【日本代表コラム】指揮官の狙いが的中、世代の“融合”で歴史を塗り替える
2017.09.01 09:30 Fri
▽想像を超えてきたというのが正直な感想だ。勝てば6大会連続のワールドカップ(W杯)出場権を獲得できる一戦。相手は最終予選でこれまで勝ったことがないオーストラリア代表だった。結果は2-0で勝利。歴史を変える勝利を挙げ、見事にホームの大観衆の前で結果を残した。
▽浅野は2016年9月に行われたタイ代表とのW杯最終予選以来の先発出場。FW本田圭佑(パチューカ)やFW久保裕也(ヘント)がいる中で、W杯最終予選ではここ4試合出番なし。しかし、大事な一戦で実に1年ぶりにスターティングメンバーとしてピッチに立った。
◆オーストラリア対策を考えての起用
▽井手口、浅野の先発起用に関しては、両選手のパフォーマンスだけでなく、オーストラリアの戦い方も影響したように思う。「フィジカルの強さ、空中戦の強さ」がイメージとして先行しがちなオーストラリアだが、現在はシステムを3バックに変更。さらに、パスをつなぐ地上戦での戦いを試している状況だ。
▽この戦い方を考えれば、中盤でのボール奪取能力が高く、攻撃面でも大きく貢献できる井手口の起用は納得だ。MF長谷部誠(フランクフルト)、MF山口蛍(セレッソ大阪)と守備に重きを置ける2人と中盤を構成することで、井手口の特徴でもある攻撃面が出せる状況に。攻守にわたってキーマンになれる可能性が高かった。また、浅野に関しても同様だ。3バックの脇、ウイングバックの裏を突くという点では、抜群のスピードを誇る浅野の起用は納得。日本はウィークポイントを、チームとして、そして個人としてストロングポイントで上回ろうと考えたのだろう。その采配は見事に的中した。
◆普段通りの力を出した井手口陽介
▽日本代表として3試合目の出場。2度目の先発と確かに経験値は低いと言えるかもしれないが、物怖じしない性格と、G大阪やU-23日本代表として戦ってきた経験が大一番で発揮された。そして、日本としてこれまで足りなかった追加点を奪う活躍。そのほかにも随所に良さを見せ、代表初ゴールのオマケ付きで日本をW杯に導いた。
◆特徴を発揮した浅野拓磨
▽得点シーンも浅野らしさが発揮された。左サイドからDF長友佑都(インテル)が上げたクロスに対し、抜群のタイミングでの飛び出し。サンフレッチェ広島で共にプレーしてきたFW佐藤寿人を彷彿とさせ、自身も得意とする形でのゴール。らしさを見せることで、しっかりと結果を残すことに成功した。
◆忘れてはいけない経験者の支え
▽1アシストを記録した長友も、オーストラリアのカギを握ると見られたマシュー・レッキーを封じた。DF酒井宏樹(マルセイユ)もクラブでのパフォーマスの良さを継続。守備面での貢献は特に高く、相手の決定機でもしっかりと体を寄せて無失点に貢献した。
▽FW大迫勇也(ケルン)は前線で体を張り、FW乾貴士(エイバル)は緩急をつけた攻撃、粘り強い守備で貢献。途中出場のFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)も、ディエルで強さを見せて井手口のゴールに繋げた。攻守にわたり、ピッチに送り出された“サムライ”たちが、しっかりと自分のタスクをこなし、歴史を変える結果を掴んだ。
◆ここからは強化スタートも…
▽しかし、試合後に予期せぬ知らせが。ハリルホジッチ監督が「実は私はプライベートの方で大きな問題を抱えている。この試合前に帰ろうかと思うほどの大きな問題だった」と明かした。詳細は明かされていないが、大きな決断を下さなければいけない事態であることは間違いない。サウジアラビア戦では指揮を執る予定だが、10月のキリンチャレンジカップ2017やその先については不透明な状況だ。
▽最終予選を戦いながらも新戦力をチームに取り込み、国内、海外とプレーする場に関係なく選手たちをチェックしているハリルホジッチ監督。オーストラリア相手に最終予選で初勝利を収めただけでなく、最終予選の初戦で敗れたらW杯に出られないという負のジンクスさえも塗り替えることができた。日本代表がW杯で残しているベスト16という過去の結果を塗り替えるためには、勝利にこだわりながらもチームを育めるハリルホジッチ監督の力が必要となる。
