【全文掲載】アギーレ監督は潔白を主張「試合に勝つための唯一の方法は努力」

2014.12.27 19:21 Sat
日本代表のハビエル・アギーレ監督が27日(土)、JFAハウスで行われた記者会見に出席し、スペインの検察当局から告発を受けている八百長疑惑に関して自らの口で現状を説明した。無数のフラッシュが光るなか、会見場に姿を見せたアギーレ監督は「本日まで発言がなかったのは、正式なものが何もなかったから」と前置きし、「この度、訴状が提出されたということで私の意見を言いたい」と続けた。

▽一部で報じられている入金の事実などに関しては、「スペインの弁護士から司法当局だけに話すように言われている」と述べ、明言を避けたが、会見の中で「プロサッカーに携わってからの39年でやましいものは何もない」と繰り返し主張。引き続き代表チームの指揮をとることに問題はないとの見解を示した。アギーレ監督のコメントは以下の通り

◆ハビエル・アギーレ監督
「本日まで発言がなかったのは正式なものが何もなかったから。この度、訴状が提出されたということで私の意見を言いたい。私の弁護士から聞いたが、スペイン、ヨーロッパの大会などで450試合の指揮を執ったが、そのうちの1試合が調査の対象になっていると聞いた」
「その調査を受けている試合に関わった36人と、サラゴサのために戦った5人、そしてサラゴサのチーム事態が対象になっており、捜査は1月になってからだと聞いている。そこで41人が証言をする。この証言が終わったところで、裁判官が裁判を行うか否かを決定する」

「本格的な調査、捜査は1月に入ってからになり、どのくらいの期間になるのかは誰にもわからない。その調査が終わったところで終わるのか、裁判に発展するのかも誰にもわからない」
「私はスペインサッカーの正直さ、クリーンな部分を信じたい。12年間、スペインのサッカー界にいたが、倫理やプロフェッショナリズムに反することを、私は認知していない。試合に勝つための唯一の方法は努力。私は何もプレゼントされていないし、それを望んでもいない」

「私はスペイン当局に協力し、最後まで見守りたいと思っている。私は、私に対するサポートを表明してくれた選手や協会幹部、友人、家族に感謝したい。そして、サポーターの方々には、落ち着いてほしいと伝えたい。アジアカップの連覇には、サポーターの力が必要だと思っている」

「私は、日本がアジアカップを連覇できるように集中して準備をしていくだけだと思っている。この後の質疑応答では、質問によっては答えられないものがあることを理解してほしい。スペインの弁護士のアドバイスにより、裁判のときにだけ話すように言われていることもある」

――スペインでの報道では口座に金銭が振り込まれたと言われているが、自身で口座の確認をしたのか?
「それは司法当局に対して話したいと思う。ご理解いただきたい。私が司法当局に話をすれば、それがメディアを通じて皆さんにも伝わると思うで、お待ちいただきたい。(サポーターはクリーンであると信じてよろしいのですね?)もちろん。私はプロサッカーに関わって39年になる。そのキャリアの中に汚点は全くない。それは信じて欲しい」

――アジアカップ中に調査・捜査の要請を受けた場合はどうするのか?
「弁護士の話では、仕事に影響しないところで協力する形になると聞いている。アジアカップで優勝するための事以外に、1分たりとも時間を割くつもりはない。この会見が終われば、100%アジアカップのことに集中する」

――アジアカップ後の影響や、選手たちに及ぼす影響について
「選手たちに伝えることは、私が先ほど発言したことと全く同じ。私は落ち着いているし、私の長いキャリアの中で、スペインのサッカーはクリーンであると確信している。私は監督なので、現場での仕事に集中している。私の発言を裏付けるには、私の39年間というキャリアを調査してもらいたい。今後、証言を求められることになるだろうが、あらゆる形で証言できる。それは何も問題ない。100%断言できる」

