【コラム】岡崎はレスターの主役となれるか、ポジション争いの好敵手が多数
2015.06.29 21:00 Mon
▽マインツに所属する日本代表FW岡崎慎司(29)のレスター・シティ入りが26日に正式決定した。2013年夏にマインツ入りしてから2シーズン連続で2ケタ得点を記録。着実に評価を高め、日本人として7人目となるプレミアリーガーとなった。マインツでは絶対的な存在として名を馳せた岡崎だが、レスターでは再び厳しいポジション争いが待っている。
▽チームを率いるイングランド人のナイジェル・ピアソン監督(51)は、2014-15シーズンのプレミアリーグで様々なフォーメーションを採用した。序盤は[4-4-2]を基本システムとしていたものの、4月から5月上旬にかけての7試合で6勝を記録するなど巻き返した終盤には、[3-4-3(5-4-1)]や[3-4-1-2]をベースとしている。【昨季終盤戦でのレスター基本布陣】
▽アタッカー陣の中心となっていたのが、チーム内得点王のアルゼンチン人FWレオナルド・ウジョア(28)だ。ストライカータイプであるウジョアは懐が深く、無理が利く選手だ。2014-15シーズンはリーグ戦29試合で先発し、11ゴールを記録。ムラがあるタイプだが、新シーズンもFW陣の中心になりそうだ。岡崎は彼とプレーすることになる機会が増えるはずで、積極的に連携の向上に努めたい。
▽一方のクラマリッチは、万能型のストライカーだ。期待されて2015年1月に加入したが、2014-15シーズンは13試合で2ゴールと、チャンスを生かしきれなかった。ウジョアと2トップを形成するパターンも少なくなるとみられるが、2シーズン目で飛躍する可能性もある。
▽アジリティとスピードに優れるアルジェリア代表MFリヤド・マフレズ(24)は、トップ下を含めた2列目でプレーできる。システムとメンバー構成によっては、2列目の位置でポジションが被る可能性もありそうだ。
◆シーズン序盤に結果を
▽今後、アタッカー陣の入れ替えはあるかもしれないが、昨シーズン終盤のシステムを踏襲すると仮定した場合、今のところ上述の5選手が岡崎にとってポジション争いのライバルとなる。ただ、ピアソン監督が4バックを採用した場合、ウイングポジションを主戦場としており、独特のテンポで繰り出すドリブルを生かした突破が持ち味のガーナ代表MFジェフェリー・スクルップ(22)や、サイドからの飛び出しが魅力のイングランド人MFマーク・オルブライトン(25)といったウイングバックでプレーできるアタッカーたちとのポジション争いにも発展するかもしれない。
▽とはいえ、推定移籍金700万ポンド(約13億5000万円)を費やしたことからも、指揮官の岡崎に対する期待値が高いことが窺える。ローテーションに好意的な監督でもあり、岡崎に多くのチャンスが与えられることは間違いないだろう。定位置確保に向けては、プレシーズン中に好アピールすることに加え、シーズン開幕からの数試合で目に見える結果を残したい。
《超ワールドサッカー編集部・音堂泰博》
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◆ウジョア中心、同タイプのヴァーディとの兼ね合いは?▽チームを率いるイングランド人のナイジェル・ピアソン監督(51)は、2014-15シーズンのプレミアリーグで様々なフォーメーションを採用した。序盤は[4-4-2]を基本システムとしていたものの、4月から5月上旬にかけての7試合で6勝を記録するなど巻き返した終盤には、[3-4-3(5-4-1)]や[3-4-1-2]をベースとしている。【昨季終盤戦でのレスター基本布陣】
Getty Images
▽プレースタイル上で岡崎の直接的なライバルになり得るのが、FWジェイミー・ヴァーディ(28)だろう。今月にイングランド代表デビューを果たしたヴァーディは、岡崎と同タイプのアタッカー。豊富な運動量を武器に、相手最終ラインと継続的に駆け引きができる選手だ。味方を生かすプレーと前線からの守備の貢献度も見逃せない。一方で、リーグ戦36試合に出場して5ゴールと、得点源として大きな期待を寄せることはできない。ただ、フル代表にも招集された母国の選手だけに、クラブとしては大事な存在と言える。岡崎と同様に、ウイングとしてもプレーできるユーティリティ性があるだけに、ピアソン監督は両者の共存策を練っているのかもしれない。▽イングランド代表経験を有するFWデイビッド・ニュージェント(30)、クロアチア代表FWアンドレイ・クラマリッチ(24)ともポジションを争うことになる。2011-12シーズンから3シーズンにわたってチーム内得点王だったニュージェントだが、2014-15シーズンは29試合で5得点と、やや落ち込んだ。ボールに触りながらリズムを掴むタイプで、足元の技術もあり、トップ下の役割もこなすことができる。
▽一方のクラマリッチは、万能型のストライカーだ。期待されて2015年1月に加入したが、2014-15シーズンは13試合で2ゴールと、チャンスを生かしきれなかった。ウジョアと2トップを形成するパターンも少なくなるとみられるが、2シーズン目で飛躍する可能性もある。
▽アジリティとスピードに優れるアルジェリア代表MFリヤド・マフレズ(24)は、トップ下を含めた2列目でプレーできる。システムとメンバー構成によっては、2列目の位置でポジションが被る可能性もありそうだ。
◆シーズン序盤に結果を
▽今後、アタッカー陣の入れ替えはあるかもしれないが、昨シーズン終盤のシステムを踏襲すると仮定した場合、今のところ上述の5選手が岡崎にとってポジション争いのライバルとなる。ただ、ピアソン監督が4バックを採用した場合、ウイングポジションを主戦場としており、独特のテンポで繰り出すドリブルを生かした突破が持ち味のガーナ代表MFジェフェリー・スクルップ(22)や、サイドからの飛び出しが魅力のイングランド人MFマーク・オルブライトン(25)といったウイングバックでプレーできるアタッカーたちとのポジション争いにも発展するかもしれない。
▽とはいえ、推定移籍金700万ポンド(約13億5000万円)を費やしたことからも、指揮官の岡崎に対する期待値が高いことが窺える。ローテーションに好意的な監督でもあり、岡崎に多くのチャンスが与えられることは間違いないだろう。定位置確保に向けては、プレシーズン中に好アピールすることに加え、シーズン開幕からの数試合で目に見える結果を残したい。
《超ワールドサッカー編集部・音堂泰博》
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