【質疑応答】ハリルホジッチ「アイデンティティを探している最中」《ロシアW杯2次予選》
2015.10.01 19:35 Thu
▽日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督は1日、8日に行われる2018年ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のシリア代表戦及び、13日に行われるイラン代表との国際親善試合に向けた公式会見に出席。アウェイでの2連戦に向けた記者団からのいくつかの質問に対し、ハリルホジッチ監督は以下のように返答している。
◆質疑応答
――シリアの印象について、イラン戦の扱いについて
「もちろん、シリアの試合はいくつか見た。個人個人の長所から短所までわかっている。8試合見て、どのようにプレーし、誰が出るかも把握している。特に、ゴール前での効率とリアリストなところに驚いている。彼らに多くの決定機は必要ないだろう。我々にとっては、自分たちのレベルを測るには、良いテストになるに違いない」
「2試合目は数名をトライさせる。もちろん、親善試合なのでリスクをとって何人かを見て適応してもらいたい。ただ、プレゼントではない。出場機会は資格のあるものにしか与えない。みなさんが見られているTVの監督像と、実際の私は違う」
「米倉はクラブで右サイドを主戦場としているが、私は戦える選手、デュエルできる選手だと判断し、左サイドで起用した。左でプレーする彼の姿に可能性を感じたからだ。特に、オフェンス面でだ。彼は戦う意識とスプリントが素晴らしい。もちろん、それがすべてのDFに当てはまるわけではない」
「おそらくイランでは8万人入り、プレッシャーもあるかもしれない。そういったときに選手たちがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのかをチェックしたい。そのための資格があることを見せて欲しい」
――シリア戦に向けた攻撃のイメージについて
「みなさんがご存知のとおり、私たちはアイデンティティを探している最中だ。持っている長所を生かしたいが、ロングボールではなく、できるだけグラウンダーのパスを背後に送っていく形など、色々なバリエーションを駆使し、よりスピードに乗った戦い方を目指している。しかし、何人かの選手はまだアジャストしていく必要がある。リズムの変化は、個人のプレーや、組織としてのプレーによって、もたらされると思っている」
「ただ、我々はブロックを意識して戦わなければならない。攻撃に出ているときあれば、ディフェンスのブロックを高い位置に押し上げていきたい。このようなタイプの戦いをすべきだと感じている。今回の対戦相手であるシリアは、A代表の試合をたくさんしていない。さきほど言ったような戦い方をすることで、彼らに問題を引き起こせるのではないかと思っている」
「ほかにも多くのアイディアがあるが、今の問題は疲労をどれだけ回復できるか。シリアは昨日から合宿を始め、明日はオマーンと親善試合を行う。おそらく我々よりもフレッシュな状態だ。私たちは火曜の朝に合流する選手もいる。みなさんがこの状況をどのように感じているかわからないが、私にとっては大きな問題。これに関しては、かなり不安を抱いている」
「さらに、不安なのは筋肉系に問題を抱えている国内リーグの選手がたくさんいること。何に問題があるかはわかっているし、ここで何度か警告もしてきている。国内選手にはもっとトレーニングを積むように要求してきた。ラグビー日本代表でフィジカルトレーナーを務めるコーチたちも、フィジカルトレーニングの必要性を説いていた。フィジカルの準備がしっかりしていないと、何もできないと」
「ちょっとしたケガでも問題だ。そういった問題を抱えている選手に対しては、個人のトレーニングをしっかりと積むこと、移動時に注意を払うことなど、個人的にメッセージを伝えてきている。我々も長距離移動する際には、様々な用具を使ってケアをしている」
――どれくらい理想に近付いているか。100%のチームとは?
「アフガニスタン戦、カンボジア戦から判断することは難しい。彼らは本当の守備固めを見せた。いずれももっと点を獲れた。毎試合でかなりの決定機を作っている。そこが伸ばせるところ。ただ、守備は面白いレベルに来ていると思う。ここ2試合、シンガポールを含めた3試合で我々のプレッシャー、存在感を十分に示し始めている」
「ただ、攻撃面ではもっと効果的にならないと。アフガニスタン戦はもっと点を獲れた。おそらく、シリア戦、イラン戦のあとであれば、より正確な我々の情報が得られるだろう。彼らはより強く、より攻撃的なチーム。彼らは我々に問題を引き起こさせてくるだろう。よって、この2試合のあとの分析で、より真実に近づくのではないか。みなさんの質問に、我々も正確に答えられるようになるはずだ」
「まだ強くないと思っていると思うし、最終予選の方がもっと厳しい。段階を徐々に越えていきたい。毎回話してきていることだが、そのための継続した練習ができないことが問題だ。向こうで1回の練習ができると思うが、対話も必要になってくる。そこでダイレクトにメッセージを伝えたい。このチームは向上するし、向上させなければいけない」
――縦に速い攻撃は浸透しつつあると思うか、ビルドアップの部分で求めることは?
