何事もなくて良かった…/原ゆみこのマドリッド
2018.12.11 12:00 Tue
                ▽「だからシベレスやネプトゥーノは避けたのね」そんな風に私が納得していたのは月曜日、コパ・リベルタドーレス決勝終了後、プエルタ・デル・ソル(マドリッドの中心にある広場)で優勝を祝うリーベル・プレートのファン数人が熊とイチゴノキの銅像の上に乗っているのをお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、大晦日のカウントダウン並の人数が集まっていたものの、懸念されていた暴力沙汰などはまったくなかったんですけどね。レアル・マドリーがお祝いをするシベレスの噴水広場の女神像もアトレティコが祝うネプトゥーノの海神像もかなり凝った彫刻像とあって、とりわけ前者など、昔は選手たちが登っていたこともあったものの、ここ近年は簡易の階段を作り、そこからキャプテンたちだけがバンデラ(クラブ旗)やブファンダ(マフラー)を巻きつける方法に移行。
▽となると、最初はリーベルが優勝の際はシベレス、ボカ・ジュニアーズならネプトゥーノにお祝い場所が選定されていたのを前者はプエルタ・デル・ソル、後者はコロン広場に変えたのは賢い処置だったかと思いますが、幸い熊の像も無事だったようですし、あとは宿敵を破って浮かれるアルゼンチン人のファンたちが歌ったり、跳ねたりぐらいだったのは助かったかと。ええ、地元のブエノスアイレスではまたしても警官隊が出動する大騒ぎになっていましたしね。バルセロナでのように優勝騒ぎに乗じて、暴れる輩もマドリッドには現れなかったのもいい兆候ではあるんですが…。
▽まあ、コパ・リベルタドーレス決勝の話はまた後ですることにして、先に先週末のマドリッド勢のリーガ戦を報告していくことにすると。この15節、金曜に先陣を切ったのは弟分ダービーでレガネスがヘタフェをブタルケに迎えることに。ミッドウィークにはコパ・デル・レイ16強進出を果たし、波に乗っている両チームだったんですが、結果は前半39分にダミアンのFKをカブレラがヘッドで先制したヘタフェに後半19分、守備のクリアミスからニヨムのゴールでレガネスが追いついて、いえ、終盤は大型FWペア、カリージョとエン・ネスリ目がけてロングボールを繰り出していたホームチームが大いに押していたんですけどね。
▽柴崎岳選手もサイドでアップしていたんですが、おかげでボルダラス監督も前半、負傷したアマトの代わりに入ったポルティージョを「No estaba en contacto con balon, queria reforzar la banda y el centro/ノー・エスタバ・エン・コンタクトー・コン・バロン、ケリア・レフォルサール・ラ・バンダ・イ・エル・セントロ(ボールに触れていなかったし、サイドと中央を強化したかった)」という理由で下げ、左SBのアントゥネスを投入する破目に。それでも結局、「チャンスの数からしたら、ウチが勝つのにふさわしかったが、el futbol es eficacia/エル・フトボル・エス・エフィカシア(サッカーは効率性だからね)」(ペレグリーノ監督)ということで、1-1の痛み分けで終了となりましたっけ。
▽それでもレガネスは降格圏外の16位を維持できましたしね。この試合、終盤に退場となったルベン・ペレスと累積警告枚数に達したニヨムは欠くものの、再び金曜試合となるセルタ戦で勝ってくれればいいんですが、最悪のニュースがあったのはヘタフェの方。いえ、順位は8位で相変わらず、ヨーロッパリーグ出場圏とは勝ち点差1のままなんですが、何とアマトのケガがヒザのじん帯断裂だったことが判明。ずっとレギュラーだった彼が今季絶望となると、早速、この土曜のレアル・ソシエダ戦からボルダラス監督は代理の選手を試していかないといけないことになりますが、え、負傷禍にかけては兄貴分のアトレティコに勝るチームはないんじゃないかって?
