柿谷の芸術的ヒールシュートでC大阪がホーム開幕戦勝利&3連勝! 群馬は今季初黒星《J2》

2016.03.12 17:59 Sat
▽12日に明治安田生命J2リーグ第3節のC大阪vs群馬がキンチョウスタジアムで行われ、1-0でC大阪が勝利した。
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▽開幕から連勝中のC大阪と、同じく連勝で首位に立つ群馬の一戦。C大阪はホーム開幕戦で3連勝を目指した。▽序盤から攻勢をかけるC大阪は14分、杉本がドリブルを仕掛けるとボックス手前からミドルシュート。しかし、これは枠を外れる。すると17分には群馬にアクシデント。リカルド・サントスと接触した一柳が負傷し、石川と交代する。
▽すると21分、リスタートから入ったばかりの石川がクロス。こぼれ球を高橋が狙うもGKの正面を突く。直後には、競り合いをかわして抜け出した小牟田がボックス内に侵入しシュートを放つも、精度を欠いて枠を外れる。

▽28分、C大阪は右サイドからの松田のクロスに茂庭が合わせるも、枠を捉えられない。直後に群馬決定機。小牟田の落としを松下がシュートも、こちらも枠を外れてしまう。32分には、相手陣内で山下がパスカット。そのまま持ち上がりクロスを上げると、ファーサイドでブルーノ・メネゲウが合わせるも、シュートはGK正面を突く。
▽C大阪は38分、ボックス手前でパスを受けたソウザがボールを浮かせて相手をかわし、落ち際を自らボレー。しかし、シュートは惜しくも右に外れる。39分には、ブルーノ・メネゲウのパスを山村がシュートも、わずかに枠を越える。その後もソウザが惜しいシュートを放つなど攻め込んだC大阪だが、決定力を欠いてゴールレスで前半を終える。

▽後半に入ると、山村がダイレクトパスを出すと、右サイドの杉本がクロス。これにブルーノ・メネゲウが飛び込むもGK清水がセーブ。リカルド・サントスが詰めるも、再びGK清水がセーブする。

▽試合の均衡を破ったのは柿谷だった。60分、左サイドからブルーノ・メネゲウがクロスを上げると、リカルド・サントスがヘッドで落とし柿谷へ。柿谷は3選手に囲まれながらもヒールで見事に決めて、C大阪が先制する。柿谷の芸術的なゴールでゴール裏のボルテージが一気に上がったC大阪は、61分にも決定機。ソウザがボックス手前から強烈なシュートを放つが、GK清水が鋭い反応で何とかセーブする。

▽C大阪は67分、最終ラインの丸橋が前線へロングフィード。これを柿谷がボックス内からシュートも、枠を外れる。72分、右サイドの松田がボックス内に侵入。シュートを狙うもGK清水がセーブ。浮き球を杉本が押し込むも、清水が素早い反応で防ぎ、失点を免れる。群馬は75分に決定機。浮き球のパスに抜けた高橋がGKと一対一となるも、GKキム・ジンヒョンがシュートを左足一本で止めてゴールを許さない。

▽C大阪は76分、柿谷がボックス内でキープし横パスを出すと、山村がダイレクトシュート。しかし、シュートはサイドネットを揺らす。群馬は72分、右からのアーリークロスをボックス手前で瀬川がキープ。こぼれ球を舩津が左足で狙うも、シュートはわずかに右に外れる。

▽終盤にかけては群馬が猛攻を見せるも、C大阪は粘りの守備を見せて守り切り試合終了。柿谷のビューティフルゴールを守り抜いたC大阪が開幕3連勝を飾った。

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得点力不足解消へ質と大胆さ求める東京Vの城福監督、C大阪戦へ「足を振れる選手はチャンスを逃してほしくない」

