霜田技術委員長「これから先は将来を考えた選手選考が始まる」《アジアカップ2015》
2015.01.24 10:23 Sat
▽日本代表は23日に行われたアジアカップ2015準々決勝でUAE代表にPK戦で敗れ、ベスト8での敗退が決まった。24日朝、日本サッカー協会(JFA)の霜田技術委員長が、シドニー空港で取材に応じ、今大会を振り返った。霜田技術委員長のコメントは以下の通り。
◆霜田正浩 技術委員長
――試合の感想を
「感想は非常に残念。あれだけ圧倒して、日本の良いところをたくさん出して、試合の内容としてはとても良かった。国際マッチでは信じられないほどのシュート数を放った。だが、あれだけシュートを撃って1点しか入らなかったというのが課題。PK戦で負けて次のステージに進めないというのは非常に残念だし、日本や現地で応援してくれたサポーターに非常に申し訳なく思っている」
――なぜあれだけ圧倒して1点しか取れなかったのか
「明確な答えはないと思う。ホンジュラス戦のように6点も取れる試合もあれば、シュートを20本以上も撃って1点しか取れない試合もある。もちろん、(ゴールを奪う)確率を上げていくことが大事だと思うし、チャンスの数を増やすということをこれまでやってきた。そういう意味ではチャンスをあれだけつくれた。それを考えるとポジティブに考えなければならないと思うが、その確率をどれだけ上げていくか。相手は3本のシュートで1点を奪っているので、得点を奪う確率を上げていくのが日本の次のステップだと思っている」
――4戦連続で先発メンバーが一緒だったが
「監督とは話をしている。連戦になってくるので、もちろん選手のやりくりは大事になってくると思っていたが、勝っているチームをいじらないというセオリーを、今回はある程度のところまで踏襲しながらチームのベース作りをしようという話をしていた」
「疲れは相手もあるし、スケジュールの日程や相手よりも休みが少ないだとか、そういうことを監督は一切言い訳にしてこないと最初から話していた。1位で通過した場合は、こういうスケジュールになるというのは分かっていたので、そのつもりで準備をしてきた。もちろん、選手は疲れていたが、それを言い訳にしていない。それは敗因の原因に挙げたくない」
――大事な試合で勝ちきるというのは全世代の代表のテーマだったが、相手の対策やPKへのアプローチでもう少しやれたことはあるか
「U-19代表の北朝鮮戦と同じような、120分間を圧倒的に攻めて相手は守りを固めてきた。それで負けてしまうのは日本全体の課題だと思う。それをなんとかする魔法のレシピはないので、1つずつ地道にトレーニングを積み重ねていく必要がある。また、スカウティングやPKの対策は現場が非常によくやっているので、それでも勝てないときがあると思っている」
――アギーレ監督のチームづくりについて
「9月、10月、11月の3回の国際親善試合と、この1月のアジアカップと監督が就任してから非常に短い期間でこれだけチームを作ってくれたことは非常に評価している。初めて日本に来て、9月、10月はJリーグの選手を色々テストしながら、11月ぐらいからチームを固め始めた。ここ1カ月の長期のキャンプでは練習やミーティング、選手への働きかけなどを考えれば非常に良いチームをつくってくれたなと思う。監督としての力量は素晴らしいなと感じた。結果と内容が伴えば100点満点のチームだったが、結果だけ少し足りなかったかなと」
――今大会を踏まえての世代交代はあるのか
「ロシア・ワールドカップまで考えて、我々はここまでが第1クールだと思っていた。これまでは年齢に関係なく、調子の良い選手、実力のある選手を招集しながらチームづくりをしようと考えてきた。これから先は将来を考えた選手選考が始まると思う」
――アギーレ監督の八百長問題があったなかで選手に影響はあったか
「それがあったからPK戦で負けたとは思っていない。全く影響はなかったかは選手の心の底に聞かなければわからないが、少なくともチームの中でそういった雰囲気はなかった。全く影響はなかったと私たちは思っている」
――八百長問題があったからこそ良いサッカーを見せなければという思いはあったのか
「いえ、新しい監督が来て、新しいチームになって、これから日本代表はどういう戦いをしていくのかというなかにあったわけだから、こういった問題があるないに関わらず、監督がどういったサッカーをするのか、戦術はどうなのか、といったことを確認していった半年間なので、選手はピッチの中で前向きに取り組んでくれたと思っている」
――アジアで勝つことの難しさを今まで以上に自覚しているか
「そうですね。UAEが予選リーグであれだけテクニカルな試合をしてきたにも関わらず、日本戦では守備的な戦いを選択した。そういった意味を踏まえて一発勝負では何が起こるか分からないし、それを勝ちきるのが本当に実力を持ったチームだと思う。なので、日本は全てのカテゴリーを含めて、驕る気持ちをなくして、1つずつ目の前の試合に勝たなければいけないなと」
