【リーガエスパニョーラ第35節プレビュー】今季順位争いで重要度増す2つのダービー
2017.04.28 22:00 Fri
▽ミッドウィークに行われた第34節では、豊富な選手層を武器に激戦となった“エル・クラシコ”から中2日の過密日程を制した首位バルセロナと2位レアル・マドリーの2強が揃って勝利し、優勝争いは激しさを増す。また、好調の3位アトレティコ・マドリーが5位ビジャレアルとの上位対決に敗れ、同節勝利した4位セビージャと勝ち点で並ばれた。そのほか、ヨーロッパリーグ(EL)出場権争いでは6位ビルバオ、7位ソシエダのバスク2強に後れを取った8位エイバルの逆転が厳しくなった。
▽レアル・マドリーと同様のジレンマを抱えているのが、前節公式戦の無敗記録が12試合でストップした3位アトレティコ(勝ち点68)。ビジャレアルとの堅守対決を落としたことで、CLストレートインを争うセビージャに勝ち点で並ばれ、取りこぼしが許されない状況だ。その一方で、宿敵と同様に悲願のCL制覇に向けて来週ミッドウィークに重要な初戦を控えており、できれば一部主力を温存したいところ。右サイドバックやMFカラスコなど、負傷者に悩まされているシメオネ監督は、13位ラス・パルマスとのアウェイゲームでいかなるメンバーをピッチに送り出すか。
▽一時の不調を脱した感のある4位セビージャ(勝ち点68)は直近4試合を3勝1分けの好成績で終え、一時は絶望と見られたCLストレートインに向けてアトレティコを猛追。ただ、残り試合でソシエダ、レアル・マドリーとの対戦を残しており、依然として厳しい立場に立たされているのも事実だ。勝ち点3奪取が求められる今節は、14位マラガとのアンダルシア自治州ダービーに臨む。前回対戦では4-1で圧勝している相手だが、直近5試合で4勝1敗と好調を継続するマラガは、バルセロナを破るなど、侮れない存在。一度乗ったら止められない守護神カメニ、直近5試合で5ゴール中のFWサンドロ・ラミレスという攻守の軸に仕事をさせない展開に持って行きたい。
PR
▽クラシコから中2日のオサスナ戦をFWメッシ、MFアンドレ・ゴメス、FWパコ・アルカセルのドブレテに加え、MFマスチェラーノの移籍後初ゴールで大勝したバルセロナ(勝ち点78)は、一部主力を温存しつつ暫定首位キープに成功。迎えた今節は、9位エスパニョール(勝ち点50)との“バルセロナ・ダービー”に臨む。今回は難所コルネジャでの難しいダービーとなるが、3連覇を目指すバルセロナにとってダービーでの勝ち点3獲得は必須だ。幸い、3試合の出場停止が明けるFWネイマール、オサスナ戦で温存されたFWスアレス、MFイニエスタ、後半半ばに途中交代でピッチを退いたFWメッシが休養十分で臨める点は大きなアドバンテージだ。対するエスパニョールは、既に勝ち点50を獲得して残留を決めたうえ、EL出場権獲得の可能性は低く、ダービー勝利というモチベーション以外にこの試合へ懸けるものがない。また、直近のリーグ戦5試合で複数得点がなく得点力不足に陥っており、この試合でも守備的なゲームプランの採用が濃厚だ。バルセロナとしては休養十分の“MSN”の爆発がダービー勝利のカギを握るはずだ。▽ダービーでのバルセロナの取りこぼしを期待しつつ首位再浮上のチャンスを窺う2位レアル・マドリー(勝ち点78)は、複数の主力を温存したデポルティボ戦を6-1の大勝で飾り、クラシコからのバウンスバックに成功。迎える今節は、12位バレンシア(勝ち点40)をホームで迎え撃つ。今節に向けてはデポルティボ戦で温存したエースFWクリスティアーノ・ロナウド、FWベンゼマに加え、クラシコで退場し、追加処分も噂されたDFセルヒオ・ラモスも1試合の停止で済んだため、この試合での復帰が濃厚だ。また、対戦相手のバレンシアは前回対戦で1-2の敗戦を喫したタフな相手だが、直近2試合で連敗を喫しているうえ、その2試合で合計5失点を喫しており、レアル・マドリーの攻撃力であれば、十分に攻略は可能だ。