【日本代表コラム】後悔の先に
2015.01.24 18:01 Sat
▽残念。悔しい。試合後、そんな言葉が各選手から聞こえてきた。それもそうだろう。シュート数は35本と3本、枠内シュートは8本と2本、ボール支配率は68%と32%、CKは18本と0本、クロスは54本と4本で、スコアは1-1。立ち上がりの10分以外はチャンスを作らせず、圧倒的に攻め込みながらPK戦の結果で敗退が決まったのだから当然の心境だ。
▽また、準決勝に進出すれば、勝敗にかかわらず、2つの試合に臨むことができたし、あと一週間は日本代表として同じ時間を共有することもできた。そういった意味でも、残念な結果だったと言える。大会前にも述べたように、アギーレ監督がアジアを知るためにも、より多くの試合を経験しておきたかった。ホスト国のオーストラリアや、自力のある韓国と対戦することができたなら、得られる経験値もより大きなモノになっていたはずだ。
▽試合を振り返ると、悔やまれることが2つある。試合の入り方と、得点機を生かしきれなかったことだ。前者に関しては、UAEが予想を上回る動きを見せ、それに対応する前に得点を奪われた印象。最初の15分間だけ2トップで圧力を強めてきたあたりも、UAEの狙い通りだったのかもしれない。
▽細かい部分に目を向ければ、失点の場面よりも、酒井が右サイドでボールを失った状況がいただけなかった。サイドバックがあの位置で突破を仕掛けるべきではないし、そういった状況を作るべきではない。あのカウンターがUAEに勇気を与え、日本の出足を鈍らせる要因となった。ただ、最初の10分以外はチャンスを作らせなかったことも事実。今回に関していえば、35本のシュートで1点しか奪えなかった攻撃面を悔いるべきだろう。
▽では、その決定力を解決するにはどうすれば良いのか――。基本的な解決策は2つある。1つは、より多くの得点機を作り出すこと。そしてもう1つは、クオリティの向上だ。UAE戦に関していえば、多くの得点機を作り出すことはできていた。となると、答えは自ずと出てくる。クロスの質、シュートまで持ち込む動きの質、連係の質、シュートの精度、シュートレンジ、そういった得点につながるプレーの質を各選手が高め、幅を広げていくしかない。
▽最終的に準々決勝敗退という残念な結果に終わってしまったが、個人的には優勝した4年前のチームよりも可能性を感じたし、チームとしても間違った方向には進んでいないと思う。悔しい結果であり、楽観などできないが、悲観するほどでもない。それが、今回の印象だ。今後は、悔しい思いをした選手たちと、成熟しつつあるチームを活性化させる若手のさらなる成長に期待したい。おそらく、3月の2試合(チュニジア戦、ウズベキスタン戦)では新戦力の発掘にも着手するだろう。そこでは、柴崎や武藤に続く、ニューフェイスの出現にも期待したい。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》
▽また、準決勝に進出すれば、勝敗にかかわらず、2つの試合に臨むことができたし、あと一週間は日本代表として同じ時間を共有することもできた。そういった意味でも、残念な結果だったと言える。大会前にも述べたように、アギーレ監督がアジアを知るためにも、より多くの試合を経験しておきたかった。ホスト国のオーストラリアや、自力のある韓国と対戦することができたなら、得られる経験値もより大きなモノになっていたはずだ。
▽細かい部分に目を向ければ、失点の場面よりも、酒井が右サイドでボールを失った状況がいただけなかった。サイドバックがあの位置で突破を仕掛けるべきではないし、そういった状況を作るべきではない。あのカウンターがUAEに勇気を与え、日本の出足を鈍らせる要因となった。ただ、最初の10分以外はチャンスを作らせなかったことも事実。今回に関していえば、35本のシュートで1点しか奪えなかった攻撃面を悔いるべきだろう。
▽では、その決定力を解決するにはどうすれば良いのか――。基本的な解決策は2つある。1つは、より多くの得点機を作り出すこと。そしてもう1つは、クオリティの向上だ。UAE戦に関していえば、多くの得点機を作り出すことはできていた。となると、答えは自ずと出てくる。クロスの質、シュートまで持ち込む動きの質、連係の質、シュートの精度、シュートレンジ、そういった得点につながるプレーの質を各選手が高め、幅を広げていくしかない。
▽一方、指揮官の采配に関しては、後半20分までに交代枠を使い切る“決断力”に脱帽した。状態の良い乾を下げたことなど、不満に感じる部分もあるが、武藤や柴崎、豊田を送り出した狙いはわかる。また、グループリーグの最終戦から準々決勝までが中2日という日程だったため、最終戦にフルメンバーで臨んだことを疑問視する人もいたが、勝ち抜けが決まっていない状況を考えれば、致し方ない。控え組で臨んで後手を踏むより、主力でしっかりと試合を終わらせるべきだったと思う。むしろ、早い時間帯に勝負を決められなかったことが痛かった。決められていれば、その後の起用法も変わってきただろう。
▽最終的に準々決勝敗退という残念な結果に終わってしまったが、個人的には優勝した4年前のチームよりも可能性を感じたし、チームとしても間違った方向には進んでいないと思う。悔しい結果であり、楽観などできないが、悲観するほどでもない。それが、今回の印象だ。今後は、悔しい思いをした選手たちと、成熟しつつあるチームを活性化させる若手のさらなる成長に期待したい。おそらく、3月の2試合(チュニジア戦、ウズベキスタン戦)では新戦力の発掘にも着手するだろう。そこでは、柴崎や武藤に続く、ニューフェイスの出現にも期待したい。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》
|
関連ニュース