」との呼び声も高い徳田。彼は今、宮崎キャンプで徹底的に自分を追い込んでいるが、2月15日の開幕・湘南ベルマーレ戦の前に、AFC・U-20アジアカップ(中国)メンバー入りという重要なハードルがある。まずはそれをクリアしなければならないのだ。 船越優蔵監督率いるU-20日本代表はこの大会でベスト4に入り、9月のU-20ワールドカップ(W杯=チリ)の出場権を手にすることが絶対条件だ。徳田自身は昨年9月の1次予選(キルギス)は選外だっただけに、今年は中国・チリの両方とも主力の1人として参戦し、世界から熱視線を浴びることができれば理想的なのである。 実際、2017年大会(韓国)直後に堂安律(フライブルク)、2019年大会(ポーランド)直後に菅原由勢(サウサンプトン)と中村敬斗(スタッド・ランス)、2023年大会(アルゼンチン)直後に佐野航大(NECナイメンヘン)が欧州移籍を果たしたように、U-20W杯は「世界への登竜門」となっている。徳田の世代は2つ上の後藤啓介(アンデルレヒト)、同期の道脇豊(ベフェレン)、高岡伶颯(日章学園高→サウサンプトン)がすでに海外クラブの扉を叩いており、彼自身も「いずれは自分も外に出たい」という思いは少なからずあるだろう。 だからこそ、まず2月の中国大会に行き、戻って鹿島でコンスタントにプレー。レオ・セアラや鈴木優磨、チャヴリッチらからそれぞれのよさを盗み、自分なりの得点スタイルを確立させたうえで、チリに行くというのがベストな流れ。鹿島の分厚いFW陣に食い込めれば、U-20W杯での活躍は確実と言っていい。その先に欧州への道も見えてくるはずだ。 自身が「憧れの選手」と公言するユース時代の恩師・柳沢敦トップコーチも、かつてはU-20など年代別代表と鹿島を掛け持ちし、両方で目覚ましい実績を残していた。もちろん徳田はその時代をリアルタイムでは知らないだろうが、周囲は「同じように2つのチームで異彩を放ってほしい」と願っているに違いない。 その恩師から今季、引き続き指導を受けられることになったのは朗報。本人も再タッグ結成を嬉しく感じているという。 「柳沢さんや小笠原満男(アカデミー・テクニカル・アドバイザー)さんからは『練習試合だろうが何だろうが、結果が一番大事。勝たなければ意味がない』と言われています」と話していたが、それこそが鹿島のDNAに他ならない。勝利と結果に強くこだわり、それをピッチ上で表現し、グングン成長していけば、輝かしい20代が現実のものとなる。 偉大な先人たちの系譜を継ぐべく、今季の徳田には強烈なインパクトを残してほしいものである。 文・元川悦子 2025.01.14 20:00 Tue2
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「このクラブでもっと成長したい」鹿島から完全移籍での東京V加入決断のDF林尚輝が“全緑”で臨む今季へ意気込み
2年間の期限付き移籍期間を経て、正式に東京ヴェルディの一員となったDF林尚輝が、“全緑”で挑む新シーズンへの意気込みを語った。 立正大淞南高校、大阪体育大学を経て鹿島アントラーズでプロキャリアをスタートした林。しかし、J1屈指の名門でのポジション争いは厳しく、ケガの影響もあって加入2シーズンは思うような活躍を見せられず。そんななか、2023シーズンには出場機会を求めて当時J2の東京Vへ期限付き移籍。 加入1年目は絶対的な主力とはいかなかったが、リーグ戦23試合3得点の活躍で16年ぶりのJ1昇格に貢献。2024シーズンは保有元である鹿島からの復帰要請も届いたが、「J1に上がって自分がどれぐらいできるのか」との想いを抱くなか、移籍期間延長という形で残留。 そして、キャリアハイのリーグ戦29試合に出場し、ディフェンスラインの主力の1人としてJ1残留とともに6位躍進のチームを支えた。 今冬のストーブリーグにおいては鹿島復帰の可能性に加え、他クラブからも声がかかっていたという林。東京Vでの後半戦では序列低下によって出場機会が減少しており、必ずしもポジションが約束されていない状況だったが、完全移籍での加入を決断したのはシーズン中の昨年11月の早い段階だったという。 「完全に(移籍を)決めたのは、最終節の2節前(川崎フロンターレ戦)の前日に決めて、それはいろんな他のクラブとの兼ね合いもあって、その段階で早めに決めようというのは自分の中でも決断して、残り2節に挑もうという思いがあったので、そこは早めに決断しました」 「もちろん鹿島か、ヴェルディかというのもありましたけど、他のクラブも声をかけてくれた関係もあって、逆に早く決断することになりました。