その一方で懸念材料は、来週ミッドウィークにアトレティコとのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグを控えている点だ。仮に、CLに気持ちが傾けば、FWザザやFWナニなど質の高いタレントを擁するバレンシアに苦杯を舐める可能性は十分にある。▽一時の不調を脱した感のある4位セビージャ(勝ち点68)は直近4試合を3勝1分けの好成績で終え、一時は絶望と見られたCLストレートインに向けてアトレティコを猛追。ただ、残り試合でソシエダ、レアル・マドリーとの対戦を残しており、依然として厳しい立場に立たされているのも事実だ。勝ち点3奪取が求められる今節は、14位マラガとのアンダルシア自治州ダービーに臨む。前回対戦では4-1で圧勝している相手だが、直近5試合で4勝1敗と好調を継続するマラガは、バルセロナを破るなど、侮れない存在。一度乗ったら止められない守護神カメニ、直近5試合で5ゴール中のFWサンドロ・ラミレスという攻守の軸に仕事をさせない展開に持って行きたい。
▽5位ビジャレアル(勝ち点60)、6位ビルバオ(勝ち点59)、7位ソシエダ(勝ち点58)の熾烈なEL出場権争いでは、ビルバオがEL準決勝1stレグ、マンチェスター・ユナイテッド戦を控える11位セルタとの比較的楽な試合を戦う一方、ビジャレアルは18位スポルティング・ヒホン(勝ち点24)、ソシエダが19位グラナダ(勝ち点20)と、前節降格が決定したオサスナに続き残り2枠となった降格の危機を迎える崖っぷちの2チームとの難しい対戦を控える。とりわけ、今節での勝利が最低条件のグラナダは決死の覚悟で臨むはずだ。
《リーガエスパニョーラ第35節》
▽4/28(金)
《27:45》
ビジャレアル vs スポルティング・ヒホン
▽4/29(土)
《20:00》
ソシエダ vs グラナダ
《23:15》
レアル・マドリー vs バレンシア
《25:30》
ラス・パルマス vs アトレティコ・マドリー
《27:45》
エスパニョール vs バルセロナ
▽4/30(日)
《19:00》
オサスナ vs デポルティボ
《23:15》
ベティス vs アラベス
《25:30》
エイバル vs レガネス
《27:45》
セルタ vs ビルバオ
▽5/1(月)
《28:00》
マラガ vs セビージャ
▽4/28(金)
《27:45》
ビジャレアル vs スポルティング・ヒホン
▽4/29(土)
《20:00》
ソシエダ vs グラナダ
《23:15》
レアル・マドリー vs バレンシア
《25:30》
ラス・パルマス vs アトレティコ・マドリー
《27:45》
エスパニョール vs バルセロナ
▽4/30(日)
《19:00》
オサスナ vs デポルティボ
《23:15》
ベティス vs アラベス
《25:30》
エイバル vs レガネス
《27:45》
セルタ vs ビルバオ
▽5/1(月)
《28:00》
マラガ vs セビージャ
PR
バルセロナの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
バルセロナの人気記事ランキング
1
バルセロナがライバルからGKを補強か? 契約解除金48.8億円、引く手数多の23歳
バルセロナが、今夏の移籍市場で守護神の補強を考えているとのこと。その候補は、ライバルクラブからになるようだ。 今シーズンのバルセロナは、コパ・デル・レイで優勝を果たし、ラ・リーガ、チャンピオンズリーグ(CL)との3冠の可能性を残している。 今シーズンはマルク=アンドレ・テア・シュテーゲン、ヴォイチェフ・シュチェスニー、イニャキ・ペーニャが務めた中で、テア・シュテーゲンは32歳、シュチェスニーは35歳となり、後継者の獲得が必要となる。 カンテラにも有望なGKとしてアンデル・アストララガやディエゴ・コッヘンがいるものの、任せるには不安しかない状況。