プレビュー:崖っぷちのヴィオラ、磐石の王者相手にミラクルを起こせるか《フィオレンティーナvsセビージャ》

2015.05.14 13:45 Thu
▽ヨーロッパリーグ(EL)準決勝2ndレグのフィオレンティーナvsセビージャが14日の日本時間28:05にスタディオ・アルテミオ・フランキで開催される。先週にセビージャホームで行われた1stレグは、一進一退の攻防が続いた中で、2ゴールを決めたA・ビダルの活躍などで着実に決定機をモノにしたホームチームが、3-0で完勝している。

▽決勝トーナメントでトッテナム、ローマという優勝候補を連破してきたフィオレンティーナだったが、敵地で行われた1stレグでは再三のゴールチャンスをモノにできず、0-3で完敗。直近のリーグ戦では控え中心の布陣でエンポリに勝利したものの、残り3試合でチャンピオンズリーグ(CL)圏内の3位ラツィオとの勝ち点差は「8」とリーグ戦でのCL出場権獲得は絶望的な状況だ。今回の2ndレグでの逆転は非常に困難なタスクであるが、昨季のEL準々決勝ではバーゼルを相手に1stレグを0-3で落としたバレンシアが、延長戦の末に2ndレグを5-0で勝利し、奇跡的な逆転劇を演じている。崖っぷちのヴィオラとしてはアルテミオ・フランキで奇跡の再現を狙いたいところだ。

▽一方、前大会王者の貫禄を見せ付けてホームで行われた1stレグを完勝したセビージャは、ファイナル進出に大きく近づいた。ただ、直近のリーグ戦では多数の主力を温存した結果、セルタ相手に引き分けてCL出場権争いから一歩後退した。そのため、チームの視線は今後EL一本に注がれることになるはずだ。
◆フィオレンティーナ◆
【4-3-3】
▽フィオレンティーナ予想スタメン
GK:ネト
DF:トモビッチ、ゴンサロ・ロドリゲス、サビッチ、パスクアル
MF:M・フェルナンデス、ピサーロ、ボルハ・バレロ
FW:サラー、ゴメス、ホアキン
負傷者:DFリチャーズ(太もも)、MFバルガス(太もも)、FWババカル(ヒザ)、ロッシ(ヒザ)
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関しては、1stレグを欠場したエースFWロッシとFWババカルの長期離脱組に加え、いずれも太ももを痛めているDFリチャーズとMFバルガスに欠場の可能性がある。スタメンについては、逆転突破に向けて最低でも4ゴールを奪う必要があるため、最も攻撃的なメンバー構成で臨むことになるだろう。
◆セビージャ◆
【4-2-3-1】
▽セビージャ予想スタメン
GK:セルヒオ・リコ
DF:コケ、カリソ、コロジェチャク、トレムリナス
MF:エムビア、クリホヴィアク
MF:A・ビダル、バネガ、レジェス
FW:バッカ
負傷者:GKベト(肩)、DFパレハ(右ヒザ)、MFエムビア(頭部)
出場停止:なし

▽出場停止者はいない。ケガ人に関しても肩の負傷で1stレグを欠場したGKベトと今季絶望のDFパレハ以外に目立った負傷者はいない。ただ、頭部を負傷しているMFエムビアに欠場の可能性が浮上している。それでも、直近のセルタ戦で主力を温存しており、休養十分でこの2ndレグに臨めるだろう。スタメンについては、1stレグでは本職がウイングのA・ビダルを右サイドバックで起用する攻撃な布陣で臨んだエメリ監督だが、3点のアドバンテージを持つ2ndレグでは、より堅守速攻に適した用兵を行うはずだ。

★タクティカル・プレビュー
◆ただ、攻撃あるのみ。パスクアルの抜擢も有効か~フィオレンティーナ~
▽敵地でアウェイゴールを奪えず、0-3で敗れたフィオレンティーナは、逆転突破に向けて4点差以上での勝利が必要となる。リスクを冒して相手から4ゴールを奪い、かつ鋭いセビージャのカウンターを抑え込み、無失点で試合を終えることは不可能に近い困難なタスクだ。