いろんな人に話を聞きましたが、ほぼ自分の中では固まっていた部分があったというなかでの決断でした」 その決断の背景には「出られなかった時間も自分にとって成長できる時間だった」と、“成長”をキーワードに、多くの若手が日常を重要視し、切磋琢磨するクラブの環境、「みんながどの方向に向かっていきたいかというのが明確」という“一体感”に強く惹かれた部分があった。 「昨年の1年間は、ケガをせずに1年通して挑みたいシーズンであって、シーズン通しては大きなケガなくやれたという面では、自分の中での成長とか、経験というのを感じながらプレーできていた。ただ、それだけでは年間通して試合に出られないというのは、他の選手もいい選手がたくさんいますし、その競争に勝てなかったというのが自分の中ですごく残っていて、それが後半戦試合に出られないというのを経験するなかで、その出られなかった時間というのも自分にとって成長できる時間でしたし、このクラブでもっと成長したいという思いを持っていました」 「今まではレンタルという部分でどこか鹿島の影というのがあったと思いますが、完全でヴェルディの選手になることで、もう一皮、二皮むけるのかなという思いもあって、このチームでやりたいと思って決断しました」 「(ヴェルディの魅力)僕は鹿島でしか比べることができないですけど、一番は一体感のところだと感じています。みんなで何かを成し遂げようという志が高い選手が多いので、何か問題が起きたときとかにも、どうやればいいのかという話し合いができますし、もちろん感情的にぶつかるときもありますけど、城福さんも自分たちのサッカーはバトンを渡していくというふうに言っていましたけど、横の繋がりみたいなのはすごくあるのかなと」 「やっぱりプロなので、誰が試合に出る、出ないというのはありますけど、ただチームとしてみんながどの方向に向かっていきたいかというのが明確なのが、このチームの強さなのかなというふうに思っています」 来季も東京Vでプレーする決断を下したなか、昨季のJ1最終節の京都サンガF.C.戦では7試合ぶりに先発出場。結果は0-0のドローに終わったが、個人としては守備面で出足鋭い潰しや決定的なシュートブロックなど持ち味を遺憾なく発揮。加えて、課題とする攻撃面においても積極性をもってチャレンジする姿が印象的だった。 試合後のミックスゾーンではアウェイまで駆け付けた多くのサポーターの声援を聞いて「うるっときました」と感情的になったことを明かしていたが、その裏には久々の先発出場という状況だけでなく、完全移籍での残留を決断して最初の試合という事情もあった。そのなかでの好パフォーマンスは新シーズンに向けても自信に繋がった。 「もう2節前から決断していましたが、そこでは試合に出られなくて、そんな簡単にいくわけではないな、という思いはありました。ただ、最終節にチャンスが来て、自分の長所に立ち返ってプレーできたと思いますし、やっぱり来季ここでプレーするという思いもあっての最終節という部分で、ファン・サポーターの声援であったりというのは、すごく自分の心にしみるものがありました。自分の決断は間違っていなかったのかなと思わされるなかでのプレーだったので、すごく感情的にもなっていました」 「自分がどっちに行くのか、残るのかという考えではなくて、『俺はここでやるんだ』という思いで、ピッチに立てたというのは、覚悟にもプレーにも繋がっていたと思いますし、すごくそこはクリアにできました。90分は久しぶりでしたけど、逆にあの試合でダメだったら、来年は厳しいという思いも持って挑んだので、それがしっかり表現できたことはよかったです」 2年の期限付き移籍期間を経て完全移籍に移行し、心機一転で臨む2025シーズンの戦いに向けて林は、よりリーダーシップを意識しつつ、完全移籍加入のリリースでも触れたように、“全緑”でチームのために戦う覚悟を強く抱く。 「まずは新しい気持ちで挑みたいというシーズン。もちろん完全移籍でこのチームでやれるというのは誇らしいことですし、レンタルとは違う自分を見せられるようにやりたいという思いはあります。数字のところでもしっかり試合に出場して、1年間通して戦力になり続けるというのは、去年残った課題ではあったので、そういうところにこだわってやっていきたい」 「自分自身の中ではヴェルディのためにという思いはずっと持ってやっていましたけど、心のどこかで鹿島からレンタルで来ているという遠慮も、多少はあったかもしれないです。