アギーレ流ズル賢さの定義とは…

2014.09.27 08:00 Sat
日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が日刊スポーツなどの取材に応じ、自身のポリシー、日本に足りないとされるずる賢さの持論を語った。チームづくりの根幹を「個の上にチームがある」とキッパリ。監督としてW杯に2回出場し、スペインクラブで計12年間指揮を執った闘将は「ピカルディア(スペイン語でずる賢さ)」について、フェアプレーに反するのではなく、勝つための状況を作り上げる判断力だと明言した。
アギーレ監督の哲学は明快だった。メキシコ代表監督時代にもエース格の選手を先発から外し、賛否両論を巻き起こしたが、日本に来ても自身の考えを曲げることはなかった。何度も繰り返す「90分戦う」チームを作るために。
アギーレ監督 まず代表にいることに誇りを感じないといけない。国のために戦う唯一無二の機会であることを認識しないといけない。そこで退屈そうにしていたり、落ち込んで敗者の姿勢を見せたり、チームに協力しない選手は、いくら有名でも私にとってはいらない選手だ。私の考えでは個の上にチームがある。
戦い、勝つ-。そのために必要なのがピカルディア(ずる賢さ)だ。ポルトガル語でマリーシアと同意の言葉で、長年日本には欠けているとされてきた。
アギーレ監督 ピカルディアは別に相手選手を削る(故意に蹴る)ことやケンカをすることではない。フェアプレーを否定するものではなく、フェアプレー、ルールの中でどのように状況をコントロールするかというもの。選手が勝つための状況を作り上げていくものだと思う。
指揮官は典型的な事例として、9月5日の日本-ウルグアイ戦でのFW本田圭佑(28)のFKを挙げた。
アギーレ監督 1年前(13年8月14日、宮城ス)のウルグアイ戦で本田はFKで得点している。今年9月のウルグアイ戦で本田がFKを蹴る際、ウルグアイの壁は(規則の)9・15メートルではなく、6・15メートルのところに立ち、ゴールを決めづらくしていた。
結果、この行為は反則を取られず、本田のFKは壁に直撃。得点にいたらなかった。規則に触れない範囲内で、勝利をたぐり寄せるためのわずかな駆け引き、正確な判断力と行動力。その全てがピカルディアだ。
前任のザッケローニ監督とは異なり、アギーレ監督は多彩なシステムを使い分ける。9月の親善試合2試合でもそうだった。
アギーレ監督 (基本形の)4-3-3は、攻撃の時は3-4-3になり、守備の時は4-1-4-1にもなる。9月の2試合では、この柔軟性のある4-3-3を選手に理解してもらうことが一番だった。ウルグアイ戦の後半途中から本田を前に上げて、岡崎と武藤をサイド、柿谷を中央に置き4-4-1-1になった。悪くなかったと思う。あとは精度を上げていく。そのためにアジア杯までの親善試合4試合がある。
18年W杯ロシア大会を見すえた「航海」が始まった。指揮官はこの4年間で日本に何を残したいのか。
アギーレ監督 友人だ。私はメキシコ、米国、スペインで仕事をしたが、友人が一番の財産。そして、サッカーのスタイルを残す、タイトルを残すことができれば一番良いことです。
そう言って笑みを浮かべたアギーレ監督の表情には、経験に裏打ちされた余裕が漂っていた。【菅家大輔】

提供:日刊スポーツ

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