――次のワールドカップまで指揮を執れる自信はあるか
「もちろん。この問題によって、私の監督に関する仕事に影響したり、睡眠時間がけずられることはない。私も1カ月ほど前にメディアを通して今回の件を知った。繰り返しになるが、私は39年間、毎週末戦い続け、その数は1000試合以上になる。だから私は落ち着いている」

「こういった状況は私も経験したことがないが、私が関わった試合が対象となったので、今のような状況になっている。それに関する質問には(司法当局に)答えていきたいと思っているが、今は日本のことに集中したい。まずは日本のことに注力して、アジアカップ、そのあとのワールドカップ予選を戦いたいと思っている」

「自分の仕事にも、選手にも、サポーターにも、協会にも満足している。良い環境で仕事をやらせてもらっているので、全てを日本代表のために注入したい」

――捜査の状況によっては身を引く事態も起こり得ると思うが、そういったことも考えているか
「それは想定の話なので答えることはできない。39年間、仕事を辞任したことは一度もない。繰り返しになるが、私は落ち着いている」

――疑いの段階で日本代表に良くない影響を与えていると思うか
「そういったことはないと思っている。(八百長疑惑から)これまでに443試合を戦っているし、キャリアを通しても1000試合以上を戦っている。その中の試合で、私が悪いことをしたと考える要素はない」

――告発後はどのように過ごされていたか
「15日から本日までは、協会の弁護士、スペインにいる私の弁護士と話をした。そして話の結果、落ち着いていていいと言われた。私自身も落ち着いていたし、私のキャリアを省みても問題ないと思っている。なので試合の映像を見たり、練習の準備をしていた」

――29日に行われる会長の選手への説明に求めるものはあるか
「大仁会長は会長として、選手やメディアに対して話をするのだろう。当然の権利であり、私もそのほうがいいと思っている。選手たちにも説明があったほうがいいだろう。これから調査があり、裁判があるかどうかはわからない。それまでは、自分の仕事に集中し、努力したい」

――手に入れた告発状には、8万5000ユーロが2度にわたって振り込まれたと記載されているが事実か
「申し訳ないが、弁護士のアドバイスによって答えられない。そういった詳細は司法当局に対して発言したい。ただ、司法当局に同じことを聞かれても落ち着いて答えられる。どういったことが起こったのかというのは、私の中ではっきりしている」

――JFAが後任をリストアップしているという状況について
「私は初耳なので答えることはできない。私は私として、アジアカップに向けて準備をしていくだけ」

――今回の問題がなぜ自身の身にふりかかったと思っているか
「私が指揮をとった450試合の1試合が今回の件であり、その現場に私がいたからだと思う。時間の経過と共にすべてがわかると思う。私も皆さんと同様に現在の状況に驚いている」

――問題になっているサラゴサの試合で覚えていることについて
「これまでの450試合と同じように勝ちにいった試合。勝つための準備を行って、勝つための交代を行った。非常に密度の高い試合で、相手GKが素晴らしいセービングを見せた。そして、こちらの得点も相手が止められない素晴らしいものだった。その後、押し込まれて危ない状況だったが、どちらも勝利を目指し、サラゴサのサポーターも1万2000人以上が駆けつけた。非常に素晴らしい試合だったと記憶している」

「非常に密度の高い試合。苦しんだが、最後に勝利をつかむことができた試合だった。私が就任してからは長い道のりだった。最下位のチームをそこまでもっていき、最後に残留を決めることができた」

――アジアカップ以降のことについてJFAと話をしているのか
「私の努力、力は、すべてをアジアカップに注力する。サッカー以外の部分では1分も無駄にしたくない。アジアカップが終了すれば新たな目標ができるので、そこへ向かっていきたい。私はメキシコのクラブ、メキシコ代表、スペインやアメリカのクラブでも、契約の途中で自らやめたことはない。私はプロフェッショナルだ。これまで関わってきたコーチや選手、クラブの幹部に話を聞けば、それはわかると思う。唯一の真実は日々の努力であり、それが試合に勝つための唯一の秘訣だ」

