プレビュー:再戦《シャルケvsレアル・マドリー》

2015.02.18 12:00 Wed
▽17日に行われるチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦1stレグ、ドイツのシャルケが本拠地のゲルセンキルヘンで“王者”レアル・マドリーを迎え撃つ。両者は昨季もベスト16で激突し、敵地で行われた1stレグで圧勝(6-1)したレアル・マドリーが2戦合計スコアを9-2としてベスト8に進出。勢いそのままに、苦手としていたドイツ勢(ドルトムント、バイエルン)を立て続けに退けて王座まで駆け上がった。昨季の雪辱を果たしたいシャルケと、昨季の再現を狙うマドリー。両雄の再戦は、どのような決着を見るのだろうか――。

◆シャルケ◆
【3-5-2】
▽シャルケ予想スタメン
GK:ヴェレンロイター
DF:ヘヴェデス、マティプ、ナスタシッチ
MF:内田、ヘーガー、キルヒホフ、ボアテング、フックス
FW:フンテラール、チュポ=モティング

【負傷者】
GKフェールマン(ヒザ)、GKギーファー(そけい部)、DFコラシナク(ヒザ)、MFドラクスラー(ハムストリング)、MFゴレツカ(ハムストリング)、MFファルファン(ヒザ)、MFオバシ(脚)
【出場停止】
なし
▽多くの負傷者を抱えているものの、システムを[3-5-2]に変更してからは結果が出ている。週末のフランクフルト戦では敗戦を喫したが、勝っていてもおかしくない内容だった。今回の一戦でも同様のメンバーを起用し、引き続き[3-5-2]を用いるだろう。唯一、出場停止だったフンテラールが先発に復帰し、ボアテングが中盤に下がる見込みだ。

◆レアル・マドリー◆
【4-4-2】
▽レアル・マドリー予想スタメン
GK:カシージャス
DF:カルバハル、ペペ、ヴァラン、マルセロ
MF:ベイル、イジャラ、クロース、イスコ
FW:ベンゼマ、ロナウド
【負傷者】
DFセルヒオ・ラモス(ハムストリング)、DFコエントラン(ふくらはぎ)、MFケディラ(ハムストリング)、MFハメス・ロドリゲス(つま先)、MFモドリッチ(大腿部)
【出場停止】
なし

▽こちらも負傷者が多いが、約1カ月ぶりにペペが復帰を果たし、週末のデポルティボ戦で右足を負傷したマルセロもメンバー入りを果たした。ただ、前述したようにペペは久々の実戦となるため、ここ数試合同様、ヴァランとナチョでセンターバックを形成する可能性も考えられる。

★タクティカル・プレビュー
▽昨季の対戦などを鑑みれば、守るシャルケと攻めるレアル・マドリーという構図が思い浮かぶ。アウェイゴールを与えたくないシャルケとアウェイゴールを挙げたいレアル・マドリー。両者の思惑、力関係とも合致するが、レアル・マドリーの現状を考えると、シャルケが立ち上がりからアグレッシブな姿勢を見せる可能性も考えられる。まずは、先発メンバーの構成を含め、シャルケを率いるディ・マッテオ監督の采配に注目したい。

◆指揮官の采配
▽昨季の対戦を振り返ると、立ち上がりはシャルケのペースだった。しかし、不運やミスが重なって早々にアウェイゴールを献上すると、その後は後手に回る展開となり、結果的に大敗を喫した。昨季と同じ轍を踏みたくはないが、疲労の色が濃いレアル・マドリーの現状を考えると、ホームの大歓声を背に立ち上がりからプレスをかけていく方が有効的だろう。

▽ヴァランもナチョも展開力はあるが、ボールをつなぐ意識が強いため、裏を狙うボールは比較的少ない。それは、引いてボールを受けるクロースやイジャラ、イスコにも言えることだ。全体的な運動量も落ちているため、前からプレスをかける際にドリブル突破をケアすることができれば、縦に入るボールを狙える。

▽あとはシステム上、両ウイングバックと3バックの連係や位置取りも重要になってくる。両ウイングが思い切って前から行けるか、それとも後ろを気にして引っ張られてしまうか、指揮官と選手たちの判断力が問われるだろう。また、お互いに多くの負傷者を抱えているが、サムやマイヤー、バルネッタなど、攻撃のアクセントになれる選手はシャルケの方が多い。拮抗した展開になったとき、両指揮官がどのような采配をふるうのか。

◆サイドの攻防
▽日本では内田とロナウドのマッチアップが注目を集めているが、現在のロナウドは左に固定されていない。そのため、3バックの面々がロナウドを見る時間帯が多くなるはずだ。ただ、だからといって内田の負担が軽くなるわけではない。レアル・マドリーの左サイドには、ドリブルで局面を打開できるイスコとマルセロがいる。いずれもコンディションは万全ではないが、ビルドアップの際には鍵を握る存在だ。ドリブルでマークを剥がすのか、それとも食らいついていくのか。このサイドの攻防は、見所の一つになるだろう。

▽一方、カルバハルとマルセロの守備力はそれほど高くない。特にマルセロは、サイドでボールを持った選手のケアをサイドハーフやインサイドハーフに任せてカバーに回ろうとする意識が強い。そのため、サイドの選手がボールを持った際にフリーとなる場面がある。そのときには、簡単なアーリークロスを入れていくのも有効的だ。逆にマドリーは、そういったディテールをどれだけつめていけのるか、チームとしての強度をどれだけ上げていけるのかが、重要になってくる。

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