▽おまけに後でアラベスのキャプテン、マヌ・ガルシアも「Ellos se han sentido comodos con el 1-0/エジョス・セ・アン・センティードー・コモドス・コン・エル・ウノ・セロ(彼らは1-0で快適に感じていて)、ウチにピッチを明け渡して自陣エリアで守ることにした」と言っていたように、なかなかアトレティコは追加点を取りに行かないんですよ。それにはシメオネ監督も後半途中にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の本職CBのモンテーロを入れ、「Si fuera el estaria orgulloso de poder cumplir en cualquiera de las posiciones/シーフエラ・エル・エスタリア・オルグジョーソ・デ・ポデール・クンプリール・エン・クアルキエラ・デ・ラス・ポシシオネス(もし自分が彼なら、どんなポジションでもプレーできて誇らしいだろう)」とおだてて、最近はフィリペ・ルイスのケガで人材不足となった左SBをやらせていたサウールを中盤のサイドに上げてみたりもしたんですけどね。
▽ようやく終盤にはカリニッチから代わったビトロのスルーパスに抜け出したグリーズマンがピッチを縦断、最初のシュートはゴールポストに弾かれたものの、通りすがりにボールを押し込んで2点目が入るまで、いやあ、アベラルド監督は「ウチにもリードされてから、10~15分はいい時間があったんだが、nunca dimos sensacion de poder remontar/ヌンカ・ディモス・センサシオン・デ・ポデール・レモンタール(1度も逆転できる気がしなかった)」と後で告白していましたけどね。今季のアトレティコは1点のリードを守れず、引き分けてしまった試合が複数回あったため、私もドキドキして見ていたんですが、2点差なら安全圏。おまけに残り4分にはGKパチェコがブロックしたコレアのシュートがロドリの前に落ち、そのゴールでスコアが3-0となったとなれば、もう何も心配することはありませんって。
▽え、この勝利で一瞬、首位に並んだ彼らだったのに次の時間帯ではバレンシアと分けたセビージャに抜かれ、夜にはエスパニョールとのカタルーニャダービーにバルサが0-4と大勝したため、結局、首位と勝ち点3の3位という立ち位置は変わらなかったんだろうって? まあ、そうなんですが、リーガは長いですし、シメオネ監督も「somos pocos y no es facil competir y ganar, ganar y volver a ganar como decia Luis/ソモス・ポコス・イ・ノー・エス・ファシル・コンペティール・イ・ガナール、ガナール・イ・ボルベル・ア・ガナール・コモ・デシア・ルイス(ウチは人数が少ないし、競って、ルイス・アラゴネス監督が言っていたように勝って勝ってまた勝つのは簡単ではない)」と言っていましたしね。
▽今はこんな調子で上位陣にいてくれるだけでいいかと思いますが、日曜夜にはシメオネ監督を始め、グリーズマン、ゴディン、オブラク、サビッチ、フィリペ・ルイス、コレアと大挙してサンティアゴ・ベルナベウにコパ・リベルタドーレス決勝を観戦に行っていたアトレティコには今週、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、CLグループリーグ最終節、クラブ・ブルージュ戦が。膝を捻って、一足早く今年は店仕舞いしたリュカに代わり、ゴディンとフィリペ・ルイスが復帰したため、サビッチが出場停止でもDF陣は大丈夫なんですが、果たして勝ってグループ1位の座を確定できるのかどうか。幸い相手もELに回れる3位は決まっていますし、モナコと対戦するドルトムントに勝ち点2差を引っくり返されない結果を出せるといいですよね。
▽そして翌日はお隣さんがアウェイで最下位のウエスカと対戦したんですが、何ともこれがフラストレーションの溜まる展開で、マドリーの得点は前半8分、オドリオソラのクロスをベイルがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めたものだけ。その後、だんだん元気のなくなった彼らはとりわけ風下に回った後半など、「Era muy dificil jugar al futbol, no sabias hacia donde iba a ir el balon/エラ・ムイ・ヂフィシル・フガール・アル・フトボル、ノーサビアス・アシア・ドンデ・イバ・ア・イル・エル・バロン(サッカーをプレーするのが凄く難しかった。ボールがどこに行くのかわからなくてさ)」(オドリオソラ)という事情はあったようですが、もうほとんどウエスカの独り舞台状態に。
▽それでもメレロがゴール前から、絶対外さないようなヘッドを失敗したり、GKクルトワのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれたりと相手がゴール運から見放されていたおかげもあって、マドリーは何とか0-1で勝利。ベニト・ビジャマリンで遅い試合を戦ったラージョも優勢に進めながら、後半14分にアマトがゴール前でロレンにファールしたことがVAR(ビデオ審判)で発覚、ロ・セルソのPKでベティスに先制されてしまった上、31分にはシドネイにも決められ、2-0で負けてしまったのと同様に勝負にはやっぱり、ツキが必要ってことですよね。
▽おかげで前節エイバル戦勝利の勢いを持続できなかった弟分が降格圏の18位のまま、土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)にはサンティアゴ・ベルナベウに乗り込み、兄弟分ダービーを戦わないといけないのは心もとないんですが、マドリーにはその前、水曜午後6時55分(同2時55分)から、CSKAモスクワを迎えるCL戦をこなさなければならないというハンデが。いえ、もうグループ首位突破が決まっている彼らですから、ウエスカ戦では控えだったイスコやアセンシオがアピールする機会になりそうですけどね。負傷のリハビリが進んでいるクロースやマリアーノ、マルセロなどは来週から始まるクラブW杯を睨んで調整といったところでしょうが、もしかしたらコパ・リベルタドーレス優勝チームが最強の敵となるその大会、別にベストメンバーでなくてもいいんじゃないかと思ってしまったのは私だけではなかった?
