東京Vが執念のドロー! 暫定6位浮上でPO進出にわずかな望みを繋ぐ《J2》

2015.11.14 15:13 Sat
▽明治安田生命J2リーグ第41節の東京Vvs金沢が14日に行われ、1-1の引き分けに終わった。

▽前節、千葉に敗れてプレーオフ圏外の8位に転落した東京V(勝ち点57)が、C大阪を破って2連勝の10位金沢(勝ち点53)をホームに迎えた一戦。同勝ち点で並ぶ6位の千葉と7位の長崎にプレッシャーをかけたい東京Vは、千葉戦から先発3人を変更。高木大と杉本の若手2トップに代えて平本とアラン・ピニェイロを先発で起用した。

▽冷たい雨が降りしきる味の素スタジアムでスタートした東京Vのホーム最終戦は、東京Vが序盤からボールを保持して金沢ゴールを狙う。中と外を丁寧に使いながら金沢の堅固な守備ブロックに揺さぶりをかける東京Vは、右サイドの安西が幾度もボックス内に進入してクロスを狙うが、なかなか決定機につながらない。
▽一方、東京Vの攻撃を堅守で跳ね返し続ける金沢は、散発ながら田中とジャーン・モーゼルの推進力を生かして相手ゴールを脅かす。すると前半終了間際の44分、相手陣内左サイドで得たFKからゴール前に混戦が生まれると、最後は東京VのアランのクリアがGK佐藤に当たってゴールネットに吸い込まれるラッキーなゴールで前半のうちに先制した。

▽互いに選手交代なしで迎えた後半、ビハインドを追う東京Vが立ち上がりから攻勢を見せる。だが、中央を固める金沢の守備に手を焼く東京Vは、なかなか決定機を作れない。そして、流れを変えたい冨樫監督は65分、南を下げてブルーノ・コウチーニョを投入した。
▽一方、守勢に回りながらも最後のところでやらせない金沢は66分に久々の決定機。カウンターからボックス右で仕掛けた田中がシュートを放つが、これは枠の左に外れた。また、金沢は大町と嶺岸をピッチに送り出し、試合を締めにかかった。

▽逆転でのプレーオフ進出に向けて負けられない東京Vは79分に決定機。ボックス左角でアランが放ったシュートが右ポストを叩く。何とかゴールをこじ開けたい東京Vは80分過ぎに高木大とウェズレイを同時投入。本職がセンターバックのウェズレイを最前線に据えたパワープレーを敢行。すると、この大胆な交代策が同点弾をもたらす。

▽86分、右サイドで安西が上げたクロスをゴール前のウェズレイが頭で合わせる。このシュートは左ポストを叩くもこぼれ球をアランが押し込んだ。土壇場で追いついた東京Vは、その後も逆転ゴールを目指して猛攻を仕掛けたが、試合は1-1のままタイムアップ。ホーム最終戦で勝利を逃した東京Vだったが、同日夕方に試合を行う千葉と長崎を暫定で勝ち点1上回り6位に浮上。逆転でのプレーオフ進出にわずかな望みを繋いだ。なお、東京Vは23日に行われる最終節で4位のC大阪とのアウェイゲームを戦う。

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「まだまだ信用されていない」東京Vの2年目FW白井亮丞は冷静に立ち位置理解も「献身性もありつつ結果残す」出場機会確保へぎらつく