東京ヴェルディの城福浩監督が、25日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第12節のセレッソ大阪戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、アウェイで行われた川崎フロンターレ戦を0-0のドローで終えた。 前々節のヴィッセル神戸戦で大きな課題となった“戦う”部分で明確な改善を示し、上位相手に前半はボールの主導権も掌握。ただ、課題である得点力に関して、決定機はおろかシュート3本に終わり、改善には至らなかった。 C大阪戦に向けた23日の会見では、開幕からある意味で語り尽くされている得点力改善に向けての話がメインに。 そのなかで城福監督は「伝えるバランスがよくなかった」とまず川崎F戦での自身の反省を口に。 「ゴール前のところというのは継続してやってきているので、映像ぐらいで終わらせていたところがあった。そこは自分の反省するところで、準備してきたものが正直に出てしまったというか、ミドルサードのところまではボールを握れたけれど、そこからの自分たちの狙いどころというのは、自分の強調具合が足りなかったんだなと、ゲームを見ながら思いました」 「我々がどんな特徴を持った、どんなサッカーをするんだ。尖ったものは何なのかという部分で、それはひとつではないですし、攻守にいくつも意識をさせながらやらせるという意味では、少なくともこの前の川崎戦で成果はあったんですけれども、伝えるバランスとしては自分がよくなかったんだなと思わされた試合でもありました」 その反省を踏まえて最後の局面での選手の自主性は引き続き活かしつつも、より具体的な掲示を行ったという。 チームとして狙いどころや形を意識した上で、「傍から見たらヴェルディは繋いでいるだけじゃないかと見えますけど、細かく見ると、1つのパスが緩くなければ、1つのコントロールがピタッとハマれば、次はビッグチャンスになる。そうならないのは、一つひとつのパスのスピードだったり、コースやコントロールがちょっとずれている。そこは突き詰めないといけない」と際の部分での質の改善。 さらに、前線の選手を中心に「足を振る」という部分でよりアグレッシブな姿勢を求めている。 「ここ最近我々のシュートの場面が少ない理由のひとつは、もちろんシュートフェイントというのは悪くない。だけども、本当のシュートフェイントというのは、シュートを打ってこそシュートフェイントになる。自分が振れると思ったときに、シュートフェイントをしたら、相手は引っかかる。ただ、それで次に持ち出したときに自分の体重が乗っているかというと、乗らない状態で足を振ることになるようなシーンが、このチームはいま多い」 「いい状態で体重が乗った状態で一振りして、ディフェンスに当たってコースが変わって得点になるかというシーンはほとんどないです。相手に当たろうが何しようがゴールに向かって足を振るというようなシーンというのがちょっと少なすぎるので、足を振れる選手はとにかくチャンスを逃してほしくない。誰に当たろうが、コースが変わってキーパーが防げないぐらいの威力のあるボールを打てるチャンスというのはたくさんあるはずなので、それぐらいのゴールへの迫力や執念というのは、見せられるような準備をしたいなと思っています」 また、その得点力不足と関連する部分でもあり、0-0のドローが目立つ現状について指揮官は「悔しい思い、足りないものもあると思い知らされている」と課題を認めながらも「そこだけは絶対に譲ってはいけない」と、改めて自身がチームに求める基準を明確に訴えた。 「もちろん僕らは相手より多く点を取って勝ちたい。しかし、我々が絶対外してはいけないのは、自分たちのいまのスキルと経験値といまのフィジカルでやれることというのは、絶対にサボらないこと」 「やれないことを要求するのではなくて、それこそ靴1足分の寄せであったりとか、ヘディングを全部勝つつもりでやるとか、シュートブロックに顔を背けないとか。我々がいまやれることをやり切るのがリーグで一番にならない限り、僕はこのリーグで戦うのは正直難しいと思っています」 「相手によらず、我々がやれるベストをやった結果が失点ゼロというのは、歓迎すること。