――大会を終えて収穫はあったか
「あったと思う。選手たちもアギーレ監督のやりたいサッカーを分かったと思うし、課題は選手自身がよく分かっている。選手たちは所属クラブで結果を残して、また代表に呼ばれて新しいチームでプレーして欲しいと思っている」
――コンフェデレーションズカップに出られないなど失ったものもある
「確かにコンフェデには出られないが、優勝して出場するに越したことはなかったが、本当に大事なのはこれから始まるワールドカップ予選。そういった意味ではアジアの国がどういう戦いをしてくるのか、どういった選手がいるかなどはこの大会でデータが取れると思っていた。なので、もちろん、この敗戦には納得していないし、悔しい結果ではあるが、それだけではなく収穫もあったと思っている」
――アギーレ監督のこれからのスケジュールは
「この後は一回日本に帰ってからスペインに戻る予定。フライトなどの詳細は調整しているところ」
――負傷した長友について
「24日の午前中に病院で検査ができるかは調整している。(もも裏の負傷か? )そうです」
――岡崎も負傷の情報があるが
「試合前に打撲があって試合には間に合ったが、ふくらはぎに張りがあるということが分かった」
――解決していない課題は決定力以外にあるか
「昨日の試合でも立ち上がりに失点してしまって、振り返ると非常にもったいなかった。ああいった集中力の切れた、あるいはワンチャンスしかないようなチャンスを決められてしまうようなことを少しずつなくしていかないといけない。それは選手たちも十分に分かっていると思うし、監督も試合前に話していた」
――柴崎といった若手の活躍もあったが
「4年前の大会で吉田も22歳で実質的な代表デビューした。そういった意味でも若い選手がこういった大会を経験して、代表の主力となってくれればと思う」
――これからも若い選手を代表に招集していくのか
「そういった話を監督とこれからしていく。もちろん、サッカー選手は年齢ではないと監督は大会前から言っていて、これからもその考えを変えないと思うが、より先を見据えたチーム編成をしなければならないという話はしている」
――3月の代表戦ではチームが大きく変わる可能性があるのか
「そこまで詳しい話はまだしていないが、1つの区切りがついたので、次のワールドカップ予選に向けて選手の発掘はしていく」
――今大会でアジアのサッカーの変化を感じたか
「中東もヨーロッパの監督を呼んで簡単に蹴らない、モダンなサッカーをしてきているなと。ただ、勝負強さというか、あまりチャンスがない中でゴールを決められる選手がどの国にも1人はいる。どの国も他から色々なサッカーを取り入れて成長しているので、日本も歩みを止めてはならないと感じている」
――長友が負傷してフォーメーションを変えた監督の采配について
「長友が動けていなかったなかで彼を外して10人で戦うという選択もあった。しかし、長友を真ん中におけば相手もマークに付かざるをえなくなるし、簡単に数的不利になるのではなくて、与えられた状況の中でどうやって勝利を得るかと考えて最善の策をしたと思っている」
――香川の大会を通してのパフォーマンスや今後の課題は
「監督も色々な話をしているし、やはり香川は代表で活躍してくれなければいけない選手。香川には活躍してもらいたいし、1日でも早くトップパフォーマンスを見せてくれることを望んでいる。クラブで試合に出ていないのでまだトップパフォーマンスではない。とはいえ、香川だけでなく、これからも代表で活躍していく選手が出てこなければならない。今後も香川や本田にいつまでも頼ってばかりの代表ではいけないので。香川の代わりに自分がやってやるというような選手が出てくれることも望んでいる」
――ベスト8はワールドカップに出場してから一番低い成績だが、結果をどう受け止めているか
「結果に関しては重く受け止めなければならないと思っている。代表チームは結果が全てという面もあるので。結果をしっかり出すことと、結果に至るプロセスをしっかり評価するととう両面をやらなければならないと思っている。そして、結果にウエイトが置かれる状況はこれからになってくる。まだこの時期は、もちろん結果は重く受け止めているが、そこに至るプロセスや監督の指導法やチームの雰囲気、進むべき方向性を今は重視して、前向きに捉えていきたい」
――八百長問題など外部の問題を含め、監督には結果を残してほしいと個人的に思っていたか
「それはもちろん。外の問題は私たちの力ではどうにもならないが、ピッチの中では本当に良い仕事をしてくれた。アギーレ監督に来てもらって私は本当に良かったなと心からそう思っている」
――この成績を受けて監督が責任を取るのかどうか