▽いやあ、というのも実はボカとリーベルの決勝をサンティアゴ・ベルナベウで見ることができたんですよ。マドリッド当局が厳戒態勢を敷いたため、メトロの駅を出て最初のチェックゲートを抜けるのに30分近くかかったり、ボディチェックで財布まで開けられた時にはアルゼンチン人はそんなところにもbengala(ベンガラ/発煙筒)を隠すのかと驚愕したものでしたけどね。一旦、中に入ってしまえば普通で、南北のfondo(フォンド/ゴール裏席)に分かれた両チームのファンの応援が大きかったのは当然ですが、初めて見る南米チーム同士のサッカーにはただただ、目を瞠るばかり。
▽だって、アトレティコなど、よく「パスが3回と繋がらない」と解説者たちに怒られているんですが、この2チームはそれどころの話ではなく、1回でも繋がればスタンドから拍手が起きるんですよ。プレーの速度も遅いため、これだったら先日、コパ・デル・レイ32強対決で見たメリリャ(2部B)なんかの方が上手いんじゃないかと思ってしまった私でしたが、前半43分、カウンターからナンデスのパスで抜け出したベネデットが決めたプレーはちょっと、シメオネ監督のチームを彷彿させなくもない?
▽スタンドもボカ・サイドは決して歌うことを止めず、その辺もアトレティコに似た感じがしたんですが、後半にはリーベルが反撃。23分、珍しくエリア内で繋がったプレーからプラットが決め、同点になります。その後、1-1のまま、試合は延長戦に入ったんですが、2分にはバリオスが2枚目のイエローカードをもらって退場するなど、ボカはツキにも恵まれませんでしたね。延長戦後半3分にはキンテーロにエリア外から撃ち込まれてリードされると、途中出場の元マドリーの懐かしい顔、ガゴもアキレス腱を断裂してピッチ外へ。いよいよ9人になってしまった彼らは最後、GKアンドラダも加わったCK全員攻撃が仇となり、ピティ・マルティネスに誰もいないゴールに3点目を決められてしまっては仕方ありませんって。
▽まあ、そんな感じで約1カ月前にボンボネーラでの1stレグを2-2を引き分けた後、11月24日のモニュメンタルでの2ndレグはボカのチームバスがリーベルのウルトラ(過激なファン)に投石されたりして延期。河岸を変え、大西洋を渡ったマドリッドで開催された決勝はリーベルに軍配が上がったんですが、果たしてこのチームが22日のクラブW杯決勝でマドリーに太刀打ちできるかというと…いえ、ソラーリ監督のチームだって、鹿島アントラーズvsグアダラバラ(メキシコ)戦の勝者と準決勝を戦わないといけませんし、あまり予想を急いではいけませんよね。ちなみに祝杯明けの月曜はホテルで休んだ後、リーベルは火曜に開催地のアラブ首長国連邦のドバイに飛ぶそうですが、来週火曜の準決勝エスペランス(チュニジア)戦までゆっくり休めるのはアドバンテージになるかもしれません。
                    
                                            
                                        
                                        
                                        
                                        
                    
                    
                                        
                                            ▽となると、最初はリーベルが優勝の際はシベレス、ボカ・ジュニアーズならネプトゥーノにお祝い場所が選定されていたのを前者はプエルタ・デル・ソル、後者はコロン広場に変えたのは賢い処置だったかと思いますが、幸い熊の像も無事だったようですし、あとは宿敵を破って浮かれるアルゼンチン人のファンたちが歌ったり、跳ねたりぐらいだったのは助かったかと。ええ、地元のブエノスアイレスではまたしても警官隊が出動する大騒ぎになっていましたしね。バルセロナでのように優勝騒ぎに乗じて、暴れる輩もマドリッドには現れなかったのもいい兆候ではあるんですが…。
