ダービーで辛勝のアーセナルが暫定3位に浮上《プレミアリーグ》

▽リーグ戦5位のアーセナル(勝ち点45)は21日、セルハースト・パークで開催されたプレミアリーグ第26節で13位のクリスタル・パレス(勝ち点27)とのロンドン・ダービーに臨み、2-1で勝利した。

▽アーセナルは前節、最下位のレスター・シティを相手に辛勝。それでも、直近のFAカップ、ミドルズブラ戦では格下相手に完勝し、公式戦2連勝を達成した。来週ミッドウィークにCLモナコ戦を控えるアーセナルだが、敵地で行われたクリスタル・パレスとのダービーにカソルラやジルー、サンチェスといった主力メンバーを揃って起用した。

▽ホームのクリスタル・パレスが積極的な入りを見せたことで、開始数分は互角の展開となる。だが、相手のミスを突いたアーセナルがやや幸運な形から先制に成功する。7分、相手ボックス付近でスアレからボールを奪ったウェルベックが縦に仕掛けると、ここでスアレに足をかけられ、ピッチに倒れ込む。倒された位置はボックスの中か、外か微妙な位置だったが、主審はアーセナルにPKを与えた。これをキッカーのカソルラがゴール右隅に決めた。
▽早々に先制したアーセナルだったが、その後はホームチームとの圧力と荒れたピッチに苦戦する。とりわけ、右サイドで果敢に仕掛けるザハとパンチェオンの対応に手を焼き、再三サイドを破られる場面が目立った。それでも、相手のクロス精度やゴール前にかける人数の少なさにも助けられ、危険なシュートを打たれる場面はそれほどなかった。

▽その後も苦戦が続くアーセナルだったが、前半終了間際に追加点を奪う。46分、サンチェスのスルーパスに反応したウェルベックがボックス右からシュートする。このシュートはGKスペロニが前に弾くが、こぼれ球に詰めたジルーがゴールネットを破った。▽良い戦いを見せながら2点のビハインドを背負って前半を終えたクリスタル・パレスは、後半も右サイドのザハとパンチェオンを起点に攻勢を続けていく。53分にはザハのシュートのこぼれ球に反応したパンチェオンがボックス右で惜しいシュートを放った。

▽後半も防戦が続くアーセナルは57分に後半最初の決定機を作り出す。カウンターから前線で巧みなボールコントロールでタメを作ったエジルが、ボックス左に走り込むサンチェスに絶妙なスルーパスを通す。だが、角度のないところからサンチェスが放ったシュートは惜しくも枠の右に外れた。

▽57分にキャンベルが負傷交代となるアクシデントに見舞われたクリスタル・パレスは、ボラシーを左ウイングに入れ、ゲイルを最前線に上げた。70分には左サイド深くでスアレが上げたクロスをゲイルが頭で合わせるが、このヘディングシュートはわずかにクロスバーの上を越えた。さらに75分にはボックス手前中央で得たFKの場面でパンチェオンが鋭いキックを見せるが、このシュートはわずかに枠の左に外れた。

▽試合時間残り15分を切ってアーセナルのヴェンゲル監督はエジルとウェルベックを下げて、ロシツキとギブスを同時投入する。さらに89分にはサンチェスを下げてガブリエルを投入し、逃げ切り態勢に入る。

▽だが、後半アディショナルタイム4分にセットプレーの流れからマーレイに押し込まれたアーセナルは、その直後のラストプレーで絶体絶命のピンチを招く。右サイドをボラシーに破られてクロスを許すと、これをゴール前に飛び込んだマーレイにダイビングヘッドで合わされる。しかし、マーレイのシュートは右ポストを叩き、この直後に試合はタイムアップ。最後の最後に冷や汗を欠いたアーセナルだったが、敵地でのダービーを2-1の勝利で終え、暫定ながらリーグ戦3位に浮上。来週ミッドウィークに行われるモナコ戦に向けて大きな弾みを付けた。