得点ゼロは歓迎しないですけれども、失点がゼロであれば、勝ち点1を取れる。そこは適当でいいから、とにかく点を取ってくれというスタンスでこのチームがやると、おそらくは非常に苦しいシーズンになる。J1はそんなに甘くないので、お互いにやり合うような経験値と能力を出し合うような試合を全試合やったら、おそらくこの舞台に居続けることは難しいと思っています」 「自分たちがやるべきことをやり切って、結果としてそれがゼロになる。見方によって攻撃の能力やエネルギーをちょっと削ってしまっているんじゃないかという見方もある。ただ、我々はそこをいいかげんにしたら、まずはこの舞台にいられないと。そこだけは絶対に譲ってはいけない。その上で得点を取るためのハードワークをプラスしてやっていく。そのエネルギーが枯渇したのであれば、バトンを渡していけばいいと。この順番というか、このスタンスだけは変えてはいけないと思っています」 リーグ6戦ぶりを目指す今節はアーサー・パパス新監督を迎え、よりアグレッシブなスタイルへの転向を図る14位のC大阪と対戦。 城福監督は横浜F・マリノス時代にアンジェ・ポステコグルー監督(現トッテナム)の下でコーチを務めた敵将にその影響を感じつつ、「あれだけハードワークをした後の攻撃に関しては、本当にレベルが高い」とその攻撃面を警戒した。 「非常に志向するものがハッキリしていると思います。前線の3人が外国籍の選手で非常に特徴的で、その3人に求めるものとともに、それ以外がいかにハードワークをしてチームとしてバランスを取るかというところを、追い求めているチーム」 「個のレベルは去年の僕らのアウェイゲームでは、本当にボールを回されて、これでもかというぐらいやられた。その個の力とともに今年に関しては強度が上がっている。大枠のイメージで言えば、ポステコグルー監督がやっていたマリノスのサッカーの強度に非常に似ていると。あの頃の前線からのインテンシティと全員に求めるものというのは、非常に強度が高かった。おそらくはああいうものをチームに要求しようとしているのではないかなというふうに思います。それに応え得る、各々のポジションで個のレベルがあるので、あれだけハードワークをした後の攻撃に関しては、本当にレベルが高いと思っています」 そのC大阪戦に向けてはMF森田晃樹の戦列復帰よって、MF齋藤功佑、MF平川怜を含めた中盤3選手の起用法がひとつの注目ポイントとなる。 川崎F戦では齋藤を1列前のシャドーで起用し、万能型MF3人の同時起用のオプションも採用。ボール保持やチャンスメークの質という部分では今後に向けて新たな武器となる予感もある。 その点について指揮官も「彼らを共存させることというのは、ひとつの大きな選択肢になる」とコメント。その他のポジションを含め、チームとして最大値を出すための最適解を模索していく考えだ。 「どんな選手にとってもそうですけど、組み合わせによってその良さを最大に出さない限り、その組み合わせによってシュリンクするというか、意識が薄れる部分もある。これを尖らせようとしたら、こっちが尖らないというところで、全部の中間を取ると真ん丸のチームになる。これが一番つまらないので、いずれにしてもどういう組み合わせを選択するにしても、その最大値を出すことに尖らないと、このチームの怖さを出せないと思います。そういう選択をしたときには、その最大値を出せるような工夫をしたいなと思います」 「1トップとシャドーだけではなくて、ウイングバックがどういうタイプであるか、どこまで入っていけるか。ボランチの1人がボックスの中まで入っていけるのかと。ボランチの1人がボックスの中に入っていくということは、センターバック3枚が後ろでカウンターの準備だけをしていていいのかと。そこは全部に繋がってくるので、我々とすればどういうリスクが発生し得ると、そのリスクをみんなで認識しながら最大値を出していくというところは、組合わせも含めて考えていかなければいけないと思います」 6戦ぶりの白星を目指すホームゲームでは指揮官の最大値を出すための用兵、得点力不足解消に向けたチームのアプローチに大きな注目が集まるところだ。 2025.04.24 19:30 Thu

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