激闘制したセビージャが2度目の連覇で最多4度目の戴冠《EL》
2015.05.28 06:05 Thu
▽ヨーロッパリーグ(EL)決勝のドニプロvsセビージャが27日にポーランドのワルシャワ国立競技場で開催され、3-2で勝利したセビージャが2度目の連覇で大会史上最多となる4度目のEL制覇を成し遂げた。
▽ELプレーオフからの参戦となったドニプロは、インテルやサンテチェンヌと同居したグループリーグを2位で通過。その後、決勝トーナメントではオリンピアコスやアヤックスといったCL敗退組、準決勝では優勝候補のナポリを退け、クラブ史上初のファイナル進出を決めた。直近のナポリ戦からのメンバー変更は2点。ルチケビッチとセレズニョフに代わってマテウスとカリニッチが決勝のピッチに立った。
▽一方、昨季EL王者のセビージャは、フェイエノールトに次ぐ2位で通過したグループリーグでの戦いこそ苦戦したものの、決勝トーナメントではボルシアMG、ビジャレアル、ゼニトという難敵を連破。さらに準決勝ではフィオレンティーナに快勝を収め、2シーズン連続のファイナル進出を決めた。史上初となる4度目の優勝、2度目の連覇を目指すセビージャは、右サイドバックにアタッカーのアレイシ・ビダルを起用する攻撃的な布陣を採用した。
▽大歓声に包まれたワルシャワ国立競技場で幕を開けた2014-15シーズンのELファイナルは、両者共にアグレッシブな入りを見せた。開始2分にはボックス付近でルーズボールを拾ったバッカが両チームを通じたファーストシュートを狙うが、これは枠を大きく外れた。
▽戦前の予想とは異なり、前から圧力をかけて戦うドニプロは、決勝戦の先発に抜擢されたアタッカーコンビが先制点をもたらす。7分、フェデツキのロングフィードをバイタルエリアでカリニッチが頭で落とすと、これを拾ったマテウスが右サイド深くから折り返す。これをゴール前に飛び込んだカリニッチが頭で合わせ、ゴール左に流し込んだ。
▽押し込みながらも相手の堅守をこじ開けられないセビージャだったが、立て続けの決定機をゴールに結びつけて一気に逆転する。まずは28分、左CKの流れからボックス中央でバッカが落としたボールに反応したクリホヴィアクが右足のシュートをゴールネットに突き刺した。続く31分にはレジェスの絶妙なスルーパスに抜け出したバッカがボックス内で飛び出したGKをかわし、無人のゴールへシュートを流し込んだ。
▽一瞬の隙から逆転を許したドニプロはリスクを冒して攻勢に出るが、なかなか攻め切ることができない。逆に中盤でのボールロストから相手の鋭いカウンターに晒される。だが、37分にコノプリャンカの絶妙なコントロールシュートで相手ゴールを脅かしたドニプロは、前半終了間際の44分にボックス手前左の好位置で得たFKからキャプテンのロタンが見事な右足のシュートをゴール左に流し込み、前半のうちに追いついた。
▽前半に4ゴールが生まれた白熱のファイナルは、引き続き後半も拮抗した展開となる。後半立ち上がりは前半から存在感を放ったコノプリャンカの左サイドを起点に攻めるドニプロがペースを握るが、時間の経過と共にセビージャが流れを引き戻した。
▽コノプリャンカに対応するためか、58分にレジェスを下げて右サイドバックのコケを投入したセビージャは、この交代でA・ビダルが本職の右ウイングにポジションを上げた。この交代で攻守のバランスを改善させたセビージャは、64分に右CKからゴール前でフリーのエムビアがヘディングシュートを放つが、これを枠に飛ばすことができない。
▽後半半ばを過ぎると、運動量の落ちてきたドニプロに対して、セビージャが猛攻を仕掛けていく。すると73分、ロングボールのこぼれ球に反応したペナルティアーク付近のビトロがワンタッチでゴール前に流すと、これに抜け出したバッカがGKとの一対一を制し、セビージャが勝ち越しに成功した。
▽母国ウクライナのためにも負けられないドニプロは、ナポリとの準決勝で活躍したセレズニョフ、シャコフをピッチに送り出し、同点ゴールを目指す。だが、交代枠を使い切った試合終盤にトレムリナスとの接触で脳震とうを起こしたマテウスがプレー続行不可能となるアクシデントに見舞われたチームは、必死の反撃を見せるも及ばず。
▽バッカの2ゴールでドニプロとの激闘を制したセビージャが、2度目の連覇で大会史上最多となる4度目のEL制覇を成し遂げた。なお、今大会を制したセビージャには、来季のCLストレートインの権利が与えられている。
