岡崎芸術ヒール弾「気持ちで押し込んだ」

2014.11.19 09:00 Wed
<国際親善試合:日本2-1オーストラリア>◇18日◇ヤンマー
FW岡崎慎司(28=マインツ)が技ありの国際Aマッチ通算40ゴール目を決めた。日本代表(FIFAランク52位)は、オーストラリア代表(同94位)を下した。後半16分、MF今野泰幸(31=G大阪)の得点で先制。同23分には岡崎が、森重のクロスを右足ヒールキックで流し込み、アギーレジャパン初ゴールを挙げた。アジア杯2連覇を狙う日本は来年1月の大会に向けて弾みをつけた。

いつもの岡崎とは、ひと味違った。後半23分、森重のドリブル突破に合わせて、狙ったのはニアサイド。一瞬の球際勝負が定番だが、上半身を前のめりにしながら右クロスの弾道に逆らわない。右足ヒールで軌道を変えて背後のゴール逆サイドへ流し込んだ。意表を突いた技あり弾に「気持ちで押し込んだという感じでは、自分らしかったかな」。気持ちとテクニックがかみ合い、地元・兵庫と隣り合わせの大阪で輝いた。

ゴールを届けたい人がいた。兵庫・滝川二時代の監督だった、台湾代表ユース育成統括の黒田和生氏(65)だ。高校3年間でプロ入りの基礎をつくりあげてくれた恩師は5月に胃がんを患った。周囲には伝えず帰国し、10月27日に胃を全摘出する大手術を受けたことを岡崎は後から知った。
「心配してます」。メールを送ると、快方に向かった恩師は2日前の16日に宿舎を訪ねてくれた。元気な姿に勇気づけられ、お返しとばかりにアギーレジャパン初ゴールを決めた。体調を考慮して自宅で見届けた黒田氏は「今まで見てきた選手の中で一番伸びた選手。サッカー選手としての成長を、彼の人間性が支えているんだと思う。彼はいつだって『まだまだ』と満足しない」と喜んだ。

後半32分に交代で退いた際、アギーレ監督から「ストライカーだな」と声を掛けられた。ブンデスリーガでは得点ランク1位タイと好調ながら、代表では今か今かとゴールの期待を受け起用され続けた。それだけに「報われたというより、これから。FWがみんな決めていたから」と、やはり満足はしない。
これで通算40得点。国内マッチでゴールを決めると14戦全勝で、アジアの覇権を争うオーストラリアを相手に必勝伝説は継続した。そして、日本代表の戦いの場は来年1月、オーストラリアへと移る。2連覇がかかるアジア杯に「ゴールの数よりそういう大会で存在感あるゴールを取れるか。この勢いでアジア杯をとれるように団結して戦っていきたい」。日本のストライカーが、14年の代表を締めくくった。【栗田成芳】

▼国際Aマッチ通算40ゴール
FW岡崎が18日のオーストラリア戦で達成。FW釜本、FWカズに次いで史上3人目。出場85試合目での到達となったが、歴代最多75得点の釜本は出場34試合目、55得点のカズは70試合目で、岡崎は最も遅い達成。ただ、到達時の年齢は釜本が28歳88日、カズが30歳102日で、28歳216日の岡崎は釜本には及ばなかったものの、カズを上回る年少到達記録。

提供:日刊スポーツ

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