アギーレ監督、復帰の香川&ハーフナー、八百長疑惑について言及《メンバー発表会見全文》

2014.10.01 19:54 Wed
▽JFA(日本サッカー協会)は1日、今月10日に行われるキリンチャレンジカップ2014のジャマイカ代表戦と同14日に行われる国際親善試合のブラジル代表戦に向けた日本代表メンバー23名を発表した。

▽今回、メンバー発表に際し行われた会見の中で、ハビエル・アギーレ監督は復帰した香川真司(ドルトムント/ドイツ)に対して「ハーフウェイラインより前ならどこでもできる」との見解を示し、[4-3-3]のフォーメーションの中盤で起用する方針を明かした。また、同じく久々に代表メンバーに加わったハーフナー・マイク(コルドバ/スペイン)、現在Jリーグで首位に立つ浦和について、そして話題となっている「スペインでの八百長疑惑」に関する質問に答えている。アギーレ監督のコメントは次の通りだ。

◆ハビエル・アギーレ監督(日本代表)
「まずは霜田さんと共に働けることを嬉しく思っている。サッカーをとても理解している人ですので、日本代表の成長に貢献してくれるだろう。今回の2試合では、1試合をホーム、もう1試合をアウェイで対戦する。ワールドカップの予選が始まれば、こういった状況を迎えることになるので、良いシミュレーションとなるだろう。また、この2試合では、Jリーグで活躍している新メンバーを見ることができる。このことから代表への門が常に開かれていることを理解できると思う」
「対戦相手のジャマイカについては、よく知っている。苦しい展開になることも予想できるが、サポーターの皆さんの後押しがあれば、勝利を目指して戦うことができると思う。その後、シンガポールに移動して、世界トップクラスの代表と対戦することになる。この試合も日本の成長に繋がるだろう。もちろん、楽な試合ではない。ブラジルは、新しい監督が就任してから、すでに2勝を挙げている。しかし、逆境を乗り越えるということを目指したい」

――今回復帰した香川選手に期待することは?
「香川は前回の試合でもリストアップした選手だ。不運なことに顔(鼻)を打撲し、合流できなかった。非常に能力が高く、アタッキングサードにおいて多くの解決策を持っている選手だ。欧州で長年プレーしていることもあり、守備面でも力をつけていると思う。私は彼を、オールラウンドな選手だと見ている。だから、彼が参加できることを嬉しく思っている」
――守備陣で新しい選手が4名(昌子、塩谷、太田、西)加わったが、その意図と期待することは?
「Jリーグの視察を続けているが、その中でもチームに大きく貢献をしている選手たちを選んだ。彼らは、チームの結果に関わらずパフォーマンスを維持している。若い選手たちも、経験を積んだ選手もいる。そして、メンバーリストを見れば分かるとおり、チームではレギュラーとしてプレーしている選手たちだ。Jリーグで見せているパフォーマンスを世界でも見せることができるのかということを中心に、この2試合を見ていきたい」

――香川選手がMFとして登録されているが、フォワードとして起用するのか、それともインサイドハーフとして起用するのか?
「彼はどちらでもプレーできる選手だ。[4-3-3]の場合は中盤で起用するつもりだ。ドルトムントの初期の頃やマンチェスター・ユナイテッドでも、そのポジションでプレーしてきた。彼はハーフウェイラインより前だったら、どのポジションでもこなせる選手だと認識しており、基本的には[4-3-3]の中盤の選手だと考えている」

――今回、ターゲットタイプのFWとしてハーフナー・マイク選手を招集したが、最近結果を残せていない彼を呼んだ理由と期待することは?
「彼はコルドバでシーズンをスタートさせた。直近のエスパニョール戦以外ではプレーしているし、過去の代表でもプレーしていたことは知っている。センターフォワードとしての彼を、このチームの中で見てみたいと思った。私は彼を信頼している」

――毎節、Jリーグを視察されていますが、首位・浦和からGK西川以外の選手を招集しないのか?
「レッズの試合は現地で2試合見た。そして、テレビでも8試合ほど観ている。視察の試合で見られなかった選手も映像で確認してきた。非常にパワフルで力強いチームだと思っている。(ミハイロ・ペドロヴィッチ)監督とも話をしたことがあるが、非常に良い監督だ。私は彼らに敬意を払っている。個人的に、レッズのプレースタイルや選手たちは好きだ。将来的には、より多くの浦和の選手を代表で見てみたい」

――前回に引き続いて招集した武藤選手と、新たに招集した小林選手に期待することは? また長谷部選手を招集しなかった理由は前回の会見で口にした「新しい血」というのが関係するのか?
「新しい血、それもある。昌子や武藤、小林は若い選手だ。そして彼らは良いシーズンを過ごしている。小林もゴールなどで良い印象を残してきたし、性格的にも良さそうに見えた。そのため、直に見てみたいと思った。ジャマイカ戦とブラジル戦という難しいチームが相手だが、そういった中で結果を残してもらいたい。長期的に見れば、ロシア・ワールドカップのアジア予選通過が目標だ。3年後の代表メンバーを想定しながら、彼らを招集している。そしてメンバーに入っていない選手について話すことは避けたい。メンバー外の選手の方が多いので、その1人1人の話しをすることはきりがない」