――しつこくて申し訳ないが、潔白の場合、振り込まれたが手をつけていない、会長に返した、振り込まれたことは知らない、色々な形があるが、これらの中に該当するものはあるか
「繰り返しになるが、それに関しては司法当局に答えたいと思う。私のことを知ってから3カ月なので、そういった質問が出てくると思う。ただ、わたしのことを30年前から知っていれば、そういう質問はしないと思う」

――日本で大騒動になっている現状について、また名誉毀損で訴えるつもりはあるか
「3シーズン前の試合が調査されているという状況。そこに関わった36選手と4人のクラブ関係者と私が疑われている。相手の監督は出場停止でいなかったので含まれていない。私のことを知っているアメリカやメキシコの人からは同じような質問をされていない。日本では私のことをあまり知られていないので、こういった会見を開き質問を受けることになったが、私は落ち着いている。あとは時間の経過とともに明らかになると思う。私は試合に関わっていたので、私の視点からどういったことが起こったのかを説明するだけで、それによって日本代表の仕事に影響することはない」

――日本のサポーターやスポンサーなどに対して申し訳ないという気持ちはあるか
「これが大騒動だとは思っていない。スペインでも、メキシコでも、アメリカでもスキャンダルになっていないが、日本ではこういった状況になっている。私にとってはクリアな状況。3シ-ズン前の1試合が調査の対象になっていて、そこに関わった人たちが捜査を受けるという状況だ。時間が経てば事実が明るみにでると思う。事を急ぎ、憶測で話をするのは良くないと思う。スポンサー、選手、サポーターには、一体となってアジアカップを戦おうと言いたい」

――真実がわかるまで時間がかかるが謹慎などは考えているか
「選手たちは試合で戦い続ける。そして、この試合に関わっている選手たちは今も戦っているし、このように責められていない。サラゴサの幹部も今まで通りの仕事を続けている。その試合のレフェリーも笛を吹いている。なぜ、彼らと同じように私も仕事を続けることができないのか? 」

「有罪が証明されるまでは無罪であり、仕事を続ける権利があると思う。例えば、この場で私の財布が無くなったとき、見つかるまで部屋から出るなとは言えない。皆さんにも仕事がある。財布がなくなったら探す必要はあるが、仕事は続けないといけない。この試合に出場した選手もチャンピオンズリーグで戦っている。それでいい。家に引きこもる必要はない。私も後悔することは何もないので、仕事を続けたいと思う」

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偉大なるキャプテン、眞城美春の2ゴールなどで日本が韓国に3発快勝! U-17女子W杯出場権を獲得【U-17女子アジアカップ】