「フットボールで一番難しいのは前に行くこと。攻撃で数人の選手が関わりながらのワンタッチパスで、毎試合かなりの決定機を作っている。ただ、ゴール前のクオリティを向上させる余地がある。選手たちにも、そのことに関してはよく話をしている」
「どのゾーンに入っていくべきか。どうやって動き直し、スプリントしながらゴール前に入っていくか、どの足を使うべきか、どのように視野を確保するのか、シュートを放つ前にGKの位置を把握しているのか、とにかく最後の部分が大事なんだと。もちろん、最後のデュエルですべてに勝てるわけではない」
「私が日本に来てから、理解できていないこともある。まだPKをもらっていないことだ。常にボックス内に入っているが、一度もPKのチャンスを獲得できていない。各試合で20回ほど作っている。それから、FKに関してもだ。質は高い。今度は良い動きをするゴール前の選手を見つけて欲しい」
「現代のフットボールでは、35%の割合でFKからゴールが生まれていると言われている。だが、我々は0%だ。それを選手に強調したいと思う。もちろん、批判するわけではなく、時間をかけて、ちゃんと説明していくつもりだ。もっとトレーニングを積みたいと思っている。攻撃の本当のクオリティはより強い相手と対戦したときにわかる。その時にはっきりわかると思う」
――イラン戦では相手に合わせた戦い方をするのか
「やり方は変えないが、選手は変わると思う。10万人近い観客が入ることが予想されている上、FIFAランクでも我々よりも上にいる相手との対戦であるだけに、良いテストになるだろう。勝ちにこだわっていくなかで、我々の本当のメンタリティが出ると思う。親善試合といえども、イランも勝ちにくるだろう」
「ただ、今は1試合目(シリア戦)に集中したい。なぜなら、絶対に勝つ必要がある。ここで勝たないと1位になれない可能性があるからだ。相手をリスペクトしなければいけない。我々にとって、一番重要かつ、一番難しい試合だと思っている。その試合が終わってから、イランのことを話していきたい」
「シリアのことは数週間前から資料を集め、分析し、全てを理解しているはずだ。今度はチームと一緒に練習して、勝つ準備をするだけ。ただ、これは簡単な試合だとは思っていない」
◆質疑応答
――シリアの印象について、イラン戦の扱いについて
「もちろん、シリアの試合はいくつか見た。個人個人の長所から短所までわかっている。8試合見て、どのようにプレーし、誰が出るかも把握している。特に、ゴール前での効率とリアリストなところに驚いている。彼らに多くの決定機は必要ないだろう。我々にとっては、自分たちのレベルを測るには、良いテストになるに違いない」
「2試合目は数名をトライさせる。もちろん、親善試合なのでリスクをとって何人かを見て適応してもらいたい。ただ、プレゼントではない。出場機会は資格のあるものにしか与えない。みなさんが見られているTVの監督像と、実際の私は違う」
「おそらくイランでは8万人入り、プレッシャーもあるかもしれない。そういったときに選手たちがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのかをチェックしたい。そのための資格があることを見せて欲しい」
「今回は南野を初めてA代表に呼んだが、TVで見る彼の姿とエクササイズ中の彼の姿は違う。グラウンド上で彼を見ることで、より印象が深まると思っている」
――シリア戦に向けた攻撃のイメージについて
「みなさんがご存知のとおり、私たちはアイデンティティを探している最中だ。持っている長所を生かしたいが、ロングボールではなく、できるだけグラウンダーのパスを背後に送っていく形など、色々なバリエーションを駆使し、よりスピードに乗った戦い方を目指している。しかし、何人かの選手はまだアジャストしていく必要がある。リズムの変化は、個人のプレーや、組織としてのプレーによって、もたらされると思っている」
「ただ、我々はブロックを意識して戦わなければならない。攻撃に出ているときあれば、ディフェンスのブロックを高い位置に押し上げていきたい。このようなタイプの戦いをすべきだと感じている。今回の対戦相手であるシリアは、A代表の試合をたくさんしていない。さきほど言ったような戦い方をすることで、彼らに問題を引き起こせるのではないかと思っている」
「ほかにも多くのアイディアがあるが、今の問題は疲労をどれだけ回復できるか。シリアは昨日から合宿を始め、明日はオマーンと親善試合を行う。おそらく我々よりもフレッシュな状態だ。私たちは火曜の朝に合流する選手もいる。みなさんがこの状況をどのように感じているかわからないが、私にとっては大きな問題。これに関しては、かなり不安を抱いている」
「さらに、不安なのは筋肉系に問題を抱えている国内リーグの選手がたくさんいること。何に問題があるかはわかっているし、ここで何度か警告もしてきている。国内選手にはもっとトレーニングを積むように要求してきた。ラグビー日本代表でフィジカルトレーナーを務めるコーチたちも、フィジカルトレーニングの必要性を説いていた。フィジカルの準備がしっかりしていないと、何もできないと」
「ちょっとしたケガでも問題だ。そういった問題を抱えている選手に対しては、個人のトレーニングをしっかりと積むこと、移動時に注意を払うことなど、個人的にメッセージを伝えてきている。我々も長距離移動する際には、様々な用具を使ってケアをしている」
――どれくらい理想に近付いているか。100%のチームとは?