――F東京ではDF登録になっている森重選手を、MFとして登録している理由は? 森重選手をMFとして考えているのか?
「良い質問だと思う。非常に興味深い質問だ。森重はF東京では4バックのバックラインに入っている。そしてご存知の通り、F東京は失点の少ない良いディフェンスを見せてきた。我々も4バックを基本的に採用している。前回の2試合を思い出してもらいたいが、ボールを持ったときは[3-4-3]という状態に変化する。そのとき、森重の役割が非常に重要となってくるのだ。彼はポリバレントな選手で、センターバックとしても中盤の中央でもプレーできる選手だと思っている。ワールドカップでも彼を見たが、彼のフィジカルの強さと空中戦の強さを生かしたい。また、ボールを持ったときも質が高いと思っている。ただ、彼がセンターバックということは忘れていない」

――今回招集した23名の中で森重選手のライバルとなる存在は?
「細貝がチーム内でのライバルになるだろう。[4-3-3]の場合はそうなると思っている。しかし、[4-4-2]や[4-2-3-1]のフォーメーションを採用するときは、全員がライバルになるだろう」

――酒井高選手と長友選手はクラブで逆サイド(酒井高は左サイド、長友は右サイド)の位置で起用されているが、代表で起用する際、クラブに合わせるのか?
「確かに、酒井高徳はシュツットガルトにおいて、左サイドバックとして出場している。しかし、我々は右サイドで起用したいと考えている。そこでの可能性を見たいという思いが強い。酒井高徳は、森重と同じくポリバレントな選手で、どこのポジションでもできるという印象だ」

「また香川も複数のポジションをこなせる選手だと考えている。そういった選手がいることでオプション増える。ただ、長友と高徳はポジションを入れ替えても効果的なプレーができるだろう」

――スペインでアギーレ監督と八百長疑惑に関する報道がされているが、どのように考えているのか?
「私自身も記事を見て、今回の八百長疑惑について知った。試合は2年以上も前のことだ。私はスペインで400試合以上を率いてきた。今回の件に関して心配していることは何もない」

――今後、八百長疑惑に関する捜査において、協力の要請があった場合はどうするか?
「私自身は穏やかな気持ちで日本での仕事に従事しており、今回の状況を見守りたいと思っている」

――今回対戦するブラジルには昨年のコンフェデレーションズカップで大敗を喫したが、どのような戦い方を求めるつもりか?
「国外でプレーするということで、基本的にアウェイゲームという認識で戦っていきたい。もちろん、シンガポールには多くの日本人が住んでおり、その方々が応援に来ることは予想される。コンフェデレーションズカップでの試合を見たが、当時とは違った結果になることを望んでいる」

――先月とメンバーが入れ替わったが、アジアカップに向けて招集するメンバーを予め決めているのか、それともその都度、招集メンバーを選んでいるのか?
「これは日本代表だ。日本人の選抜だから、調子の良い選手たちを呼ばなくてはならない。もちろん、監督という立場に立っている人の好みによって、左右されることはあると思う。アジアカップのメンバーリストを作成するまでに4試合が残っている。できるだけ、多くの選手たちを見て、最終的にはベスト23と言える選手たちを連れていきたい。前回は呼ばれて、今回招集されなかった選手たちには、より一層の努力をして、代表に戻ってきてもらいたいと考えている」

――ベストな23名を招集したいと話してくれたが、得点ランキングの上位に位置する選手たちが呼ばれていないのは年齢のためか?
「今回、メンバーに入っていない選手を今後も呼ばないということはない。門は常に開いている。ただ、中に入れるのは23人だけだ。Jリーグでの活躍を常に見ているし、20人以上が欧州でもプレーしている。同じポジションに候補者が6人、7人いることは、多くのオプションがある状況だと考えている。呼べない選手が出てくるということは、とても喜ばしいことだ。このポジションには誰もいないという状況よりもずっと良いことだと思っている」

――「調子の良い選手」を招集したと話しているが、クラブでベンチ外が続いている田中順也選手を呼んだことは何を意図してか?
「とても重要な質問だ。欧州組を招集するのと、国内組を招集するのでは少し状況が異なる。欧州のクラブには、15日前にリストを送らなければならない。その15日の間にいろんなことが起こりえる。いずれにしても、前回の2試合において順也は非常に良いパフォーマンスを見せていたのは確かだ。そして、クラブでメンバーに入っていなかったとしても、彼にセカンドチャンスを与えることは重要だと考えている」

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