【六さんのアムールフットボール】ユーロ2016 ~VOL8~

2016.07.06 13:14 Wed
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▽ユーロの渦中にいて、常々思い知らされるのは、彼我のサッカーの埋めることのできない溝の深さである。ヨーロッパというより、世界最高峰のサッカーの現場にいても、僕がサッカーを見る基準は、あくまでもJリーグや高校サッカーを含めた育成年代、そして日本代表の現在である。アイスランドの速攻に日本は対応できるのか。空中戦でアイルランドにどこまで競り合うことが可能なのか。アルバニアのモヒカンとマッチアップしたとき、個の強さに対して拮抗できるのか。ヨーロッパトップのチープでなくても、「刺すときは、連動してしっかり刺してくる」サッカーは、タフで速い。そこに日本を当てはめていくとどんな光景が浮かんでくるのか。そんなことを考えながら、いつも、ゴール裏でシャッターを切っている。指導の現場の人間でなくとも、その程度の問題意識はあって当たり前だろう。
[ノイアー再び止める]

[パイエ ゴールした達成感]

▽今回取材にきている日本メディアのカメラマンを含めた一部に、「日本サッカーと比べるのが土台無理」とか、「日本にないものを見に来ているのだから、高校サッカーと繋げたらヨーロッパに失礼と」と、訳の分からないことを言う連中がいる。海外サッカー、とりわけ一部ヨーロッパのリーグを偏愛する人達に、よく見受けられる「パターン」だが、ヨーロッパスタンダードで、日本のサッカーを見下す態度は、いい加減どうにかならないのか。彼らはタイのような、プレミアリーグによるサッカーコンテンツの植民地化を望んでいるのだろうか。
[コマン、ドイツ戦の切り札となるか]

[ジルー2点目となるヘディングシュート]

▽退屈さの中に緊張感が見え隠れたドイツ対イタリアだった。ミスがらみの失点を恐れているのか、リスクのないパス回しをするドイツに対し、ボール奪取からの速攻に切れ味を見せるイタリア。エジルとエデルがいなかったら、本当に退屈な試合になっていた。PK戦までその余波を受けたのか、ノイアーやブッフォンのファインセーブより、枠を捉えられなかったキッカーの駄目さのほうが浮き彫りになった。ある意味で、これもまた伝統の一戦の宿命なのかもしれない。
[ジル―を待ち構えて、狙ったらこのポーズ やった!]

▽フランス対アイスランドは、前半の連続2失点が大きかった。結果的に、ドイツ戦に向けたフランスの調整試合になったのは否めない。それでもアイスランドが2点を返したのは、ベスト8がフロックではないことを証明したともいえる。延長PKで中3日のドイツ、大勝したフランスは中2日、これでコンディション的には、どちらも同じになった。
【六川則夫】(ろくかわのりお)
1951年、東京生まれ。
40年近くピッチレベルでサッカーを撮り続けてきている重鎮フォトグラファー。「蹴る、観る、撮る」の順序でサッカーを愛し、現在も取材の合間にボールを蹴るという根っからのサッカーボーイでもある。

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東京五輪の組み分けに注目/六川亨の日本サッカーの歩み

J1リーグは4月18日の第10節で無敗の2位・名古屋が鳥栖に0-1と敗れたことで、早くも川崎F独走の気配が漂ってきた。ただ、これまで足止めを食らっていた新規外国人選手がJビレッジでの“バブル”を終え、続々と各チームに合流している。 コンディションに不安を残すものの、フィットしてくれば大幅な戦力アップを期待できるチームも少なくないだろう。このためGW明けに他チームの反撃が始まるのかどうか期待したい。 首位の川崎Fは、大島など主力選手に負傷者がいながらも選手層の厚さでカバーしている。完成度の高いサッカーは自他共に認めるところ。そんな川崎Fの不安材料をあげるとすれば、「東京五輪が開催される」ことを前提に、五輪後に三笘や田中碧、旗手ら五輪世代の代表選手の海外流出ではないだろうか。 もちろん川崎Fのことだから、それを見越して橘田や遠野らを獲得したのかもしれない。 その東京五輪だが、ポット分けが発表され、FIFA本部で21日の17時(日本時間)から抽選会が開催される。開催国の日本は、前回優勝のブラジルと、五輪を本気モードで戦うアルゼンチンと同じ第1ポットになったのは大きなアドバンテージと言える。 ドイツ、スペイン、フランス、ルーマニアのヨーロッパ勢は五輪をさほど重視していないし、もしも五輪同様に開催が1年延期されたEUROが開催されるなら、主力はこちらに回る可能性が高いだろう。 そこで日本にとって理想の組み合わせは以下の通りだ。第2ポットはホンジュラス(メキシコ、ドイツ、ホンジュラス、スペイン)が理想的。日本が苦手とするメキシコは避けたいところ。 第3ポットはオセアニアのニュージーランド(エジプト、ニュージーランド、コートジボワール、南アフリカ)。フィジカルコンタクトの強いコートジボワールとは同居したくない。 最後の第4ポット(オーストラリア、サウジアラビア、フランス、ルーマニア)は必然的にヨーロッパ勢となる。それならルーマニアといったところか。 W杯同様、五輪も初戦の結果がベスト8進出に大きなウエイトを占めるだけに、組み合わせと対戦相手の順番がどうなるのか、当日の抽選会が楽しみである。 ちなみに、なでしこジャパンの相手なら、第2ポット(スウェーデン、英国、ブラジル)はスピードとパワーで勝負するヨーロッパ勢よりブラジル。第3ポット(カナダ、オーストラリア、中国)は必然的にアジア以外のカナダとなり、第4ポット(ニュージーランド、チリ、ザンビア)はニュージーランドといったところだろう。 もちろん一番の問題は、東京五輪が無事に開催されるかどうであることに変わりはない。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2021.04.20 11:00 Tue
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神戸とイニエスタの前途に期待すること/六川亨の日本サッカーの歩み