▽去就に関しては協会や指揮官の決断を待つことしかできないが、ここまで日本代表が見せた変化を考えれば、ハリルホジッチ監督が率いるチームをW杯で観たいというのが率直な気持ちだ。このチームがこの先どのような変化を遂げていくのか。そして、その先の本大会で日本がどのような結果を出すのか。残り9カ月を見守っていきたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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▽運命を握る大一番、スターティングメンバーとしてピッチに立つメンバーを見たときに関心させられた。中盤の一角にMF井手口陽介(ガンバ大阪)、右ウイングにFW浅野拓磨(シュツットガルト)を起用。メンバー発表会見で語った「その時点でベストだと思える選手を使うのが、私のサッカーの見方」の言葉通り、経験よりも調子の良さ、勝つためのポイントを重視したメンバー構成となった。▽井手口は6月に行われたアウェイのイラク代表戦で先発出場を果たしており、この試合が最終予選で2度目の先発出場。リオ・デ・ジャネイロ五輪を経験しているとはいえ、大一番で起用するにはリスクを考えることもあったはずだ。しかし、所属のG大阪での調子の良さ、そして攻守にわたって広くプレーできる井手口のポテンシャルを考えた結果の決断と言えるだろう。また、それはオーストラリアの戦い方にも影響したようにも思う。◆オーストラリア対策を考えての起用
▽井手口、浅野の先発起用に関しては、両選手のパフォーマンスだけでなく、オーストラリアの戦い方も影響したように思う。「フィジカルの強さ、空中戦の強さ」がイメージとして先行しがちなオーストラリアだが、現在はシステムを3バックに変更。さらに、パスをつなぐ地上戦での戦いを試している状況だ。
▽コンフェデレーションズカップでは、ドイツ代表やチリ代表を相手にもゲームコントロールを重視した戦いをみせ、自分たちで試合を作る方向にシフトしていたが、オーストラリアにとっても大一番である日本戦でもその姿勢は崩さなかった。
▽この戦い方を考えれば、中盤でのボール奪取能力が高く、攻撃面でも大きく貢献できる井手口の起用は納得だ。MF長谷部誠(フランクフルト)、MF山口蛍(セレッソ大阪)と守備に重きを置ける2人と中盤を構成することで、井手口の特徴でもある攻撃面が出せる状況に。攻守にわたってキーマンになれる可能性が高かった。また、浅野に関しても同様だ。3バックの脇、ウイングバックの裏を突くという点では、抜群のスピードを誇る浅野の起用は納得。日本はウィークポイントを、チームとして、そして個人としてストロングポイントで上回ろうと考えたのだろう。その采配は見事に的中した。
◆普段通りの力を出した井手口陽介
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▽まずは、この試合のMVPとも言える活躍を見せた井手口だ。G大阪でも見せる、攻守に絡むプレーをこの試合でも発揮。前半から精力的に動き回ると、地上戦を挑んできたオーストラリアのパスを何度もカット。ショートカウンターの形を何度も作り出していた。そして、守備だけでなく攻撃力も発揮。ゴール、ボールに絡みに行く姿勢は、Jリーグで見せるものと同じだった。▽日本代表として3試合目の出場。2度目の先発と確かに経験値は低いと言えるかもしれないが、物怖じしない性格と、G大阪やU-23日本代表として戦ってきた経験が大一番で発揮された。そして、日本としてこれまで足りなかった追加点を奪う活躍。そのほかにも随所に良さを見せ、代表初ゴールのオマケ付きで日本をW杯に導いた。
◆特徴を発揮した浅野拓磨
Getty Images
▽先制ゴールを記録した浅野も、久々に自身の特徴を生かせたと言っていいだろう。3バックの脇、ウイングバックの裏でボールを受ける回数が多く、ボールが回ってくれば積極的に仕掛ける姿勢も多く見られた。自身に課せられたタスクをしっかりとこなす中で、特徴でもあるスピードを発揮。オーストラリアの最終ラインにとって脅威となり続けた。▽得点シーンも浅野らしさが発揮された。左サイドからDF長友佑都(インテル)が上げたクロスに対し、抜群のタイミングでの飛び出し。サンフレッチェ広島で共にプレーしてきたFW佐藤寿人を彷彿とさせ、自身も得意とする形でのゴール。らしさを見せることで、しっかりと結果を残すことに成功した。
