狭きJ1への門…激戦必至のJ2リーグを展望
2018.02.25 11:30 Sun
▽25日、2018シーズンの明治安田生命J2リーグが開幕を迎える。J1昇格を懸けた熾烈な争いがスタートする。
▽今シーズンのJ2は昇格へのレギュレーションが変更。J1への自動昇格の2枠は変わらないものの、プレーオフの方式が変更となった。J2の3位〜6位のチームに加え、J1の16位チームが参加。J2の4チームがこれまで通りのプレーオフを戦い、勝ち抜いた1チームがJ1の16位と決勝を実施。3チームの昇格が確保されていないため、これまでよりもJ1への門は狭くなっている。◆J1経験チームが増加
▽J1から降格してきたチームは、ヴァンフォーレ甲府、アルビレックス新潟、大宮アルディージャの3つ。これにより、J1経験チームが12と増えた。昨シーズンも激しい昇格争いが繰り広げられたが、今シーズンは上述の昇格チーム数が減る可能性があることにも加え、各チームが高い戦力を誇っており、例年以上に激しい戦いが待っていることが予想される。
◆優勝争いの筆頭は大宮
◆甲府、新潟の2チームはチームの完成度次第
◆復権を目指すJ1経験クラブ
▽福岡は、昨シーズンのJ1昇格プレーオフ決勝で名古屋相手に勝利できず、目前に迫ったJ1への切符を掴むことができなかった。井原正巳監督が率いて4シーズン目、チームの成熟度は高いものの、不安材料は得点源であったFWウェリントン(→ヴィッセル神戸)の穴埋めと中盤の構成だ。FWトゥーリオ・デ・メロ(←シャペコエンセ/ブラジル)、FWドゥドゥ(←ヴァンフォーレ甲府)、FW森本貴幸(←川崎フロンターレ)と軸になれるストライカーを確保した一方で、大宮へ移籍した三門やDF冨安健洋(→シント=トロイデン/ベルギー)、DF亀川諒史(→柏レイソル)らの穴埋めが気になるところ。チームの核が入れ替わっただけに、完成度が気になる。
▽千葉はフアン・エスナイデル監督2年目。最終ラインにDF増嶋竜也(←柏レイソル)、DFエベルト(←ピアスト・グリヴィツェ/ポーランド)を補強。中盤には、MF小島秀仁(←愛媛FC)、MF茶島雄介(←サンフレッチェ広島)を加えた。エスナイデル監督のサッカーにあった選手を確保した印象だ。成熟度を上げ、取りこぼしを減らすことができれば、自動昇格も見えてくるだろう。
▽東京V、横浜FCも選手の入れ替えがあるものの、監督が標榜するサッカーを体現できる選手を確保している印象だ。東京Vは、GKに上福元直人(←大分トリニータ)、DFに若狭大志(←ジェフユナイテッド千葉)、中盤にMF李栄直(←カマタマーレ讃岐)、MF高井和馬(←ザスパクサツ群馬)、FWに林陵平(←水戸ホーリーホック)を補強。両サイドバックを支えた、DF安西幸輝(→鹿島アントラーズ)、DF安在和樹(→サガン鳥栖)がチームを去ったが、各ポジションに的確に補強した印象だ。横浜FCもエースのFWイバを残留させた他、MF松井大輔(←オドラ・オポーレ/ポーランド)を補強。岡山で主力を務めていたMF渡邊一仁も確保し、安定感が増しそうな印象だ。
▽そして多くの選手を復帰させた松本からも本気度が伺える。MF岩上祐三(←大宮アルディージャ)、MF前田直輝(←横浜F・マリノス)、FW前田大然(←水戸ホーリーホック)が復帰。さらに、GK守田達弥(←アルビレックス新潟)、MF藤田息吹(←愛媛FC)、MF中美慶哉(←サガン鳥栖)、FW永井龍(←名古屋グランパス)と各クラブの主力も獲得した。再びJ1へという気概を感じる戦力が揃った。
◆ダークホースとなり得るか
▽徳島はリカルド・ロドリゲス監督が率いて2シーズン目。昨シーズンは終盤での失速に泣いたが、チームの戦い方が継続されることは大きい。エースであったFW渡大生(→サンフレッチェ広島)のほか、DF馬渡和彰(→サンフレッチェ広島)、MF大崎淳矢(→レノファ山口FC)らも退団。しかし、DF大屋翼(←大宮アルディージャ)、MFシシーニョ(←FC岐阜)を獲得。渡の代役にはJ3で得点を量産したFW薗田卓馬(←アスルクラロ沼津)や覚醒が期待されるFW呉屋大翔(←ガンバ大阪)を確保した。ロドリゲス監督のサッカーが2シーズン目を迎えてどう変化するかにも注目だ。