▽週末はJリーグの取材がルーティンとなっている。先週末の日曜は浦和対神戸の試合を取材した。往路、高速で事故渋滞に巻き込まれたため、埼玉スタジアムに着いたのは試合開始1時間を過ぎていたが、到着そうそう知り合いの記者から「イニエスタはベンチにも入っていないので、帰った記者もいますよ」と教えられた。さすがに帰りはしなかったものの、今シーズン最多となる5万5689人のファン・サポーターもがっかりしたことだろう。 ▽そして、それ以上にがっかりしたのが試合内容だった。8位神戸対9位浦和の試合だから仕方ないのかもしれないが、両チームともただパスを回すだけで、シュートまで持ち込むことができない。「今シーズン見た中で最低の試合内容だな」とつぶやくと、隣に座っていたサッカー専門誌の編集長も「そうですね」と同意してくれた。 ▽浦和はペトロヴィッチ監督が去り、柏木ら主力も高齢化したため、19歳の橋岡をスタメンで起用するなど若返りを図りつつ、オリヴェイラ監督の下カウンタースタイルへとモデルチェンジ中だ。それがハマったのが興梠の2点目であり、武藤の3点目だった。 ▽柏木のタテパス1本から興梠が抜け出し、GKの鼻先でコースを変えるシュートは興梠らしいゴールだった。そして武藤は、自陣ペナルティーエリア内で武藤を抜こうとした高橋からボールを奪うと、至近距離ながらGKの頭上を抜く鮮やかなループシュートを決めた。 ▽問題は神戸である。ボールポゼッションで浦和を上回ったが、それは浦和がブロックを作って守備を固め、カウンター狙いだったからに過ぎない。自分たちで「ボールを握った」のではなく、「持たされていた」に過ぎない。にもかかわらず、アバウトなパスミスでボールを失うなど、パスをつないでいても「どう崩すのか」という攻撃の意図がまるで見えない。 ▽イニエスタがいないため仕方がないのかもしれない。そのため前線に長沢とウェリントンという長身のストロングヘッダーを起用したのだから、シンプルにクロスを上げてもいいのだが、その精度が低い。ポドルスキは彼らの高さを生かすクロスを入れていたが、彼1人ではどうしようもない実力差を感じた試合だった。 ▽この試合を、就労ビザの関係でスタンドから三木谷オーナーと見守ったリージョ新監督も、自身の前途が多難だと思ったのではないだろうか。神戸がバルサ化を目指すのは理解できる。そのためのイニエスタでありリージョ監督であり、ピケの獲得も狙っていると噂されている。しかし数人のOBでバルサ化できるほどサッカーは簡単ではない。 ▽バルサがバルサなのは、メッシを始めほとんどの選手が各国の代表でもトップクラスというクオリティーの高さにある。翻って神戸の日本人選手に代表クラスは皆無である。正直、「このメンバーでよく8位にいるな」というのが久しぶりに神戸の試合を見て抱いた印象だった。 ▽ロシアW杯など短期決戦の大会では、ボールを保持するポゼッションサッカーよりもカウンターかセットプレーの方がゴールの確率は高まる傾向にある。しかし欧州の各国リーグではバルサやレアル、マンチェスター・C、バイエルンのようにポゼッションサッカーで相手を凌駕しているという事実もある。 ▽今後、神戸がどういうサッカーを選択するのか。イニエスタというビッグネームを獲得した効果は5万人を越える観客を動員したことでも証明された。本来ならダゾーンから優勝資金を得た川崎Fや、首都圏の浦和、FC東京、G大阪といった大企業がバックにあるクラブがビッグネームを獲得してリーグを活性化するべきだろう。 ▽かつてC大阪はフォルランというビッグネームを獲得しながら結果が伴わずに降格した例もある。神戸の、三木谷オーナーのチャレンジが成功することが、Jリーグの活性化につながることを期待しているのは私だけではないだろう。なんだかんだと言っても、目の離せないイニエスタであり神戸でもある。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.09.25 18:00 Tue
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【六さんのアムールフットボール】ユーロ2016 ~vol.7~