「就任してからまだ時間が短いし、まだ1つのステップを進んだだけなので、この大会結果は重く受け止めているが、この大会でどうするかはまだ考えていない」
◆霜田正浩 技術委員長
「感想は非常に残念。あれだけ圧倒して、日本の良いところをたくさん出して、試合の内容としてはとても良かった。国際マッチでは信じられないほどのシュート数を放った。だが、あれだけシュートを撃って1点しか入らなかったというのが課題。PK戦で負けて次のステージに進めないというのは非常に残念だし、日本や現地で応援してくれたサポーターに非常に申し訳なく思っている」
――なぜあれだけ圧倒して1点しか取れなかったのか
「明確な答えはないと思う。ホンジュラス戦のように6点も取れる試合もあれば、シュートを20本以上も撃って1点しか取れない試合もある。もちろん、(ゴールを奪う)確率を上げていくことが大事だと思うし、チャンスの数を増やすということをこれまでやってきた。そういう意味ではチャンスをあれだけつくれた。それを考えるとポジティブに考えなければならないと思うが、その確率をどれだけ上げていくか。相手は3本のシュートで1点を奪っているので、得点を奪う確率を上げていくのが日本の次のステップだと思っている」
――4戦連続で先発メンバーが一緒だったが
「監督とは話をしている。連戦になってくるので、もちろん選手のやりくりは大事になってくると思っていたが、勝っているチームをいじらないというセオリーを、今回はある程度のところまで踏襲しながらチームのベース作りをしようという話をしていた」
――選手の疲労が1つの敗因と考えているか
「疲れは相手もあるし、スケジュールの日程や相手よりも休みが少ないだとか、そういうことを監督は一切言い訳にしてこないと最初から話していた。1位で通過した場合は、こういうスケジュールになるというのは分かっていたので、そのつもりで準備をしてきた。もちろん、選手は疲れていたが、それを言い訳にしていない。それは敗因の原因に挙げたくない」
――大事な試合で勝ちきるというのは全世代の代表のテーマだったが、相手の対策やPKへのアプローチでもう少しやれたことはあるか
「U-19代表の北朝鮮戦と同じような、120分間を圧倒的に攻めて相手は守りを固めてきた。それで負けてしまうのは日本全体の課題だと思う。それをなんとかする魔法のレシピはないので、1つずつ地道にトレーニングを積み重ねていく必要がある。また、スカウティングやPKの対策は現場が非常によくやっているので、それでも勝てないときがあると思っている」
――アギーレ監督のチームづくりについて
「9月、10月、11月の3回の国際親善試合と、この1月のアジアカップと監督が就任してから非常に短い期間でこれだけチームを作ってくれたことは非常に評価している。初めて日本に来て、9月、10月はJリーグの選手を色々テストしながら、11月ぐらいからチームを固め始めた。ここ1カ月の長期のキャンプでは練習やミーティング、選手への働きかけなどを考えれば非常に良いチームをつくってくれたなと思う。監督としての力量は素晴らしいなと感じた。結果と内容が伴えば100点満点のチームだったが、結果だけ少し足りなかったかなと」
――今大会を踏まえての世代交代はあるのか
「ロシア・ワールドカップまで考えて、我々はここまでが第1クールだと思っていた。これまでは年齢に関係なく、調子の良い選手、実力のある選手を招集しながらチームづくりをしようと考えてきた。これから先は将来を考えた選手選考が始まると思う」
――アギーレ監督の八百長問題があったなかで選手に影響はあったか
「それがあったからPK戦で負けたとは思っていない。全く影響はなかったかは選手の心の底に聞かなければわからないが、少なくともチームの中でそういった雰囲気はなかった。全く影響はなかったと私たちは思っている」
――八百長問題があったからこそ良いサッカーを見せなければという思いはあったのか
「いえ、新しい監督が来て、新しいチームになって、これから日本代表はどういう戦いをしていくのかというなかにあったわけだから、こういった問題があるないに関わらず、監督がどういったサッカーをするのか、戦術はどうなのか、といったことを確認していった半年間なので、選手はピッチの中で前向きに取り組んでくれたと思っている」
――アジアで勝つことの難しさを今まで以上に自覚しているか
「そうですね。UAEが予選リーグであれだけテクニカルな試合をしてきたにも関わらず、日本戦では守備的な戦いを選択した。そういった意味を踏まえて一発勝負では何が起こるか分からないし、それを勝ちきるのが本当に実力を持ったチームだと思う。なので、日本は全てのカテゴリーを含めて、驕る気持ちをなくして、1つずつ目の前の試合に勝たなければいけないなと」
――大会を終えて収穫はあったか