より実績のある選手を獲得し、テア・シュテーゲンとポジションを争える選手を探しているという。 その中で浮上している候補は、同じ街のライバルであるエスパニョールのGKジョアン・ガルシア(23)。スペイン代表デビューは果たしていないものの、ラ・リーガで32試合に出場し、その実力は十分に発揮している。 アーセナルやレアル・マドリーも獲得に動いているとされるガルシア。ただ、ライバルであるバルセロナも獲得に動いているというが、難しい情勢だ。 スペイン『Relevo』によれば、3000万ユーロ(約48億8000万円)の契約解除金が設定されているが、バルセロナは払う気があるとのこと。ただ、他のポジションほど優先度が高くないと見られており、先に他のクラブが獲得する可能性が高いという。 スペインを離れると見られているガルシア。バルセロナは後手を踏むこととなるだろうか。 2025.04.28 23:35 Mon2
コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun3
3冠目指すバルセロナが延長戦までもつれ込んだマドリーとの激闘を制して4季ぶり優勝【コパ・デル・レイ】
コパ・デル・レイ決勝、バルセロナvsレアル・マドリーが26日に行われ、2-2で90分を終了。延長戦の末、3-2としたバルセロナが優勝した。 準決勝でアトレティコ・マドリーを下したバルセロナと、レアル・ソシエダを下したマドリーによるコパ決勝クラシコ。 3冠の可能性があるバルセロナは4日前のウノセロで勝利したマジョルカ戦のスタメンから5選手を変更。ハフィーニャやクバルシ、クンデら主力がスタメンとなり、最前線は引き続きフェラン・トーレスが務めた。 一方、無冠を避けたいマドリーは3日前のウノセロで勝利したヘタフェ戦のスタメンからこちらも5選手を変更。負傷明けのムバッペはベンチスタートとなり、最前線はヴィニシウスが務めた。 立ち上がりから守勢のマドリーは8分にアクシデント。負傷明けのメンディが右ハムストリングを再負傷し、フラン・ガルシアとの交代を強いられた。 一方、攻勢をかけるバルセロナは19分にヤマルがカットインから際どいコントロールシュートで牽制。さらに21分にはFKからクンデのヘディングシュートでゴールに迫ると、28分に先制する。 ボックス右ポケットでヤマルがタメを作ってマイナスにパス。ペナルティアーク中央に走り込んだペドリが正確なコントロールシュートを蹴り込んだ。 追う展開となったマドリーは35分にセバージョスのパスを受けたベリンガムがネットを揺らして追いつきかけるもオフサイドに阻まれた。 ハーフタイムにかけても押し込むバルセロナは44分、ダニ・オルモの左CKが流れて右ポストに直撃する好機があった中、1点のリードで前半を終えた。 迎えた後半、ロドリゴに代えてムバッペを投入したマドリーは開始4分、ベリンガムの持ち上がりからヴィニシウスが立て続けに枠内シュートを浴びせたが、GKシュチェスニーの好守に阻まれる。 さらに54分にもムバッペが個人技からシュートに持ち込むもここもGKシュチェスニーに阻止された。勝負をかけるマドリーはギュレルとモドリッチを投入。 直後にはヴィニシウスがゴールに迫った中、59分にもペドリからボールを奪ったショートカウンターの流れからヴィニシウスが際どいコントロールシュートを浴びせた。 そして70分、ついに追いつく。ペナルティアーク中央で得たFKをムバッペが狙うと、左ポスト内側を叩いたシュートがゴールに吸い込まれた。押せ押せのマドリーは7分後、一気に逆転する。ギュレルの右CKをチュアメニがヘッドで押し込んだ。 逆転されたバルセロナは82分、ボックス右のヤマルがカットインからゴールに迫ったが、GKクルトワの好守に阻まれた。それでも2分後に追いつく。 ヤマルのフィードに抜け出したフェラン・トーレスがGKクルトワをかわして無人のゴールに流し込んだ。 