【六さんのアムールフットボール】ユーロ2016 ~vol.6~

2016.06.30 04:09 Thu
[タイムアップ 何を思うピケ]
▽過去、ワールドカップ、ユーロと、3連覇を飾ったスペインが、フランスの舞台から静かに去っていった。遅すぎた退場と呼んでも、もはや誰も異議を唱える人はいないだろう。当然すぎる試合展開と、セットプレーと速攻による失点。過去の王者スペインに引導を渡したのが、前回引き立て役だったイタリアだったのが、せめてもの救いと言える。
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▽ことごとくスペインは、イタリアのトラップに引っかかっていた。まるで22人の人間のコマで争うオセロゲームを見ているようだった。局面はいつも、白からあっという間に青に切り替わる。
[最も期待をしたダビド・シルバだったが、良さを消された]
▽先制点は、GKデ・ヘアの中途半端なパンチングを責めるより、ゴール前に2人のイタリア人選手が詰めていたことをほめたたえたい。飛び込んだ一人目はともかく二人目のキエッリーニには誰かがついていかないといけない。守り慣れていないスペインのDF陣に、そこまでやるDNAは今まで必要とされなかったのか。こういった局面では、ポテンシャルの高い選手ほど、逆にボールウオッチャーになってしまう。
[タイムアップ デ・ヘアのパンチングが試合を決めた]
▽キエッリーニだけではないが、今回のイタリア代表はこれまでの連中に比べると、イケメン度においてかなり落ちる。逆にチームのスタイルに合った面構えが揃ったともいえる。何より、選手より監督の存在感のほうが強い。まさに現役時代をほうふつさせるコンテのサッカーをチームとして体現しているのが、前評判の低かったイタリア代表である。
[イタリア代表はこの男抜きには語れない ブッフォン]
▽イタリアはベスト4をかけてドイツと対戦する。事実上の決勝戦とみていいだろう。ノイアーとブッフォンのGK対決も見ものだ。二人のパフォーマンスが勝敗の行方を左右するといっても過言ではない。その後のことを考えると、90分で試合をクローズすることができるか否かが、大きなポイントになりそうだ。
[イタリア代表で一番男らしい コンティ監督髪の毛がうらやましい]

【六川則夫】(ろくかわのりお)
1951年、東京生まれ。
40年近くピッチレベルでサッカーを撮り続けてきている重鎮フォトグラファー。「蹴る、観る、撮る」の順序でサッカーを愛し、現在も取材の合間にボールを蹴るという根っからのサッカーボーイでもある。

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