16日、AFC U17女子アジアカップ2024の準決勝がインドネシアで行われ、U-17日本女子代表はU-17韓国女子代表と対戦し、3-0で勝利。U-17女子ワールドカップ(W杯)出場を決めた。 上位3カ国はドミニカ共和国で今年10月から11月にかけて行われるU17女子W杯の出場権を獲得できる今大会。グループステージを3連勝で終えた日本は、グループAで2位の韓国と対戦した。 日本は[4-2-3-1]のシステムを採用。GKに福田真央、最終ラインは右から福島望愛、太田美月、牧口優花、鈴木温子と並び、中盤は榊愛花と眞城美春がダブルボランチ、2列目が右から木下日菜子、辻あみる、根津里莉日と並び、1トップに古田麻子が入った。 キックオフから日本はそのまま攻め込み、辻が10秒でファーストシュート。ミドルシュートはGK正面に飛んだが、キャッチされる。3分には榊のパスを受けた辻がボックス内からシュート。これもセーブされる。 立ち上がりから日本がプレスをかけて前からボールを奪って攻めていく展開に。ポゼッションをしつつ、一気にゴールに迫る形を続けていくが、決定機は作れずに得点は遠い。 対する韓国はなかなかマイボールにできない展開に。それでもスペースをついた攻撃で日本ゴールを目指すが、大きなチャンスは作れない。 日本が攻め込む展開は変わらず。左右のサイドを使って崩していくがゴールは遠い。すると40分、左サイドから古田がクロスを入れると、ボックス内中央で辻がダイレクトで落とし、最後は根津がボックス内からコースを狙ってダイレクトシュート。これが決まり、日本がようやくゴールを奪う。 攻めあぐねた日本だったがリードして後半を迎えることに。日本はハーフタイムで交代を行わず、後半もペースを握って試合を進めていく。 韓国は積極的に選手交代を行い、52分の時点で4枚のカードを切ることに。それだけ日本が押し込んでいる展開となるが、追加点が遠い。 日本は60分に太田と辻を下げ、朝生珠実と平川陽菜を投入。流れを変えにいく。 しかし65分、韓国の自陣からのロングボールを日本が拾うも、バックパスが短くなると、狙っていたケイシー・フェアが奪い飛び出していたGK福田を交わしていくことに。福田はすぐに戻ると、ボックス内からのシュートを水口がブロック。こぼれ球をケイシー・フェア再びシュートもGK福田がセーブ。日本は最大のピンチを凌ぐこととなる。 すると68分に日本がついにスコアを動かす。榊が右サイドに大きく展開すると、ボックス右から福島がクロス。これを相手がクリアミスすると、ボックス内で拾った眞城が落ち着いて左足でシュート。これがネットを揺らし、待望の追加点を奪うことに成功する。 リードを広げた日本は71分に2枚替え。古田、根津を下げて、佐藤ももサロワンウエキと菊地花奈を起用する。 日本は菊地や佐藤を中心に攻め込んでいくと、88分にも追加点。敵陣でボールを奪うと、菊地がクロスこぼれ球を拾った眞城がボックス内でシュートもブロックされると、こぼれ球を木下がボックス内でシュート。これはGKがセーブするが、眞城がすぐに詰めてネットを揺らし、リードを3点とする。 日本は90分に今大会唯一出番がなかったGK永井愛理を福田に変えてピッチへ送ることに。これで、GK、FP全選手がピッチに立つこととなった。 最後までゲームをコントロールし続けた日本。4試合連続4得点以上とはならなかったが、クリーンシートでしっかりと勝利を収めた。 3-0で勝利した日本は、U-17女子W杯の出場権を獲得。決勝では、この後行われるU-17北朝鮮女子代表とU-17中国女子代表の勝者と対戦し5度目の優勝を懸けて戦う。一方の敗れた韓国は、3位決定戦に回ることとなった。 U-17日本女子代表 3-0 U-17韓国女子代表 【得点者】 1-0:40分 根津里莉日(日本) 2-0:68分 眞城美春(日本) 3-0:88分 眞城美春(日本) 【出場メンバー】 GK 21.福田真央(JFAアカデミー福島) →90分 1.永井愛理(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) DF 16.福島望愛(JFAアカデミー福島) 4.太田美月(大商学園高校) →60分 17.朝生珠実(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) 3.牧口優花(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) 6.鈴木温子(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) MF 5.榊愛花(JFAアカデミー福島) 14.眞城美春(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) 8.木下日菜子(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) 19.辻あみる(三菱重工浦和レッズレディースユース) →60分 22.平川陽菜(三菱重工浦和レッズレディースユース) 11.根津里莉日(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18) →71分 7.菊地花奈(マイナビ仙台レディースユース) FW 10.古田麻子(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) →71分 9.佐藤ももサロワンウエキ(大商学園高校) <span class="paragraph-title">【動画】キャプテン・眞城美春が勝利を近づける落ち着いたゴール!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="en" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/U17WAC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#U17WAC</a> | <a href="https://twitter.com/hashtag/JPNvKOR?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#JPNvKOR</a> <a href="https://t.co/lSHN7hfmQ5">pic.twitter.com/lSHN7hfmQ5</a></p>&mdash; #AsianCup2023 (@afcasiancup) <a href="https://twitter.com/afcasiancup/status/1791038962221683107?ref_src=twsrc%5Etfw">May 16, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.05.16 17:58 Thu

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