【日本代表プレビュー】最強の相手との現在地を測る一戦

2016.07.30 12:15 Sat
©超ワールドサッカー
▽開幕を目前に控えたリオ・デ・ジャネイロ・オリンピック前の合宿を切り上げた手倉森誠監督率いるU-23日本代表は、本番前最後にU-23ブラジル代表と国際親善試合を行う。開催国として金メダルを目指すブラジルを相手に、本番に繋がる試合をしたいところだ。
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▽22日からブラジルに滞在している日本は、27日に行われた地元クラブ・セルジッペとの練習試合で、オーバーエイジ枠として参加するFW興梠慎三(浦和レッズ)のゴールで先制するも、追いつかれて1-1のドロー。DF塩谷司(サンフレッチェ広島)、DF藤春廣輝(ガンバ大阪)も先発し、OA枠の選手が入っての実戦で確認できたことは多いだろう。◆直前で降りかかる不安材料
▽ここにきて、MF大島僚太(川崎フロンターレ)は発熱が続き、別メニュー調整。FW陣の中心に考えていたFW久保裕也(ヤング・ボーイズ)は、クラブが突然の招集拒否を発表するなど、ここに来て不安材料も出てきた。
▽久保に関しては、霜田正浩ナショナルチームダイレクターがクラブとの交渉に向かっており、ヤング・ボーイズ側も態度を軟化させているとの情報もある。バックアップメンバーとしてFW鈴木武蔵やMF野津田岳人(ともにアルビレックス新潟)がいるものの、久保がしっかりと出場できることが1番だろう。霜田NDが良い結果を手にすることを願うばかりだ。

▽また、大島はトレーニングに復帰したが、セルジッペ戦ではDF岩波拓也(ヴィッセル神戸)が体調不良を訴えるなど、環境への適応に苦労する様子も伺える。本大会では高温多湿のマナウスで2試合を行い、長距離移動の後にサルバドールで第3戦を行うことからも、この先も体調管理には気をつけてもらいたいところだ。
◆実力者揃いのホスト国
▽最後の実戦の相手となるブラジルは、実力者が揃っている。OA枠で出場するFWネイマール(バルセロナ)、MFレナト・アウグスト(北京国安)にはじまり、DFマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)、MFラフィーニャ(バルセロナ)、MFフェリペ・アンデルソン(ラツィオ)の海外組、さらにマンチェスター・シティへの移籍が近づいているFWガブリエウ・ジェズス(パルメイラス)、FWガブリエウ(サントス)なども揃っている。

▽6月に開催されたコパ・アメリカ・センテナリオで結果を残せなかったことでドゥンガ監督が辞任し、ロジェリオ・ミカレ監督を迎えたばかりのブラジルは、チームとしての完成度は高くないだろう。しかし、高い個の能力は脅威となり、結果にかかわらず、本大会に臨む日本にとっては、大きな経験になるはずだ。

◆OA3名は引き続き先発
▽ミカレ監督がネイマールをキャプテンとして起用すると明言し、日本戦のメンバーを予告したように、手倉森監督もブラジル戦のメンバーを予告した。GKには中村航輔(柏レイソル)を起用し、DFラインは右から室屋成(FC東京)、塩谷、植田直通(鹿島アントラーズ)、藤春、中盤はボランチにMF遠藤航(浦和レッズ)、MF原川力(川崎フロンターレ)を置き、2列目に右からMF矢島慎也(ファジアーノ岡山)、中島翔哉(FC東京)、南野拓実(ザルツブルク)、1トップに興梠を置くようだ。

▽ブラジルのメンバーと合わせたマッチアップでは、シティへの移籍が濃厚なガブリエウ・ジェズスとの対峙する藤春に注目だ。ネイマール以上との評価もあるガブリエウ・ジェズスとのマッチアップは、本大会に向けて、国際経験が少ない藤春にとって大きな経験になるだろう。また、ネイマールとのマッチアップが予想される室屋も同様だ。世界最高峰の相手と本大会前に対戦できることの利点を大いに活かしてもらいたい。

◆現在地を知りチーム力のアップを
▽最終調整となるブラジル戦においては、勝って勢いをつけたいという思いもある中、やはり最大の目的は現状把握とチーム力のアップになる。前述の通り、体調不良を訴える選手、そして参加が不透明となった久保の件など、改めて手倉森監督の前には最後の試練が訪れている。

▽まずは、最強のホスト国であるブラジルと対戦し、現在地を測ることが重要だろう。短期決戦では初戦が重要となるため、ナイジェリア戦にピークを持っていくことが重要だ。また、ブラジルとの対戦から得られることは多いはずだ。選手たちには、しっかりと現在地を確認してもらいたい。

▽また、18名と少ない人数で戦うことになるオリンピックでは、コンディションが良い選手の起用が絶対であり、誰が出ても同じクオリティを出せることがメダルへ近づく条件となる。OAの3選手も実戦で合わせるのは2度目となるため、状態を把握し、最後の調整の場にしてもらいたい。

▽新しい組み合わせ、選手個人のコンディションの見極めなど、あくまでも本大会に向けた準備のためのブラジル戦。しかし、メダルを獲得する上では、本大会でブラジルと対戦する可能性もある。ブラジルのスカウティングも含めた準備をするために、しっかりと戦ってもらいたい。ブラジルとの本大会前最後の一戦は、30日の28時半にキックオフを迎える。

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