▽まあ、コパ・リベルタドーレス決勝の話はまた後ですることにして、先に先週末のマドリッド勢のリーガ戦を報告していくことにすると。この15節、金曜に先陣を切ったのは弟分ダービーでレガネスがヘタフェをブタルケに迎えることに。ミッドウィークにはコパ・デル・レイ16強進出を果たし、波に乗っている両チームだったんですが、結果は前半39分にダミアンのFKをカブレラがヘッドで先制したヘタフェに後半19分、守備のクリアミスからニヨムのゴールでレガネスが追いついて、いえ、終盤は大型FWペア、カリージョとエン・ネスリ目がけてロングボールを繰り出していたホームチームが大いに押していたんですけどね。
▽それでもレガネスは降格圏外の16位を維持できましたしね。この試合、終盤に退場となったルベン・ペレスと累積警告枚数に達したニヨムは欠くものの、再び金曜試合となるセルタ戦で勝ってくれればいいんですが、最悪のニュースがあったのはヘタフェの方。いえ、順位は8位で相変わらず、ヨーロッパリーグ出場圏とは勝ち点差1のままなんですが、何とアマトのケガがヒザのじん帯断裂だったことが判明。ずっとレギュラーだった彼が今季絶望となると、早速、この土曜のレアル・ソシエダ戦からボルダラス監督は代理の選手を試していかないといけないことになりますが、え、負傷禍にかけては兄貴分のアトレティコに勝るチームはないんじゃないかって?
▽そうですね、翌土曜午後1時という早い時間にアラベスをワンダ・メトロポリターノに迎えた彼らでしたが、うーん、前半24分にアリアスのクロスをカリニッチがお腹でゴールに。先日のコパ、サン・アンドレウ(3部)戦2ndレグではヘッドでアトレティコ移籍初得点を挙げていたため、次こそは足で決めて、2月まで戻って来ないジエゴ・コスタの穴を埋めるFWなってくれるんじゃないかと、スタンドには明るい希望が広がっていたんですけどね。36分にはアラベスのエース、カジェリともつれ合った際にリュカが負傷。右膝を痛めて、ようやくその日からベンチに復帰したヒメネスと交代って、やっぱりアトレティコのDF陣は厄払いにでも行くべきかと。
▽おまけに後でアラベスのキャプテン、マヌ・ガルシアも「Ellos se han sentido comodos con el 1-0/エジョス・セ・アン・センティードー・コモドス・コン・エル・ウノ・セロ(彼らは1-0で快適に感じていて)、ウチにピッチを明け渡して自陣エリアで守ることにした」と言っていたように、なかなかアトレティコは追加点を取りに行かないんですよ。それにはシメオネ監督も後半途中にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の本職CBのモンテーロを入れ、「Si fuera el estaria orgulloso de poder cumplir en cualquiera de las posiciones/シーフエラ・エル・エスタリア・オルグジョーソ・デ・ポデール・クンプリール・エン・クアルキエラ・デ・ラス・ポシシオネス(もし自分が彼なら、どんなポジションでもプレーできて誇らしいだろう)」とおだてて、最近はフィリペ・ルイスのケガで人材不足となった左SBをやらせていたサウールを中盤のサイドに上げてみたりもしたんですけどね。
▽ようやく終盤にはカリニッチから代わったビトロのスルーパスに抜け出したグリーズマンがピッチを縦断、最初のシュートはゴールポストに弾かれたものの、通りすがりにボールを押し込んで2点目が入るまで、いやあ、アベラルド監督は「ウチにもリードされてから、10~15分はいい時間があったんだが、nunca dimos sensacion de poder remontar/ヌンカ・ディモス・センサシオン・デ・ポデール・レモンタール(1度も逆転できる気がしなかった)」と後で告白していましたけどね。今季のアトレティコは1点のリードを守れず、引き分けてしまった試合が複数回あったため、私もドキドキして見ていたんですが、2点差なら安全圏。おまけに残り4分にはGKパチェコがブロックしたコレアのシュートがロドリの前に落ち、そのゴールでスコアが3-0となったとなれば、もう何も心配することはありませんって。
