日本代表、豪州での練習試合に勝利も、反省が口をつく香川

2015.01.04 23:20 Sun
アジアカップに臨む日本代表は4日、オーストラリアの合宿地で練習試合を行った。前日にオーストラリアに到着したばかりだが、オークランド・シティ(ニュージーランド)を相手にしっかり汗を流した。

日本代表の2015年が静かに、だが着実にスタートした。今年“初戦”のメンバーは以下のとおり。

GK
川島永嗣
DF
酒井高徳
塩谷司
森重真人
長友佑都

MF
長谷部誠
遠藤保仁
香川真司
FW
本田圭佑
岡崎慎司
乾貴士

中盤から前は、乾から武藤嘉紀への変更以外は昨年11月のジャマイカ戦・オーストラリア戦と同じメンバー。ハビエル・アギーレ監督の構想が固まってきているのが分かる選手起用だった。システムは4-3-3で、攻撃の時は長谷部が守備ラインまで下がり、両サイドを上げて3-4-3になる。日本は1試合を通じてこのシステムで戦った。

対するオークランド・シティも4-3-3で、岩田卓也が左サイドバックに入る。クラブ・ワールドカップで3位に入る健闘を見せたチームを、日本代表は自陣に釘付けにした。

活躍したのは両サイドバックだった。2分、酒井がクロスをゴール前の香川に送ると、6分、10分と長友が本田、岡崎を狙ってクロスを上げる。そんなクロスが別の形で実ったのは33分。長友のクロスがはね返されたものの、これを遠藤がボレーで狙うと相手選手に当たってラッキーな先制点が生まれた。

香川は左MFとしてスタートしたものの、遠藤と頻繁にポジションチェンジをして右に現れ、本田とは息の合ったプレーを見せた。17分、本田とのパス交換から本田にロブのパスを送るがわずかに合わない。34分、今度はカットインした本田が香川の足下に素晴らしいラストパスを送り決定機となるが、シュートは左に外れた。

25分を過ぎるとオークランド・シティもパスを回し始めるが、日本は門をしっかり閉じて反撃を許さない。前半を終わってオークランド・シティのシュート数は0。日本は国内合宿中にトレーニングしていた「長く」「速い」「縦パス」がビシビシと決まったものの、フィニッシュに精度を欠いた。

両チームとも同じメンバーでスタートした後半、日本の動きは次第に落ち始める。すると60分、アギーレ監督は遠藤に代えて今野泰幸、香川に代えて清武弘嗣、乾に代えて武藤を投入する。

この3人が試合に再び活力を吹き込んだ。63分、今野のクロスを本田がヘディングで狙ったが相手GKの美技に防がれた。すると64分、今度は武藤が酒井からのパスに振り向きシュート。これはわずかにゴール左に外れた。

さらに89分、それまで何度も狙いながらタイミングが合っていなかった清武のスルーパスが右サイドから岡崎に通り、追加点が生まれる。そしてこのまま試合はタイムアップ。2-0で日本が無事勝利を飾った。

国内合宿でトレーニングしていた内容が出ていたのではないかと聞かれたアギーレ監督は上機嫌。「2点目は練習の中でやっていたプレーです。メディアの人にいつも練習を見てもらいたいのですが、私が怒る時は非公開にしています」と冗談も飛び出した。

ただし、フィニッシュが物足りなかったのではないかと聞かれると、素直にその点は認めた。

「そのとおりです。相手の良いセービングもありましたが、ペナルティーエリアの中で4対1になっているのに相手にパスしてしまう場面もありました。フィニッシュの精度を上げるのはサッカーで最も難しいところです。ですが、たくさんの選手がいろいろなリーグで多くのゴールを取っていますから得点力はあると思っています。なので心配はしていません。パレスチナ戦に今日の(試合で挙げるべきだった)ゴールを取っておいてくれればと思っています」また、守備では危ない場面もあった。76分、前がかりになったところを逆サイドにつながれ、GKを除くと1対2というシーンがあったのだ。

「90分で1回というのは悪くない数字です。相手はずっと優勝しているチームなので、そのチームを相手に1回だけというのは、守備は良かったと思っています」。

アギーレ監督はそう言ったが、それはメディア向けの発言のようだ。後半にベンチの中で立ち上がっていたことを聞かれると、「オコッテマシタ」と日本語で答えていたからだ。

相手がクラブチームであったことを考えると、手放しでは喜べない。だが、それでも監督の狙いはチームに浸透していることを示す内容であったし、雪が降っていた日本から気温29.5度、湿度65%という気候の地に来てすぐのゲームだったことを考えると、チームとして悲観することはなさそうだ。

ただし、気になる選手が数人いる。ミックスゾーンを無言で通り過ぎた乾は、うまく機能しなかった。香川とのコンビネーションは絶妙だったが、いかんせん2人が絡む時間が少なく、局面が狭かった。その香川も実力を見せたとは言いがたい。

「最初のシュートは力が入ってしまいました。(本田からのパスは)まだ距離感であったりシステムの順応というのに対してはまだ時間がなくて、スペースもなくて苦労しました。あのポジションでは距離が長いけれど、走り込んでいかないと…。結果を求めながら向上していかなければいけないと思います」

「今日見えたいい点は…、守備の中でどうやって相手をはめるのかというので手応えがありました。攻撃の中では、最後の精度が合わなかったですが、チャンスはつくりました。もっとシュートへの意識や精度にこだわっていきたいと思います」良かった点を聞いても、最後は反省になってしまうところは、やはり後悔の残る試合だったということだろう。

明日、日本代表は非公開で変則の練習試合を行い、あとはトレーニングのみでパレスチナ戦を迎える。この試合が非公開になったのは、日本サッカー協会の関係者によれば、アジア・サッカー連盟が公開で練習試合を行える期間を4日までにすることを定めており、公開したいと相談したものの、許可されなかったからとのこと。予定では4日の出場時間がなかったり少なかったりした選手が汗を流すようだ。日本代表は悪くない試合をしたが、この試合に出られなかった選手たちの悔しそうな顔が、明日、レギュラーと目される選手たちに大きな刺激を与えることになるだろう。

取材・文/森雅史
提供:goal.com

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