「あったと思う。選手たちもアギーレ監督のやりたいサッカーを分かったと思うし、課題は選手自身がよく分かっている。選手たちは所属クラブで結果を残して、また代表に呼ばれて新しいチームでプレーして欲しいと思っている」
――コンフェデレーションズカップに出られないなど失ったものもある
「確かにコンフェデには出られないが、優勝して出場するに越したことはなかったが、本当に大事なのはこれから始まるワールドカップ予選。そういった意味ではアジアの国がどういう戦いをしてくるのか、どういった選手がいるかなどはこの大会でデータが取れると思っていた。なので、もちろん、この敗戦には納得していないし、悔しい結果ではあるが、それだけではなく収穫もあったと思っている」
――アギーレ監督のこれからのスケジュールは
「この後は一回日本に帰ってからスペインに戻る予定。フライトなどの詳細は調整しているところ」
――負傷した長友について
「24日の午前中に病院で検査ができるかは調整している。(もも裏の負傷か? )そうです」
――岡崎も負傷の情報があるが
「試合前に打撲があって試合には間に合ったが、ふくらはぎに張りがあるということが分かった」
――解決していない課題は決定力以外にあるか
「昨日の試合でも立ち上がりに失点してしまって、振り返ると非常にもったいなかった。ああいった集中力の切れた、あるいはワンチャンスしかないようなチャンスを決められてしまうようなことを少しずつなくしていかないといけない。それは選手たちも十分に分かっていると思うし、監督も試合前に話していた」
――柴崎といった若手の活躍もあったが
「4年前の大会で吉田も22歳で実質的な代表デビューした。そういった意味でも若い選手がこういった大会を経験して、代表の主力となってくれればと思う」
――これからも若い選手を代表に招集していくのか
「そういった話を監督とこれからしていく。もちろん、サッカー選手は年齢ではないと監督は大会前から言っていて、これからもその考えを変えないと思うが、より先を見据えたチーム編成をしなければならないという話はしている」
――3月の代表戦ではチームが大きく変わる可能性があるのか
「そこまで詳しい話はまだしていないが、1つの区切りがついたので、次のワールドカップ予選に向けて選手の発掘はしていく」
――今大会でアジアのサッカーの変化を感じたか
「中東もヨーロッパの監督を呼んで簡単に蹴らない、モダンなサッカーをしてきているなと。ただ、勝負強さというか、あまりチャンスがない中でゴールを決められる選手がどの国にも1人はいる。どの国も他から色々なサッカーを取り入れて成長しているので、日本も歩みを止めてはならないと感じている」
――長友が負傷してフォーメーションを変えた監督の采配について
「長友が動けていなかったなかで彼を外して10人で戦うという選択もあった。しかし、長友を真ん中におけば相手もマークに付かざるをえなくなるし、簡単に数的不利になるのではなくて、与えられた状況の中でどうやって勝利を得るかと考えて最善の策をしたと思っている」
――香川の大会を通してのパフォーマンスや今後の課題は
「監督も色々な話をしているし、やはり香川は代表で活躍してくれなければいけない選手。香川には活躍してもらいたいし、1日でも早くトップパフォーマンスを見せてくれることを望んでいる。クラブで試合に出ていないのでまだトップパフォーマンスではない。とはいえ、香川だけでなく、これからも代表で活躍していく選手が出てこなければならない。今後も香川や本田にいつまでも頼ってばかりの代表ではいけないので。香川の代わりに自分がやってやるというような選手が出てくれることも望んでいる」
――ベスト8はワールドカップに出場してから一番低い成績だが、結果をどう受け止めているか
「結果に関しては重く受け止めなければならないと思っている。代表チームは結果が全てという面もあるので。結果をしっかり出すことと、結果に至るプロセスをしっかり評価するととう両面をやらなければならないと思っている。そして、結果にウエイトが置かれる状況はこれからになってくる。まだこの時期は、もちろん結果は重く受け止めているが、そこに至るプロセスや監督の指導法やチームの雰囲気、進むべき方向性を今は重視して、前向きに捉えていきたい」
――八百長問題など外部の問題を含め、監督には結果を残してほしいと個人的に思っていたか
「それはもちろん。外の問題は私たちの力ではどうにもならないが、ピッチの中では本当に良い仕事をしてくれた。アギーレ監督に来てもらって私は本当に良かったなと心からそう思っている」
――この成績を受けて監督が責任を取るのかどうか
「就任してからまだ時間が短いし、まだ1つのステップを進んだだけなので、この大会結果は重く受け止めているが、この大会でどうするかはまだ考えていない」
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