追加タイム6分にはハフィーニャがボックス左でアセンシオに倒されてPKを宣告されるも、VARが入って判定はハフィーニャのシミュレーションに。PK取り消しで決着は延長戦に持ち込まれた。 その延長戦では流石に疲労の色が両軍濃い中、同前半9分にバルセロナに好機。ハフィーニャのパスを引き出したフェラン・トーレスがボックス左から際どいシュートを浴びせた。 延長後半開始直後、フェラン・トーレスがネットを揺らしたバルセロナが押し込む入りとするも、やはり疲労の影響で徐々に膠着状態に。 しかし同11分にバルセロナに決勝点。モドリッチの横パスをカットしたクンデがボックス手前からミドルシュートを蹴り込んだ。 諦めないマドリーは直後にムバッペがPKを獲得しかけるもその前にブラヒム・ディアスにオフサイドがあり、バルセロナが3-2で勝利。 激闘を制したバルセロナが4季ぶりにコパ・デル・レイを制覇。今季1冠目を獲得している。 バルセロナ 3-2 レアル・マドリー 【バルセロナ】 ペドリ(前28) フェラン・トーレス(後39) ジュール・クンデ(延後11) 【レアル・マドリー】 キリアン・ムバッペ(後25) オーレリアン・チュアメニ(後32) 2025.04.27 07:51 Sun4
S・インザーギ監督は幻の4点目が認められず疑問も敵地でのドローを評価、ヤマルには「8~9年見ていなかったクオリティの選手」とベタ褒め
インテルのシモーネ・インザーギ監督が4月30日にアウェイで行われ、3-3で引き分けたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグのバルセロナ戦を振り返った。 3冠から一転無冠の危機が迫る中で迎えたバルセロナとの初戦。開始30秒に負傷明けのFWマルクス・テュラムのゴールで先制したインテルは、21分にCKからDFデンゼル・ダンフリースが豪快なバイシクルシュートで加点。 最高の序盤としたが、FWラミン・ヤマルにゴラッソをすかさず決められると、38分にも失点して2-2で前半を終えた。 それでも迎えた後半、63分にまたもCKからダンフリースがドッピエッタとして勝ち越し。だが、2分後にCKのサインプレーから追いつかれた中、75分には三度勝ち越しかと思われたが、ダンフリースのアーリークロスにMFヘンリク・ムヒタリアンが合わせてネットを揺らしたシュートはわずかにオフサイドでゴールならず。ド派手な打ち合いを3-3で終えた。 S・インザーギ監督はムヒタリアンのゴールがオフサイドとなった判定に疑問を抱きつつ、敵地で素晴らしいパフォーマンスを発揮した選手たちを称えた。 「我々は素晴らしい試合をした。2-0とリードすることができたしね。ただ、なぜあのゴールが取り消されたのかまだ理解できないし、後悔もしている。それでも、現時点で私が考える世界最高のチームを相手に我々が素晴らしいパフォーマンスを発揮したことはわかっている」 一方で対応に苦慮したヤマルについては「8~9年見ていなかったクオリティの選手」とベタ褒めし、脅威となっていたことを明かした。 「ヤマルは少なくとも8~9年見ていなかったクオリティの選手。彼は我々に大きな問題を引き起こした。毎回、マークを2人付かせなければならなかったが、それでも十分ではなかった。3人付かせると他の場所にスペースができ、より深い位置で守らざるを得なくなった。幸い、バルセロナも今季多くの試合をこなしていたことから時間の経過とともに彼の集中力が失われていった。後半はうまく守れたと思う」 そしてハムストリングを痛めた様子で前半で交代となったFWラウタロ・マルティネスに関しては「痛みを感じた様子だった。8試合連続で先発していてケガのリスクは高まっていた。深刻でないことを祈っているが、少し不安もある」と2ndレグの出場が微妙であることを明かした。 決勝進出を懸けた2ndレグは6日に行われる。 2025.05.01 08:45 Thu5