<div style="text-align:left;font-size:small;">[喜ぶロナウド]<hr></div> ▽ロナウドがまだ本調子ではない。ゴールチャンスにボールをしっかりミートできていない。決定機は予選リーグを含めて何回も訪れたというのに、ゴールは5試合で2得点である。<br><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160704_2_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[ロナウドのヘッド枠をとらえず]<hr></div>▽ロナウドが本来の力を普通に出していれば、3位通過もなかったし、ポーランド戦でも延長PKはなかった。4戦して4引き分けにもかかわらず、ベスト4である。ポルトガル大会のギリシャを思わせるしたたかさだ。スペインがなすすべなく敗れたのに対し、ロナウドが不調でも、結局「戦術ロナウド」のポルトガルは残った。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160704_3_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[子供好きの一面がうかがえる]<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160704_4_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[レバンドフスキーは本来のパフォーマンスを見せた]<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160704_5_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[クアレスマ決め手ポルトガル勝利]<hr></div>▽ベルギーの守備が崩壊し、ウエールズがまさかの逆転勝ち。この試合はボルドーでTV観戦をする予定だったが、安くてうまいワインにおぼれて沈没。明け方確認したニュースで結果を知った。ウエールズの強さは本物かもしれない。移動による腰の負担を考えて、この試合をパスしたのは失敗だった。「したことより、しないことが後悔」が僕の人生訓だが、選択を間違ってしまった。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160704_6_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[スタンドでは珍しい若い女性連]<hr></div>▽準決勝は、ポルトガル対ウエールズというより、レアル・マドリーの両雄対決に注目が集まる。二人のパフォーマンス次第で、所属チームでの立ち位置が変わってくるのでは、というのが、現地にまだ残っているマドリッド在住メディアの推測である。逆に言うと、もはや大会の興味はそれしかない、というのが彼らの心情らしい。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160704_7_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[ポーランドの美少女]<hr></div>▽チャンピオンズリーグでは、レアル・マドリーが優勝、その余韻冷めやらぬユーロでも、再びレアルの風が本当に吹くとは、予想もしていなかった。両雄の勝者のメンタリティが問われる一戦になりそうだ。<hr>【六川則夫】(ろくかわのりお) 1951年、東京生まれ。 40年近くピッチレベルでサッカーを撮り続けてきている重鎮フォトグラファー。「蹴る、観る、撮る」の順序でサッカーを愛し、現在も取材の合間にボールを蹴るという根っからのサッカーボーイでもある。 2016.07.04 17:31 Mon
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【六さんのアムールフットボール】ユーロ2016 ~vol.6~

