【連載】豪蹴ハングオーバー~“希望の国”オーストラリアでアジアを体感~

2015.01.16 16:30 Fri
▽オーストラリアなのにアジアの冠がついた大会、アジアカップが、ユーラシア大陸以外で初めて開催された。フットボールの新たな歴史を刻むイベントといっていい。オーストラリアは、これまでのアウェイのアジアカップとは違って、ピッチコンディションも優れており、インフラも申し分ない。心配された気候も意外と穏やかで、前回のカタールと比べると、すべての面で、心地良い違和感に襲われる。

▽日本vsパレスチナ戦が行われたニューキャッスルのスタジアムは、平日の夕方にもかかわらずほぼ満員、優勝候補「日本」のブランド力を感じさせた。相手はチャレンジカップを勝ち上がってきた新参者のパレスチナである。


[遠藤のミドルシュートで先制]


[先制点を喜ぶ遠藤と酒井]


▽守備を固めるパレスチナはなかなかボールを前に運べず、時折日本のゴール前まで迫ると、スタンドの一角が湧いた。パレスチナの人々である。中東のスタンドとは違って、家族単位で移住した人達が多いせいか、生まれたばかりの赤ちゃんも含めて家族連れの姿が目立った。

[パレスチナの親子]


▽パレスチナの人々にとって最大の財産、資産はなにか。今日まで生きてきた彼らの跡を継ぐものにこそ、その資格がある。すなわち子供たちである。

▽試合は4-0、日本の完勝だった。経験値の差がもろに出たが、彼らの強みは、これ以上失うものがないことだろう。サッカーは勝敗に関係なく、喪失感と向き合わなければならない人々にも、「何かを」与えてくれる。


[パレスチナの少女]


※この連載はアジアカップコーナーからもご覧いただけます。

プロフィール
【六川則夫】(ろくかわのりお)1951年、東京生まれ。40年近くピッチレベルでサッカーを撮り続けてきている重鎮フォトグラファー。[蹴る、観る、撮る]の順序でサッカーを愛し、現在も取材の合間にボールを蹴るという根っからのサッカーボーイでもある。

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