▽奇跡の逆転劇を狙うフィオレンティーナとしては、前半のうちに最低でも2ゴールは奪いたい。まずは立ち上がりから激しくプレッシングをかけてショートカウンターを狙い、プレス回避で相手がロングボールを蹴った場合には、センターバックが競ったセカンドボールを中盤の選手が的確に回収し、相手を自陣に釘付けにしたい。そのためには、前線からの連動したプレスに加え、ゴンサロ・ロドリゲスを中心とした精緻なラインコントロール。セカンドボールの回収と攻守の繋ぎ役を担う中盤の選手の運動量と、チーム全体が完璧な仕事をこなさなければならない。

▽1stレグでは無得点に終わったものの、サイドからの崩しを起点に幾度も決定的なチャンスを作ることができていた。ただ、徹底的にスペースを消す相手に対して、中央の重要なエリアをなかなか使うことができなかった印象だ。2ndレグではサイドバックとウイングのコンビプレーと、インサイドハーフの飛び出しを軸にピッチの幅とボックス内にかける人数を増やすことで、攻撃の改善を図りたい。

▽フィオレンティーナは左ウイングにホアキン(右利き)、右ウイングにサラー(左利き)といずれも利き足が逆の選手を起用している。1sレグでも彼らの鋭いカットインからの仕掛けは有効に機能していた。だが、彼らが中に絞った際にサイドバックのオーバーラップが少なく、相手のサイドバックはドリブルのコースを切るという比較的楽な対応だけで防げた。今回の一戦ではサイドバックが相手のカウンターアタックを恐れず、果敢に味方のウイングが空けたスペースに飛び出して攻撃の選択肢を増やしたい。また、上述のプレーと共に高精度の左足を持つベテランDFパスクアルを左サイドバックで起用し、彼のピンポイントクロスを生かしたゴメスとのホットラインでゴールをこじ開けるという形も有効かもしれない。

▽また、前輪駆動型の戦いを採用する上でアンカーに入るピサーロ(バデリ)の出来が鍵となる。バックラインの前でセカンドボールの回収、ビルドアップの起点、カウンターのケアというマルチタスクを負う同選手が、攻守のバランスをきっちり取ることができれば、インサイドハーフが積極的に攻撃に参加できるはずだ。

◆立ち上がりに集中。高速カウンターで息の根を止めろ~セビージャ~
▽一方、完璧な1stレグでの戦いでファイナルの地、ワルシャワ行きをほぼ決めたセビージャは、3点のアドバンテージを守りながら得意のカウンターでアウェイゴールを奪い、相手の息の根を止めたい。最終ラインとドブレピボーテに入るクリホヴィアクとエムビア(イボーラ)を中心に自陣ボックス付近のスペースを消して、相手の攻撃に対処したい。

▽今回の一戦でポイントとなるのが、前後半の立ち上り。とりわけ、前半15分過ぎまでの戦い方だ。セビージャとしてはフィオレンティーナの猛攻が予想される立ち上がりに最大限のインテンシティで応戦し、相手の出ばなを挫きたい。もちろん、攻撃面でリスクを負う必要はなく、ボールを奪った際には両ウイングとバッカの3人による手数をかけない仕掛けで、攻め切る形で問題ない。

▽前後半の立ち上がりを除く部分では、基本的に相手にボールを持たれる状況が予想されるため、自陣にコンパクトな守備ブロックを形成し、うまくサイドに追い込みながらボールを奪いたいところだ。ただ、ボールホルダーに対して、味方のサポートなしにボールを奪いに行くと選手同士の距離感にズレが生じてしまうので、間合いを詰めてクロスで攻撃を終わらせるような守り方を意識したい。最終ラインの設定に関しては危険な位置でセカンドボールを拾わせないために、極端に引き過ぎることなく小まめなラインの上げ下げが重要となる。