▽え、この勝利で一瞬、首位に並んだ彼らだったのに次の時間帯ではバレンシアと分けたセビージャに抜かれ、夜にはエスパニョールとのカタルーニャダービーにバルサが0-4と大勝したため、結局、首位と勝ち点3の3位という立ち位置は変わらなかったんだろうって? まあ、そうなんですが、リーガは長いですし、シメオネ監督も「somos pocos y no es facil competir y ganar, ganar y volver a ganar como decia Luis/ソモス・ポコス・イ・ノー・エス・ファシル・コンペティール・イ・ガナール、ガナール・イ・ボルベル・ア・ガナール・コモ・デシア・ルイス(ウチは人数が少ないし、競って、ルイス・アラゴネス監督が言っていたように勝って勝ってまた勝つのは簡単ではない)」と言っていましたしね。
▽今はこんな調子で上位陣にいてくれるだけでいいかと思いますが、日曜夜にはシメオネ監督を始め、グリーズマン、ゴディン、オブラク、サビッチ、フィリペ・ルイス、コレアと大挙してサンティアゴ・ベルナベウにコパ・リベルタドーレス決勝を観戦に行っていたアトレティコには今週、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、CLグループリーグ最終節、クラブ・ブルージュ戦が。膝を捻って、一足早く今年は店仕舞いしたリュカに代わり、ゴディンとフィリペ・ルイスが復帰したため、サビッチが出場停止でもDF陣は大丈夫なんですが、果たして勝ってグループ1位の座を確定できるのかどうか。幸い相手もELに回れる3位は決まっていますし、モナコと対戦するドルトムントに勝ち点2差を引っくり返されない結果を出せるといいですよね。
▽そして翌日はお隣さんがアウェイで最下位のウエスカと対戦したんですが、何ともこれがフラストレーションの溜まる展開で、マドリーの得点は前半8分、オドリオソラのクロスをベイルがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めたものだけ。その後、だんだん元気のなくなった彼らはとりわけ風下に回った後半など、「Era muy dificil jugar al futbol, no sabias hacia donde iba a ir el balon/エラ・ムイ・ヂフィシル・フガール・アル・フトボル、ノーサビアス・アシア・ドンデ・イバ・ア・イル・エル・バロン(サッカーをプレーするのが凄く難しかった。ボールがどこに行くのかわからなくてさ)」(オドリオソラ)という事情はあったようですが、もうほとんどウエスカの独り舞台状態に。
▽それでもメレロがゴール前から、絶対外さないようなヘッドを失敗したり、GKクルトワのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれたりと相手がゴール運から見放されていたおかげもあって、マドリーは何とか0-1で勝利。ベニト・ビジャマリンで遅い試合を戦ったラージョも優勢に進めながら、後半14分にアマトがゴール前でロレンにファールしたことがVAR(ビデオ審判)で発覚、ロ・セルソのPKでベティスに先制されてしまった上、31分にはシドネイにも決められ、2-0で負けてしまったのと同様に勝負にはやっぱり、ツキが必要ってことですよね。
▽おかげで前節エイバル戦勝利の勢いを持続できなかった弟分が降格圏の18位のまま、土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)にはサンティアゴ・ベルナベウに乗り込み、兄弟分ダービーを戦わないといけないのは心もとないんですが、マドリーにはその前、水曜午後6時55分(同2時55分)から、CSKAモスクワを迎えるCL戦をこなさなければならないというハンデが。いえ、もうグループ首位突破が決まっている彼らですから、ウエスカ戦では控えだったイスコやアセンシオがアピールする機会になりそうですけどね。負傷のリハビリが進んでいるクロースやマリアーノ、マルセロなどは来週から始まるクラブW杯を睨んで調整といったところでしょうが、もしかしたらコパ・リベルタドーレス優勝チームが最強の敵となるその大会、別にベストメンバーでなくてもいいんじゃないかと思ってしまったのは私だけではなかった?