▽岡山は大きく選手の入れ替えを実施。しかし、各クラブで経験を積んでいる選手を補強した。特に中盤はMF上田康太(←ジュビロ磐田)、MF末吉隼也(←アビスパ福岡)、MF仲間隼斗(←カマタマーレ讃岐)を補強。前線にはFWイ・ヨンジェ(←京都サンガF.C.)、FW齊藤和樹(←ジュビロ磐田)とJ2で実績のある選手を確保した。爆発力を秘めているだけに、どのような結果が待っているかは気になるところだ。
▽そして最後は山口。日本サッカー協会の技術委員長としても活躍し、ベルギーのシント=トロイデンでもコーチを務めた霜田正浩監督が率いる。ビッグネームこそいないものの、DF坪井慶介(←湘南ベルマーレ)、MF大崎淳矢(←徳島ヴォルティス)と経験豊富な選手を獲得した一方で、MF高橋壱晟(←ジェフユナイテッド千葉)、MF丸岡満(←セレッソ大阪)、FW高木大輔(←東京ヴェルディ)、FWオナイウ阿道(←浦和レッズ)と若手4名を期限付き移籍で獲得。若手をどのように機能させるかで、リーグをかき乱してくれそうだ。
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◆J1への狭き門▽今シーズンのJ2は昇格へのレギュレーションが変更。J1への自動昇格の2枠は変わらないものの、プレーオフの方式が変更となった。J2の3位〜6位のチームに加え、J1の16位チームが参加。J2の4チームがこれまで通りのプレーオフを戦い、勝ち抜いた1チームがJ1の16位と決勝を実施。3チームの昇格が確保されていないため、これまでよりもJ1への門は狭くなっている。◆J1経験チームが増加
▽J1から降格してきたチームは、ヴァンフォーレ甲府、アルビレックス新潟、大宮アルディージャの3つ。これにより、J1経験チームが12と増えた。昨シーズンも激しい昇格争いが繰り広げられたが、今シーズンは上述の昇格チーム数が減る可能性があることにも加え、各チームが高い戦力を誇っており、例年以上に激しい戦いが待っていることが予想される。
(C)CWS Brains,LTD.
▽今シーズンのJ2で優勝を争いそうなチームは、2017シーズンのJ1最下位に終わった大宮だ。DF和田拓也(→サンフレッチェ広島)、MF江坂任(→柏レイソル)、MF瀬川祐輔(→柏レイソル)、MF長谷川アーリアジャスール(→名古屋グランパス)、MF岩上祐三(→松本山雅FC)と主力が数名チームを去った。しかし、昨シーズン名古屋のJ1昇格に貢献したFWロビン・シモヴィッチやアビスパ福岡を支えたMF三門雄大らを獲得。J2での経験が豊富なDF中村太亮(←ジュビロ磐田)、GK笠原昂史(←水戸ホーリーホック)、MF嶋田慎太郎(←ロアッソ熊本)と、充実した戦力を抱えている。J1級の陣容を石井正忠監督がどのように操るか。3シーズン前にJ2を経験した選手が多いこともプラスに働くと思われる。◆甲府、新潟の2チームはチームの完成度次第
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▽一方で、甲府、新潟の両チームは苦しむ可能性もある。甲府はMF小塚和季(←レノファ山口FC)、MF佐藤和弘(←水戸ホーリーホック)、FWジネイ(←湘南ベルマーレ)と昨シーズンのJ2を経験した実力者を補強した。しかし、チームとしては2012年以来のJ2の舞台。ここ数年で大きく変化したJ2に戸惑う可能性もあるだろう。得点源であったFWドゥドゥ(→アビスパ福岡)もチームを去り、吉田達磨監督が2シーズン目でどのような戦いを見せるかに注目だ。▽新潟は、主力の多くが引き抜かれてしまい、指揮官も鈴木政一監督に交代と、心機一転J1昇格を目指す。J2を戦うのは2003年以来であり、長く厳しい戦いへの経験値が少ないと言える。開幕直前にかつてセレッソ大阪でもプレーしたFWブルーノ・メネゲウ(←長春亜泰/中国)を獲得。さらに、FWターレス(←ヴァスコ・ダ・ガマ/ブラジル)、GKアレックス・ムラーリャ(←フラメンゴ/ブラジル)と世代別のブラジル代表、A代表経験者を獲得。チームとしての完成度を高めるため、鈴木監督がどのようにチームとしてまとめるかがカギを握るだろう。
◆復権を目指すJ1経験クラブ