緑の若武者が前線の相次ぐ離脱者を受け、虎視眈々とチャンスを窺う。 ジュニアユースから東京ヴェルディの下部組織に在籍するFW白井亮丞は、プロ2年目で飛躍が期待される185cmの本格派ストライカー。 2種登録選手として2023年6月に行われた天皇杯2回戦のザスパクサツ群馬戦でトップチームデビュー。さらに、翌月に行われた天皇杯3回戦のFC東京との東京ダービーでは初ゴールを挙げる活躍を見せ、同シーズンにJリーグデビューも果たした。 だが、プロ1年目となった2024シーズンは第5中足骨疲労骨折および、有痛性三角骨障害の全治3カ月のケガを負うなどシーズンを通して負傷に悩まされ、公式戦出場なしのほろ苦いルーキーイヤーとなった。 捲土重来を期して臨む今シーズンは、昨年の離脱期間に集中して取り組んだ筋力アップによって上半身を中心に体の厚みを増しつつ、プレシーズンもハイインテンシティを志向するチームスタイルに順応すべく運動量、プレー強度の改善に取り組んできた。 そして、明治安田J1リーグ開幕節の清水エスパルス戦では途中出場でプロデビューとともにJ1デビューも果たしたが、「正直何もできなかった」とピッチに送り出した城福浩監督の言葉通り、白井自身も不甲斐なさを反省した。 以降のリーグ戦3試合はベンチ外となったが、この間にチームでは最前線のファーストチョイスとなっていたFW山田剛綺が左ヒザの重傷によって長期離脱が決定。8日に行われた第5節のアルビレックス新潟戦では白井に4試合ぶりのベンチ入りのチャンスが訪れた。 この試合でチームは今季初の複数得点を記録し、一時逆転を許したアウェイゲームで2-2の同点に追いつくポジティブな勝ち点1という結果を持ち帰ったが、19歳のストライカーは「まだ信用されていない」と出番なしに終わった悔しさを強く感じた。 「1-2、2-2の状況で、自分が選択されなくてまだ信用されていないということはわかりました。あの状況(点が必要な状況)で使われる。そういう使われ方をするのかなと自分では思っていたので、そこでまだ自分が使われないということは、まだまだ信用されていないということです」 下部組織時代からエースFWを担ってきた矜持を滲ませつつ、チームが序盤戦で負け越している状況において、ストライカーとして得点という結果で貢献できないもどかしさがあったことは想像に難くない。 それでも、反骨心とともにあくまで自身の成長にベクトルを向ける若武者は、その新潟戦翌日に行われた清水エスパルスとのトレーニングマッチでフル出場。ゴールという目に見える結果に加え、90分間走り抜いて攻守にハードワークもこなした。 白井自身も「ここで少しでも信用を勝ち取るために、まず守備から主力と比較しても遜色なく、さらにまた一段階ギアを上げて出られる選手と思わせるようなプレーができたらなと思ってやっていたので、点を取ることもできて、90分走り続けることもできたので、そこは良かったかなと思います」と清水戦の手応えを口に。 「練習からコロコロと転んでしまうことが多いので、そこは城福さんにも指摘されていて、『簡単に転ぶな』という部分を言われてきたので、その部分での力強さや(木村)勇大くんが最後にガス欠したときに、自分が出ても前で体を張ることができるということを意識してやりました」 「高橋(祐治)選手が出てくるのもわかっていて、以前から知っている選手ですし、そういう選手に対して通用できれば、J1でもやっていく自信がついてくるかなと思っていたので、そこで体を張ってうまくできたので、フィジカルの勝負のところでの自信はついたと思います」 城福監督もいくつかの課題を挙げつつも「自分の特徴とチームの求めるものというのを合わせられたシーンがたくさんあった」、「早く戦力になってほしい」と開幕戦からの成長を認めた。 今後出場機会を得ていく上では攻守にわたるベースアップは当然のことながら、指揮官も自身も想定する、得点が必要な状況での決定的な仕事。前線の駒が不足するなか、試合終盤における前線でのハードワークという“ゲームチェンジャー”としての役割をこなせるか否かがポイントとなるはずだ。 清水戦を含めトレーニングマッチにおける得点能力、日々のトレーニングでもシュートに関して非凡なものを見せているが、ポジションを争う両エースに比べて「まだまだ」とさらなる改善を訴える。 「シュートの部分に関しては毎日練習が終わった後とか、フォワードの選手たちと一緒にやったり、仁志さん(森下仁志コーチ)とやっているので、精度は上がってきていると思います。ただ、まだまだソメくん(染野唯月)とかに比べたら低いので、もっともっと練習していこうと思います」 「ソメくんは両足蹴れますし足の振りも速い。勇大くんも一瞬の動きで外してシュートをファーにうまく打てるので、参考になる部分が多いです。もちろん真似したいところはありますが、シュートに関しては真似というよりも、自分の感覚でやった方がいいかなと思っているので、たくさん打っていきながらフィーリングを合わせていけたらなと思います」 同じく185cmの恵まれた体躯をまだまだ活かし切れていない空中戦についても「やっぱり(山田)剛綺くんがそういう部分で、勇大くんからポジションを奪って出ていましたが、今はケガをしてしまい、そういうことできる選手が1人欠けたので、自分は空中戦がそこまで得意ではないですけど、そこはやらなければいけない、絶対に求められているものだと思うので、成長できたらなと思います」と、真摯に課題に取り組む。 前線のコマ不足と清水戦のアピールによって、15日に控える第6節の名古屋グランパス戦、20日控えるJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロでの今季2試合目の出場も期待される。 緑の背番号27は「ポジション的にも前線の選手が足りない状況で、ルヴァンカップも含めてチャンスが回ってくると思うので、この前の清水戦みたいな献身性もありつつ得点という形で結果を残して、もっと城福さんにJリーグでも通用するぞというアピールに繋げられたらなと思っています」と、今後の戦いに向けた決意を示した。 2025.03.14 17:05 Fri

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