「アフガニスタン戦、カンボジア戦から判断することは難しい。彼らは本当の守備固めを見せた。いずれももっと点を獲れた。毎試合でかなりの決定機を作っている。そこが伸ばせるところ。ただ、守備は面白いレベルに来ていると思う。ここ2試合、シンガポールを含めた3試合で我々のプレッシャー、存在感を十分に示し始めている」
「ただ、攻撃面ではもっと効果的にならないと。アフガニスタン戦はもっと点を獲れた。おそらく、シリア戦、イラン戦のあとであれば、より正確な我々の情報が得られるだろう。彼らはより強く、より攻撃的なチーム。彼らは我々に問題を引き起こさせてくるだろう。よって、この2試合のあとの分析で、より真実に近づくのではないか。みなさんの質問に、我々も正確に答えられるようになるはずだ」
「まだ強くないと思っていると思うし、最終予選の方がもっと厳しい。段階を徐々に越えていきたい。毎回話してきていることだが、そのための継続した練習ができないことが問題だ。向こうで1回の練習ができると思うが、対話も必要になってくる。そこでダイレクトにメッセージを伝えたい。このチームは向上するし、向上させなければいけない」
――縦に速い攻撃は浸透しつつあると思うか、ビルドアップの部分で求めることは?
「フットボールで一番難しいのは前に行くこと。攻撃で数人の選手が関わりながらのワンタッチパスで、毎試合かなりの決定機を作っている。ただ、ゴール前のクオリティを向上させる余地がある。選手たちにも、そのことに関してはよく話をしている」
「どのゾーンに入っていくべきか。どうやって動き直し、スプリントしながらゴール前に入っていくか、どの足を使うべきか、どのように視野を確保するのか、シュートを放つ前にGKの位置を把握しているのか、とにかく最後の部分が大事なんだと。もちろん、最後のデュエルですべてに勝てるわけではない」
「私が日本に来てから、理解できていないこともある。まだPKをもらっていないことだ。常にボックス内に入っているが、一度もPKのチャンスを獲得できていない。各試合で20回ほど作っている。それから、FKに関してもだ。質は高い。今度は良い動きをするゴール前の選手を見つけて欲しい」
「現代のフットボールでは、35%の割合でFKからゴールが生まれていると言われている。だが、我々は0%だ。それを選手に強調したいと思う。もちろん、批判するわけではなく、時間をかけて、ちゃんと説明していくつもりだ。もっとトレーニングを積みたいと思っている。攻撃の本当のクオリティはより強い相手と対戦したときにわかる。その時にはっきりわかると思う」
――イラン戦では相手に合わせた戦い方をするのか
「やり方は変えないが、選手は変わると思う。10万人近い観客が入ることが予想されている上、FIFAランクでも我々よりも上にいる相手との対戦であるだけに、良いテストになるだろう。勝ちにこだわっていくなかで、我々の本当のメンタリティが出ると思う。親善試合といえども、イランも勝ちにくるだろう」
「ただ、今は1試合目(シリア戦)に集中したい。なぜなら、絶対に勝つ必要がある。ここで勝たないと1位になれない可能性があるからだ。相手をリスペクトしなければいけない。我々にとって、一番重要かつ、一番難しい試合だと思っている。その試合が終わってから、イランのことを話していきたい」
「シリアのことは数週間前から資料を集め、分析し、全てを理解しているはずだ。今度はチームと一緒に練習して、勝つ準備をするだけ。ただ、これは簡単な試合だとは思っていない」
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