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▽優勝争い、上位争いに絡んできそうなクラブは、アビスパ福岡、ジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディ、横浜FC、松本山雅FCと予想する。▽福岡は、昨シーズンのJ1昇格プレーオフ決勝で名古屋相手に勝利できず、目前に迫ったJ1への切符を掴むことができなかった。井原正巳監督が率いて4シーズン目、チームの成熟度は高いものの、不安材料は得点源であったFWウェリントン(→ヴィッセル神戸)の穴埋めと中盤の構成だ。FWトゥーリオ・デ・メロ(←シャペコエンセ/ブラジル)、FWドゥドゥ(←ヴァンフォーレ甲府)、FW森本貴幸(←川崎フロンターレ)と軸になれるストライカーを確保した一方で、大宮へ移籍した三門やDF冨安健洋(→シント=トロイデン/ベルギー)、DF亀川諒史(→柏レイソル)らの穴埋めが気になるところ。チームの核が入れ替わっただけに、完成度が気になる。
▽千葉はフアン・エスナイデル監督2年目。最終ラインにDF増嶋竜也(←柏レイソル)、DFエベルト(←ピアスト・グリヴィツェ/ポーランド)を補強。中盤には、MF小島秀仁(←愛媛FC)、MF茶島雄介(←サンフレッチェ広島)を加えた。エスナイデル監督のサッカーにあった選手を確保した印象だ。成熟度を上げ、取りこぼしを減らすことができれば、自動昇格も見えてくるだろう。
▽東京V、横浜FCも選手の入れ替えがあるものの、監督が標榜するサッカーを体現できる選手を確保している印象だ。東京Vは、GKに上福元直人(←大分トリニータ)、DFに若狭大志(←ジェフユナイテッド千葉)、中盤にMF李栄直(←カマタマーレ讃岐)、MF高井和馬(←ザスパクサツ群馬)、FWに林陵平(←水戸ホーリーホック)を補強。両サイドバックを支えた、DF安西幸輝(→鹿島アントラーズ)、DF安在和樹(→サガン鳥栖)がチームを去ったが、各ポジションに的確に補強した印象だ。横浜FCもエースのFWイバを残留させた他、MF松井大輔(←オドラ・オポーレ/ポーランド)を補強。岡山で主力を務めていたMF渡邊一仁も確保し、安定感が増しそうな印象だ。
▽そして多くの選手を復帰させた松本からも本気度が伺える。MF岩上祐三(←大宮アルディージャ)、MF前田直輝(←横浜F・マリノス)、FW前田大然(←水戸ホーリーホック)が復帰。さらに、GK守田達弥(←アルビレックス新潟)、MF藤田息吹(←愛媛FC)、MF中美慶哉(←サガン鳥栖)、FW永井龍(←名古屋グランパス)と各クラブの主力も獲得した。再びJ1へという気概を感じる戦力が揃った。
◆ダークホースとなり得るか
(C)CWS Brains,LTD.
▽ダークホースになりそうなクラブとして注目したいのが、徳島ヴォルティスとファジアーノ岡山、レノファ山口FCだ。▽徳島はリカルド・ロドリゲス監督が率いて2シーズン目。昨シーズンは終盤での失速に泣いたが、チームの戦い方が継続されることは大きい。エースであったFW渡大生(→サンフレッチェ広島)のほか、DF馬渡和彰(→サンフレッチェ広島)、MF大崎淳矢(→レノファ山口FC)らも退団。しかし、DF大屋翼(←大宮アルディージャ)、MFシシーニョ(←FC岐阜)を獲得。渡の代役にはJ3で得点を量産したFW薗田卓馬(←アスルクラロ沼津)や覚醒が期待されるFW呉屋大翔(←ガンバ大阪)を確保した。ロドリゲス監督のサッカーが2シーズン目を迎えてどう変化するかにも注目だ。
▽岡山は大きく選手の入れ替えを実施。しかし、各クラブで経験を積んでいる選手を補強した。特に中盤はMF上田康太(←ジュビロ磐田)、MF末吉隼也(←アビスパ福岡)、MF仲間隼斗(←カマタマーレ讃岐)を補強。前線にはFWイ・ヨンジェ(←京都サンガF.C.)、FW齊藤和樹(←ジュビロ磐田)とJ2で実績のある選手を確保した。爆発力を秘めているだけに、どのような結果が待っているかは気になるところだ。
▽そして最後は山口。日本サッカー協会の技術委員長としても活躍し、ベルギーのシント=トロイデンでもコーチを務めた霜田正浩監督が率いる。ビッグネームこそいないものの、DF坪井慶介(←湘南ベルマーレ)、MF大崎淳矢(←徳島ヴォルティス)と経験豊富な選手を獲得した一方で、MF高橋壱晟(←ジェフユナイテッド千葉)、MF丸岡満(←セレッソ大阪)、FW高木大輔(←東京ヴェルディ)、FWオナイウ阿道(←浦和レッズ)と若手4名を期限付き移籍で獲得。若手をどのように機能させるかで、リーグをかき乱してくれそうだ。
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