▽ELプレーオフからの参戦となったドニプロは、インテルやサンテチェンヌと同居したグループリーグを2位で通過。その後、決勝トーナメントではオリンピアコスやアヤックスといったCL敗退組、準決勝では優勝候補のナポリを退け、クラブ史上初のファイナル進出を決めた。直近のナポリ戦からのメンバー変更は2点。ルチケビッチとセレズニョフに代わってマテウスとカリニッチが決勝のピッチに立った。
▽一方、昨季EL王者のセビージャは、フェイエノールトに次ぐ2位で通過したグループリーグでの戦いこそ苦戦したものの、決勝トーナメントではボルシアMG、ビジャレアル、ゼニトという難敵を連破。さらに準決勝ではフィオレンティーナに快勝を収め、2シーズン連続のファイナル進出を決めた。史上初となる4度目の優勝、2度目の連覇を目指すセビージャは、右サイドバックにアタッカーのアレイシ・ビダルを起用する攻撃的な布陣を採用した。
▽戦前の予想とは異なり、前から圧力をかけて戦うドニプロは、決勝戦の先発に抜擢されたアタッカーコンビが先制点をもたらす。7分、フェデツキのロングフィードをバイタルエリアでカリニッチが頭で落とすと、これを拾ったマテウスが右サイド深くから折り返す。これをゴール前に飛び込んだカリニッチが頭で合わせ、ゴール左に流し込んだ。
▽開始早々にビハインドを負ったセビージャはすぐさま反撃を開始。A・ビダルとレジェスが縦関係を築く右サイドと、前線で気の利いたプレーを見せるトップ下のバネガを起点にチャンスを演出する。12分と24分には得意のセットプレーからボックス内でビトロとクリホヴィアクに決定機も、ここは相手GKボイコのビッグセーブに阻まれた。
▽押し込みながらも相手の堅守をこじ開けられないセビージャだったが、立て続けの決定機をゴールに結びつけて一気に逆転する。まずは28分、左CKの流れからボックス中央でバッカが落としたボールに反応したクリホヴィアクが右足のシュートをゴールネットに突き刺した。続く31分にはレジェスの絶妙なスルーパスに抜け出したバッカがボックス内で飛び出したGKをかわし、無人のゴールへシュートを流し込んだ。
▽一瞬の隙から逆転を許したドニプロはリスクを冒して攻勢に出るが、なかなか攻め切ることができない。逆に中盤でのボールロストから相手の鋭いカウンターに晒される。だが、37分にコノプリャンカの絶妙なコントロールシュートで相手ゴールを脅かしたドニプロは、前半終了間際の44分にボックス手前左の好位置で得たFKからキャプテンのロタンが見事な右足のシュートをゴール左に流し込み、前半のうちに追いついた。
▽前半に4ゴールが生まれた白熱のファイナルは、引き続き後半も拮抗した展開となる。後半立ち上がりは前半から存在感を放ったコノプリャンカの左サイドを起点に攻めるドニプロがペースを握るが、時間の経過と共にセビージャが流れを引き戻した。
▽コノプリャンカに対応するためか、58分にレジェスを下げて右サイドバックのコケを投入したセビージャは、この交代でA・ビダルが本職の右ウイングにポジションを上げた。この交代で攻守のバランスを改善させたセビージャは、64分に右CKからゴール前でフリーのエムビアがヘディングシュートを放つが、これを枠に飛ばすことができない。
▽後半半ばを過ぎると、運動量の落ちてきたドニプロに対して、セビージャが猛攻を仕掛けていく。すると73分、ロングボールのこぼれ球に反応したペナルティアーク付近のビトロがワンタッチでゴール前に流すと、これに抜け出したバッカがGKとの一対一を制し、セビージャが勝ち越しに成功した。
▽母国ウクライナのためにも負けられないドニプロは、ナポリとの準決勝で活躍したセレズニョフ、シャコフをピッチに送り出し、同点ゴールを目指す。だが、交代枠を使い切った試合終盤にトレムリナスとの接触で脳震とうを起こしたマテウスがプレー続行不可能となるアクシデントに見舞われたチームは、必死の反撃を見せるも及ばず。
▽バッカの2ゴールでドニプロとの激闘を制したセビージャが、2度目の連覇で大会史上最多となる4度目のEL制覇を成し遂げた。なお、今大会を制したセビージャには、来季のCLストレートインの権利が与えられている。
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