▽攻撃に関しては、1stレグで機能したカウンターとサイドアタックを軸に前掛かりな相手のバックライン裏のスペースを積極的にアタックしたい。また、攻撃陣には多士済済のタレントが揃っているだけに、今季のELでことごとく采配を的中させているエメリ監督が、状況に合わせて的確な用兵を行い、チャンスに結び付けていくはずだ。

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今季のMVP。両ウイングや中盤では積極的なローテーションを採用したジダン監督だったが、唯一フル稼働をさせたのは中盤の底で攻守のバランスを整えたブラジル代表MF。文句なしの今季のベストMFだった。 MF サンティ・カソルラ(35歳/ビジャレアル) 出場試合数:35(先発:29)/得点数:11 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> スペイン屈指の魔術師が完全復活。2018年夏に7年ぶりの古巣帰還を果たしたベテランMFは、4ゴール10アシストを記録した昨季を上回る11ゴール10アシストの圧巻の数字を残し、イエローサブマリンでのラストシーズンを終えることになった。本人が認めるようにプレー強度や運動量の面では衰えは否めないが、それを補って余りある戦術眼、テクニックを武器にチームの5位フィニッシュに大きく貢献した。絶妙なボールタッチ、視野の広さ、プレー精度と、思わず感嘆の声を上げざるを得ない妙技の数々を披露してくれた。なお、シーズン終了後にチャビ監督率いるカタールのアル・サッドへの移籍が発表されており、魔術師の今後の幸運を心から願う。 MF ジェラール・モレノ(28歳/ビジャレアル) 出場試合数:35(先発:33)/得点数:18 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> キャリアハイの18ゴールを挙げ、スペイン人最多得点者に与えられるサラ賞を初受賞。昨シーズン、エスパニョールから古巣帰還を果たしたスペイン代表FWは、カソルラやチュクウェゼ、エカンビら特長の異なるアタッカー陣との質の高い連係を見せながらコンスタントにゴールを量産。質の高い動き出しと得意の左足でのフィニッシュが印象的だった。 MF リオネル・メッシ(33歳/バルセロナ) 出場試合数:32(先発:31)/得点数:25 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 25ゴールを挙げて歴代最多となる7度目のピチーチを受賞。さらに、21アシストはキャリアハイの数字となり、1シーズンでの20ゴール20アシストはラ・リーガ史上初の記録となった。相棒スアレスの不在や、グリーズマンらの適応苦戦によってフィニッシュの局面では依存がより顕著なシーズンとなり、徹底したセットプレー対策などを敷かれたものの、その対策を上回るパフォーマンスで個人としてはきっちり結果を残した1年だった。 MF ルーカス・オカンポス(26歳/セビージャ) 出場試合数:31(先発:29)/得点数:14 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでキャリアハイの14ゴールを記録。10代でフランスに渡り、イタリアでの武者修行を経て、マルセイユで台頭したアルゼンチン代表FW。昨夏、満を持してスペインの地ではセビージャの新エースとして華々しい活躍を披露。187cmの恵まれた体躯に加え、ロングスプリントを繰り返せるスタミナ、両足をそん色なく使いこなす万能型ウイングは、フィニッシャーとしての才能も開花させ、14ゴール3アシストという見事な数字を残した。また、サイドバックでのプレー経験を生かし、守備面の貢献も見逃せない。 FW カリム・ベンゼマ(32歳/レアル・マドリー) 出場試合数:36(先発:35)/得点数:21 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20200807_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> エル・ブランコの主砲として優勝に大きく貢献。昨季に続き20ゴールの大台に乗せ、異次元のメッシに次ぐ2位のゴール数を挙げると共に、チーム最多8アシストを記録し、エースストライカーの役割を全うした。相手の徹底マークに遭った中、チーム最多の36試合出場という責任感も高く評価したい。 2020.08.11 21:01 Tue

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