<div style="text-align:left;font-size:small;">[タイムアップ 何を思うピケ]<hr></div>▽過去、ワールドカップ、ユーロと、3連覇を飾ったスペインが、フランスの舞台から静かに去っていった。遅すぎた退場と呼んでも、もはや誰も異議を唱える人はいないだろう。当然すぎる試合展開と、セットプレーと速攻による失点。過去の王者スペインに引導を渡したのが、前回引き立て役だったイタリアだったのが、せめてもの救いと言える。 ▽ことごとくスペインは、イタリアのトラップに引っかかっていた。まるで22人の人間のコマで争うオセロゲームを見ているようだった。局面はいつも、白からあっという間に青に切り替わる。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160630_2_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[最も期待をしたダビド・シルバだったが、良さを消された]<hr></div>▽先制点は、GKデ・ヘアの中途半端なパンチングを責めるより、ゴール前に2人のイタリア人選手が詰めていたことをほめたたえたい。飛び込んだ一人目はともかく二人目のキエッリーニには誰かがついていかないといけない。守り慣れていないスペインのDF陣に、そこまでやるDNAは今まで必要とされなかったのか。こういった局面では、ポテンシャルの高い選手ほど、逆にボールウオッチャーになってしまう。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160630_3_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[タイムアップ デ・ヘアのパンチングが試合を決めた]<hr></div>▽キエッリーニだけではないが、今回のイタリア代表はこれまでの連中に比べると、イケメン度においてかなり落ちる。逆にチームのスタイルに合った面構えが揃ったともいえる。何より、選手より監督の存在感のほうが強い。まさに現役時代をほうふつさせるコンテのサッカーをチームとして体現しているのが、前評判の低かったイタリア代表である。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160630_4_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[イタリア代表はこの男抜きには語れない ブッフォン]<hr></div>▽イタリアはベスト4をかけてドイツと対戦する。事実上の決勝戦とみていいだろう。ノイアーとブッフォンのGK対決も見ものだ。二人のパフォーマンスが勝敗の行方を左右するといっても過言ではない。その後のことを考えると、90分で試合をクローズすることができるか否かが、大きなポイントになりそうだ。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160630_5_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[イタリア代表で一番男らしい コンティ監督髪の毛がうらやましい]</div><hr>【六川則夫】(ろくかわのりお) 1951年、東京生まれ。 40年近くピッチレベルでサッカーを撮り続けてきている重鎮フォトグラファー。「蹴る、観る、撮る」の順序でサッカーを愛し、現在も取材の合間にボールを蹴るという根っからのサッカーボーイでもある。 2016.06.30 04:09 Thu
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【六さんのアムールフットボール】ユーロ2016 ~vol.5~

<div style="text-align:left;font-size:small;">[ボグバ、このプレーがPKとなった]<hr></div> ▽フランス対アイルランド戦は予想外な展開で始まった。開始直後、ボグバがペナルティエリア内で相手選手を倒してしまった。主審は副審の判断も仰いだのか、ジャッジに一瞬の間があった。なにしろ、相手は開催国フランスである。そしてペナルティスポットを指差した。PKだ。 ▽そのシーンが起こったのは、集合写真を撮って、ゴール横の自分のカメラマン席に戻ってきた直後である。70ミリ―200ミリのレンズで撮った最初のカットが、PKとなるプレーになるとは。長年「ここ」を仕事場にしているが、初めての経験だ。ましてや世界最高の大会である。ちなみにゴールラインとカメラマンエリアは、日本の場合「とんでもなく」離れているが、ヨーロッパスタンダードでは限りなく近い。ユーロしかりである。ただしサン=ドニは、ゴール裏だけが、なぜか日産スタジアム仕様である。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160629_2_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[ヘンドリクのドリブルとサイドチェンジがアクセントをもたらした]<hr></div>▽アイリッシュの一念は、如何にスペースを突くか。そのテーマに合わせた速くてシンプルなサッカーは、見ていて潔い。ボグバ筆頭に身体能力があふれた選手を擁するフランスは、あの手この手でゴール前に迫るが、城塞のような「外壁」がそれを阻む。まさか! が頭をよぎり始めたころ、期待されたエースが、外壁を破った。グリエーズマンである。なにやらアメリカン・コミックのヒーローのような名前であるが、正真正銘、本物のヒーローとなった。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160629_3_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[グリーエズマン同点となるヘディングシュートを放つ]<hr></div><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160629_4_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:left;font-size:small;">[2点目を決めたグリエーズマン]<hr></div>▽刺したつもりが、刺されたアイルランド。勝ち点3、ベスト8進出という奇跡は起こらなかったが、それに匹敵する光景が試合後、スタド・デ・リュミエールで、繰り広げられた。悔し涙をこらえながら、サポーター達の前に挨拶に来た選手たちを、彼らは手拍子で讃え、コールを繰り返し、いつまでも、いつまでも、絶えることなく声を上げていた。選手達はその思いを、ひたすらそこにスタンディングすることで、受け止めていた。青い空に緑のピッチ、そこに緑の選手と緑のサポーターが混然一体となって輝いていた。<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/roku20160629_5_480_000.jpg" style="max-width: 100%;"></div>[コールするサポーターたちの前で、選手たちが何を思う] <hr>【六川則夫】(ろくかわのりお) 1951年、東京生まれ。 40年近くピッチレベルでサッカーを撮り続けてきている重鎮フォトグラファー。「蹴る、観る、撮る」の順序でサッカーを愛し、現在も取材の合間にボールを蹴るという根っからのサッカーボーイでもある。 2016.06.29 07:25 Wed
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