吉田監督、ホームでの快勝劇に「選手たちは勇気を持って戦ってくれた」《ACL2015》

2015.03.04 06:00 Wed
▽3日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2015のグループE第2節、柏とビン・ズオン(ベトナム)の一戦は、ホームの柏が5-1で勝利した。試合後の公式会見に出席した吉田達磨監督は、「細かく言えば課題はありますが、選手たちは勇気を持って戦ってくれたと思います」と述べ、相手のカウンターを恐れることなくアグレッシブに攻めた選手たちの姿勢を評価し、前節の全北戦で得た勝ち点1が無駄にならなかったことを喜んだ。吉田監督のコメントと質疑応答は以下のとおり。

◆吉田達磨監督(柏)
「今日の試合は、昨日の会見で申し上げたように、韓国から持ち帰った勝ち点1、このグループ最大のライバルである全北に与えなかった勝ち点3を、今日の試合で無駄にしないようにしようという話を選手たちとして、それが現実になって良かったと思います」

「対戦相手のビン・ズオンの前線には強烈な選手がいて、カウンターのスピードは日本のチームにないような迫力がありました。そして、そこに対してファイトする、そのファイトの内容が難しいのですが、身体をぶつけていくというよりは駆け引きをして守備をしていくというところに関して、ピンチを作られながらも対応してくれました。ああやって攻めていけば、カウンターをくらうのは必然でもありますので。細かく言えば課題はありますが、選手たちは勇気を持って戦ってくれたと思います」
――3点目のキム・チャンスのゴール(※1)は、シンプルに裏を突く吉田監督のサッカーだったのではないか
「キム・チャンスは今年で3年目ですが、彼の持つ本来のアグレッシブさや、ファイトする姿勢をここまでの2年間はなかなか発揮できずにいました。キャンプも韓国代表に帯同していて合流が遅れていて、今日の攻撃は左サイドのコンビネーションが中心となるのではないかというなかで、タイミングをみて攻撃に参加するという彼の役割と、シンプルに背後をとっていく動きができていました。茨田のパスも素晴らしいタッチで、キム・チャンスのタイミングにピッタリ合っていたと思います。山中のサイド(左サイド)が攻撃の中心になる中で、ジッとタイミングを待っていた彼の、ここ数週間の努力が実ったゴールだと思います。(柏の目指すゴールに近いものがあったか?)とても。選手たちにとって自信になるゴールだったと思います」

※1:中盤で細かくパスをつなぎ、右サイドバックのキム・チャンスが裏を狙ったタイミングで茨田からスルーパスが送られ、それをキム・チャンスが流し込んだ
――3点目の話がでたが、1,2点目の方が印象に残っている。そこまでの40分間とは違う形からの点が生まれたが
「エドゥアルドに関しては、狙ってさえいれば、そこにピンポイントにボールを通せる(※2)選手です。先週もそれを狙っていましたし、とくに今日はクリスティアーノが斜めの位置(前線の右サイド)にいたので、常にあそこを狙おうよと。今日の試合に限らず、彼の持っている能力を考えると、常に狙ってプレーしなければいけません。今日は相手のアフリカ人選手のプレッシャーもあって、パスをつなぐ部分には硬さも見られましたが、そういった中で生まれたゴールでした。パスの距離を変えるだとか、相手の目先を変えるという意味では、とても良いゴールだったと思います」

※2:最終ラインのエドゥアルドから対角線上にいたボックス右のクリスティアーノにボールがフィードされ、これのボールをDFと競り合ったクリスティアーノの折り返しがオウンゴールを誘発した

――この試合を終えてグループの首位に立ったが、ここまでの流れは予定どおりか
「予定どおりというわけではないですけど、その手応えというところでは、対戦相手のタイプも場所も毎週かわっていくなかで、選手たちが勝つために何をするかという部分に順応して、こうしよう、ああしようといったことを、ひとつになってやり遂げていくことに成長を感じます。ただ、積み上げてきた時間が短いぶん、何かを強調すれば何かが少し失われていくというのは、当分は続いていくサイクルだと思っています。その振り幅を少しずつ小さいくしていけるようにしっかりと準備をしていきたい」

――2年前のACLを見ても、柏は他のJのクラブよりACLとの相性が良いように思える。何かコツはあるのか?
「どのクラブもACLに真剣に取り組んでいますので、特にはないです。ただ、そういった部分は前任のネルシーニョが植え付けてくれましたし、アカデミーから1つの練習や試合を大事にするという文化を持っているクラブですので、どの大会でも、どの試合でも大事にしていこうという姿勢が、たまたま結果につながっているというところじゃないかなと思っています」