▽いやあ、というのも実はボカとリーベルの決勝をサンティアゴ・ベルナベウで見ることができたんですよ。マドリッド当局が厳戒態勢を敷いたため、メトロの駅を出て最初のチェックゲートを抜けるのに30分近くかかったり、ボディチェックで財布まで開けられた時にはアルゼンチン人はそんなところにもbengala(ベンガラ/発煙筒)を隠すのかと驚愕したものでしたけどね。一旦、中に入ってしまえば普通で、南北のfondo(フォンド/ゴール裏席)に分かれた両チームのファンの応援が大きかったのは当然ですが、初めて見る南米チーム同士のサッカーにはただただ、目を瞠るばかり。
▽だって、アトレティコなど、よく「パスが3回と繋がらない」と解説者たちに怒られているんですが、この2チームはそれどころの話ではなく、1回でも繋がればスタンドから拍手が起きるんですよ。プレーの速度も遅いため、これだったら先日、コパ・デル・レイ32強対決で見たメリリャ(2部B)なんかの方が上手いんじゃないかと思ってしまった私でしたが、前半43分、カウンターからナンデスのパスで抜け出したベネデットが決めたプレーはちょっと、シメオネ監督のチームを彷彿させなくもない?
▽スタンドもボカ・サイドは決して歌うことを止めず、その辺もアトレティコに似た感じがしたんですが、後半にはリーベルが反撃。23分、珍しくエリア内で繋がったプレーからプラットが決め、同点になります。その後、1-1のまま、試合は延長戦に入ったんですが、2分にはバリオスが2枚目のイエローカードをもらって退場するなど、ボカはツキにも恵まれませんでしたね。延長戦後半3分にはキンテーロにエリア外から撃ち込まれてリードされると、途中出場の元マドリーの懐かしい顔、ガゴもアキレス腱を断裂してピッチ外へ。いよいよ9人になってしまった彼らは最後、GKアンドラダも加わったCK全員攻撃が仇となり、ピティ・マルティネスに誰もいないゴールに3点目を決められてしまっては仕方ありませんって。
▽まあ、そんな感じで約1カ月前にボンボネーラでの1stレグを2-2を引き分けた後、11月24日のモニュメンタルでの2ndレグはボカのチームバスがリーベルのウルトラ(過激なファン)に投石されたりして延期。河岸を変え、大西洋を渡ったマドリッドで開催された決勝はリーベルに軍配が上がったんですが、果たしてこのチームが22日のクラブW杯決勝でマドリーに太刀打ちできるかというと…いえ、ソラーリ監督のチームだって、鹿島アントラーズvsグアダラバラ(メキシコ)戦の勝者と準決勝を戦わないといけませんし、あまり予想を急いではいけませんよね。ちなみに祝杯明けの月曜はホテルで休んだ後、リーベルは火曜に開催地のアラブ首長国連邦のドバイに飛ぶそうですが、来週火曜の準決勝エスペランス(チュニジア)戦までゆっくり休めるのはアドバンテージになるかもしれません。
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ピッチに投げ入れられた最も衝撃的なものはなんだろうか。 21日に行われたリーグ・アン第14節のリヨンvsマルセイユでは、スタンドから中身が入った状態のペットボトルが投げ入れられた。これがMFディミトリ・パイエの左耳付近を直撃し、パイエは頭を押さえながら倒れ込んでしまう。試合は一時中断を経て、中止にまで追いやられる事態となっていた。 19年前のエル・クラシコ、2002年11月23日に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsレアル・マドリーの一戦では、豚の頭がピッチに投げ入れられたのを覚えているだろうか。 元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴは2000年夏にバルセロナからレアル・マドリーへという禁断の移籍を決行。バルセロナのファンからは猛烈な反感を買っていた。前述のクラシコで、マドリーの一員としてカンプ・ノウに足を踏み入れたフィーゴに対してはブーイングの嵐。ライターやコインなども投げ入れられた。 その中でも異色だったのが豚の頭だ。CKでボールをセットした際に、あるバルセロナのファンがフィーゴに向かってそれを投擲。当たりはしなかったものの、様々な意味で衝撃を与えたことは間違いなかった。 当時のクラシコは一時中断こそしたものの、試合は継続。ゴールレスに終わっている。何事もなかったために、笑い話として語れるものの、ケガにつながっていれば大きな問題に発展していたことは間違いないだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】ピッチに投げ入れられた豚の頭</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">On this day in 2002, Barcelona fans threw a pig's head at Luis Figo before he took his corner at the Camp Nou <br><br>Figo left Barca for Real Madrid two years earlier. <a href="https://t.co/j3ZgOQ85dW">pic.twitter.com/j3ZgOQ85dW</a></p>— B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1463119883055599616?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.11.24 22:10 Wed3
    カシージャスの心臓発作後に最初に連絡を入れたのはモウリーニョ! 「最初に心配してくれた人」
かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun4
    コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
    