それを振り切れるので、(完全移籍加入のリリースで)“全緑”でと書きましたけど、その気持ちでやりたいです」 林を含め、同じく鹿島から完全移籍へ移行したFW染野唯月ら多くの主力が残留し、新シーズンは指揮官が掲げる「超野心的な目標」に向け、さらなる躍進を目指すシーズンとなる。 緑の背番号4は「J2の頃からの積み重ねというのが、去年の6位に繋がっていると思いますし、今年もその積み重ねというのを活かしたなかで、新しい選手も来て、またそこに上積みができると思っている」とアドバンテージを認めながらも、「簡単にいかないのがJ1だと思いますし、新たな気持ちで、チャレンジャーというのを忘れずにやるのが大切」と、サプライズを起こした昨季同様のチャレンジャー精神で今季の厳しい戦いに挑む。 2025.01.14 12:19 Tue2
2024年はJ1・12試合出場1得点。17歳の若き点取屋は鬼木新体制の鹿島で分厚いFW陣にどう食い込むか?/徳田誉(鹿島アントラーズ)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.56】
1月12日に行われた2025年鹿島アントラーズ新体制発表会。それに先駆けて午前に行われたユースとのトレーニングマッチでいきなりハットトリックを達成したのが、今季正式にトップ昇格を果たした徳田誉だ。 「チームとしてつながりを持った攻撃や技術のところは言われていて、それを出せたシーンはチャンスになっていましたけど、もっともっと増やして開幕を迎えられればと思います」と今季は34番をつけることになった17歳の点取屋は目をギラつかせた。 2024年はチャヴリッチの長期離脱、夏に欧州から戻ってきた田川亨介のコンディションが上がり切らなかったこともあり、徳田がジョーカー一番手と位置づけられた時期もあった。J1は12試合に出場。優勝争いに踏みとどまれるかどうかが懸かっていた9月のサンフレッチェ広島戦では起死回生の同点弾をゲット。存在感を強烈にアピールした。 「あのシーン含めて手ごたえをつかんだ部分もありましたけど、もっともっとゴールだったり、チームに貢献できるところはあった。シーズン1点というのは満足できないですし、出場時間が短いという言い訳もできない。もっと自分に厳しくして、結果を求めてやっていく必要があると思います」と本人は野心に満ち溢れているのだ。 公式戦に出た2024年の1年間で、確実に進化を遂げたのは間違いない。屈強なDFとのマッチアップや駆け引き、ボールをタメて起点を作るプレーなども十分通用していた印象だ。 「体の使い方だったりボールの隠し方という部分はすごく意識させられたところ。中後(雅喜=現コーチ)さん、羽田(憲司=現U-20日本代表コーチ)さん、(鈴木)優磨君にも求められていたし、自分なりに出せたこともあったかなと思います」と本人も自信を口にする。 そういった部分を研ぎ澄ませていき、得点数をアップさせていけば、レオ・セアラが加わった分厚いFW陣の中でも一定の地位を築けるのではないか。彼の伸びしろは無限大なのだ。 「鹿島の未来を背負う選手」との呼び声も高い徳田。彼は今、宮崎キャンプで徹底的に自分を追い込んでいるが、2月15日の開幕・湘南ベルマーレ戦の前に、AFC・U-20アジアカップ(中国)メンバー入りという重要なハードルがある。まずはそれをクリアしなければならないのだ。 船越優蔵監督率いるU-20日本代表はこの大会でベスト4に入り、9月のU-20ワールドカップ(W杯=チリ)の出場権を手にすることが絶対条件だ。徳田自身は昨年9月の1次予選(キルギス)は選外だっただけに、今年は中国・チリの両方とも主力の1人として参戦し、世界から熱視線を浴びることができれば理想的なのである。 実際、2017年大会(韓国)直後に堂安律(フライブルク)、2019年大会(ポーランド)直後に菅原由勢(サウサンプトン)と中村敬斗(スタッド・ランス)、2023年大会(アルゼンチン)直後に佐野航大(NECナイメンヘン)が欧州移籍を果たしたように、U-20W杯は「世界への登竜門」となっている。徳田の世代は2つ上の後藤啓介(アンデルレヒト)、同期の道脇豊(ベフェレン)、高岡伶颯(日章学園高→サウサンプトン)がすでに海外クラブの扉を叩いており、彼自身も「いずれは自分も外に出たい」という思いは少なからずあるだろう。 だからこそ、まず2月の中国大会に行き、戻って鹿島でコンスタントにプレー。レオ・セアラや鈴木優磨、チャヴリッチらからそれぞれのよさを盗み、自分なりの得点スタイルを確立させたうえで、チリに行くというのがベストな流れ。鹿島の分厚いFW陣に食い込めれば、U-20W杯での活躍は確実と言っていい。その先に欧州への道も見えてくるはずだ。 