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28日、第7回のレフェリーブリーフィングが開催された。 JFA審判マネジャーJリーグ担当統括の東城穣氏、JFA審判委員会 委員長の扇谷健司氏が登壇して行われたブリーフィング。今回取り上げられた事象は1つで、19日に行われた明治安田生命J1リーグ第24節のヴィッセル神戸vs柏レイソルの一戦だった。 この試合では、神戸のMF齊藤未月が、左ヒザに全治約1年の重傷を負ってしまったが、このシーンではイエローカードも提示されていなかった。 実際にのシーンはFKからの流れでこぼれ球を齊藤がシュート。これはDFにブロックされるが、こぼれ球をさらに蹴りに行った際、柏のDFジエゴ、MF戸嶋祥郎がタックル。これにより齊藤は即座にプレー不可能となり、担架で運ばれてピッチを後にしていた。 選手生命を脅かすほどの大きなケガに繋がったプレーだったが、お咎めはなし。VARが介入することすらなく終わっていた。 これには神戸の三木谷浩史会長も声明を発表し、「JFAに睨まれようと、なんと言われようとこれはうちのクラブとしては放置はできません」と怒りを表明していた。 このシーンについて扇谷審判委員長は「1日も早く復帰されることを願いたい」と齊藤についてコメント。判定については「我々はあのシーンについて色々議論を重ねました。我々の見解はレッドカード。本当にこういったところで、正しいジャッジができなかったことを申し訳なく思います」と語り、明らかに誤審であったとの見解を示した。 ブリーフィングではVARがチェックしていた映像も共有され、4台のカメラ映像を確認。ゴール脇のピッチレベル、柏のゴール裏、神戸のゴール裏、メインタイト(メインスタンドからの寄りの映像)の映像が使用された。 扇谷氏は「最初VARの確認ですが、シュートを打ったところでハンドの可能性があるということで、ゴール脇の映像を確認しました。どうしてもカメラも揺れてしまい、多分挟まっているという状況でした」と、ゴール脇のカメラの映像について説明。そして「VARは今度、柏のゴール裏の高いところのカメラをチェックしましたが、残念ながら接触がポストにかぶってしまい、正確には把握できませんでした」とコメント。さらに、「次にVARは神戸のゴール裏のカメラをチェックしました。足が上がっているのは凄くわかると思います。右の選手も足のあたりに当たっている。ただ、どこにどう当たっているのかはわからない。最後はメインのタイトというカメラ。皆さんの反応も一番強かったが、止めるとブレます」と語り、どのカメラでも正確な接触箇所や強度などがわからず、介入はしなかったと語った。 しかし、「VARが見たのはこの4つで、我々の考えはピッチ上で齊藤選手の足の状況が曲がっている。映像ではわからないんですが、実際にはそうだった。1つの大きな外的な根拠がある。神戸のゴール裏の映像を見る限り、柏の選手(ジエゴ)の足が上がっているが接触の場所がわからない。もう1つ、これもボヤけるかもしれないが接触がある。その理由としては足が折れて曲がってしまった」とコメント。齊藤が何かと接触したシーンは1箇所しかなく、事実として現場で確認できるほどの重傷を負っていることから、接触があったと考えるべきだったとした。 扇谷氏は「これまでVARというのははっきりとした、明確な、クリアな画がということがありましたが、複合的なことを考えてジャッジしなければいけないということもしていかなければいけない」と語り、正しい映像を見ることだけでなく、その他の事象も含めてジャッジすべきだったとし、「我々としてもっとやれる事があったのではないかと思う」と、審判員がジャッジする上でできることはまだあったとした。 このシーンに関しては、ケガという事実があったが、「ケガがなくても足が上がっているのでレッドカードにすべき」との見解を示し、ジエゴにはレッドカードが妥当。戸嶋はハッキリとしないので特に判定は問題ないとした。 今回の件に関しては、主審からも確認をすべきだったとのこと。現場で重傷があったことを確認しているので、それをVARに伝えて確認をしてもらうことは大事だとし、「もっと情報を共有する必要があったと思う」とコメントした。 なお今回レッドカードになる場合の基準に関しては「足の裏が高く上がっていた。相手のヒザに当たっている。結果的に大きなダメージを与えた」とし、主審には「一定期間」の研修期間を設けるとした。 <span class="paragraph-title">【写真】全治1年の重傷を負った齊藤未月が決意表明</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CwMn6I3PK5I/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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