◆忘れてはいけない経験者の支え
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▽ゴールを奪った2人の若手にフォーカスが集まっているが、その裏にある経験者のパフォーマンスの高さについても触れないわけにはいけない。GK川島永嗣(メス)はピンチこそ少なかったものの、冷静な判断と安定したセービングでクリーンシートを達成。長谷部は前半こそ浮き足立ったプレーが散見され、バックパスをカットされたりボールロストする場面が見られたが、後半は安定感を取り戻した。▽1アシストを記録した長友も、オーストラリアのカギを握ると見られたマシュー・レッキーを封じた。DF酒井宏樹(マルセイユ)もクラブでのパフォーマスの良さを継続。守備面での貢献は特に高く、相手の決定機でもしっかりと体を寄せて無失点に貢献した。
▽FW大迫勇也(ケルン)は前線で体を張り、FW乾貴士(エイバル)は緩急をつけた攻撃、粘り強い守備で貢献。途中出場のFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)も、ディエルで強さを見せて井手口のゴールに繋げた。攻守にわたり、ピッチに送り出された“サムライ”たちが、しっかりと自分のタスクをこなし、歴史を変える結果を掴んだ。
◆ここからは強化スタートも…
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▽無事に6大会連続6度目のW杯出場を決めたことで、この先はチームの強化、ベースアップに力を入れることができる。オーストラリア戦では、これまで代表を牽引してきたMF香川真司(ドルトムント)、本田をベンチに置いての勝利。“世代交代”ではなく、“融合”に向けての一歩を踏み出すことができたと言える。▽しかし、試合後に予期せぬ知らせが。ハリルホジッチ監督が「実は私はプライベートの方で大きな問題を抱えている。この試合前に帰ろうかと思うほどの大きな問題だった」と明かした。詳細は明かされていないが、大きな決断を下さなければいけない事態であることは間違いない。サウジアラビア戦では指揮を執る予定だが、10月のキリンチャレンジカップ2017やその先については不透明な状況だ。
▽最終予選を戦いながらも新戦力をチームに取り込み、国内、海外とプレーする場に関係なく選手たちをチェックしているハリルホジッチ監督。オーストラリア相手に最終予選で初勝利を収めただけでなく、最終予選の初戦で敗れたらW杯に出られないという負のジンクスさえも塗り替えることができた。日本代表がW杯で残しているベスト16という過去の結果を塗り替えるためには、勝利にこだわりながらもチームを育めるハリルホジッチ監督の力が必要となる。
▽去就に関しては協会や指揮官の決断を待つことしかできないが、ここまで日本代表が見せた変化を考えれば、ハリルホジッチ監督が率いるチームをW杯で観たいというのが率直な気持ちだ。このチームがこの先どのような変化を遂げていくのか。そして、その先の本大会で日本がどのような結果を出すのか。残り9カ月を見守っていきたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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中国サッカー協会(CFA)は24日、中国代表に招集されていたFWフェルナンジーニョ(無所属)が来日しないことを発表した。 中国代表はすでに来日済みである中、ブラジルからの帰化選手はヨーロッパから来日する予定だった。 FWアラン、FWアロイージオとともにオランダのアムステルダムから24日に来日予定だったフェルナンジーニョだったが、CFAによるとアムステルダムで家族の健康上の問題を知ったとのこと。そのまま来日せず、ブラジルへと戻ることを申請したとのことだ。 CFAもフェルナンジーニョの帰国を許可。今回のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選には参加しないこととなる。 フェルナンジーニョはブラジルのフラメンゴやポルトガルのエストリル・プライアなどでプレー。中国では重慶力帆、河北華夏、広州恒大(現:広州FC)でプレーしていたが、今年1月に財政面の問題で退団していた。 中国スーパーリーグでは119試合に出場し30ゴール39アシストを記録。これまで中国代表歴はなく、帰化後初の代表活動となる予定だった。 2022.01.25 09:30 Tue3