自身が「憧れの選手」と公言するユース時代の恩師・柳沢敦トップコーチも、かつてはU-20など年代別代表と鹿島を掛け持ちし、両方で目覚ましい実績を残していた。もちろん徳田はその時代をリアルタイムでは知らないだろうが、周囲は「同じように2つのチームで異彩を放ってほしい」と願っているに違いない。 その恩師から今季、引き続き指導を受けられることになったのは朗報。本人も再タッグ結成を嬉しく感じているという。 「柳沢さんや小笠原満男(アカデミー・テクニカル・アドバイザー)さんからは『練習試合だろうが何だろうが、結果が一番大事。勝たなければ意味がない』と言われています」と話していたが、それこそが鹿島のDNAに他ならない。勝利と結果に強くこだわり、それをピッチ上で表現し、グングン成長していけば、輝かしい20代が現実のものとなる。 偉大な先人たちの系譜を継ぐべく、今季の徳田には強烈なインパクトを残してほしいものである。 文・元川悦子 2025.01.14 20:00 Tue3
復帰の荒木遼太郎は71番で再出発! “新生”鹿島が2025年の登録選手&背番号を発表
鹿島アントラーズは5日、2025シーズンのトップチーム登録選手とスタッフを発表した。 来る新シーズン、川崎フロンターレを数々のタイトルに導いた鬼木達新監督のもとでスタートを切る鹿島。柳沢敦氏や、曽ケ端準氏といったクラブOBにプラスして、日本代表OBの田中誠氏もコーチングスタッフに入閣させ、復権を期す。 現時点で29名の選手メンバーでは小池龍太といった新戦力をはじめ、荒木遼太郎ら復帰組のほか、ユースから3名が昇格。完全移籍移行のアレクサンダル・チャヴリッチとレンタル延長のターレス・ブレーネルを除けば、8選手が新加入となる。 FC東京で復活を遂げ、堂々復帰となる注目の荒木は10番ではなく、71番で再出発。既存メンバーでは6名が新たな背番号をつけ、濃野公人が「22」、チャヴリッチが「77」に変更される。 なお、クラブOBでレジェンドのジーコ氏は引き続き、アドバイザーとしてクラブ全体の業務に携わっていくという。 ◆トップチーム登録選手&背番号 GK 1.早川友基 21.山田大樹 ※背番号変更「31」 29.梶川裕嗣 38.パク・ウィジョン DF 2.安西幸輝 3.キム・テヒョン←サガン鳥栖/完全 5.関川郁万 22.濃野公人 ※背番号変更「32」 23.津久井佳祐 ※背番号変更「39」 25.小池龍太←横浜F・マリノス/完全 28.溝口修平 32.松本遥翔←鹿島アントラーズユース/昇格 36.佐藤海宏←鹿島アントラーズユース/昇格 55.植田直通 MF 4.ミロサヴリェヴィッチ 6.三竿健斗 10.柴崎岳 13.知念慶 14.樋口雄太 17.ターレス・ブレーネル←FCルフ・リヴィウ(ウクライナ)/期限付き延長 20.舩橋佑 ※背番号変更「34」 27.松村優太←東京ヴェルディ/復帰 33.下田栄祐←いわきFC/復帰 71.荒木遼太郎←FC東京/復帰 FW 11.田川亨介 19.師岡柊生 ※背番号変更「36」 34.徳田誉←鹿島アントラーズユース/昇格 40.鈴木優磨 77.チャヴリッチ←SKスロヴァン・ブラチスラヴァ(スロバキア)/完全移行 ※背番号変更「7」 <span class="paragraph-title">【動画】鹿島の新ユニムービーに鈴木優磨ら登場</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="WCCXH0hha6c";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.01.05 13:10 Sun4
鹿島MFミロサヴリェヴィッチがレンタルで母国へ 「アントラーズが良い形で勝ち進んでいくことを願いながら、自分は…」
鹿島アントラーズは12日、MFラドミル・ミロサヴリェヴィッチ(32)が母国セルビアのFKラドニチュキ・ニシュに期限付き移籍と発表した。 セルビアのほか、スイスやギリシャでもプレーした過去を持つミロサヴリェヴィッチ。鹿島には昨年3月から加わり、J1リーグでは10試合の出場数を記録した。 鬼木達新監督のもとですでに始動するなか、移籍決定のミロサヴリェヴィッチはクラブ公式サイトで次のようにコメントしている。 「今シーズンは、FKラドニチュキ・ニシュでシーズンをスタートすることになりました。アントラーズが良い形で勝ち進んでいくことを願いながら、自分はしっかりコンディションを上げて戦い、ベストを尽くしていきます」 2025.01.12 12:10 Sun5