「一緒に撮らないでもらっていいすか?(笑)」旗手怜央が谷口彰悟との2ショットを拒否!?元チームメイトの2人のやり取りが話題
川崎フロンターレでチームメイトだった日本代表DF谷口彰悟(アル・ラーヤン)と日本代表MF旗手怜央(セルティック)のやり取りが話題だ。 13日に開幕するアジアカップ2023に向け、現地カタール入りしている日本代表。日本サッカー協会(JFA)の公式YouTubeチャンネルでは、その活動を伝える「Team Cam」も公開されている。 練習前のウォーミングアップでは、元チームメイトの谷口と旗手が仲良く並んでジョギングをしていたが、旗手の口から思わぬ言葉が飛び出した。 「絵になってます?」とカメラマンに質問した谷口。カメラマンが「なってます」と答えると、旗手はすかさず「うわぁ一緒に撮らないでもらっていいすか?」と谷口との2ショットを拒否していた。 当然これは冗談なのだが、実は2人の間には過去にちょっとした事故が。谷口が代表の試合後に自身の写真をSNSに投稿した際、しっかりとポーズを決める谷口の後ろで、ガッツリ口を開けている瞬間の旗手が写ってしまっていたことがあった。 そのことを思い出したのか、2ショットを拒否した旗手と谷口のやり取りには、SNS上のファンからも「この旗手の返しはおもろい」、「この流れ好き」、「旗手おもろすぎてもっと好きになった」とコメントが寄せられている。 <span class="paragraph-title">【動画】旗手怜央がイケメン谷口彰悟との2ショットを拒否!?</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="3-eOpLqFGJg";var video_start = 17;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.01.11 15:35 Thu4
「お前、シバくぞ」長友佑都と久保建英の軽妙やり取りが大反響「ガチトーンなの面白すぎる」「いい関係すぎ」
日本代表のDF長友佑都(FC東京)とMF久保建英(レアル・ソシエダ)のやり取りに注目が集まっている。 3月の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表との連戦に臨む予定だった日本。だが、アウェイの平壌で開催予定だった試合は中止となり、活動を終えた。 そうした中、25日に日本サッカー協会(JFA)の公式YouTubeチャンネルで、日本代表の裏側を伝える「Team Cam」が更新。今回の代表活動期間の様子が公開された。 その中で話題を呼んでいるのが、選手たちが日本代表のスポンサーである『KIRIN』が手掛ける"勝利のハチマキ"にメッセージを記す場面での、長友と久保のやり取りだった。 スタッフから「日本代表としての想い」を記してほしいという説明を受けると、後方の席にいた久保から長友に対し、「佑都さんブラボーでいいんじゃないですか?」という声が飛ぶことに。これに対し長友が「お前、シバくぞ」と反応していた。 このやり取りには周囲のチームメイトも大爆笑。久保も「ブラボーだけは厳しいんだよなぁ」と笑いながら話していた。 37歳の長友と22歳の久保の絶妙なやり取りにはファンからも「長友と久保の年の差ある2人の掛け合い好きすぎるw」、「面白すぎる」、「いい関係すぎる」、「ガチトーンなのが面白すぎる」と反響が寄せられていた。 今回の代表戦では出場機会のなかった長友だが、終始大きな存在感を放っていた。 <span class="paragraph-title">【動画】間と表情も完璧な長友佑都の「お前、シバくぞ」</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="lwOT6cTzyq0";var video_start = 380;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.03.26 12:10 Tue5